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7:賢者、永樹を確認する
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村長の家で今日一日厄介になることが決まった。
そこからやることもなくなり村の散策に出た。
やはり村にいる者達は皆やせ細っている。
相当食い物に困っているのが分かる。
幾人かとすれ違い進んでいくと永樹の元へと辿りついた。
デカイ。
見上げなければいけない所為で首が痛い。
魔族が住む地として存在する魔界。
本来はそこにしか生えていないはずのものだ。
こんなところに生えているはずがない。
樹に手を当てる。
手を通して俺の魔力を流し込んでいく。
「ん?」
これは…
何故この樹に再生能力があるのかが分かった。
人工的に手が加えられている。
樹自体に術式が組まれている。
再生…
吸収量増加…
この二つ、か?
手を放し見上げる。
大きい所為で威圧感がある。
この樹に施された術式を知った今、そ
れがより大きく感じられる。
これは完全に誰かがやったものだ。
出なければこの状態にはならない。
だが、一番気になるのはそんなことじゃない。
ガゼル=ラッドウェルプ。
俺が知っている剣神の中で一番の奴はこいつだ。
赤い髪に赤い瞳。
異常な速度で動く様から紅き閃光なんて言われた速さを突き詰めた最速の剣士だ。
こいつなら片手間で切ってのけるだろうな。
まぁ、今の剣神とこいつを比べるのは酷だろうが。
それでも剣神といわれる程の剣の使い手がこれを切れないのはおかしい。
色々変わりすぎている。
いやハッキリ言おう。
退化している――のでは、と。
そう言わざる得ない。
「俺は一体、何年眠っていたんだ…」
そんな疑問が浮かぶ。
疑問の吐き出すように溜息を吐く。
永樹を背に甲を上にして手を突き出す。
光の線が幾つも浮かび、紋章が浮き上がる。
だが、そこにスキル蘭などの項目はない。
小屋での生活していく中で消せることに気付いたのだ。
別段消すこともないが称号が何か人をバカにしているものがあったのだ。
それを一々目にしたくなかった。
浮かべた紋章に手を翳す。
剣の柄を掴むような形にした手を紋章から遠ざける。
すると中から剣が出てくる。
剣全体が燃えるように真っ赤な剣だ。
それに赤黒い線がいくつも入っている。
知る人は少ないが紋章は身分証以外にも使い道がある。
量はそれほどないが物を収納できるのだ。
紅玉炎・ロストフレイアル。
明日使う剣だ。
腰に差してあるのもそうだが、持ってきた武器は自作のものだ。
出来るなら過去の作品は使わず最強へと登り詰めるべきなのだろう。
だが、最強になる前に死んでしまっては元も子もない。
そういうことで持参してある。
で、その中で永樹を切れるとしたら紅玉炎・ロストフレイアルだけだろう。
無論、今の状態の俺だとだが。
少なくとも一般の剣で切れるようになるのは数年は先だろうな。
剣の状態を確認すると紋章の中に剣をしまう。
「さて、明日が楽しみだ」
高揚した気分のまま村長宅へと向かった。
そこで一晩過ごし、翌、永樹伐採祭りが始まった。
そこからやることもなくなり村の散策に出た。
やはり村にいる者達は皆やせ細っている。
相当食い物に困っているのが分かる。
幾人かとすれ違い進んでいくと永樹の元へと辿りついた。
デカイ。
見上げなければいけない所為で首が痛い。
魔族が住む地として存在する魔界。
本来はそこにしか生えていないはずのものだ。
こんなところに生えているはずがない。
樹に手を当てる。
手を通して俺の魔力を流し込んでいく。
「ん?」
これは…
何故この樹に再生能力があるのかが分かった。
人工的に手が加えられている。
樹自体に術式が組まれている。
再生…
吸収量増加…
この二つ、か?
手を放し見上げる。
大きい所為で威圧感がある。
この樹に施された術式を知った今、そ
れがより大きく感じられる。
これは完全に誰かがやったものだ。
出なければこの状態にはならない。
だが、一番気になるのはそんなことじゃない。
ガゼル=ラッドウェルプ。
俺が知っている剣神の中で一番の奴はこいつだ。
赤い髪に赤い瞳。
異常な速度で動く様から紅き閃光なんて言われた速さを突き詰めた最速の剣士だ。
こいつなら片手間で切ってのけるだろうな。
まぁ、今の剣神とこいつを比べるのは酷だろうが。
それでも剣神といわれる程の剣の使い手がこれを切れないのはおかしい。
色々変わりすぎている。
いやハッキリ言おう。
退化している――のでは、と。
そう言わざる得ない。
「俺は一体、何年眠っていたんだ…」
そんな疑問が浮かぶ。
疑問の吐き出すように溜息を吐く。
永樹を背に甲を上にして手を突き出す。
光の線が幾つも浮かび、紋章が浮き上がる。
だが、そこにスキル蘭などの項目はない。
小屋での生活していく中で消せることに気付いたのだ。
別段消すこともないが称号が何か人をバカにしているものがあったのだ。
それを一々目にしたくなかった。
浮かべた紋章に手を翳す。
剣の柄を掴むような形にした手を紋章から遠ざける。
すると中から剣が出てくる。
剣全体が燃えるように真っ赤な剣だ。
それに赤黒い線がいくつも入っている。
知る人は少ないが紋章は身分証以外にも使い道がある。
量はそれほどないが物を収納できるのだ。
紅玉炎・ロストフレイアル。
明日使う剣だ。
腰に差してあるのもそうだが、持ってきた武器は自作のものだ。
出来るなら過去の作品は使わず最強へと登り詰めるべきなのだろう。
だが、最強になる前に死んでしまっては元も子もない。
そういうことで持参してある。
で、その中で永樹を切れるとしたら紅玉炎・ロストフレイアルだけだろう。
無論、今の状態の俺だとだが。
少なくとも一般の剣で切れるようになるのは数年は先だろうな。
剣の状態を確認すると紋章の中に剣をしまう。
「さて、明日が楽しみだ」
高揚した気分のまま村長宅へと向かった。
そこで一晩過ごし、翌、永樹伐採祭りが始まった。
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