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11 7m対決
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次の日、健介は女子ハンドボール部の部室を訪れた。
「健介、コーチしてくれるそうです」
隣にいたあゆみがそう言うと、部員たちから歓声が上がった。
「ただし、やるからには本気です。覚悟はありますか?」
「もちろん」
「それならいいです。早速やりましょう」
そう言って始まった練習は控えめに言って拷問だった。
「キツ……」
「……」
「……」
声を出せるのはまだいい方で、ほとんどの部員は半死半生、息も絶え絶えな状態に追い込まれている。
ひたすらダッシュ。
それが健介の課した練習だった。
もちろん何の下地もないままにハード過ぎるダッシュを課したら、あっという間に全員が肉離れを起こしてリタイアしてしまう。初日ということもあって、健介的には十分手加減したメニューなのであった。
「思ったよりもみんな走れるな」
練習終了後、屍と化した部員たちに、健介はにこやかに言った。ちなみに、健介自身も部員たちと同じメニューをこなしているのだが、こちらはぴんぴんしている。
「…健介、あんたどんな体力してんのよ……」
あゆみの声には呆れと驚きが同居していた。
「何言ってんだ。聖女の連中ならこれくらい走るだろ。逆にこれくらいは余裕でこなしてもらえるようになってもらうからな」
「う……」
一同の顔が青ざめる。今になってようやく自分たちの約束の重さを実感したようだ。
「どうする? お試しだったってことにして、白紙に戻すか?」
健介の言葉に魅力を感じた部員も中にはいたようだが、ほとんどの部員たちは気丈に首を振った。
「馬鹿にしないでよ。これでやめたら女が廃るわ」
「ええ、一度やると決めた以上とことんやるわよ」
厳しくなった練習初日というのは心が折れやすいタイミングである。そのタイミングで、たとえ強がりだったとしてもこのセリフを吐けるハートの強さは健介的にも評価に値した。
こいつら、マジで強くなるぞ。
健介が久々にワクワクするものを感じていると、立ち上がったあゆみが挑戦的な笑顔を向けてきた。
「健介、久しぶりに勝負しようよ」
「7mか?」
「そう。何となく今日なら勝てそうな気がした」
「いいぜ。返り討ちにしてやるよ」
7mスロー。
サッカーで言うところのPKである。基本的にシューターの方が有利なのは変わらないが、これを得意とするキーパーは、ハンドボールには結構多い。そして、健介はその一人であった。
ボールを持ったあゆみがラインに立つ。
対する健介は、ゴールラインから少し前で構えた。サッカーとは違い、位置取りは自由である。
キャプテンが笛を吹く。
右上隅ーー右利きシューターで言う流しの上ーーを狙ったシュートは、健介が伸ばした左手に、ものの見事に弾き返された。
「ああーっ!」
あゆみは頭を抱えた。自分としては手応えのあるシュートだったのに、いとも簡単にセーブされてしまった。
「まだまだだな」
「もう一回!」
「来な」
その後、健介は五本連続であゆみの7mスローをセーブして見せた。
「マジ……」
「7mの神がいる」
一気に部員たちの尊敬を集めた健介であった。
「健介、コーチしてくれるそうです」
隣にいたあゆみがそう言うと、部員たちから歓声が上がった。
「ただし、やるからには本気です。覚悟はありますか?」
「もちろん」
「それならいいです。早速やりましょう」
そう言って始まった練習は控えめに言って拷問だった。
「キツ……」
「……」
「……」
声を出せるのはまだいい方で、ほとんどの部員は半死半生、息も絶え絶えな状態に追い込まれている。
ひたすらダッシュ。
それが健介の課した練習だった。
もちろん何の下地もないままにハード過ぎるダッシュを課したら、あっという間に全員が肉離れを起こしてリタイアしてしまう。初日ということもあって、健介的には十分手加減したメニューなのであった。
「思ったよりもみんな走れるな」
練習終了後、屍と化した部員たちに、健介はにこやかに言った。ちなみに、健介自身も部員たちと同じメニューをこなしているのだが、こちらはぴんぴんしている。
「…健介、あんたどんな体力してんのよ……」
あゆみの声には呆れと驚きが同居していた。
「何言ってんだ。聖女の連中ならこれくらい走るだろ。逆にこれくらいは余裕でこなしてもらえるようになってもらうからな」
「う……」
一同の顔が青ざめる。今になってようやく自分たちの約束の重さを実感したようだ。
「どうする? お試しだったってことにして、白紙に戻すか?」
健介の言葉に魅力を感じた部員も中にはいたようだが、ほとんどの部員たちは気丈に首を振った。
「馬鹿にしないでよ。これでやめたら女が廃るわ」
「ええ、一度やると決めた以上とことんやるわよ」
厳しくなった練習初日というのは心が折れやすいタイミングである。そのタイミングで、たとえ強がりだったとしてもこのセリフを吐けるハートの強さは健介的にも評価に値した。
こいつら、マジで強くなるぞ。
健介が久々にワクワクするものを感じていると、立ち上がったあゆみが挑戦的な笑顔を向けてきた。
「健介、久しぶりに勝負しようよ」
「7mか?」
「そう。何となく今日なら勝てそうな気がした」
「いいぜ。返り討ちにしてやるよ」
7mスロー。
サッカーで言うところのPKである。基本的にシューターの方が有利なのは変わらないが、これを得意とするキーパーは、ハンドボールには結構多い。そして、健介はその一人であった。
ボールを持ったあゆみがラインに立つ。
対する健介は、ゴールラインから少し前で構えた。サッカーとは違い、位置取りは自由である。
キャプテンが笛を吹く。
右上隅ーー右利きシューターで言う流しの上ーーを狙ったシュートは、健介が伸ばした左手に、ものの見事に弾き返された。
「ああーっ!」
あゆみは頭を抱えた。自分としては手応えのあるシュートだったのに、いとも簡単にセーブされてしまった。
「まだまだだな」
「もう一回!」
「来な」
その後、健介は五本連続であゆみの7mスローをセーブして見せた。
「マジ……」
「7mの神がいる」
一気に部員たちの尊敬を集めた健介であった。
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