3 / 13
第2話「ようこそ辺境へ!ここが私の畑です」
しおりを挟む
王都を出発してから、馬車に揺られること二週間。きらびやかだった街並みはとうの昔に姿を消し、窓の外の景色は日に日に寂しさを増していった。そしてついに、私の新しい生活の舞台となる辺境の村に到着した。
「……ここが」
馬車を降りて見渡した光景に、私は思わず息をのんだ。
聞いてはいたけれど、想像以上だ。家はまばらで、どれも古びていて活気がない。道行く人々の服装も質素で、その表情はどこか疲弊しているように見える。そして何より、目に映る土地のほとんどが、赤茶けて痩せ細っていた。石ころだらけで、雑草すらまばらにしか生えていない。
(これは……思った以上にやりがいがありそうね!)
普通なら絶望するところだろう。けれど、私の心は武者震いしていた。この荒れ果てた土地を、緑あふれる豊かな大地に変える。これこそ、私が求めていたものだ。
護衛として同行してくれた騎士が、心配そうに声をかけてきた。
「アリア様、このような場所で本当に……?」
「ええ、大丈夫よ。私の家はどこかしら?」
村長だという初老の男性に案内されたのは、村はずれにある小さな一軒家だった。長い間使われていなかったのか、少し古びてはいるけれど、掃除をすれば快適に過ごせそうだ。家の裏には、そこそこ広い土地が広がっている。ここが私の畑になる場所だ。
両親が持たせてくれた資金で、村長から正式に家と土地を買い取る。突然現れた元貴族の私に、村の人々は遠巻きに様子をうかがっているだけだった。まあ、無理もないだろう。
護衛の騎士たちには十分に礼を言って王都へ返した。ここからは、本当に一人だ。
「さて、と。まずは土作りからね!」
翌日から、私は早速行動を開始した。まずは、前世の知識を活かして、畑の区画整理から。日当たりや風通しを考えながら、どこに何を植えるか計画を立てる。その作業だけでも楽しくて、自然と笑みがこぼれた。
一通り計画が決まったところで、いよいよ私のチート能力の出番だ。
スキル【大地の恵み】。
私は畑の中央に立つと、両手をそっと地面につけた。
「豊かな実りをもたらす大地よ。私の声に応え、その力を目覚めさせて」
そう心の中で強く念じると、手のひらから温かい光が溢れ出し、地面に吸い込まれていった。すると、どうだろう。私の手を中心に、地面が淡い金色の光を放ち始めたのだ。乾いてひび割れていた土が、見る見るうちに潤いを取り戻し、石ころは砂のように細かくなって土に溶けていく。そして、カチカチだった赤土は、しっとりとした生命力あふれる黒土へと変わっていく。
光は波紋のように広がり、あっという間に畑全体を覆い尽くした。
「ふぅ……。こんなものかしら」
立ち上がって自分の畑を見渡し、私は満足げに頷いた。指で触れてみると、ふかふかで、ほんのりと温かい。これならどんな作物だって元気に育つだろう。
あまりの劇的な変化に、遠くから見ていた村人たちが息をのむのが分かった。まあ、いきなり畑が光り輝いたら、誰だって驚く。
土作りが終われば、次はいよいよ種まきだ。持参したカブやジャガイモ、ニンジンの種を、丁寧に一粒ずつ蒔いていく。
「元気に育つのよ」
まるで我が子に語りかけるように声をかけ、優しく土をかぶせた。前世では、こんなふうに作物の世話をすることが、何よりの幸せだった。まさか異世界で、しかもチート能力付きで実現できるなんて、夢のようだ。
それからの毎日は、農業一筋。朝は鳥の声で目覚め、畑に出て作物の様子を見る。水をやり、雑草を抜き、愛情を込めて世話をする。夜は、自分で作った簡単な食事をとり、明日への期待を胸に眠りにつく。
王宮にいた頃のような、豪華なドレスも、きらびやかな宝石もない。けれど、今の私には、泥に汚れた作業着と、太陽の下で働く充実感があった。
そして、種をまいてから一週間後のこと。信じられない光景が私の目の前に広がっていた。
「うそ……もうこんなに大きくなってる!」
普通なら、ようやく小さな双葉が出るか出ないかという時期のはずなのに、私の畑では、青々とした葉が元気よく茂っていたのだ。成長速度が、明らかに異常だ。これも【大地の恵み】の効果なのだろう。
さらに数日後、カブは驚くほどの大きさになり、まるで子供の頭ほどのサイズにまで育っていた。みずみずしい葉をかき分けて引き抜くと、真っ白でつやつやとした美しいカブが姿を現す。
「すごい……!」
試しに一つ、泥を洗い落としてかじってみる。
シャクッ! と軽快な音が響いた瞬間、口の中に衝撃的な甘さと瑞々しさが広がった。果物かと錯覚するほどの甘みと、きめ細やかで滑らかな食感。筋っぽさなど一切ない。
「お、美味しい……!」
思わず叫んでしまうほどの美味しさだった。これが、私の育てた野菜。
あまりの出来栄えに興奮した私は、収穫したての野菜をいくつか籠に入れ、村長の家を訪ねた。いつも遠巻きに私を見ていた村長は、突然の訪問に少し驚いた様子だった。
「これは……アリア様が?」
「ええ。少し採れすぎたので、よかったら召し上がってください」
村長は、私の差し出した巨大なカブを見て、目を丸くしている。
その日の夕食後、村長の奥さんが血相を変えて私の家に駆け込んできた。
「アリア様! あのカブは一体……!? 食べた夫の腰の痛みが、すっかり良くなってしまったんです!」
聞けば、長年腰痛に悩まされていた村長が、私のカブを入れたスープを一杯飲んだだけで、痛みが嘘のように消えてしまったというのだ。
「まさか……」
私の野菜には、ただ美味しいだけじゃない、特別な力が宿っているのかもしれない。
この出来事をきっかけに、私の作る規格外の野菜の噂は、静かに、しかし確実に、この寂れた辺境の村に広まっていくことになるのだった。
「……ここが」
馬車を降りて見渡した光景に、私は思わず息をのんだ。
聞いてはいたけれど、想像以上だ。家はまばらで、どれも古びていて活気がない。道行く人々の服装も質素で、その表情はどこか疲弊しているように見える。そして何より、目に映る土地のほとんどが、赤茶けて痩せ細っていた。石ころだらけで、雑草すらまばらにしか生えていない。
(これは……思った以上にやりがいがありそうね!)
普通なら絶望するところだろう。けれど、私の心は武者震いしていた。この荒れ果てた土地を、緑あふれる豊かな大地に変える。これこそ、私が求めていたものだ。
護衛として同行してくれた騎士が、心配そうに声をかけてきた。
「アリア様、このような場所で本当に……?」
「ええ、大丈夫よ。私の家はどこかしら?」
村長だという初老の男性に案内されたのは、村はずれにある小さな一軒家だった。長い間使われていなかったのか、少し古びてはいるけれど、掃除をすれば快適に過ごせそうだ。家の裏には、そこそこ広い土地が広がっている。ここが私の畑になる場所だ。
両親が持たせてくれた資金で、村長から正式に家と土地を買い取る。突然現れた元貴族の私に、村の人々は遠巻きに様子をうかがっているだけだった。まあ、無理もないだろう。
護衛の騎士たちには十分に礼を言って王都へ返した。ここからは、本当に一人だ。
「さて、と。まずは土作りからね!」
翌日から、私は早速行動を開始した。まずは、前世の知識を活かして、畑の区画整理から。日当たりや風通しを考えながら、どこに何を植えるか計画を立てる。その作業だけでも楽しくて、自然と笑みがこぼれた。
一通り計画が決まったところで、いよいよ私のチート能力の出番だ。
スキル【大地の恵み】。
私は畑の中央に立つと、両手をそっと地面につけた。
