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第8話 - 2
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「それじゃ、また明日ね~」
歌緒理がトートバッグを肩に掛け、化粧室から出てくる。ちょうど近くの本棚で作業をしていた文音は、笑顔を浮かべてから挨拶を口にした。
「はい、また明日。お疲れ様でした」
歌緒理の口端がニッと上がる。彼女はこっちを見ながら横を通り過ぎていった。
「上手くいくこと祈ってるわ」
突然、歌緒理の囁くような声が耳に入ってきた。続いて、ちゅっとキス音がする。慌てて振り向くと、歌緒理が悪びれた様子もなくニコリと微笑んだ。
「……歌緒理」
冷ややかな声が飛んでくる。文音は声の主に視線を移した。すると、席に着いたまま半身を捻り、目を怒らせた京也の姿があったのだった。
「はいはい。たまには感謝の気持ちを表したって良いじゃない」
手をひらひらとさせ、歌緒理が店の出入口へと向かって歩き出す。扉を開けると同時に、彼女は投げキスをしていった。
(いつもは、あそこまでしていかないのに……)
京也の反応を窺ってみる。と、彼はすでにPCの画面と向き合っていた。
(いつもと変わりない、ってことでいいのかな?)
歌緒理の行動が気になったものの、文音は化粧室の掃除に取り掛かることにした。
「あれ」
女性用の化粧室の扉を開けるなり、一冊の本が目に入ってくる。
(歌緒理さんのかな?)
扉を閉め、文音は洗面台の上にある本に手を伸ばした。
(あ、これ、今売れてる文芸書)
足繁く通っている駅前の本屋は、入ってすぐの場所に文芸書の新刊と人気作を平積みにして置いてある。その為、意識的にチェックしていなくても、人気作品の表紙くらいは頭に入っているのだった。
(作者は……一之瀬純静。この人の名前、色んなところで見かけてる気がする。って、この人も「一之瀬」だ)
歌緒理と葵の親類なのだろうか。作者のプロフィールを確認しようと文音は本を持ち直した。すると、本から少しだけはみ出すようにして、メモ用紙らしきものが挟まれていることに気づいた。
(しおりではなさそう……。見てもいいのかな……)
本を閉じたまま逡巡する。
――上手くいくことを祈ってるわ。
ふと歌緒理が囁いてきた言葉が脳裏に浮かんだ。
(もしかして、あのキスはカモフラージュで、本当はこれを伝えたかったとか?)
そう考えた文音は、本を開いて紙片を覗いてみた。
YOSHI N AB E AYA
「ん?」
本に顔を近づける。見て分かったのは、文字が手書きだったということだけだった。
(文字の間のスペースにも、意味があるのかな?)
紙を裏返してみる。と、今度はいくつもの数字が並べられていた。
(全然、分かんない……。どうしよう……)
文音はメモが挟まっていたページに目を落とした。
彼女はいつも、難しい顔をして本を読んでいる。本屋で偶然見てしまった、あの問題と何か関係があるのだろうか。
「え……」
心臓がドクリと脈を打った。
(よくある……ストーリーだよね)
「あ……」
揺らいだ視界の中に見覚えのある数字を発見する。
(このページ番号、メモにあった数字だ)
文音はすぐさま他の数字を選び、そのページを開いてみた。
吉奈辺 愛綾。
カード裏面にあるサインを確認する。そして相手が彼女の時だけ、いつも考え込むのだ。下の名前は「あや」と読めばいいのだろうか。それとも「ああや」なのだろうか。
可能性が高いのは「あや」だろう。けれど、不確かなままでは彼女を思い浮かべる度に「彼女」という代名詞でしか呼ぶことが出来ない。
通信が終わるのを待っている最中、彼女を見る。いつも通りだ。彼女は俺を見てはいない。彼女が見ているのは大抵、店の外だ。
彼女は何を見て、何を思っているのだろうか。
なぜ彼女は、こうも俺のことを見てくれないのだろうか。
せめて目さえ合わせてくれれば。
そうか。俺はカードを引っ繰り返し、表面に視線を走らせた。
AYA YOSHINABE。
「……これだって、よくある話……でしょ」
独り言を口にした瞬間、扉をノックする音が響いた。
「えっ――」
文音は反射的に本を閉じ、メモをスカートのポケットへと入れ、扉にはめ込まれていた磨りガラスを見た。シルエットからして京也に違いない。
(えっと、この本は……)
室内に目を向ける。と、そこで扉が開いた。
「文音……大丈夫か?」
本をぎゅっと抱き締め、京也の方を振り向く。京也は怪訝そうな表情を浮かべ、文音の胸元に視線を落とした。
(まずい……でも――)
隠せばきっと怪しまれてしまう。そうなると、歌緒理のしたことがバレてしまうかもしれない。
(メモだけは守らないと)
文音は、京也の顔を注視しながら本を見せた。
「あの、誰かの忘れ物があって」
(眉がぴくってした!)
