最強賢者の転生譚~転生したら世界のルールが変わっていて村人に! それでも過去の己を倒すために最強を目指す~

凛音 麻利

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1:賢者、転生すると…

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 目を覚ます。
 辺り一面埃だらけだ。

 どのくらいかは分からないが長らく時間が経っていたことは分かる。


「成功した、かのぅ…?」


 身体を起こし辺りを確認する。

 無数に刻まれた術式に魔法陣。
 壁には剣や槍といった武器が数点。
 鞄なども掛けられている。

 転生前にいた屋敷の地下には武器などは置いてなかった。


「ふむ。どうやら上手くいったようじゃのぅ。ククク」


 どうやらちゃんと転生には成功したようだ。
 思わず笑みが浮かぶ。

 転生なんぞ初めての出来ごと故、失敗も考えていた。
 だが、結果として成功したようだ。

 これでようやっと目的が達せる。
 またしても笑みが浮かぶ。

 いかんのぅ。
 表情筋が機能しとらん。
 笑みで固定されてしもうとる。

 顔をグリグリ解す。

 何とか顔がだらしなくなるのを抑えることには成功したのぅ。
 台座から下りる。


「服、服… 服はどこじゃったか…」


 一応用意しといたはずなんだが。

 転生するに際して調べた時にいくつかの方法を知った。

 最も簡単なのは記憶だけ継承して誰かの子として生まれる方法だ。
 これは一番安全でやりやすい。

 だが、儂は違う方法をとった。

 人間を一から創造する方法だ。

 おかげで転生するのに膨大な魔力、陣を用意せねばならんかった。
 その甲斐もあり今の儂は誰の子でもない。

 最強を目指すのに親がいては行動を縛られてしまう。
 それじゃダメなのだ。

 年齢は五歳と設定した。
 よって体躯は五歳のものとして構築されたはずだ。

 髪なんかは適当じゃったが白だの。

 箪笥の横の机に置いてある鏡をとる。随分バキバキじゃな。
 まぁ、使えんこともない。

 鏡を手に顔を確認する。
 白髪に青い目。
 あどけなさを宿した顔立ちは間違いなく子供じゃのぅ。

 箪笥の中から服を引っ張りだし、着用する。

 少々埃っぽいが問題ないかの。


「さて、さてククク…」


 転生したことが嬉しすぎてまだしても笑みが抑えられん。
 表情筋よ、仕事をしとくれ。
 取り敢えず、また手で普通の顔に戻す。

 手を甲を上にして突き出す。
 スゥーと光が走り、甲に拳台の紋章が浮かび上がった。

 今は転生したこともあり、経験地など生前得たものはリセットされている。
 よって紋章の大きさ最小の拳台なのだ。


「ん、何じゃこれ?」


 見慣れないものがあった。
 紋章の横に同じ輝きを放つ文字があったのだ。

 そこには――


 天職:村人


 そう書かれていた。


「は? 天職?」


 思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。 

 初めて見るものじゃ。
 耳にしたこともない。

 天職とは何じゃろうか?
 いや、言葉の意味は分かる。

 儂が言いたいのは…
 転生前にこんなものなかった筈じゃが…

 ん?
 良く見てみると天職以外にも何か書かれておるのぅ。

 ――――――――――

 名:ルクス=アーヴェンカイン

 年齢:5

 性別:男

 天職:村人

 ――スキル――:なし

 ――称号――:―

 スキルポイント:0

 ――――――――――

 何ぞこれは?

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