13 / 15
第12話「不運王子と幸運聖女の新しい暮らし」
しおりを挟む
「結婚してほしい」
リオネスの突然のプロポーズに、ルナは混乱の極みにいた。
「む、無理です! 私が王子様のお妃になるなんて、そんな……!」
「なぜ無理なんだ? 君は国を救った聖女だぞ。身分としては、申し分ないはずだが」
「そういう問題ではなくて……!」
ルナは、王宮の窮屈な生活を思い出した。
自分には、華やかな妃の務めなど到底こなせない。
それに、彼と結婚すれば、ミモザ村に帰るという願いも叶わなくなってしまう。
「……私は、やはり村に帰りたいです。だから、そのお話は……」
断りの言葉を口にしようとしたルナを、リオネスが慌てて制した。
「待ってくれ! 僕の話を最後まで聞いてほしい。僕が言った『いい考え』というのを」
そう言うと、彼は自信満々の笑みを浮かべた。
***
数日後。
王宮の玉座の間に、国王と国の重臣たちが集められていた。
その前で、リオネスとルナは並んで立っている。
リオネスは、一同に向かって高らかに宣言した。
「父上、そして皆に、ご報告があります。この度、私リオネス・フォン・アストリアは、王位継承権を辞退し、聖女ルナ様と共に、辺境の地の視察官として生きることを決意いたしました!」
玉座の間は、驚きの声で満たされた。
国王は驚きのあまり、玉座からずり落ちそうになっている。
「り、リオネス! お前、正気か!?」
「はい、正気です、父上」
リオネスは、臆することなく答えた。
「兄上がいれば、この国の未来は安泰です。不運ばかりを呼ぶ私のような王子は、王宮にいない方が、むしろ国のためかと」
彼の言葉は自嘲的に聞こえたが、その表情はどこまでも晴れやかだった。
「そして、ルナ様の力は、王都だけでなく、この国の隅々まで必要とされています。特に、先の邪気の影響で疲弊している地方の村々には、彼女の癒しの力は不可欠です。私が彼女の護衛兼補佐として付き従い、各地を巡りながら、人々の暮らしを支えたいのです」
それは、誰にも文句のつけようのない、完璧な理屈だった。
第二王子としての立場と、聖女の力を、国のために最大限に活かす方法。
そして何より、それは、二人が一緒にいるための、最高の口実だった。
国王は、しばらく難しい顔で腕を組んでいたが、やがて深いため息をついた。
「……分かった。お前の好きにしろ。ただし、これは王族としての任務だということを忘れるな。そして、ルナ様を必ずお守りしろ」
「はい!」
こうして、前代未聞の「王位を捨てた王子」と「王宮に住まない聖女」のカップルが誕生した。
二人は、国王からの祝福(半ば呆れられていたが)を受け、正式に婚約者となった。
***
その数週間後。
ミモザ村の薬草店のドアベルが、チリンと鳴った。
「こんにちは、リナさん。……いや、ルナ様、とお呼びすべきかな?」
村長が、ひょっこりと顔を出す。
カウンターの中では、エプロン姿のルナが薬草を調合していた。
その隣では、同じくエプロンをつけたリオネスが、慣れない手つきで薬草をすり潰している。
「村長さん、こんにちは。前と同じように、リナと呼んでください」
ルナは、幸せそうに微笑んだ。
二人は、活動の拠点としてミモザ村を選んだ。
この村をベースに、周辺の村々を巡り、人々の治療や土地の浄化を行っている。
「しかし、驚いたよ。あの王子様が、本当にあんたと一緒に村に戻ってきてくれるなんて」
「ははは。俺はもう王子じゃない。ただの、リナの助手だ」
リオネスが、誇らしげに胸を張る。
その時、彼がすり潰していた薬研が、つるりと手から滑り落ちた。
ガッシャーン!