文音の目が、彼のわずかな反応を捉えた。
「そうか。なら、俺が預かっておく」
言い終えるよりも先に、京也が本を取り上げる。そしてすぐに、彼は身体の向きを変え、側を離れていった。
(怪しい……)
京也の後ろについて、文音は質問を投げた。
「その本、本屋さんにいっぱい積んでありましたよね」
「さあな。記憶にない」
京也は背を向けたまま答える。文音はさらに彼を追った。
「面白そうだから、わたしも読んでみよ、っ、すみません」
急に京也が足を止めてきたせいで、文音は彼の背中に思いっ切り顔をぶつけた。顔を上げて謝ると、彼は横顔を見せ、おもむろに言葉を口にしていったのだった。
「ああ、思い出した。この本、読んでたわ。大して記憶に残るようなことがなかったから忘れてた。どこにでもある恋愛小説だ。普段、小説を読まない文音が、わざわざ読む程のものじゃない」
文音は違和感を覚えた。彼はいつも本の感想を述べる際、良いと思った点を最低でもひとつは挙げてくる。どんな本でも必ず学べることはある。そう話してさえいたこともあった。
(絶対に、怪しい)
文音は口を開けた。
「そうですか。あ、京也さんが席を外している時に、持ち主さんが現れるかもしれないので、保管場所を教えてくれませんか?」
「……そうだな。じゃあ」
京也はカウンターの中へと入っていき、一番奥にある吊り戸棚の、一番上の段に本を置いた。
(わたしが普段行かない場所だし、それに――)
「京也さん。そこだと、わたし届かないです」
「…………」
京也が目を閉じる。文音はその様子をしかと見た。
「んじゃ、もう一段下な。ここなら届くだろ。濡れたらまずいからな。ここからはもう動かさないぞ。いいな」
棚の扉が閉まるのを見届けてから、文音はその場を離れた。
(あの本、絶対に何かある)
掃除を終えて店内に戻ってくると、京也は黙々とカウンター内で片付けをしていた。文音はいつもと変わらない調子で挨拶をし、店を後にした。
(京也さんに気づかれないようにしなくちゃ)
ひとまず駅とは逆方向にあるマンションのエントランスまで歩いていく。以前、宮瀬が使った裏道を通れば、店の前を通らずに駅前へ行ける。
(あとは、京也さんがお店を出る前に買って帰るだけ)
マンション裏の通りに入った途端、文音は走るようにして本屋へと向かった。
(何とか、無事に買ってはこれたけど……)
ローテーブルの前に座り、文音はテーブルの上に置いてある本の表紙を、じっと見つめた。
(京也さんの本……だよね)
さっきはメモに気を取られて読んでしまったが、自分はこの本を読んでしまって本当に良いのだろうか。京也がまだペンネームを教えてはくれていないことを思うと、文音はどうしても本を開くことが出来なかった。
(あの時、「読むな」とは言われなかったけど……)
以前、彼に言ったあの言葉は本当だ。読むなと言われれば読むつもりはない。
(でも歌緒理さんは、わたしにこの本を読んで欲しいと思って、やったんだよね)
彼にバレれば、彼女の信頼は損なわれるかもしれないのに。
文音は本の表紙に、そっと手を乗せた。
目を閉じて、深く息を吸う。
そして、ゆっくりと瞼を開け、表紙をめくった。
歌緒理がトートバッグを肩に掛け、化粧室から出てくる。ちょうど近くの本棚で作業をしていた文音は、笑顔を浮かべてから挨拶を口にした。
「はい、また明日。お疲れ様でした」
歌緒理の口端がニッと上がる。彼女はこっちを見ながら横を通り過ぎていった。
「上手くいくこと祈ってるわ」
突然、歌緒理の囁くような声が耳に入ってきた。続いて、ちゅっとキス音がする。慌てて振り向くと、歌緒理が悪びれた様子もなくニコリと微笑んだ。
「……歌緒理」
冷ややかな声が飛んでくる。文音は声の主に視線を移した。すると、席に着いたまま半身を捻り、目を怒らせた京也の姿があったのだった。
「はいはい。たまには感謝の気持ちを表したって良いじゃない」
手をひらひらとさせ、歌緒理が店の出入口へと向かって歩き出す。扉を開けると同時に、彼女は投げキスをしていった。
(いつもは、あそこまでしていかないのに……)
京也の反応を窺ってみる。と、彼はすでにPCの画面と向き合っていた。
(いつもと変わりない、ってことでいいのかな?)
歌緒理の行動が気になったものの、文音は化粧室の掃除に取り掛かることにした。
「あれ」
女性用の化粧室の扉を開けるなり、一冊の本が目に入ってくる。
(歌緒理さんのかな?)
扉を閉め、文音は洗面台の上にある本に手を伸ばした。
(あ、これ、今売れてる文芸書)
足繁く通っている駅前の本屋は、入ってすぐの場所に文芸書の新刊と人気作を平積みにして置いてある。その為、意識的にチェックしていなくても、人気作品の表紙くらいは頭に入っているのだった。
(作者は……一之瀬純静。この人の名前、色んなところで見かけてる気がする。って、この人も「一之瀬」だ)
歌緒理と葵の親類なのだろうか。作者のプロフィールを確認しようと文音は本を持ち直した。すると、本から少しだけはみ出すようにして、メモ用紙らしきものが挟まれていることに気づいた。
(しおりではなさそう……。見てもいいのかな……)
本を閉じたまま逡巡する。
――上手くいくことを祈ってるわ。
ふと歌緒理が囁いてきた言葉が脳裏に浮かんだ。
(もしかして、あのキスはカモフラージュで、本当はこれを伝えたかったとか?)
そう考えた文音は、本を開いて紙片を覗いてみた。
YOSHI N AB E AYA
「ん?」
本に顔を近づける。見て分かったのは、文字が手書きだったということだけだった。
(文字の間のスペースにも、意味があるのかな?)
紙を裏返してみる。と、今度はいくつもの数字が並べられていた。
(全然、分かんない……。どうしよう……)
文音はメモが挟まっていたページに目を落とした。
彼女はいつも、難しい顔をして本を読んでいる。本屋で偶然見てしまった、あの問題と何か関係があるのだろうか。
「え……」
心臓がドクリと脈を打った。
(よくある……ストーリーだよね)
「あ……」
揺らいだ視界の中に見覚えのある数字を発見する。
(このページ番号、メモにあった数字だ)
文音はすぐさま他の数字を選び、そのページを開いてみた。
吉奈辺 愛綾。
カード裏面にあるサインを確認する。そして相手が彼女の時だけ、いつも考え込むのだ。下の名前は「あや」と読めばいいのだろうか。それとも「ああや」なのだろうか。
可能性が高いのは「あや」だろう。けれど、不確かなままでは彼女を思い浮かべる度に「彼女」という代名詞でしか呼ぶことが出来ない。
通信が終わるのを待っている最中、彼女を見る。いつも通りだ。彼女は俺を見てはいない。彼女が見ているのは大抵、店の外だ。
彼女は何を見て、何を思っているのだろうか。
なぜ彼女は、こうも俺のことを見てくれないのだろうか。
せめて目さえ合わせてくれれば。
そうか。俺はカードを引っ繰り返し、表面に視線を走らせた。
AYA YOSHINABE。
「……これだって、よくある話……でしょ」
独り言を口にした瞬間、扉をノックする音が響いた。
「えっ――」
文音は反射的に本を閉じ、メモをスカートのポケットへと入れ、扉にはめ込まれていた磨りガラスを見た。シルエットからして京也に違いない。
(えっと、この本は……)
室内に目を向ける。と、そこで扉が開いた。
「文音……大丈夫か?」
本をぎゅっと抱き締め、京也の方を振り向く。京也は怪訝そうな表情を浮かべ、文音の胸元に視線を落とした。
(まずい……でも――)
隠せばきっと怪しまれてしまう。そうなると、歌緒理のしたことがバレてしまうかもしれない。
(メモだけは守らないと)
文音は、京也の顔を注視しながら本を見せた。
「あの、誰かの忘れ物があって」
(眉がぴくってした!)
文音の目が、彼のわずかな反応を捉えた。
「そうか。なら、俺が預かっておく」
言い終えるよりも先に、京也が本を取り上げる。そしてすぐに、彼は身体の向きを変え、側を離れていった。
(怪しい……)
京也の後ろについて、文音は質問を投げた。
「その本、本屋さんにいっぱい積んでありましたよね」
「さあな。記憶にない」
京也は背を向けたまま答える。文音はさらに彼を追った。
「面白そうだから、わたしも読んでみよ、っ、すみません」
急に京也が足を止めてきたせいで、文音は彼の背中に思いっ切り顔をぶつけた。顔を上げて謝ると、彼は横顔を見せ、おもむろに言葉を口にしていったのだった。
「ああ、思い出した。この本、読んでたわ。大して記憶に残るようなことがなかったから忘れてた。どこにでもある恋愛小説だ。普段、小説を読まない文音が、わざわざ読む程のものじゃない」
文音は違和感を覚えた。彼はいつも本の感想を述べる際、良いと思った点を最低でもひとつは挙げてくる。どんな本でも必ず学べることはある。そう話してさえいたこともあった。
(絶対に、怪しい)
文音は口を開けた。
「そうですか。あ、京也さんが席を外している時に、持ち主さんが現れるかもしれないので、保管場所を教えてくれませんか?」
「……そうだな。じゃあ」
京也はカウンターの中へと入っていき、一番奥にある吊り戸棚の、一番上の段に本を置いた。
(わたしが普段行かない場所だし、それに――)
「京也さん。そこだと、わたし届かないです」
「…………」
京也が目を閉じる。文音はその様子をしかと見た。
「んじゃ、もう一段下な。ここなら届くだろ。濡れたらまずいからな。ここからはもう動かさないぞ。いいな」
棚の扉が閉まるのを見届けてから、文音はその場を離れた。
(あの本、絶対に何かある)
掃除を終えて店内に戻ってくると、京也は黙々とカウンター内で片付けをしていた。文音はいつもと変わらない調子で挨拶をし、店を後にした。
(京也さんに気づかれないようにしなくちゃ)
ひとまず駅とは逆方向にあるマンションのエントランスまで歩いていく。以前、宮瀬が使った裏道を通れば、店の前を通らずに駅前へ行ける。
(あとは、京也さんがお店を出る前に買って帰るだけ)
マンション裏の通りに入った途端、文音は走るようにして本屋へと向かった。
(何とか、無事に買ってはこれたけど……)
ローテーブルの前に座り、文音はテーブルの上に置いてある本の表紙を、じっと見つめた。
(京也さんの本……だよね)
さっきはメモに気を取られて読んでしまったが、自分はこの本を読んでしまって本当に良いのだろうか。京也がまだペンネームを教えてはくれていないことを思うと、文音はどうしても本を開くことが出来なかった。
(あの時、「読むな」とは言われなかったけど……)
以前、彼に言ったあの言葉は本当だ。読むなと言われれば読むつもりはない。
(でも歌緒理さんは、わたしにこの本を読んで欲しいと思って、やったんだよね)
彼にバレれば、彼女の信頼は損なわれるかもしれないのに。
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