22 / 32
22、過去の残像
しおりを挟む
俺は久しぶりに、やらかしてしまった。
寝ているエグベアートを起こさないよう、速攻で身支度を整え外へ出る。どうにかセーフ……だよな?
頭をスッキリさせようと、汲んでおいた冷たい水で顔を洗っていると、エグベアートが起きてきた。
「ほら、忘れているぞ」と、横から差し出されたタオルを受け取る。
「ありがと。あのさ……エグベアート、昨日はごめん!」
酔っ払ったことを謝ると、エグベアートは「いや」と笑う。
「二日酔いは大丈夫か?」
「うん、それは大丈夫。さっき自分に治癒かけたから。えっと……それより俺、エグベアートに迷惑かけなかったか?」
「フーマはすぐに眠ってしまったから、特に問題はなかったぞ」
本当だろうか? そうであってほしい……そうであってくれ!
顔を拭きながら、チラッとエグベアートを見ると、話しながらも慣れた手つきでテントを仕舞っている。
エグベアートを無理矢理引っ張って、ベッドに入ったまでの記憶はあった。それ以降の事は何も覚えていないが。エグベアートが寝袋を使っていたってことは、結局のところ、俺がベッドを占領してしまったのだろうが。問題ないと言ってくれるなら甘えよう。
「そっか、なら良かった。飲んだの久々だったから、またやらかしたかと思った」
「……また?」
「あー、俺って酒癖が悪いみたいでさぁ」
「……みたい? それは、誰かに言われたのか?」
ズイッと、エグベアートは真面目な顔で俺の肩を掴む。威圧感が凄いな。やっぱり、やらかしたんじゃないか、俺?
「えっと、腐れ縁の友……知り合い? 飲み過ぎないように、いつも釘を刺されていたんだよ。だから、社会人……働きに出るようになってからは、外で酒は飲まないようにしてたんだ。だけど、夕べはちょっと楽しくなっちゃって」
絶交した日を境に、酒もだが、俺は人とも距離を置くようになった。
こんなに誰かと行動を共にしたのは、施設の時以来かもしれない。あの時は、楽しさなんて全然無かったが。
その後は、普通に学生生活をおくり、友人たちともそれなりの距離感だった。
ただ、俺が飲み会とかに参加する時は、いつも元友人が一緒だったけど。
最初の数杯で「この辺でやめておけ」と、ノンアルにチェンジされていた。俺の酒癖が悪く、みんなに迷惑をかけるからだと。考えてみれば、なんだかんだ言いながら、あいつは俺の世話を焼いてくれていた。
幼馴染みたいな関係で、俺のことを気にかけてくれるいい奴だった――いや、いい奴だと思っていたんだ。あの日、全てを知るまでは。
あれから……女性はもちろん、俺は他人を信用するのが怖くなった。
「フーマ?」
「あ、ごめん、なんでもない」
慌てて過去の残像を振り払う。
「ひとり暮らしで、誰かと飲むのが久しぶりだったんだ。仕事終わりに家で独りだと、つい深酒しちゃって、目が覚めたら全裸って事がよくあってさ。自分だけだし、気にしてなかったんだけど……はは」
ふと見ると、エグベアートは顔を赤くしている。
「えっと……、もしかして見た?」
お願いだ。見ていないと言ってくれ!
「………………見ていない」
間が長い!
そして俺の視線から逃げるように、ふいっと横を向くエグベアート。
あ、絶対見たやつだコレ。
たぶんエグベアートは、俺のやらかしを見て、知らないフリをしてくれているんだろうな。
せめて細マッチョとか、見せても恥ずかしくない体型ならよかったが。上半身ならともかく、貧相なオッサンの全裸を見せるとか、完全にセクハラだよなぁ……。すまんな、若人よ。
「やっぱり、禁酒した方がいいのかなぁ」
今日は俺がしょんぼりする番だ。
「っ! ……しなくていい」
「ん?」
「私とふたりの時なら構わない。フーマは酒が好きなのだろう? 飲み過ぎないよう、これからは私が止めるから心配するな」
「エグベアートぉ…………!」
なんて良い人なんだ! 思わず抱きつこうとしたら、そのままヒョイッとルイーサに乗せられてしまった。
なぜに⁉︎ やっぱり引かれてしまったのか?