薬研は床に落ちて、見事に真っ二つに割れた。
「あ」
「……」
リオネスの不運体質は、相変わらず健在だった。
ルナは、やれやれと肩をすくめると、ほうきとちりとりを持ってきた。
「リオ。言ったでしょう? 薬研を持つときは、両手でしっかり持ってって」
「す、すまない……」
しょんぼりする元王子に、ルナは優しく微笑みかける。
「ううん、大丈夫。怪我がなくてよかった。でも、弁償代は、今月のお小遣いから引かせてもらいますね」
「そ、そんなあ!」
リオネスの悲鳴が、穏やかな午後の薬草店に響き渡った。
村長は、その様子を微笑ましそうに眺めている。
不運な出来事は、今も日常茶飯事に起こる。
けれど、二人が一緒にいれば、それはもう不幸なことではなかった。
どんなトラブルも、二人で笑い飛ばせる、愛おしい日常の一コマに変わるのだ。
夜、店の片付けを終えた二人は、店の裏のハーブ園で、星空を眺めていた。
「なあ、リナ」
「なんですか、リオ」
「僕たちは、これからずっと、こうして一緒にいられるんだな」
「はい」
「なんだか、夢みたいだ」
リオネスはそう言うと、ルナの肩をそっと抱き寄せた。
ルナも、今度はもう彼の体に触れることを恐れず、その胸に顔をうずめた。
彼の心臓の音が、優しく伝わってくる。
「夢じゃ、ありませんよ」
ルナは、顔を上げてリオネスを見つめた。
「これが、私たちの現実です。不運と幸運が、ごちゃまぜになった、私たちの新しい暮らし」
リオネスは、愛おしそうにルナの瞳を見つめ返すと、その唇に、優しくキスを落とした。
呪われたと信じていた聖女は、愛する人を見つけ、本当の自分を取り戻した。
不運だと言われ続けた王子は、運命の人と出会い、自分の力を受け入れた。
辺境の村で始まる、元不運王子と幸運聖女のスローライフ。
彼らの前には、たくさんの小さな不運と、それを上回るほどの大きな幸せが、きっと待ち受けているだろう。
物語は、まだ始まったばかりだ。
リオネスの突然のプロポーズに、ルナは混乱の極みにいた。
「む、無理です! 私が王子様のお妃になるなんて、そんな……!」
「なぜ無理なんだ? 君は国を救った聖女だぞ。身分としては、申し分ないはずだが」
「そういう問題ではなくて……!」
ルナは、王宮の窮屈な生活を思い出した。
自分には、華やかな妃の務めなど到底こなせない。
それに、彼と結婚すれば、ミモザ村に帰るという願いも叶わなくなってしまう。
「……私は、やはり村に帰りたいです。だから、そのお話は……」
断りの言葉を口にしようとしたルナを、リオネスが慌てて制した。
「待ってくれ! 僕の話を最後まで聞いてほしい。僕が言った『いい考え』というのを」
そう言うと、彼は自信満々の笑みを浮かべた。
***
数日後。
王宮の玉座の間に、国王と国の重臣たちが集められていた。
その前で、リオネスとルナは並んで立っている。
リオネスは、一同に向かって高らかに宣言した。
「父上、そして皆に、ご報告があります。この度、私リオネス・フォン・アストリアは、王位継承権を辞退し、聖女ルナ様と共に、辺境の地の視察官として生きることを決意いたしました!」
玉座の間は、驚きの声で満たされた。
国王は驚きのあまり、玉座からずり落ちそうになっている。
「り、リオネス! お前、正気か!?」
「はい、正気です、父上」
リオネスは、臆することなく答えた。
「兄上がいれば、この国の未来は安泰です。不運ばかりを呼ぶ私のような王子は、王宮にいない方が、むしろ国のためかと」
彼の言葉は自嘲的に聞こえたが、その表情はどこまでも晴れやかだった。
「そして、ルナ様の力は、王都だけでなく、この国の隅々まで必要とされています。特に、先の邪気の影響で疲弊している地方の村々には、彼女の癒しの力は不可欠です。私が彼女の護衛兼補佐として付き従い、各地を巡りながら、人々の暮らしを支えたいのです」
それは、誰にも文句のつけようのない、完璧な理屈だった。
第二王子としての立場と、聖女の力を、国のために最大限に活かす方法。
そして何より、それは、二人が一緒にいるための、最高の口実だった。
国王は、しばらく難しい顔で腕を組んでいたが、やがて深いため息をついた。
「……分かった。お前の好きにしろ。ただし、これは王族としての任務だということを忘れるな。そして、ルナ様を必ずお守りしろ」
「はい!」
こうして、前代未聞の「王位を捨てた王子」と「王宮に住まない聖女」のカップルが誕生した。
二人は、国王からの祝福(半ば呆れられていたが)を受け、正式に婚約者となった。
***
その数週間後。
ミモザ村の薬草店のドアベルが、チリンと鳴った。
「こんにちは、リナさん。……いや、ルナ様、とお呼びすべきかな?」
村長が、ひょっこりと顔を出す。
カウンターの中では、エプロン姿のルナが薬草を調合していた。
その隣では、同じくエプロンをつけたリオネスが、慣れない手つきで薬草をすり潰している。
「村長さん、こんにちは。前と同じように、リナと呼んでください」
ルナは、幸せそうに微笑んだ。
二人は、活動の拠点としてミモザ村を選んだ。
この村をベースに、周辺の村々を巡り、人々の治療や土地の浄化を行っている。
「しかし、驚いたよ。あの王子様が、本当にあんたと一緒に村に戻ってきてくれるなんて」
「ははは。俺はもう王子じゃない。ただの、リナの助手だ」
リオネスが、誇らしげに胸を張る。
その時、彼がすり潰していた薬研が、つるりと手から滑り落ちた。
ガッシャーン!
