最強賢者の転生譚~転生したら世界のルールが変わっていて村人に! それでも過去の己を倒すために最強を目指す~

凛音 麻利

文字の大きさ
3 / 9

1:賢者、転生すると…

しおりを挟む
 目を覚ます。
 辺り一面埃だらけだ。

 どのくらいかは分からないが長らく時間が経っていたことは分かる。


「成功した、かのぅ…?」


 身体を起こし辺りを確認する。

 無数に刻まれた術式に魔法陣。
 壁には剣や槍といった武器が数点。
 鞄なども掛けられている。

 転生前にいた屋敷の地下には武器などは置いてなかった。


「ふむ。どうやら上手くいったようじゃのぅ。ククク」


 どうやらちゃんと転生には成功したようだ。
 思わず笑みが浮かぶ。

 転生なんぞ初めての出来ごと故、失敗も考えていた。
 だが、結果として成功したようだ。

 これでようやっと目的が達せる。
 またしても笑みが浮かぶ。

 いかんのぅ。
 表情筋が機能しとらん。
 笑みで固定されてしもうとる。

 顔をグリグリ解す。

 何とか顔がだらしなくなるのを抑えることには成功したのぅ。
 台座から下りる。


「服、服… 服はどこじゃったか…」


 一応用意しといたはずなんだが。

 転生するに際して調べた時にいくつかの方法を知った。

 最も簡単なのは記憶だけ継承して誰かの子として生まれる方法だ。
 これは一番安全でやりやすい。

 だが、儂は違う方法をとった。

 人間を一から創造する方法だ。

 おかげで転生するのに膨大な魔力、陣を用意せねばならんかった。
 その甲斐もあり今の儂は誰の子でもない。

 最強を目指すのに親がいては行動を縛られてしまう。
 それじゃダメなのだ。

 年齢は五歳と設定した。
 よって体躯は五歳のものとして構築されたはずだ。

 髪なんかは適当じゃったが白だの。

 箪笥の横の机に置いてある鏡をとる。随分バキバキじゃな。
 まぁ、使えんこともない。

 鏡を手に顔を確認する。
 白髪に青い目。
 あどけなさを宿した顔立ちは間違いなく子供じゃのぅ。

 箪笥の中から服を引っ張りだし、着用する。

 少々埃っぽいが問題ないかの。


「さて、さてククク…」


 転生したことが嬉しすぎてまだしても笑みが抑えられん。
 表情筋よ、仕事をしとくれ。
 取り敢えず、また手で普通の顔に戻す。

 手を甲を上にして突き出す。
 スゥーと光が走り、甲に拳台の紋章が浮かび上がった。

 今は転生したこともあり、経験地など生前得たものはリセットされている。
 よって紋章の大きさ最小の拳台なのだ。


「ん、何じゃこれ?」


 見慣れないものがあった。
 紋章の横に同じ輝きを放つ文字があったのだ。

 そこには――


 天職:村人


 そう書かれていた。


「は? 天職?」


 思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。 

 初めて見るものじゃ。
 耳にしたこともない。

 天職とは何じゃろうか?
 いや、言葉の意味は分かる。

 儂が言いたいのは…
 転生前にこんなものなかった筈じゃが…

 ん?
 良く見てみると天職以外にも何か書かれておるのぅ。

 ――――――――――

 名:ルクス=アーヴェンカイン

 年齢:5

 性別:男

 天職:村人

 ――スキル――:なし

 ――称号――:―

 スキルポイント:0

 ――――――――――

 何ぞこれは?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...