「ほら、急いで出発しないと、次の観測地に着くのが遅れるぞ」
「あ、そうだった!」
俺たちはルート変更したから、先を急がないといけない。呑気に抱擁している場合じゃなかった。
もし王城の神子がやる気を起こし、王太子に伝えてある前のルートで俺たちを追いかけてきたら、鉢合わせてしまう場所があるのだ。
王城の神子に、俺は絶対に関わるなと言われているからな。王太子が同行しているならいいが、違ったら厄介だ。
逆にその場所を回避できれば、進行方向は逆になり、気づかれないうちに最終地点に到着できる。
侯爵家の地図を見なくとも、王家はそこを知っているだろうが。
ただ、俺たちが向かうとは思わないはず。
エグベアートと俺は次の目的地に向かって、すぐに出発した。
※※※
無事、俺たちは誰とも鉢合わせする事もなく、順調に観測地の浄化を進めて行った。
エグベアートは時々、カーティス副団長に王城の神子たちの動向を確認している。やはり、神子は各地の浄化に向かいたいと言っていると。
ちょっと予想外だったのは、王城の神子は規模も小さかった王都の穢れに、だいぶ苦戦したようだ。まだ本調子でないからか?
まあ、今さら追いかけて来られても、前半のルートの浄化は終わっているので、そう問題は起こらないだろう。王都や湖沼のように、想定外の場所で穢れが発生する可能性もあるが。
そこは、向こうの神子に頑張ってもらうしかない。
「フーマ、疲れてはいないか?」
「うん、今のところは問題ないかな」
あれだけ浄化を続けているが、エグベアートが心配している魔力切れは、まだまだ起こりそうもない。
この分なら、秘宝のオーブの力を借りなくても、最終地点の浄化もいけそうだ。
でも、なんだか違和感がある。
だってさ、初代神子は歴代で最も強い力があったんだよな。だったらさ、巻き込まれただけのオッサン神子より、浄化は余裕だったはずだ。
それなのに、どうして浄化が終わらなかったのだろうか?
順調すぎることが、却って不安になった。
寝ているエグベアートを起こさないよう、速攻で身支度を整え外へ出る。どうにかセーフ……だよな?
頭をスッキリさせようと、汲んでおいた冷たい水で顔を洗っていると、エグベアートが起きてきた。
「ほら、忘れているぞ」と、横から差し出されたタオルを受け取る。
「ありがと。あのさ……エグベアート、昨日はごめん!」
酔っ払ったことを謝ると、エグベアートは「いや」と笑う。
「二日酔いは大丈夫か?」
「うん、それは大丈夫。さっき自分に治癒かけたから。えっと……それより俺、エグベアートに迷惑かけなかったか?」
「フーマはすぐに眠ってしまったから、特に問題はなかったぞ」
本当だろうか? そうであってほしい……そうであってくれ!
顔を拭きながら、チラッとエグベアートを見ると、話しながらも慣れた手つきでテントを仕舞っている。
エグベアートを無理矢理引っ張って、ベッドに入ったまでの記憶はあった。それ以降の事は何も覚えていないが。エグベアートが寝袋を使っていたってことは、結局のところ、俺がベッドを占領してしまったのだろうが。問題ないと言ってくれるなら甘えよう。
「そっか、なら良かった。飲んだの久々だったから、またやらかしたかと思った」
「……また?」
「あー、俺って酒癖が悪いみたいでさぁ」
「……みたい? それは、誰かに言われたのか?」
ズイッと、エグベアートは真面目な顔で俺の肩を掴む。威圧感が凄いな。やっぱり、やらかしたんじゃないか、俺?
