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第8章~アウリスの大森林~
第61話 誘拐~あれ?そんなの予定にあったっけ?~
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「ありゃ?ここにもいない」
私が朝目覚めるとロレーヌと護衛隊の皆がいなくなっていた。もしかしてドッキリか何かかなとは思ってみたもののあの真面目なガルシアさんがそんなことをするとは考え難い。というわけで失礼ながら族長さんの家をくまなく探してみたのだが、見つからない。というか族長さんまで見当たらないというのはどういうことだ?
私は腕を組んで首を傾げながら考える。しかしながら考えたところでわからない。う~んどうしたものか。私がそう考えていると、護衛隊の副隊長であるアレックスさんが現われた。
「ルナちゃんこんなところにいたんだね。探したよ」
「探してたのはこっちの方ですよ。一体全体皆どうしたんですか?」
アレックスさんにそう訊くと、アレックスさんは私の顔のすぐ横まで近づいてきて耳打ちをする。
「姫様が攫われた」
「な!?」
ロレーヌが攫われただとう!?私が大声でそう言いかけるとアレックスさんは私の口に人差し指を当てて、私の発言を制した。
「シッ!静かに。一応族長に協力の要請はしているけど、これはまだ極秘事項なんだ」
私が首を縦に振って首肯で返すとアレックスさんは私の口に当てていた人差し指を離した。
「それで、ロレーヌが攫われたっていうのは本当なんですか?」
私がそう小声で訊くと、アレックスさんは静かに首肯で返して続ける。
「残念ながらね、一応交代で寝ずの番はんしていたんだけど。どうやら犯人は姫様の眠る寝室の窓から侵入したみたいなんだ。まったく、王国精鋭の護衛隊が聞いて呆れるよ」
そう自嘲するように言うアレックスさん。しかし、それだけでは疑問が残る。
「外から犯人が侵入してきたのはわかったんですけど、何も物音とかは聞こえなかったんですか?」
外からの侵入者であればロレーヌの悲鳴なり、物音なりが聞こえそうなものだが、
「そこらへんは犯人も用意周到でね、部屋の中で消音の魔法を使った痕跡が残されていたんだよ」
「魔法の痕跡なんて残るものなんですか?」
「私の言い方が悪かったね。犯人が使用したのは消音の魔法ではなく、消音の魔道具なんだ。それが姫様の眠っていた寝室に残されていたんだよ」
「そんなものそう簡単に手に入れられないんじゃないですか?
「ああ、少なくとも一般に流通しているものではないね」
「つまり……」
「犯人は容易周到な計画を練って姫様を攫ったと考えた方が良さそうだ」
「犯人の目星はついているのですか?」
「それはまだわからない。わからないが……」
アレックスさんが何かを言いづらそうにしている。その言い方だと犯人の目星は着いていると言っているようなものだ。
「言うが良い、犯人は我らエルフの可能性が高いとな」
私とアレックスさんが声のした方を向くと、そこにはエルフの族長さんと他の護衛隊の面々がいた。
「ガルシアさん、ロレーヌは見つかったんですか!?」
私がそう聞くとガルシアさんは瞑目して首を横に振る。
「いいや、まだ見つかってはいない……ただ」
「ただ?」
「姫様を攫った犯人が判明した」
「そうなんですか!!」
私は思わず身を乗り出してガルシアさんに訊く
「ああ、犯人はこの里に住むエルフの若者たちだ」
どうやら犯人はアレックスさんの予想通りエルフだということがわかったらしい。しかし、何故だ?何故エルフの若者たちがロレーヌを攫う必要がある?
「動機とかはわかっているのですか?」
「動機か……それはだな――」
「そこから先は儂が話そう」
そう言ってエルフの族長さんが一歩前に出て続ける。
「エルフの若者たちが儂の部屋に置手紙をしていてな、彼らの要求は姫の命と引き換えにアウリスの大森林を独立国家として認めること、だそうだ。言っておくが彼らの要求が儂らエルフ全体の意思ではないことはわかってもらいたい」
族長さんの言いたいことはわかる。ロレーヌの誘拐はあくまでエルフの若者たちが犯した罪であってエルフ全体が悪いわけではない。それはガルシアさんもわかっているようであった。
「それは当然でしょう。むしろ謎なのは彼ら動機です。非公式ではありますがエルフはアウリスの大森林を領地として認められている。それに何の不満があるのでしょう」
「おそらく、ではあるがその非公式という点が気に喰わなかったのかもしれぬ」
「王国の庇護下にあることが不満であると」
「うむ、彼らは忌まわしきエルフ狩りを知らぬ世代でもあるからの。で、あれば王国の庇護下にある意味を正しく理解していないのかもしれぬ」
「そうであれば彼らの動機にも納得できましょう。が、しかし、何人であれロレーヌ姫を――王族を害することは許されません」
「それはわかっておる。彼らは犯してはならぬ罪を犯した。それは同胞をも危険にさらす大罪じゃ。彼らの処断はガルシア殿にまかせるとしましょう」
「では、彼らの居場所について教えてもらえますね」
「ああ、彼らの居場所はアウリスの大森林の最奥、世界樹の麓じゃ」
私が朝目覚めるとロレーヌと護衛隊の皆がいなくなっていた。もしかしてドッキリか何かかなとは思ってみたもののあの真面目なガルシアさんがそんなことをするとは考え難い。というわけで失礼ながら族長さんの家をくまなく探してみたのだが、見つからない。というか族長さんまで見当たらないというのはどういうことだ?