薬研は床に落ちて、見事に真っ二つに割れた。
「あ」
「……」
リオネスの不運体質は、相変わらず健在だった。
ルナは、やれやれと肩をすくめると、ほうきとちりとりを持ってきた。
「リオ。言ったでしょう? 薬研を持つときは、両手でしっかり持ってって」
「す、すまない……」
しょんぼりする元王子に、ルナは優しく微笑みかける。
「ううん、大丈夫。怪我がなくてよかった。でも、弁償代は、今月のお小遣いから引かせてもらいますね」
「そ、そんなあ!」
リオネスの悲鳴が、穏やかな午後の薬草店に響き渡った。
村長は、その様子を微笑ましそうに眺めている。
不運な出来事は、今も日常茶飯事に起こる。
けれど、二人が一緒にいれば、それはもう不幸なことではなかった。
どんなトラブルも、二人で笑い飛ばせる、愛おしい日常の一コマに変わるのだ。
夜、店の片付けを終えた二人は、店の裏のハーブ園で、星空を眺めていた。
「なあ、リナ」
「なんですか、リオ」
「僕たちは、これからずっと、こうして一緒にいられるんだな」
「はい」
「なんだか、夢みたいだ」
リオネスはそう言うと、ルナの肩をそっと抱き寄せた。
ルナも、今度はもう彼の体に触れることを恐れず、その胸に顔をうずめた。
彼の心臓の音が、優しく伝わってくる。
「夢じゃ、ありませんよ」
ルナは、顔を上げてリオネスを見つめた。
「これが、私たちの現実です。不運と幸運が、ごちゃまぜになった、私たちの新しい暮らし」
リオネスは、愛おしそうにルナの瞳を見つめ返すと、その唇に、優しくキスを落とした。
呪われたと信じていた聖女は、愛する人を見つけ、本当の自分を取り戻した。
不運だと言われ続けた王子は、運命の人と出会い、自分の力を受け入れた。
辺境の村で始まる、元不運王子と幸運聖女のスローライフ。
彼らの前には、たくさんの小さな不運と、それを上回るほどの大きな幸せが、きっと待ち受けているだろう。
物語は、まだ始まったばかりだ。
87
あなたにおすすめの小説
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
トカゲ令嬢とバカにされて聖女候補から外され辺境に追放されましたが、トカゲではなく龍でした。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
リバコーン公爵家の長女ソフィアは、全貴族令嬢10人の1人の聖獣持ちに選ばれたが、その聖獣がこれまで誰も持ったことのない小さく弱々しいトカゲでしかなかった。それに比べて側室から生まれた妹は有名な聖獣スフィンクスが従魔となった。他にもグリフォンやペガサス、ワイバーンなどの実力も名声もある従魔を従える聖女がいた。リバコーン公爵家の名誉を重んじる父親は、ソフィアを正室の領地に追いやり第13王子との婚約も辞退しようとしたのだが……
王立聖女学園、そこは爵位を無視した弱肉強食の競争社会。だがどれだけ努力しようとも神の気紛れで全てが決められてしまう。まず従魔が得られるかどうかで貴族令嬢に残れるかどうかが決まってしまう。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
醜貌の聖女と呼ばれ、婚約破棄されましたが、実は本物の聖女でした
きまま
恋愛
王国の夜会で、第一王子のレオンハルトから婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リリエル・アルヴァリア。
顔を銀の仮面で隠していることから『醜貌の聖女』と嘲られ、不要と切り捨てられた彼女は、そのまま王城を追われることになる。
しかし、その後に待ち受ける国の運命は滅亡へと向かっていた——
「醜い」と婚約破棄された銀鱗の令嬢、氷の悪竜辺境伯に嫁いだら、呪いを癒やす聖女として溺愛されました
黒崎隼人
恋愛
「醜い銀の鱗を持つ呪われた女など、王妃にはふさわしくない!」
衆人環視の夜会で、婚約者の王太子にそう罵られ、アナベルは捨てられた。
