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第3章~大戦~
第13話 会議――するのとしないのじゃ全然違うやーつ
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時は戻って現在。ケイオスのことなどまだ知るよしもないレイたちは、定例会議を行おうとしていた。
場所はレイが初めてマナ生命体と接触した始まりの星。その地表にレイがマナを使用して洋風の東屋を創造し、その中には円卓と5脚の椅子が置かれ、それぞれの椅子にレイと4名の『秩序』が着席していた。
会議に参加している4名の『秩序』は、『秩序』の長ヴァリス、戦士長メルリリス、参謀ガヘリス、そして、レイの護衛兼、諜報担当のミルストリスであった。
「では、これより定例会議を執り行う」
会議の開始を宣言したのは『秩序』の長こと生真面目メガネ、ヴァリスだ
「でぇ、今回の議題はなんだぁ」
語尾の母音を強調する特徴的なしゃべり方をするのは参謀ことヤンキーモドキウニ頭、ガヘリス。
ガヘリスはその名通りウニのようにツンツンとした赤色の髪に澄んだ青色の瞳、体型はやせ形の男性型。ヴァリスと同じデザインの袖のない白色のローブを身に纏ってい、目付きの悪さがチャームポイントである。
「そんなの教育の進捗状況の報告しかないじゃん。て言うか、今までそれしかしたことないじゃん」
そう言ったのは『秩序』の戦士長こと鉄腕プリティ、メルリリスだ。
「だったら答えはいつもの通りぃ。全てつつがなくってやつだなあぁ」
「右にいないけど右に同じ!!ミルスはレー君の護衛だから報告はないでしょ」
メルリリスは自身の右隣に座る、淡い青色の髪に澄んだ青色の瞳、体型は5歳程の少女型で自身の体型よりも少し大きめのメルリリスと同じデザインをした白色のローブを身に纏った、眠そうな目がチャームポイントの『秩序』護衛兼諜報担当こと無口ロリ、ミルストリス。
ミルストリスはメルリリスの問いに、コクリ、と首肯で返す。
「そんじゃあぁ、今回の会議はここまでだなぁ」
言って席を立とうとするガヘリス。メルリリスとミルストリスもそれに続くように席を立とうとする。が、
「待て」
ヴァリスがそれを制する。
「んだよぉ、ヴァー公。またいつもの真面目節かぁ?」
不良が教師を睨むような目で、ヴァリスにガンを飛ばすガヘリス。しかし、ヴァリスはいつものことと、ガヘリスの目のしっかり見ながら続ける。
「真面目節とはなんだ、私はただ、まだ席を立つには早いから待てと言ったまでだ」
ヴァリスの言葉からまだ議題があることを察したガヘリスは素直に文句も言わずに着席し直し、その様子を見ていたメルリリスは「えーまだあんのー」としっかり文句を言って着席。ミルストリスは特になにも言わず着席した。
「それでヴァー公ぅ、次の議題は何についてなんだぁ」
「『混沌』についてだ」
「はぁぁ?あいつらが一体なんだってんだぁ」
「ここ最近『混沌』の動きがおかしい」
ヴァリスがそう言うと、メルリリスが面倒臭そうに口を開く。
「あいつらの動きがおかしいのはいつものことでしょー。何せ混沌なんだからー」
「ヴァー公はそれを踏まえてもおかしいって言ってんだろぉ」
「そうだ」
メルリリスの意見に対し、ガヘリスがそう言うと、ヴァリスがそれに同意する。
「相変わらずヴァリスとガッちゃんは、仲が良いのか悪いのかわからないねー」
メルリリスが思ったことを率直に言う。
「誰がガッちゃんだぁ、コラぁ!!」
円卓の向かい側に座るメルリリスに食って掛かるガヘリス。対してメルリリスは、
「ガヘリス以外にガの付く人なんかいないでしょ。ガッちゃん!」
からかうようにガッちゃんを強調する。
「おーしぃ、その喧嘩買ったぁ!!」
「またこてんぱんにしてあげるね!ガッちゃん」
メルリリスとガヘリスの間に剣呑な空気が流れる。すると、ヴァリスが、
「止めないか!!主の前だぞ、少しは慎め!!」
言い合う二人を一喝する。