私は腕を組んで首を傾げながら考える。しかしながら考えたところでわからない。う~んどうしたものか。私がそう考えていると、護衛隊の副隊長であるアレックスさんが現われた。
「ルナちゃんこんなところにいたんだね。探したよ」
「探してたのはこっちの方ですよ。一体全体皆どうしたんですか?」
アレックスさんにそう訊くと、アレックスさんは私の顔のすぐ横まで近づいてきて耳打ちをする。
「姫様が攫われた」
「な!?」
ロレーヌが攫われただとう!?私が大声でそう言いかけるとアレックスさんは私の口に人差し指を当てて、私の発言を制した。
「シッ!静かに。一応族長に協力の要請はしているけど、これはまだ極秘事項なんだ」
私が首を縦に振って首肯で返すとアレックスさんは私の口に当てていた人差し指を離した。
「それで、ロレーヌが攫われたっていうのは本当なんですか?」
私がそう小声で訊くと、アレックスさんは静かに首肯で返して続ける。
「残念ながらね、一応交代で寝ずの番はんしていたんだけど。どうやら犯人は姫様の眠る寝室の窓から侵入したみたいなんだ。まったく、王国精鋭の護衛隊が聞いて呆れるよ」
そう自嘲するように言うアレックスさん。しかし、それだけでは疑問が残る。
「外から犯人が侵入してきたのはわかったんですけど、何も物音とかは聞こえなかったんですか?」
外からの侵入者であればロレーヌの悲鳴なり、物音なりが聞こえそうなものだが、
「そこらへんは犯人も用意周到でね、部屋の中で消音の魔法を使った痕跡が残されていたんだよ」
「魔法の痕跡なんて残るものなんですか?」
「私の言い方が悪かったね。犯人が使用したのは消音の魔法ではなく、消音の魔道具なんだ。それが姫様の眠っていた寝室に残されていたんだよ」
「そんなものそう簡単に手に入れられないんじゃないですか?
「ああ、少なくとも一般に流通しているものではないね」
「つまり……」
「犯人は容易周到な計画を練って姫様を攫ったと考えた方が良さそうだ」
「犯人の目星はついているのですか?」
「それはまだわからない。わからないが……」
アレックスさんが何かを言いづらそうにしている。その言い方だと犯人の目星は着いていると言っているようなものだ。
「言うが良い、犯人は我らエルフの可能性が高いとな」
私とアレックスさんが声のした方を向くと、そこにはエルフの族長さんと他の護衛隊の面々がいた。
「ガルシアさん、ロレーヌは見つかったんですか!?」
私がそう聞くとガルシアさんは瞑目して首を横に振る。
「いいや、まだ見つかってはいない……ただ」
「ただ?」
「姫様を攫った犯人が判明した」
「そうなんですか!!」
私は思わず身を乗り出してガルシアさんに訊く
「ああ、犯人はこの里に住むエルフの若者たちだ」
どうやら犯人はアレックスさんの予想通りエルフだということがわかったらしい。しかし、何故だ?何故エルフの若者たちがロレーヌを攫う必要がある?
「動機とかはわかっているのですか?」
「動機か……それはだな――」
「そこから先は儂が話そう」
そう言ってエルフの族長さんが一歩前に出て続ける。
「エルフの若者たちが儂の部屋に置手紙をしていてな、彼らの要求は姫の命と引き換えにアウリスの大森林を独立国家として認めること、だそうだ。言っておくが彼らの要求が儂らエルフ全体の意思ではないことはわかってもらいたい」
族長さんの言いたいことはわかる。ロレーヌの誘拐はあくまでエルフの若者たちが犯した罪であってエルフ全体が悪いわけではない。それはガルシアさんもわかっているようであった。
「それは当然でしょう。むしろ謎なのは彼ら動機です。非公式ではありますがエルフはアウリスの大森林を領地として認められている。それに何の不満があるのでしょう」
「おそらく、ではあるがその非公式という点が気に喰わなかったのかもしれぬ」
「王国の庇護下にあることが不満であると」
「うむ、彼らは忌まわしきエルフ狩りを知らぬ世代でもあるからの。で、あれば王国の庇護下にある意味を正しく理解していないのかもしれぬ」
「そうであれば彼らの動機にも納得できましょう。が、しかし、何人であれロレーヌ姫を――王族を害することは許されません」
「それはわかっておる。彼らは犯してはならぬ罪を犯した。それは同胞をも危険にさらす大罪じゃ。彼らの処断はガルシア殿にまかせるとしましょう」
「では、彼らの居場所について教えてもらえますね」
「ああ、彼らの居場所はアウリスの大森林の最奥、世界樹の麓じゃ」
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