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4 友人たち
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「あー、気が重い……」
足首に鉛でも巻かれているのでは、と思うほど重く感じる足を引きずりながらケントは学園へ続く坂道を歩いていた。
どうせもう知らないヤツなんていないんだろうな…はあ……
あれだけの人前で騒いだのだ。しかもネタがネタだけに広まらない方がおかしい。
絶対あることないこと言われるんだろうな。
憂鬱でしかたない、とケントは背中を丸めた。
「どうしたのよ、元気ないぞ!」
弾けそうな声とともにスナップの利いた平手で背中を叩かれて、ケントは悲鳴をあげた。
「いってぇ!?」
振り返ると、予想通りの元気ハツラツ少女がいた。
「おはよう、ケント」
「おはよう、ってか挨拶ならもう少し手加減してくれ。絶対手形残ったぞ」
「おじいちゃんみたいに背中丸めてるからだよーー気持ちはわからなくもないけど、ケントは悪くないんだからもっと堂々としてなきゃダメだよ」
そう言って、クラスメイトの元気少女アリサはにぱっとおひさまのような笑顔を見せた。
「心配してくれたのか。サンキューな」
ケントの礼にアリサがパニクった。
「そ、そ、そ、そういうわけじゃないよ。歩いてたら前に背中丸めてるみっともないのがいたから助走つけて叩いただけだよ」
「助走つけたのかよ……ま、おかげで背中は伸びたよ」
「ん。それでよし」
アリサは小柄な身体をいっぱいに使って、えへんと威張って見せる。そこに小動物的可愛さを見て、ケントの気分もほっこりした。
アリサが先陣を切ってくれたおかげで、スタンスを決めかねていたクラスメイトたちもいつも通りにケントに挨拶をしてきた。
「ようケント、災難だったな」
「よかったじゃん。身軽になれて」
「ケントくん、今度デートしよ」
ちょっと不穏な発言もあったが、基本的には気の置けない友人たちなので、ケントも楽しい気分になれる。
しかし、辺境伯領へ戻ることになれば、彼らとも別れる話になる。それはちょっと残念だな、と思うケントであった。
「どういうことよ!?」
ケントが自らの退学と領地への帰還を告げたら、裏返った声で悲鳴をあげたのがアリサだった。
「何でケントが学校やめるなんて話になるわけ!?」
「領地へ帰るんだ。しょうがないだろ」
「やめなくたっていいじゃん。ケントだけこっちに残るわけにはいかないの?」
「残念だけど……」
「そんなあ」
「何とかならんのか?」
仲間内ではリーダーシップをとることが多いティエリーが気遣わしげな表情で問いかけた。
「どうにもならんなあ」
素っ気なく答えながら、ケントは胸が熱くなるのを感じていた。こうして別れを惜しんでくれる友人の存在は何物にも代えがたい。
「うー」
アリサが可愛い顔に似合わぬ唸り声を上げる。
「せっかくチャンスが巡ってきたかと思ったのにぃ」
「チャンス?」
「あ、ううん、何でもない!」
「そうか?」
二人のやり取りを聞いていた仲間たちは身悶えした。
「気づけ!」
「鈍」
「ギルティ」
どれも呟きに近い声量だったので、ケントの耳には届かなかった。
「慌てなかったのは正解だよ。昨日の今日でがっついてきたら、ケントくんの人間性を疑わなきゃいけなくなるしね」
アリサの耳元で楽しそうに囁いたのはナスチャ。綺麗なお姉さんという表現がこれほど似合う人はいないだろうと言われている。
「でも、遠くに離れちゃうんだよ」
「わかってる」
小さく頷いて、ナスチャはケントに問いかける。
「ねえケント、夏休みにグリーンヒル領に遊びに行ってもいい?」
はっとアリサがナスチャを振り返った。
いい笑顔でサムズアップするナスチャ。
持つべきものは機転の利く友人だ、と感謝しつつアリサはケントに期待の目を向けた。
「おう、もちろんだ。大歓迎するぜ」
「やった!」
アリサは小さくガッツポーズした。とりあえずこれで縁がこれっきり切れてしまうという最悪の事態は避けられた。
ナスチャも言ってたけど、慌てちゃダメよね。普通そうに見えるけど、傷ついてないはずがないもんね。
「荷造りは進んでるのか? 何なら手伝うが」
ティエリー、ナイス!
アリサは前のめりに食いついた。
「あたしも行く。ケントの形見何かちょうだい」
「殺すな!」
ケントは思わず素で突っ込んだ。
元々殺風景な部屋だったので改まって片づけるようなものはない、とケントは断ったのだが、強引に押しかけるような形で一同は部屋を訪れていた。
「…何と言うか、ストイックな部屋だね……」
「面白味がないだろ?」
「いつも部屋で何してたの?」
「一人の時は大体料理の研究してたかな」
「料理の研究? ケントくん、料理なんてするの?」
「するぞーーショーユとミソって知ってるか?」
ケントが訊くと、女性陣は揃って頷いた。
「あれ、美味しいよね。あたしは特に魚をショーユで味付けするのが好き」
「店先で配ってたレシピにあったミソシルって美味しかったわ。具も色々工夫できるから飽きないし」
「おお、使ってくれてるんだなーーちなみに、あれ作ったの俺だから」
「「「ええーっ!?」」」
驚きの声がハモる。
「マジ?」
「何でそんなことできるの?」
「それは企業秘密だ」
「キギョウって何?」
アリサの素朴な疑問に、ケントのこめかみがピクリと動いた
「あ、あー、何でもない。忘れてくれ」
「変なの」
それ以上追及はなかったので、ケントとしては助かった。
ヤバいヤバい。気を緩めちゃダメだ。
「ちょっと待って」
ナスチャが鋭い声でその場を制し、ケントはビビって跳ね上がりそうになった。
「ど、どうした?」
「もしかしてこれからショーユとミソって手に入れにくくなる?」
あー、そのことか。
ケントは罪悪感を覚えながら頷いた。
「多分そうなると思う」
「大変じゃない!?」
アリサが素っ頓狂な声をあげた。
「あの味を教え込まれて、あれなしではいられなくなったところで取り上げられるなんて、耐えられるわけないじゃない!?」
「アリサ、落ち着きなさい。その言い方、ちょっと卑猥に響くわよ」
「なーー」
赤くなって沈黙したアリサに代わって、ナスチャがケントに質問する。
「国としての政策ってことなのよね?」
「ああ」
「それじゃあしかたないのもわかるんだけど、あたしもあの味を食べれなくなっちゃうのは辛いかなーー何とかならない?」
「ごめん」
変に期待を持たせないよう、ケントはきっぱり頭を下げた。
そうなると、一連の事情を知っている身としては強く言えなくなってしまう。
「ケントが悪いわけじゃないわよ。悪いのはアルミナよ」
「あいつ、ホントにロクでもないわね」
「アリサ、あんまり言わない方がいいわよ」
「あ、ごめん、ケント」
「気にすんな。そう思ったから婚約破棄に応じたわけだし」
ケントは苦笑混じりに答えた。
「なあ、使えなくなるものって、そのショーユとミソだけなのか? グリーンヒル領っていろんな産業があるよな」
今度はティエリーが訊いた。
「実に言いづらいんだが……」
ケントが影響が出そうなものを挙げていったら、一同の表情が見るみるうちに険しくなっていった。
「やっぱあいつロクでもない」
結論としては、そこに落ち着いた。
足首に鉛でも巻かれているのでは、と思うほど重く感じる足を引きずりながらケントは学園へ続く坂道を歩いていた。
どうせもう知らないヤツなんていないんだろうな…はあ……
あれだけの人前で騒いだのだ。しかもネタがネタだけに広まらない方がおかしい。
絶対あることないこと言われるんだろうな。
憂鬱でしかたない、とケントは背中を丸めた。
「どうしたのよ、元気ないぞ!」
弾けそうな声とともにスナップの利いた平手で背中を叩かれて、ケントは悲鳴をあげた。
「いってぇ!?」
振り返ると、予想通りの元気ハツラツ少女がいた。
「おはよう、ケント」
「おはよう、ってか挨拶ならもう少し手加減してくれ。絶対手形残ったぞ」
「おじいちゃんみたいに背中丸めてるからだよーー気持ちはわからなくもないけど、ケントは悪くないんだからもっと堂々としてなきゃダメだよ」
そう言って、クラスメイトの元気少女アリサはにぱっとおひさまのような笑顔を見せた。
「心配してくれたのか。サンキューな」
ケントの礼にアリサがパニクった。
「そ、そ、そ、そういうわけじゃないよ。歩いてたら前に背中丸めてるみっともないのがいたから助走つけて叩いただけだよ」
「助走つけたのかよ……ま、おかげで背中は伸びたよ」
「ん。それでよし」
アリサは小柄な身体をいっぱいに使って、えへんと威張って見せる。そこに小動物的可愛さを見て、ケントの気分もほっこりした。
アリサが先陣を切ってくれたおかげで、スタンスを決めかねていたクラスメイトたちもいつも通りにケントに挨拶をしてきた。
「ようケント、災難だったな」
「よかったじゃん。身軽になれて」
「ケントくん、今度デートしよ」
ちょっと不穏な発言もあったが、基本的には気の置けない友人たちなので、ケントも楽しい気分になれる。
しかし、辺境伯領へ戻ることになれば、彼らとも別れる話になる。それはちょっと残念だな、と思うケントであった。
「どういうことよ!?」
ケントが自らの退学と領地への帰還を告げたら、裏返った声で悲鳴をあげたのがアリサだった。
「何でケントが学校やめるなんて話になるわけ!?」
「領地へ帰るんだ。しょうがないだろ」
「やめなくたっていいじゃん。ケントだけこっちに残るわけにはいかないの?」
「残念だけど……」
「そんなあ」
「何とかならんのか?」
仲間内ではリーダーシップをとることが多いティエリーが気遣わしげな表情で問いかけた。
「どうにもならんなあ」
素っ気なく答えながら、ケントは胸が熱くなるのを感じていた。こうして別れを惜しんでくれる友人の存在は何物にも代えがたい。
「うー」
アリサが可愛い顔に似合わぬ唸り声を上げる。
「せっかくチャンスが巡ってきたかと思ったのにぃ」
「チャンス?」
「あ、ううん、何でもない!」
「そうか?」
二人のやり取りを聞いていた仲間たちは身悶えした。
「気づけ!」
「鈍」
「ギルティ」
どれも呟きに近い声量だったので、ケントの耳には届かなかった。
「慌てなかったのは正解だよ。昨日の今日でがっついてきたら、ケントくんの人間性を疑わなきゃいけなくなるしね」
アリサの耳元で楽しそうに囁いたのはナスチャ。綺麗なお姉さんという表現がこれほど似合う人はいないだろうと言われている。
「でも、遠くに離れちゃうんだよ」
「わかってる」
小さく頷いて、ナスチャはケントに問いかける。
「ねえケント、夏休みにグリーンヒル領に遊びに行ってもいい?」
はっとアリサがナスチャを振り返った。
いい笑顔でサムズアップするナスチャ。
持つべきものは機転の利く友人だ、と感謝しつつアリサはケントに期待の目を向けた。
「おう、もちろんだ。大歓迎するぜ」
「やった!」
アリサは小さくガッツポーズした。とりあえずこれで縁がこれっきり切れてしまうという最悪の事態は避けられた。
ナスチャも言ってたけど、慌てちゃダメよね。普通そうに見えるけど、傷ついてないはずがないもんね。
「荷造りは進んでるのか? 何なら手伝うが」
ティエリー、ナイス!
アリサは前のめりに食いついた。
「あたしも行く。ケントの形見何かちょうだい」
「殺すな!」
ケントは思わず素で突っ込んだ。
元々殺風景な部屋だったので改まって片づけるようなものはない、とケントは断ったのだが、強引に押しかけるような形で一同は部屋を訪れていた。
「…何と言うか、ストイックな部屋だね……」
「面白味がないだろ?」
「いつも部屋で何してたの?」
「一人の時は大体料理の研究してたかな」
「料理の研究? ケントくん、料理なんてするの?」
「するぞーーショーユとミソって知ってるか?」
ケントが訊くと、女性陣は揃って頷いた。
「あれ、美味しいよね。あたしは特に魚をショーユで味付けするのが好き」
「店先で配ってたレシピにあったミソシルって美味しかったわ。具も色々工夫できるから飽きないし」
「おお、使ってくれてるんだなーーちなみに、あれ作ったの俺だから」
「「「ええーっ!?」」」
驚きの声がハモる。
「マジ?」
「何でそんなことできるの?」
「それは企業秘密だ」
「キギョウって何?」
アリサの素朴な疑問に、ケントのこめかみがピクリと動いた
「あ、あー、何でもない。忘れてくれ」
「変なの」
それ以上追及はなかったので、ケントとしては助かった。
ヤバいヤバい。気を緩めちゃダメだ。
「ちょっと待って」
ナスチャが鋭い声でその場を制し、ケントはビビって跳ね上がりそうになった。
「ど、どうした?」
「もしかしてこれからショーユとミソって手に入れにくくなる?」
あー、そのことか。
ケントは罪悪感を覚えながら頷いた。
「多分そうなると思う」
「大変じゃない!?」
アリサが素っ頓狂な声をあげた。
「あの味を教え込まれて、あれなしではいられなくなったところで取り上げられるなんて、耐えられるわけないじゃない!?」
「アリサ、落ち着きなさい。その言い方、ちょっと卑猥に響くわよ」
「なーー」
赤くなって沈黙したアリサに代わって、ナスチャがケントに質問する。
「国としての政策ってことなのよね?」
「ああ」
「それじゃあしかたないのもわかるんだけど、あたしもあの味を食べれなくなっちゃうのは辛いかなーー何とかならない?」
「ごめん」
変に期待を持たせないよう、ケントはきっぱり頭を下げた。
そうなると、一連の事情を知っている身としては強く言えなくなってしまう。
「ケントが悪いわけじゃないわよ。悪いのはアルミナよ」
「あいつ、ホントにロクでもないわね」
「アリサ、あんまり言わない方がいいわよ」
「あ、ごめん、ケント」
「気にすんな。そう思ったから婚約破棄に応じたわけだし」
ケントは苦笑混じりに答えた。
「なあ、使えなくなるものって、そのショーユとミソだけなのか? グリーンヒル領っていろんな産業があるよな」
今度はティエリーが訊いた。
「実に言いづらいんだが……」
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