実家である公爵家からも疎まれ、孤独に生きてきた彼女に下されたのは、「氷の悪竜」と恐れられる辺境伯・レオニールのもとへ嫁げという非情な王命だった。
彼の体に触れた者は黒い呪いに蝕まれ、死に至るという。それは事実上の死刑宣告。
全てを諦め、死に場所を求めて辺境の地へと赴いたアナベルだったが、そこで待っていたのは冷徹な魔王――ではなく、不器用で誠実な、ひとりの青年だった。
さらに、アナベルが忌み嫌っていた「銀の鱗」には、レオニールの呪いを癒やす聖なる力が秘められていて……?
過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~
黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。
待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金!
チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。
「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない!
輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる!
元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!
【完結】経費削減でリストラされた社畜聖女は、隣国でスローライフを送る〜隣国で祈ったら国王に溺愛され幸せを掴んだ上に国自体が明るくなりました〜
よどら文鳥
恋愛
「聖女イデアよ、もう祈らなくとも良くなった」
ブラークメリル王国の新米国王ロブリーは、節約と経費削減に力を入れる国王である。
どこの国でも、聖女が作る結界の加護によって危険なモンスターから国を守ってきた。
国として大事な機能も経費削減のために不要だと決断したのである。
そのとばっちりを受けたのが聖女イデア。
国のために、毎日限界まで聖なる力を放出してきた。
本来は何人もの聖女がひとつの国の結界を作るのに、たった一人で国全体を守っていたほどだ。
しかも、食事だけで生きていくのが精一杯なくらい少ない給料で。
だがその生活もロブリーの政策のためにリストラされ、社畜生活は解放される。
と、思っていたら、今度はイデア自身が他国から高値で取引されていたことを知り、渋々その国へ御者アメリと共に移動する。
目的のホワイトラブリー王国へ到着し、クラフト国王に聖女だと話すが、意図が通じず戸惑いを隠せないイデアとアメリ。
しかし、実はそもそもの取引が……。
幸いにも、ホワイトラブリー王国での生活が認められ、イデアはこの国で聖なる力を発揮していく。
今までの過労が嘘だったかのように、楽しく無理なく力を発揮できていて仕事に誇りを持ち始めるイデア。
しかも、周りにも聖なる力の影響は凄まじかったようで、ホワイトラブリー王国は激的な変化が起こる。
一方、聖女のいなくなったブラークメリル王国では、結界もなくなった上、無茶苦茶な経費削減政策が次々と起こって……?
※政策などに関してはご都合主義な部分があります。
「魔法を使わない魔術師を切り捨てた国は、取り返しのつかない後悔をする
藤原遊
ファンタジー
魔法を使わない魔術師は、役に立たない。
そう判断した王国は、彼女を「不要」と切り捨てた。
派手な魔法も、奇跡も起こさない。
彼女がしていたのは、魔力の流れを整え、結界を維持し、
魔法事故が起きないよう“何も起こらない状態”を保つことだけだった。
代わりはいくらでもいる。
そう思われていた仕事は、彼女がいなくなった途端に破綻する。
魔法は暴走し、結界は歪み、
国は自分たちが何に守られていたのかを知る。
これは、
魔法を使わなかった魔術師が、
最後まで何もせずに証明した話。
※主人公は一切振り返りません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる