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第2章~マナ生命体~
第9話 顕現――降臨とどっちにしようか迷ったけどまあ良かったかな
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『顕現』の初使用は見事に成功。レイはマナ生命体の住む星の上空に顕現した。
今から宇宙の命運を握る、重大な問題の解決に挑まなければならないというのに、レイの頭は別の考えに支配されていた。
――胸の辺りがざわざわする。言い過ぎだったでしょうか、でも、僕にだって譲れないものはあります……
レイの頭の中を様々な考えが駆け巡る。やがてレイは両の腕を思い切り横に伸ばし――思い切り両頬を叩いた。
そこに空気があればパァンという大きく乾いた音が鳴っていただろう。
――今は悩んでいる場合じゃありません。僕は宇宙の危機を救いに来たのです
そう思い直したレイは、早速マナ生命体と接触するべく、星の地表に目を向ける。が、そこには岩以外なにも見つからない。先程までは確かにマナ生命体がいたはずだ。現にレイは『顕現』の権能を使用した際に、管理者部屋の窓に映し出されていた場所を指定した。ならば考えられるのは。
――隠れてしまいましたか
実際レイが顕現した瞬間、そこにいたマナ生命体たちはレイの存在を感知し、レイが保有するマナ量や魂の質の違いを本能的に察知し、蜘蛛の子を散らすように逃げてしまったのである。
――仕方ありません。探すとしましょう
レイは自身の保有するマナを極限まで薄くして体外に放出し、マナ生命体の住む星をまるごと包み込む。すると、隠れているマナ生命体の居場所だけでなく、星そのものの微細な活動まで手に取るように感知する。
この技術はマナコントロールの修行の成果の一つで、今のレイならば放出したマナを索敵対象に感知されることなく、一方的に索敵対象を監視し続けることも可能である。
レイが感知したマナ生命体ら全部で4体。どうやらそれぞれが散り散りになって岩影などに隠れているようだ。
――やはり最初に接触すべきはあの大きな個体でしょうか
レイは地表に空いた穴の中に隠れている、大きなマナ生命体を目標に定めると、その個体に接触すべく準備を始める。まずは自身の体の形を変形させ、マナ生命体そっくりの球体になり、色も白色に変えて発光させる。次にマナの保有量を偽装し完璧に自身をマナ生命体に見せかける。
準備完了、レイは目標のマナ生命体が隠れている穴の近くまで移動し、目標とする個体が出てくるまでじっと待つ。やがて、穴の中から外の様子をうかがうように、目標個体が出てくる。瞬間、両者共に目が合い(目など無いが)緊張が走る。レイは自身が危害を加える意思がないことを示すためにその場から微動だにしないことを決めた。
すると、マナ生命体の方からレイに近寄って来ると、レイの周囲をぐるぐると飛び回り始めた。その間レイは自身で決めた通り決して動かない、辛抱強く更なるきっかけを待ち続けた。結果、
「―――――」
マナ生命体の方からレイに念話を飛ばしてきた。
それは、念話と呼ぶにはあまりに原始的で直感的なもので、要約すると「お前何?」というものだった。
しかし、これはマナ生命体が完璧に擬態したはずのレイのことを別種の生命体であることを区別しているということであり、そのことを察したレイは自身がマナ生命体に危害を加える意思がないこと、できれば仲良くしたいことを念話で伝えるべく、慎重に言葉を選び、
「ボク、アブナクナイ。キミト、ナカヨクシタイ」
といつもリンネと話すときのように言葉を発した。カタコトなのはご愛嬌というものだ。
するとマナ生命体に反応がある。跳び跳ねるように何度も宙を上下し、喜んでいるという旨の念をレイに飛ばしてきたのだ。
これにはレイも喜んだ。マナ生命体と同じように跳び跳ねるように動き喜びを表した。そうしていると周囲の岩影に隠れていたマナ生命体たちも次々とレイたちの元に近づき、レイたちと同じ行動を取り始めた。
マナ生命体たちとのファーストコンタクトは無事成功。レイは更に気を引き締める。
――ここからです。ここから彼らへの教育が始まるのです。
レイのマナ生命体の問題に対する策、その正体とはレイがマナ生命体を直接統治し、教育を行うことにより彼らの増殖をコントロールする。というものであった。
しかし、その策にもまだ問題はある。それは、マナ生命体にレイの教育を受け、理解できるだけの知能があるのかという問題だ。しかし、これについては実際に教育を行ってみないことにはわからない。もしかしたら全くの無駄に終わるかもしれない。ただ、レイは何の考えもなく、マナ生命体たちの教育を行おうとしたわけではない。
マナ生命体は、レイの知識にある生物とは明らかに違う点がある。それは寿命による死がないことだ。普通の生物は常命であるが故に、種の生存本能として生存環境に適応するために代替りを行いながら環境に適応、進化する。
それに対してマナ生命体には寿命がない刻限なき生命である。であればマナ生命体は環境に適応し進化することはできないのか。
