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93 ミネルヴァの現状
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厳しい修行が始まったが、俺はまだ解呪の方がメインであり、時間が許すときだけ修行に参加することになった。
初めて修行に参加した昨日、リョウさんが虚ろな目をしていた理由をイヤと言うほど思い知らされた。あれを続けられれば強くなるだろうな、と納得の内容で、終わる頃にはツブラのことを自然に「軍曹殿」と呼んでいる自分がいた。
そんなわけで、今日はミネルヴァのもとを訪れている。どんなわけかは察して欲しい。
「大丈夫ですか。ずいぶんお疲れのご様子ですが」
「ああ、大丈夫だよ。大したことないから」
シルヴィアに治癒魔法をかけてもらえば一発で治るのだが、修行の間、治癒魔法を使うことはツブラから禁じられていた。なんでも、それでは身体は鍛えられても心が鍛えられないらしい。別人格が生まれるくらい追い込まないと意味がないなんて言ってたが、それってまずくないか?
死人が出なけりゃいいが、と真面目に思う。
それくらいあの修行はヤバかった。
「なあ、ミネルヴァ」
「はい」
「今な、ブライト王子と親衛隊の人たちが大変なんだよ。見かけたら優しくしてやってくれな」
「は、はい」
少し戸惑った顔も可愛い。
日一日と呪いはその力を弱めているようで、侍女さんたちの間では、ミネルヴァの本来の顔がどんなものなのかがホットな話題になっているらしい。
普通なら不敬と言われても不思議ではないところだが、ミネルヴァ自身が楽しんでいるようなので、ヤボなことは言うまい。
ミネルヴァの呪い、そしてそれが解呪中である話はそれなりに広まっているようで、貴族たちが様子を見に来ることも増えた。容姿が理由で敬遠されていた王女の容姿が改善されるとなれば無関心ではいられないのだろう。
だが、この手の連中ってのは本当にどうにかならんものか?
行動原理が興味本意のためか、ミネルヴァに対する気遣いが決定的に欠けているのだ。
「何だ、綺麗になったと聞いたので見に来たが、相変わらすではないか。ふん、つまらん」
こんな馬鹿なことを平気でほざきやがる。
よっぽどぶん殴ってやろうかと思ったんだが、このクソっ小僧は国内屈指の大貴族の嫡男らしく、俺の雰囲気を察したミネルヴァが必死の目で止めてきたので、何とか思いとどまった。
このままじゃ絶対よくないよな。揉め事になる可能性も高いし。
そこで、その日の夕刻、半死半生の体で城に戻ってきたブライト王子を捕まえた。
「食事の後でいい。ミネルヴァの件で話がある」
そう言うと、ブライト王子の表情が引き締まった。
「わかった。実は俺の方にも話があるんだ。できればシルヴィア様にも同席してもらいたいんだか」
「シルヴィアも? まあいいか。じゃあ部屋で待ってればいいかな」
「頼む」
そういうことになった。
初めて修行に参加した昨日、リョウさんが虚ろな目をしていた理由をイヤと言うほど思い知らされた。あれを続けられれば強くなるだろうな、と納得の内容で、終わる頃にはツブラのことを自然に「軍曹殿」と呼んでいる自分がいた。
そんなわけで、今日はミネルヴァのもとを訪れている。どんなわけかは察して欲しい。
「大丈夫ですか。ずいぶんお疲れのご様子ですが」
「ああ、大丈夫だよ。大したことないから」
シルヴィアに治癒魔法をかけてもらえば一発で治るのだが、修行の間、治癒魔法を使うことはツブラから禁じられていた。なんでも、それでは身体は鍛えられても心が鍛えられないらしい。別人格が生まれるくらい追い込まないと意味がないなんて言ってたが、それってまずくないか?
死人が出なけりゃいいが、と真面目に思う。
それくらいあの修行はヤバかった。
「なあ、ミネルヴァ」
「はい」
「今な、ブライト王子と親衛隊の人たちが大変なんだよ。見かけたら優しくしてやってくれな」
「は、はい」
少し戸惑った顔も可愛い。
日一日と呪いはその力を弱めているようで、侍女さんたちの間では、ミネルヴァの本来の顔がどんなものなのかがホットな話題になっているらしい。
普通なら不敬と言われても不思議ではないところだが、ミネルヴァ自身が楽しんでいるようなので、ヤボなことは言うまい。
ミネルヴァの呪い、そしてそれが解呪中である話はそれなりに広まっているようで、貴族たちが様子を見に来ることも増えた。容姿が理由で敬遠されていた王女の容姿が改善されるとなれば無関心ではいられないのだろう。
だが、この手の連中ってのは本当にどうにかならんものか?
行動原理が興味本意のためか、ミネルヴァに対する気遣いが決定的に欠けているのだ。
「何だ、綺麗になったと聞いたので見に来たが、相変わらすではないか。ふん、つまらん」
こんな馬鹿なことを平気でほざきやがる。
よっぽどぶん殴ってやろうかと思ったんだが、このクソっ小僧は国内屈指の大貴族の嫡男らしく、俺の雰囲気を察したミネルヴァが必死の目で止めてきたので、何とか思いとどまった。
このままじゃ絶対よくないよな。揉め事になる可能性も高いし。
そこで、その日の夕刻、半死半生の体で城に戻ってきたブライト王子を捕まえた。
「食事の後でいい。ミネルヴァの件で話がある」
そう言うと、ブライト王子の表情が引き締まった。
「わかった。実は俺の方にも話があるんだ。できればシルヴィア様にも同席してもらいたいんだか」
「シルヴィアも? まあいいか。じゃあ部屋で待ってればいいかな」
「頼む」
そういうことになった。
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