「えっと、腐れ縁の友……知り合い? 飲み過ぎないように、いつも釘を刺されていたんだよ。だから、社会人……働きに出るようになってからは、外で酒は飲まないようにしてたんだ。だけど、夕べはちょっと楽しくなっちゃって」
絶交した日を境に、酒もだが、俺は人とも距離を置くようになった。
こんなに誰かと行動を共にしたのは、施設の時以来かもしれない。あの時は、楽しさなんて全然無かったが。
その後は、普通に学生生活をおくり、友人たちともそれなりの距離感だった。
ただ、俺が飲み会とかに参加する時は、いつも元友人が一緒だったけど。
最初の数杯で「この辺でやめておけ」と、ノンアルにチェンジされていた。俺の酒癖が悪く、みんなに迷惑をかけるからだと。考えてみれば、なんだかんだ言いながら、あいつは俺の世話を焼いてくれていた。
幼馴染みたいな関係で、俺のことを気にかけてくれるいい奴だった――いや、いい奴だと思っていたんだ。あの日、全てを知るまでは。
あれから……女性はもちろん、俺は他人を信用するのが怖くなった。
「フーマ?」
「あ、ごめん、なんでもない」
慌てて過去の残像を振り払う。
「ひとり暮らしで、誰かと飲むのが久しぶりだったんだ。仕事終わりに家で独りだと、つい深酒しちゃって、目が覚めたら全裸って事がよくあってさ。自分だけだし、気にしてなかったんだけど……はは」
ふと見ると、エグベアートは顔を赤くしている。
「えっと……、もしかして見た?」
お願いだ。見ていないと言ってくれ!
「………………見ていない」
間が長い!
そして俺の視線から逃げるように、ふいっと横を向くエグベアート。
あ、絶対見たやつだコレ。
たぶんエグベアートは、俺のやらかしを見て、知らないフリをしてくれているんだろうな。
せめて細マッチョとか、見せても恥ずかしくない体型ならよかったが。上半身ならともかく、貧相なオッサンの全裸を見せるとか、完全にセクハラだよなぁ……。すまんな、若人よ。
「やっぱり、禁酒した方がいいのかなぁ」
今日は俺がしょんぼりする番だ。
「っ! ……しなくていい」
「ん?」
「私とふたりの時なら構わない。フーマは酒が好きなのだろう? 飲み過ぎないよう、これからは私が止めるから心配するな」
「エグベアートぉ…………!」
なんて良い人なんだ! 思わず抱きつこうとしたら、そのままヒョイッとルイーサに乗せられてしまった。
なぜに⁉︎ やっぱり引かれてしまったのか?
「ほら、急いで出発しないと、次の観測地に着くのが遅れるぞ」
「あ、そうだった!」
俺たちはルート変更したから、先を急がないといけない。呑気に抱擁している場合じゃなかった。
もし王城の神子がやる気を起こし、王太子に伝えてある前のルートで俺たちを追いかけてきたら、鉢合わせてしまう場所があるのだ。
王城の神子に、俺は絶対に関わるなと言われているからな。王太子が同行しているならいいが、違ったら厄介だ。
逆にその場所を回避できれば、進行方向は逆になり、気づかれないうちに最終地点に到着できる。
侯爵家の地図を見なくとも、王家はそこを知っているだろうが。
ただ、俺たちが向かうとは思わないはず。
エグベアートと俺は次の目的地に向かって、すぐに出発した。
※※※
無事、俺たちは誰とも鉢合わせする事もなく、順調に観測地の浄化を進めて行った。
エグベアートは時々、カーティス副団長に王城の神子たちの動向を確認している。やはり、神子は各地の浄化に向かいたいと言っていると。
ちょっと予想外だったのは、王城の神子は規模も小さかった王都の穢れに、だいぶ苦戦したようだ。まだ本調子でないからか?
まあ、今さら追いかけて来られても、前半のルートの浄化は終わっているので、そう問題は起こらないだろう。王都や湖沼のように、想定外の場所で穢れが発生する可能性もあるが。
そこは、向こうの神子に頑張ってもらうしかない。
「フーマ、疲れてはいないか?」
「うん、今のところは問題ないかな」
あれだけ浄化を続けているが、エグベアートが心配している魔力切れは、まだまだ起こりそうもない。
この分なら、秘宝のオーブの力を借りなくても、最終地点の浄化もいけそうだ。
でも、なんだか違和感がある。
だってさ、初代神子は歴代で最も強い力があったんだよな。だったらさ、巻き込まれただけのオッサン神子より、浄化は余裕だったはずだ。
それなのに、どうして浄化が終わらなかったのだろうか?
順調すぎることが、却って不安になった。
597
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~
水凪しおん
BL
過労死した平凡な会社員が目を覚ますと、そこは愛読していたBL小説の世界。よりにもよって、義理の家族に虐げられ、最後は婚約者に断罪される「悪役令息」リオンに転生してしまった!
「出来損ないのΩ」と罵られ、食事もろくに与えられない絶望的な日々。破滅フラグしかない運命に抗うため、前世の知識を頼りに生き延びる決意をするリオン。
そんな彼の前に現れたのは、隣国から訪れた「冷徹皇帝」カイゼル。誰もが恐れる圧倒的カリスマを持つ彼に、なぜかリオンは助けられてしまう。カイゼルに触れられた瞬間、走る甘い痺れ。それは、αとΩを引き合わせる「運命の番」の兆しだった。
「お前がいいんだ、リオン」――まっすぐな求婚、惜しみない溺愛。
孤独だった悪役令息が、運命の番である皇帝に見出され、破滅の運命を覆していく。巧妙な罠、仕組まれた断罪劇、そして華麗なるざまぁ。絶望の淵から始まる、極上の逆転シンデレラストーリー!
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
【完結済】スパダリになりたいので、幼馴染に弟子入りしました!
キノア9g
BL
モテたくて完璧な幼馴染に弟子入りしたら、なぜか俺が溺愛されてる!?
あらすじ
「俺は将来、可愛い奥さんをもらって温かい家庭を築くんだ!」
前世、ブラック企業で過労死した社畜の俺(リアン)。
今世こそは定時退社と幸せな結婚を手に入れるため、理想の男「スパダリ」になることを決意する。
お手本は、幼馴染で公爵家嫡男のシリル。
顔よし、家柄よし、能力よしの完璧超人な彼に「弟子入り」し、その技術を盗もうとするけれど……?
「リアン、君の淹れたお茶以外は飲みたくないな」
「君は無防備すぎる。私の側を離れてはいけないよ」
スパダリ修行のつもりが、いつの間にか身の回りのお世話係(兼・精神安定剤)として依存されていた!?
しかも、俺が婚活をしようとすると、なぜか全力で阻止されて――。
【無自覚ポジティブな元社畜】×【隠れ激重執着な氷の貴公子】
「君の就職先は私(公爵家)に決まっているだろう?」
過労死研究員が転生したら、無自覚チートな薬草師になって騎士様に溺愛される件
水凪しおん
BL
「君といる未来こそ、僕のたった一つの夢だ」
製薬会社の研究員だった月宮陽(つきみや はる)は、過労の末に命を落とし、魔法が存在する異世界で15歳の少年「ハル」として生まれ変わった。前世の知識を活かし、王立セレスティア魔法学院の薬草学科で特待生として穏やかな日々を送るはずだった。
しかし、彼には転生時に授かった、薬草の効果を飛躍的に高めるチートスキル「生命のささやき」があった――本人だけがその事実に気づかずに。
ある日、学院を襲った魔物によって負傷した騎士たちを、ハルが作った薬が救う。その奇跡的な効果を目の当たりにしたのは、名門貴族出身で騎士団副団長を務める青年、リオネス・フォン・ヴァインベルク。
「君の知識を学びたい。どうか、俺を弟子にしてくれないだろうか」
真面目で堅物、しかし誰より真っ直ぐな彼からの突然の申し出。身分の違いに戸惑いながらも、ハルは彼の指導を引き受ける。
師弟として始まった二人の関係は、共に過ごす時間の中で、やがて甘く切ない恋心へと姿を変えていく。
「君の作る薬だけでなく、君自身が、俺の心を癒やしてくれるんだ」
これは、無自覚チートな平民薬草師と、彼を一途に愛する堅物騎士が、身分の壁を乗り越えて幸せを掴む、優しさに満ちた異世界スローライフ&ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる