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第3章~大戦~
第22話 巡り合い――さぁ皆さんクライマックスですよー。
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「なんだぁ、コラぁ」
ケイオスはお楽しみの最中に水を差され機嫌を悪くすると思いきや、それも混沌だとニヤリと笑い、声の主の方を向く。そこにはレイが立たっており、ケイオスのことを厳しい目付きで見つめていた。
「そこまでです。と、言ったのです」
レイは努めて毅然とした態度で言う。
ケイオスはレイを一目見て思った。こいつだと、こいつがこの宇宙の秩序の象徴、クソったれの『秩序』の軍勢の主である管理者だと。
レイは思う、これが禁忌を犯した獣かと。どれだけの同胞を喰らったのか、計り知れないほどのマナ保有量、何よりも、その姿が歪んで見えるほどの存在感。上位者たるリンネともまた違う、思わず目を背けたくなるほどの歪みをケイオスから感じていた。
「そこまでって、俺は言われた通り止まってるぜ」
ケイオスはその手に掴んだメルリリスを見せびらかすようにレイに向け、煽るように言った。
「では、メルリリスを解放してください」
レイは努めて冷静に、毅然とした態度を崩さない。
「メルリリスぅって、こいつのことかぁ?」
「そうです、彼女のことです」
言われてケイオスはメルリリスの顔を見る。メルリリスは既に意識を失っており、ケイオスはそれを確認するとレイの方に視線を移す。
レイは真っ直ぐとした目でケイオスを見据えている。その目を見てケイオスは何かを思いつき、一瞬口の端を歪ませた。
「おい手前ぇ、こいつを離して欲しけりゃ俺の質問に答えろ」
「え?」
この場で質問することに何の意味があるのか。レイはケイオスの言葉の真意を測りかねていた。
「だから質問だよし・つ・も・ん。答えてくれりゃこいつのこと離してやるっつてんだから素直に答えろよ」
このまま相手のペースに乗せられて良いものか、レイは悩むが、メルリリスを穏便に解放させるため、ひとまず相手のペースに乗ることを決める。
「わかりました」
そう返事をすると、ケイオスが愉しそうに口を開く。
「よっしゃ、そんじゃあ質問だ、手前ぇの名前、教えろよ」
「は?」
意味がわからない。今ここでレイの名前を訊くことに何の意味があるのか、レイはケイオスのことがますますわからなくなる。
「だから名前だよな・ま・え。そんくらい手前ぇにもあんだろ」
「……レイ・アカシャ、です」
ケイオスの意図はわからないが、レイは取り敢えず自身の名を名乗り、ケイオスの出方を待つことにした。
「レイ・アカシャぁ!?何か何にもねぇって感じの名前だなぁオイ!」
ケイオスの率直で失礼な感想。しかし、レイはケイオスの失礼ともとれるその物言いを気にする様子もない。それも当然だ。レイは自身に関する記憶がない、つまり自身の名前に対しても愛着というものがない。皮肉にもケイオスの言うとおり何もないのだ。
「だんまり、沈黙、無反応。本当に名前通りだな」
ケイオスが心底つまらなそうに、残念がって言う。
「名前など別にどうだって良いでしょう。早くメルリリスを解放してください」
レイの発言に、ケイオスがピクリと反応する。
「名前などどうでも良いだぁ!?そいつはちょっと聞き捨てならねぇなぁ、いいか名前ってのはなぁ……あれ?なんだったっけか。えーと、そう!名は体を表すだ!いいか名前ってのはそいつの存在そのものを表す言霊なんだよ。だから俺の名前はケイオス!混沌を表している。良いだろ混沌何が起こるかわからねぇ、俺にぴったりの名前だ!!」
自身に酔ったように高らかと熱弁を振るうケイオス。レイはそんなケイオスが理解できず戸惑い、恐怖した。
「さっきから何を言っているのですか貴方は!!」
感じた恐怖を隠すためか、レイの語気が強くなる。そんなレイの恐怖を感じ取ったのかケイオスはニヤリと嗤う。
「よう、レイ・アカシャ。手前ぇ俺の言うことに何か意味でもあるとか思ってんのか?ざーんねんそんなもんねえよ!!俺は混沌だぜ、俺から出る言葉も混沌に決まってんじゃねぇか!!」
言ってレイのことを嘲笑うケイオス。レイはケイオスの予想もつかない言動に戸惑い、困惑し、動揺し、恐怖する。
「い、いいから早く!メルリリスを解放してください!!」
こんな相手にもう付き合ってはいられない。レイはそう思い、メルリリスの開放を要求する。
ケイオスはそんなレイを見て、それまでの嘲笑う姿から一転、興味を無くしたような無表情に変わる。
「メルリリス、メルリリス、メルリリスって手前の鳴き声かなんかかそりゃぁ!!そんなに欲しけりゃくれてやるよ」
ホラ、とケイオスはメルリリスをレイに投げてよこした。
「メルリリス!」
レイは放り投げられたメルリリスを見事にキャッチ。しかし、レイはメルリリスに気を取られ過ぎ、その影に隠れるケイオスの姿を見落としていた。
「いっただきぃ!」
レイの隙をついたケイオスの致命の豪腕は、レイの体にあたる直前、何処からか現れた盾に防がれる。
「誰が渡すか、このうつけ者!!」
ケイオスの致命の豪腕を受け止めたのは、それまでレイの後ろに控えていたヴァリスであった。
ヴァリスはレイたちのやり取りを聴きながら、ケイオスの動きを警戒し、いざというときに動けるようにしていたのだ。
ヴァリスは右手に持った剣をケイオスに向かって横薙ぎに振るうが、ケイオスはこれを上半身を反らしてギリギリで避ける。
「あっぶねぇ!!」
本当にギリギリだったのかケイオスは自身の胸を押さえている。
「きゃはははは。だっせーボッスー、今日何やっても駄目じゃん。もしかして厄日ってヤツー」
ケイオスの醜態に腹を抱えてケタケタと嗤うペイン。ケイオスは赤面しながらペインに命じる。
「くそ、ペイン!!そのメガネは手前ぇが相手しろ!」
「え!?いいの?ボッスー珍しー」
「こっちは本命相手にしてんだ。余計な添え物は手前ぇにくれてやるって言ってんだよ!!」
言ってケイオスは再度レイに攻撃しようと疾走する。しかし、ヴァリスがそれを阻止しようと前に出る。が、
ヴァリスがケイオスを止めたところでペインが強襲、ヴァリスはレイとの間に大きな距離を開けさせられた。
「これで一対一の完成、だね」
『秩序』の軍勢対『混沌』の群れの戦い、その最終局面は互いのナンバーワン、ナンバーツー同士の戦いと相成った。
ケイオスはお楽しみの最中に水を差され機嫌を悪くすると思いきや、それも混沌だとニヤリと笑い、声の主の方を向く。そこにはレイが立たっており、ケイオスのことを厳しい目付きで見つめていた。
「そこまでです。と、言ったのです」
レイは努めて毅然とした態度で言う。
ケイオスはレイを一目見て思った。こいつだと、こいつがこの宇宙の秩序の象徴、クソったれの『秩序』の軍勢の主である管理者だと。
レイは思う、これが禁忌を犯した獣かと。どれだけの同胞を喰らったのか、計り知れないほどのマナ保有量、何よりも、その姿が歪んで見えるほどの存在感。上位者たるリンネともまた違う、思わず目を背けたくなるほどの歪みをケイオスから感じていた。
「そこまでって、俺は言われた通り止まってるぜ」
ケイオスはその手に掴んだメルリリスを見せびらかすようにレイに向け、煽るように言った。
「では、メルリリスを解放してください」
レイは努めて冷静に、毅然とした態度を崩さない。
「メルリリスぅって、こいつのことかぁ?」
「そうです、彼女のことです」
言われてケイオスはメルリリスの顔を見る。メルリリスは既に意識を失っており、ケイオスはそれを確認するとレイの方に視線を移す。
レイは真っ直ぐとした目でケイオスを見据えている。その目を見てケイオスは何かを思いつき、一瞬口の端を歪ませた。
「おい手前ぇ、こいつを離して欲しけりゃ俺の質問に答えろ」
「え?」
この場で質問することに何の意味があるのか。レイはケイオスの言葉の真意を測りかねていた。
「だから質問だよし・つ・も・ん。答えてくれりゃこいつのこと離してやるっつてんだから素直に答えろよ」
このまま相手のペースに乗せられて良いものか、レイは悩むが、メルリリスを穏便に解放させるため、ひとまず相手のペースに乗ることを決める。
「わかりました」
そう返事をすると、ケイオスが愉しそうに口を開く。
「よっしゃ、そんじゃあ質問だ、手前ぇの名前、教えろよ」
「は?」
意味がわからない。今ここでレイの名前を訊くことに何の意味があるのか、レイはケイオスのことがますますわからなくなる。
「だから名前だよな・ま・え。そんくらい手前ぇにもあんだろ」
「……レイ・アカシャ、です」
ケイオスの意図はわからないが、レイは取り敢えず自身の名を名乗り、ケイオスの出方を待つことにした。
「レイ・アカシャぁ!?何か何にもねぇって感じの名前だなぁオイ!」
ケイオスの率直で失礼な感想。しかし、レイはケイオスの失礼ともとれるその物言いを気にする様子もない。それも当然だ。レイは自身に関する記憶がない、つまり自身の名前に対しても愛着というものがない。皮肉にもケイオスの言うとおり何もないのだ。
「だんまり、沈黙、無反応。本当に名前通りだな」
ケイオスが心底つまらなそうに、残念がって言う。
「名前など別にどうだって良いでしょう。早くメルリリスを解放してください」
レイの発言に、ケイオスがピクリと反応する。
「名前などどうでも良いだぁ!?そいつはちょっと聞き捨てならねぇなぁ、いいか名前ってのはなぁ……あれ?なんだったっけか。えーと、そう!名は体を表すだ!いいか名前ってのはそいつの存在そのものを表す言霊なんだよ。だから俺の名前はケイオス!混沌を表している。良いだろ混沌何が起こるかわからねぇ、俺にぴったりの名前だ!!」
自身に酔ったように高らかと熱弁を振るうケイオス。レイはそんなケイオスが理解できず戸惑い、恐怖した。
「さっきから何を言っているのですか貴方は!!」
感じた恐怖を隠すためか、レイの語気が強くなる。そんなレイの恐怖を感じ取ったのかケイオスはニヤリと嗤う。
「よう、レイ・アカシャ。手前ぇ俺の言うことに何か意味でもあるとか思ってんのか?ざーんねんそんなもんねえよ!!俺は混沌だぜ、俺から出る言葉も混沌に決まってんじゃねぇか!!」
言ってレイのことを嘲笑うケイオス。レイはケイオスの予想もつかない言動に戸惑い、困惑し、動揺し、恐怖する。
「い、いいから早く!メルリリスを解放してください!!」
こんな相手にもう付き合ってはいられない。レイはそう思い、メルリリスの開放を要求する。
ケイオスはそんなレイを見て、それまでの嘲笑う姿から一転、興味を無くしたような無表情に変わる。
「メルリリス、メルリリス、メルリリスって手前の鳴き声かなんかかそりゃぁ!!そんなに欲しけりゃくれてやるよ」
ホラ、とケイオスはメルリリスをレイに投げてよこした。
「メルリリス!」
レイは放り投げられたメルリリスを見事にキャッチ。しかし、レイはメルリリスに気を取られ過ぎ、その影に隠れるケイオスの姿を見落としていた。
「いっただきぃ!」
レイの隙をついたケイオスの致命の豪腕は、レイの体にあたる直前、何処からか現れた盾に防がれる。
「誰が渡すか、このうつけ者!!」
ケイオスの致命の豪腕を受け止めたのは、それまでレイの後ろに控えていたヴァリスであった。
ヴァリスはレイたちのやり取りを聴きながら、ケイオスの動きを警戒し、いざというときに動けるようにしていたのだ。
ヴァリスは右手に持った剣をケイオスに向かって横薙ぎに振るうが、ケイオスはこれを上半身を反らしてギリギリで避ける。
「あっぶねぇ!!」
本当にギリギリだったのかケイオスは自身の胸を押さえている。
「きゃはははは。だっせーボッスー、今日何やっても駄目じゃん。もしかして厄日ってヤツー」
ケイオスの醜態に腹を抱えてケタケタと嗤うペイン。ケイオスは赤面しながらペインに命じる。
「くそ、ペイン!!そのメガネは手前ぇが相手しろ!」
「え!?いいの?ボッスー珍しー」
「こっちは本命相手にしてんだ。余計な添え物は手前ぇにくれてやるって言ってんだよ!!」
言ってケイオスは再度レイに攻撃しようと疾走する。しかし、ヴァリスがそれを阻止しようと前に出る。が、
ヴァリスがケイオスを止めたところでペインが強襲、ヴァリスはレイとの間に大きな距離を開けさせられた。
「これで一対一の完成、だね」
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