レイはそこに賭けたのだ。成長を――進化をしない生物などいない。そう仮定し、マナ生命体は単独で進化を行うことができるかもしれないと考え、それに賭けた。
当然、この賭けには時間が必要だ。その上チャンスは一度きり。
生存か、絶滅か、刻限なき命に刻限が迫る。
今から宇宙の命運を握る、重大な問題の解決に挑まなければならないというのに、レイの頭は別の考えに支配されていた。
――胸の辺りがざわざわする。言い過ぎだったでしょうか、でも、僕にだって譲れないものはあります……
レイの頭の中を様々な考えが駆け巡る。やがてレイは両の腕を思い切り横に伸ばし――思い切り両頬を叩いた。
そこに空気があればパァンという大きく乾いた音が鳴っていただろう。
――今は悩んでいる場合じゃありません。僕は宇宙の危機を救いに来たのです
そう思い直したレイは、早速マナ生命体と接触するべく、星の地表に目を向ける。が、そこには岩以外なにも見つからない。先程までは確かにマナ生命体がいたはずだ。現にレイは『顕現』の権能を使用した際に、管理者部屋の窓に映し出されていた場所を指定した。ならば考えられるのは。
――隠れてしまいましたか
実際レイが顕現した瞬間、そこにいたマナ生命体たちはレイの存在を感知し、レイが保有するマナ量や魂の質の違いを本能的に察知し、蜘蛛の子を散らすように逃げてしまったのである。
――仕方ありません。探すとしましょう
レイは自身の保有するマナを極限まで薄くして体外に放出し、マナ生命体の住む星をまるごと包み込む。すると、隠れているマナ生命体の居場所だけでなく、星そのものの微細な活動まで手に取るように感知する。
この技術はマナコントロールの修行の成果の一つで、今のレイならば放出したマナを索敵対象に感知されることなく、一方的に索敵対象を監視し続けることも可能である。
レイが感知したマナ生命体ら全部で4体。どうやらそれぞれが散り散りになって岩影などに隠れているようだ。
――やはり最初に接触すべきはあの大きな個体でしょうか
レイは地表に空いた穴の中に隠れている、大きなマナ生命体を目標に定めると、その個体に接触すべく準備を始める。まずは自身の体の形を変形させ、マナ生命体そっくりの球体になり、色も白色に変えて発光させる。次にマナの保有量を偽装し完璧に自身をマナ生命体に見せかける。
準備完了、レイは目標のマナ生命体が隠れている穴の近くまで移動し、目標とする個体が出てくるまでじっと待つ。やがて、穴の中から外の様子をうかがうように、目標個体が出てくる。瞬間、両者共に目が合い(目など無いが)緊張が走る。レイは自身が危害を加える意思がないことを示すためにその場から微動だにしないことを決めた。
すると、マナ生命体の方からレイに近寄って来ると、レイの周囲をぐるぐると飛び回り始めた。その間レイは自身で決めた通り決して動かない、辛抱強く更なるきっかけを待ち続けた。結果、
「―――――」
マナ生命体の方からレイに念話を飛ばしてきた。
それは、念話と呼ぶにはあまりに原始的で直感的なもので、要約すると「お前何?」というものだった。
しかし、これはマナ生命体が完璧に擬態したはずのレイのことを別種の生命体であることを区別しているということであり、そのことを察したレイは自身がマナ生命体に危害を加える意思がないこと、できれば仲良くしたいことを念話で伝えるべく、慎重に言葉を選び、
「ボク、アブナクナイ。キミト、ナカヨクシタイ」
といつもリンネと話すときのように言葉を発した。カタコトなのはご愛嬌というものだ。
するとマナ生命体に反応がある。跳び跳ねるように何度も宙を上下し、喜んでいるという旨の念をレイに飛ばしてきたのだ。
これにはレイも喜んだ。マナ生命体と同じように跳び跳ねるように動き喜びを表した。そうしていると周囲の岩影に隠れていたマナ生命体たちも次々とレイたちの元に近づき、レイたちと同じ行動を取り始めた。
マナ生命体たちとのファーストコンタクトは無事成功。レイは更に気を引き締める。
――ここからです。ここから彼らへの教育が始まるのです。
レイのマナ生命体の問題に対する策、その正体とはレイがマナ生命体を直接統治し、教育を行うことにより彼らの増殖をコントロールする。というものであった。
しかし、その策にもまだ問題はある。それは、マナ生命体にレイの教育を受け、理解できるだけの知能があるのかという問題だ。しかし、これについては実際に教育を行ってみないことにはわからない。もしかしたら全くの無駄に終わるかもしれない。ただ、レイは何の考えもなく、マナ生命体たちの教育を行おうとしたわけではない。
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それに対してマナ生命体には寿命がない刻限なき生命である。であればマナ生命体は環境に適応し進化することはできないのか。
レイはそこに賭けたのだ。成長を――進化をしない生物などいない。そう仮定し、マナ生命体は単独で進化を行うことができるかもしれないと考え、それに賭けた。
当然、この賭けには時間が必要だ。その上チャンスは一度きり。
生存か、絶滅か、刻限なき命に刻限が迫る。
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