婚約破棄で追放された悪役令嬢、前世の便利屋スキルで辺境開拓はじめました~王太子が後悔してももう遅い。私は私のやり方で幸せになります~

黒崎隼人

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エピローグ

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 数年後。
 便利屋連盟は、国境を越え、大陸全土にそのネットワークを広げていた。
「クラリス」の名は、もはや一人の女性の名前ではなく、「助け合い」と「信頼」の象徴となっていた。連盟の紋章が入った依頼帳は、世界中の若者たちの憧れのアイテムだ。
 人々は、連盟の創設者であるクラリスを「聖女」や「賢者」と呼び、その功績を称えた。

 だが、そんな伝説の中心にいるはずの彼女は、今も変わらず、ロッカ村にいた。
 今日は、村の子供たちからの「木に引っかかった凧を取ってほしい」という、ささやかな依頼をこなしているところだ。
 木に登り、鮮やかな凧を手に取ると、下から歓声が上がる。
「ありがとう、クラリス!」
「やっぱりクラリスはすごい!」
 その笑顔に、クラリスは心からの笑みで応える。

「肩書きなんていらない。私は、誰かの困りごとを、今日も片付けるだけ」

 依頼帳の新しいページに、今日の出来事を書き込む。
『依頼内容:凧の救出。報酬:子供たちの満面の笑顔』
 銀色の髪を風になびかせ、彼女は次の依頼を探して、愛すべき村を歩き出す。
 世界で一番便利で、世界で一番温かい場所。
 彼女が作り上げた、彼女自身の居場所を。
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