すると、それを切っ掛けにレイに注目が集まり、レイはコホンと咳払い、
「取り敢えず皆落ち着きましょう。ね」
そう言って喧嘩する二人をなだめ、なだめられた二人は渋々といった様子でそれぞれの席に着いた。
「それでヴァリス、『混沌』の動きがおかしいとは、具体的にどうおかしいのですか?」
「具体的……集団化、している。ということでしょうか」
「集団化」
「はい、今までの『混沌』の者たちは、個人差はあるものの、皆『秩序』言ってしまえば主のような統治者を、統治されることを嫌い、一人で自由気ままに生きることを選んだ者ばかりでした。それなのに最近は、複数名でいるところを『秩序』に目撃されることが何回も起こっています」
「『混沌』なんだからそういう奴らが出てくることもあり得るんじゃない?」
「そう片付けちまえば何でもありになるだろうがぁ、ちったぁそのなんもねぇ頭使って考えろってんだぁ!!」
ガヘリスが「あっ!なんもねぇから無理かぁ」と付け足しメルリリスのことを嘲る。嘲られたメルリリスは「カッチーン」と口で言い席を立つ。先ほどの場面の再来か。というところであったが今度はレイが二人をたしなめる。
「ガヘリス言い過ぎです!メルリリスも!ガヘリスの言うことにも一理あります。短絡的な思考は油断を招き、油断は大過の元になります。そこはちゃんと反省してください!!」
「はーい」
メルリリスはしゅんとしながら席に着く。
「そんでぇ、その目撃されたっつう奴らのその後の動きについてはわかってんのかぁ?」
「今のところは目撃情報だけだ。その後の動きについてはわからん」
ヴァリスがそう言うと、ガヘリスはチッと舌打ち、
「本当に見ただけかよぉ。となると、今後の方策だなぁ。ヴァー公!『秩序』全軍に通達だぁ!今後『混沌』を目撃した者は必ず四大使直下の部隊員に報告することぉ。それと可能な限り単独での行動は避けることぉ。最後に!各自自己研鑽に努めることぉ。以上を主命として伝えるぅ」
「ガヘリス、主命は少しやりすぎではないか?別に我々の――」
「ヴァー公!!常に最悪を想定しろってやつだぁ。そこまで考えたらこれ以下はねぇ。レイも!これでいいなぁ」
主命とは『秩序』の軍勢に対する命令の重要度の段階で最大の命令のことを指し、これは管理者レイ・アカシャの名をもって行われる『秩序』全軍に対する強制命令となっている。以下四大使全命、四大使命とあるが『秩序』の歴史過去100年を遡っても主命が行使されたことは一度たりともない。
レイはガヘリスの言う最悪について考える。『混沌』の者たちはレイの教育や統治を拒んだ者たちではあるが、それは在り方が違うというだけのこと、彼ら『混沌』も『秩序』と同じマナ生命体。この宇宙を共に生きる尊い命だ。出きるのであればそんな彼らの在り方も尊重したい。それがレイの素直な気持ちであった。
そんなレイの想いを察してか、ガヘリスは席から立ち上がり、レイの元まで歩み寄る。
「何も俺は必ずそうなるっていってるんじゃねぇ、話し合いでケリが着くかもしれねぇしぃ、そもそも今回の件そのものが杞憂に終わるかもしれねぇ。だからホラァ、そのぅ」
ガヘリスはレイの頭にポンと頭を置いて「あんま気にすんなぁ」と励ました。
すると、その流れに続けとメルリリスがいつものようにレイに抱きつく。
「ガッちゃんの言う通りだよ。レー君は気にしすぎだし、一人で背負い込みすぎ!私たちにも頼ってもらわないと。ね、ヴァリス!」
言われてヴァリスは「う、うむ」と同意の意を表明しながらチラチラと横目でレイことを何度も見る。どうやらメルリリスほどとはいかないものの、ガヘリスくらいのスキンシップをしたいようだ。三人がそうしていると四大使最後の一人ミルストリスが席を文字通り飛び出し
レイに向かって頭から突っ込んだ。
「ミルスもー」
しかし、あまりに勢いが強すぎるせいか、ガヘリスに危険と判断され、その手でボールのように頭をキャッチされた。
「ミルスもー、じゃねぇんだよぉ。勢いつけすぎだバカ野郎ぅ」
