異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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96 贈り物

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 ああは言ったものの、いざ実際にプロポーズとなると、様々な準備が必要になる。

 一番は心の準備なわけだが、指輪も用意しなきゃいかん。

 そして頭を悩ませているのはプロポーズの言葉だ。

 シルヴィアの時はある意味流れのままに進んだ感じで、あまり悩むことはなかった。

 でも、今度はそうはいかねえよなあ……

 大体状況がおかしいだろ。いきなり側室になってくれって言われて、はい喜んでと答える女がいるとは思えない。バツがついてればまだあれだが、ミネルヴァは正真正銘、未開封の箱入り娘だ。

 大分脳みそが煮詰まってきたので、気分転換を兼ねてガンテスさんのところにお邪魔する。指輪についての相談だ。

「おう、ようやくか」

 久しぶりに顔を合わせたガンテスさんは開口一番そんなことを言い出した。

「え?   何が?」

「ミネルヴァ嬢ちゃんに贈るんだろ?   やっとそういう話になったか、ってことだ」

「あれ……?」

 ミネルヴァにプロポーズするのがあたりまえ、みたいな流れになってる?

「見てりゃわかるだろ、そんなこと」

「そうなの?」

「これだ……」

 ガンテスさんは呆れたように肩をすくめた。

「おまえ、いつか刺されるぞ」

 俺が悪いのか?   何かすごく理不尽なことを言われてる気がするんだが……

 気を取り直して本題に入る。すると、あっさりと重大な情報が出てきた。

「こないだ嬢ちゃんが色々見ていったぞ」

「マジで!?」

 それは助かるな。どんなの気に入ってたか教えてもらえれば、外すことはなくなるな。

「この国にも懐剣贈る習慣ってあるんですかね?」

「おう、準備しといたぞ」

 一振りの懐剣を渡された。

 …この展開をわかってたっていうのは本当みたいだな……

 自分の鈍さにへこみそうになる。

 それはともかく、懐剣はまたしても国宝レベルの出来栄えだった。シルヴィアに贈ったものより若干小ぶりだが、施された精緻な細工はまったく見劣りしない。

「これまたすげえっすね。ありがとうございます」

 素直に礼を言って受け取った。

「それからな、嬢ちゃんの指のサイズも測っといたから、デザインだけ決めてくれれば、すぐに作るぞ」

 重ね重ねありがとうございます。もうガンテスさんには頭が上がりません。

 それからガンテスさんと二人で指輪のデザインを検討し、製作をお願いした。

 三日後にはできあがるとのことで、非常に楽しみだ。

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