「ミルスしっぱい、てへぺろ」
と無表情のままミルストリスは舌をだす。
「てへぺろじゃあねぇよう。――ところでミルストリスぅ、偵察の件、お前の部隊に任せっきりになっちまうがぁ、頼んだぜぇ」
「もんだいない!」
「それで出発はぁ――」
「もうでてる!」
「相変わらずはえぇなオイィ!」
「ミルスできるこなので」
「あーうん、そこは否定出来ねぇわぁ」
テーブル上でえっへんと胸を張るミルストリスに、ガヘリスはため息混じりにそう言った。
「て言うかさー、やっぱガヘリスが『秩序』の長をした方がいいんじゃない?」
これまでの会議の様子を見て、感じたことを率直にぶつけるメルリリス。尚、メルリリスはまだレイに抱きついている。
「なな、なななななな何を突然」
ぶつけられたヴァリスは激しく動揺する。
「突然って、私前にも言ったじゃん。ヴァリスよりもガヘリスの方が頭良いんだから、ガヘリスが長やった方が良いんじゃないって」
ヴァリスはメルリリスの意見に思うことがあったのか「うむ……」と唸り、ガヘリスは面倒臭そうに「だからぁ」と区切って
「それなら俺も前から言ってんだろう。俺は誰かに命令するとかは向いてねぇ。せいぜい俺の部下たちへの命令が限界だぁ。誰かの上に立つ資質ってのは頭の良さとは関係ねぇんだよぉ。その点で言ったらヴァリスの方が俺よりはるかに長に向いてるよぉ」
「「ガヘリス、君(お前)って人(奴)は」」
ガヘリスの言葉にヴァリスだけでなくレイまで感動している。
「って言いながら実はメンドイことヴァリスに押し付けてるだけだよね」
メルリリスの鋭い指摘にガヘリスは悪びれることなく「まあなぁ」と肯定、ヴァリスはそれにショックを受ける。
「ガヘリス貴様!!」
言ってヴァリスがガヘリスに飛び掛かる。しかしヴァリスの表情はどこか楽しそうで、他の面々も楽しそうにその様子を見守るか、加わるかしている。
レイは思う。『混沌』のことは杞憂であって欲しいと、であればこの楽しい時がずっと続くのにと……
しかし、万が一の災害は既に誕生している。今はまだ衝突の時ではない、しかし、必ずその時は訪れる。
秩序と混沌は決して相容れないのだから。
場所はレイが初めてマナ生命体と接触した始まりの星。その地表にレイがマナを使用して洋風の東屋を創造し、その中には円卓と5脚の椅子が置かれ、それぞれの椅子にレイと4名の『秩序』が着席していた。
会議に参加している4名の『秩序』は、『秩序』の長ヴァリス、戦士長メルリリス、参謀ガヘリス、そして、レイの護衛兼、諜報担当のミルストリスであった。
「では、これより定例会議を執り行う」
会議の開始を宣言したのは『秩序』の長こと生真面目メガネ、ヴァリスだ
「でぇ、今回の議題はなんだぁ」
語尾の母音を強調する特徴的なしゃべり方をするのは参謀ことヤンキーモドキウニ頭、ガヘリス。
ガヘリスはその名通りウニのようにツンツンとした赤色の髪に澄んだ青色の瞳、体型はやせ形の男性型。ヴァリスと同じデザインの袖のない白色のローブを身に纏ってい、目付きの悪さがチャームポイントである。
「そんなの教育の進捗状況の報告しかないじゃん。て言うか、今までそれしかしたことないじゃん」
そう言ったのは『秩序』の戦士長こと鉄腕プリティ、メルリリスだ。
「だったら答えはいつもの通りぃ。全てつつがなくってやつだなあぁ」
「右にいないけど右に同じ!!ミルスはレー君の護衛だから報告はないでしょ」
メルリリスは自身の右隣に座る、淡い青色の髪に澄んだ青色の瞳、体型は5歳程の少女型で自身の体型よりも少し大きめのメルリリスと同じデザインをした白色のローブを身に纏った、眠そうな目がチャームポイントの『秩序』護衛兼諜報担当こと無口ロリ、ミルストリス。
ミルストリスはメルリリスの問いに、コクリ、と首肯で返す。
「そんじゃあぁ、今回の会議はここまでだなぁ」
言って席を立とうとするガヘリス。メルリリスとミルストリスもそれに続くように席を立とうとする。が、
「待て」
ヴァリスがそれを制する。
「んだよぉ、ヴァー公。またいつもの真面目節かぁ?」
不良が教師を睨むような目で、ヴァリスにガンを飛ばすガヘリス。しかし、ヴァリスはいつものことと、ガヘリスの目のしっかり見ながら続ける。
「真面目節とはなんだ、私はただ、まだ席を立つには早いから待てと言ったまでだ」
ヴァリスの言葉からまだ議題があることを察したガヘリスは素直に文句も言わずに着席し直し、その様子を見ていたメルリリスは「えーまだあんのー」としっかり文句を言って着席。ミルストリスは特になにも言わず着席した。
「それでヴァー公ぅ、次の議題は何についてなんだぁ」
「『混沌』についてだ」
「はぁぁ?あいつらが一体なんだってんだぁ」
「ここ最近『混沌』の動きがおかしい」
ヴァリスがそう言うと、メルリリスが面倒臭そうに口を開く。
「あいつらの動きがおかしいのはいつものことでしょー。何せ混沌なんだからー」
「ヴァー公はそれを踏まえてもおかしいって言ってんだろぉ」
「そうだ」
メルリリスの意見に対し、ガヘリスがそう言うと、ヴァリスがそれに同意する。
「相変わらずヴァリスとガッちゃんは、仲が良いのか悪いのかわからないねー」
メルリリスが思ったことを率直に言う。
「誰がガッちゃんだぁ、コラぁ!!」
円卓の向かい側に座るメルリリスに食って掛かるガヘリス。対してメルリリスは、
「ガヘリス以外にガの付く人なんかいないでしょ。ガッちゃん!」
からかうようにガッちゃんを強調する。
「おーしぃ、その喧嘩買ったぁ!!」
「またこてんぱんにしてあげるね!ガッちゃん」
メルリリスとガヘリスの間に剣呑な空気が流れる。すると、ヴァリスが、
「止めないか!!主の前だぞ、少しは慎め!!」
言い合う二人を一喝する。
すると、それを切っ掛けにレイに注目が集まり、レイはコホンと咳払い、
「取り敢えず皆落ち着きましょう。ね」
そう言って喧嘩する二人をなだめ、なだめられた二人は渋々といった様子でそれぞれの席に着いた。
「それでヴァリス、『混沌』の動きがおかしいとは、具体的にどうおかしいのですか?」
「具体的……集団化、している。ということでしょうか」
「集団化」
「はい、今までの『混沌』の者たちは、個人差はあるものの、皆『秩序』言ってしまえば主のような統治者を、統治されることを嫌い、一人で自由気ままに生きることを選んだ者ばかりでした。それなのに最近は、複数名でいるところを『秩序』に目撃されることが何回も起こっています」
「『混沌』なんだからそういう奴らが出てくることもあり得るんじゃない?」
「そう片付けちまえば何でもありになるだろうがぁ、ちったぁそのなんもねぇ頭使って考えろってんだぁ!!」
ガヘリスが「あっ!なんもねぇから無理かぁ」と付け足しメルリリスのことを嘲る。嘲られたメルリリスは「カッチーン」と口で言い席を立つ。先ほどの場面の再来か。というところであったが今度はレイが二人をたしなめる。
「ガヘリス言い過ぎです!メルリリスも!ガヘリスの言うことにも一理あります。短絡的な思考は油断を招き、油断は大過の元になります。そこはちゃんと反省してください!!」
「はーい」
メルリリスはしゅんとしながら席に着く。
「そんでぇ、その目撃されたっつう奴らのその後の動きについてはわかってんのかぁ?」
「今のところは目撃情報だけだ。その後の動きについてはわからん」
ヴァリスがそう言うと、ガヘリスはチッと舌打ち、
「本当に見ただけかよぉ。となると、今後の方策だなぁ。ヴァー公!『秩序』全軍に通達だぁ!今後『混沌』を目撃した者は必ず四大使直下の部隊員に報告することぉ。それと可能な限り単独での行動は避けることぉ。最後に!各自自己研鑽に努めることぉ。以上を主命として伝えるぅ」
「ガヘリス、主命は少しやりすぎではないか?別に我々の――」
「ヴァー公!!常に最悪を想定しろってやつだぁ。そこまで考えたらこれ以下はねぇ。レイも!これでいいなぁ」
主命とは『秩序』の軍勢に対する命令の重要度の段階で最大の命令のことを指し、これは管理者レイ・アカシャの名をもって行われる『秩序』全軍に対する強制命令となっている。以下四大使全命、四大使命とあるが『秩序』の歴史過去100年を遡っても主命が行使されたことは一度たりともない。
レイはガヘリスの言う最悪について考える。『混沌』の者たちはレイの教育や統治を拒んだ者たちではあるが、それは在り方が違うというだけのこと、彼ら『混沌』も『秩序』と同じマナ生命体。この宇宙を共に生きる尊い命だ。出きるのであればそんな彼らの在り方も尊重したい。それがレイの素直な気持ちであった。
そんなレイの想いを察してか、ガヘリスは席から立ち上がり、レイの元まで歩み寄る。
「何も俺は必ずそうなるっていってるんじゃねぇ、話し合いでケリが着くかもしれねぇしぃ、そもそも今回の件そのものが杞憂に終わるかもしれねぇ。だからホラァ、そのぅ」
ガヘリスはレイの頭にポンと頭を置いて「あんま気にすんなぁ」と励ました。
すると、その流れに続けとメルリリスがいつものようにレイに抱きつく。
「ガッちゃんの言う通りだよ。レー君は気にしすぎだし、一人で背負い込みすぎ!私たちにも頼ってもらわないと。ね、ヴァリス!」
言われてヴァリスは「う、うむ」と同意の意を表明しながらチラチラと横目でレイことを何度も見る。どうやらメルリリスほどとはいかないものの、ガヘリスくらいのスキンシップをしたいようだ。三人がそうしていると四大使最後の一人ミルストリスが席を文字通り飛び出し
レイに向かって頭から突っ込んだ。
「ミルスもー」
しかし、あまりに勢いが強すぎるせいか、ガヘリスに危険と判断され、その手でボールのように頭をキャッチされた。
「ミルスもー、じゃねぇんだよぉ。勢いつけすぎだバカ野郎ぅ」
「ミルスしっぱい、てへぺろ」
と無表情のままミルストリスは舌をだす。
「てへぺろじゃあねぇよう。――ところでミルストリスぅ、偵察の件、お前の部隊に任せっきりになっちまうがぁ、頼んだぜぇ」
「もんだいない!」
「それで出発はぁ――」
「もうでてる!」
「相変わらずはえぇなオイィ!」
「ミルスできるこなので」
「あーうん、そこは否定出来ねぇわぁ」
テーブル上でえっへんと胸を張るミルストリスに、ガヘリスはため息混じりにそう言った。
「て言うかさー、やっぱガヘリスが『秩序』の長をした方がいいんじゃない?」
これまでの会議の様子を見て、感じたことを率直にぶつけるメルリリス。尚、メルリリスはまだレイに抱きついている。
「なな、なななななな何を突然」
ぶつけられたヴァリスは激しく動揺する。
「突然って、私前にも言ったじゃん。ヴァリスよりもガヘリスの方が頭良いんだから、ガヘリスが長やった方が良いんじゃないって」
ヴァリスはメルリリスの意見に思うことがあったのか「うむ……」と唸り、ガヘリスは面倒臭そうに「だからぁ」と区切って
「それなら俺も前から言ってんだろう。俺は誰かに命令するとかは向いてねぇ。せいぜい俺の部下たちへの命令が限界だぁ。誰かの上に立つ資質ってのは頭の良さとは関係ねぇんだよぉ。その点で言ったらヴァリスの方が俺よりはるかに長に向いてるよぉ」
「「ガヘリス、君(お前)って人(奴)は」」
ガヘリスの言葉にヴァリスだけでなくレイまで感動している。
「って言いながら実はメンドイことヴァリスに押し付けてるだけだよね」
メルリリスの鋭い指摘にガヘリスは悪びれることなく「まあなぁ」と肯定、ヴァリスはそれにショックを受ける。
「ガヘリス貴様!!」
言ってヴァリスがガヘリスに飛び掛かる。しかしヴァリスの表情はどこか楽しそうで、他の面々も楽しそうにその様子を見守るか、加わるかしている。
レイは思う。『混沌』のことは杞憂であって欲しいと、であればこの楽しい時がずっと続くのにと……
しかし、万が一の災害は既に誕生している。今はまだ衝突の時ではない、しかし、必ずその時は訪れる。
秩序と混沌は決して相容れないのだから。
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