「豊かな実りをもたらす大地よ。私の声に応え、その力を目覚めさせて」
そう心の中で強く念じると、手のひらから温かい光が溢れ出し、地面に吸い込まれていった。すると、どうだろう。私の手を中心に、地面が淡い金色の光を放ち始めたのだ。乾いてひび割れていた土が、見る見るうちに潤いを取り戻し、石ころは砂のように細かくなって土に溶けていく。そして、カチカチだった赤土は、しっとりとした生命力あふれる黒土へと変わっていく。
光は波紋のように広がり、あっという間に畑全体を覆い尽くした。
「ふぅ……。こんなものかしら」
立ち上がって自分の畑を見渡し、私は満足げに頷いた。指で触れてみると、ふかふかで、ほんのりと温かい。これならどんな作物だって元気に育つだろう。
あまりの劇的な変化に、遠くから見ていた村人たちが息をのむのが分かった。まあ、いきなり畑が光り輝いたら、誰だって驚く。
土作りが終われば、次はいよいよ種まきだ。持参したカブやジャガイモ、ニンジンの種を、丁寧に一粒ずつ蒔いていく。
「元気に育つのよ」
まるで我が子に語りかけるように声をかけ、優しく土をかぶせた。前世では、こんなふうに作物の世話をすることが、何よりの幸せだった。まさか異世界で、しかもチート能力付きで実現できるなんて、夢のようだ。
それからの毎日は、農業一筋。朝は鳥の声で目覚め、畑に出て作物の様子を見る。水をやり、雑草を抜き、愛情を込めて世話をする。夜は、自分で作った簡単な食事をとり、明日への期待を胸に眠りにつく。
王宮にいた頃のような、豪華なドレスも、きらびやかな宝石もない。けれど、今の私には、泥に汚れた作業着と、太陽の下で働く充実感があった。
そして、種をまいてから一週間後のこと。信じられない光景が私の目の前に広がっていた。
「うそ……もうこんなに大きくなってる!」
普通なら、ようやく小さな双葉が出るか出ないかという時期のはずなのに、私の畑では、青々とした葉が元気よく茂っていたのだ。成長速度が、明らかに異常だ。これも【大地の恵み】の効果なのだろう。
さらに数日後、カブは驚くほどの大きさになり、まるで子供の頭ほどのサイズにまで育っていた。みずみずしい葉をかき分けて引き抜くと、真っ白でつやつやとした美しいカブが姿を現す。
「すごい……!」
試しに一つ、泥を洗い落としてかじってみる。
シャクッ! と軽快な音が響いた瞬間、口の中に衝撃的な甘さと瑞々しさが広がった。果物かと錯覚するほどの甘みと、きめ細やかで滑らかな食感。筋っぽさなど一切ない。
「お、美味しい……!」
思わず叫んでしまうほどの美味しさだった。これが、私の育てた野菜。
あまりの出来栄えに興奮した私は、収穫したての野菜をいくつか籠に入れ、村長の家を訪ねた。いつも遠巻きに私を見ていた村長は、突然の訪問に少し驚いた様子だった。
「これは……アリア様が?」
「ええ。少し採れすぎたので、よかったら召し上がってください」
村長は、私の差し出した巨大なカブを見て、目を丸くしている。
その日の夕食後、村長の奥さんが血相を変えて私の家に駆け込んできた。
「アリア様! あのカブは一体……!? 食べた夫の腰の痛みが、すっかり良くなってしまったんです!」
聞けば、長年腰痛に悩まされていた村長が、私のカブを入れたスープを一杯飲んだだけで、痛みが嘘のように消えてしまったというのだ。
「まさか……」
私の野菜には、ただ美味しいだけじゃない、特別な力が宿っているのかもしれない。
この出来事をきっかけに、私の作る規格外の野菜の噂は、静かに、しかし確実に、この寂れた辺境の村に広まっていくことになるのだった。
14
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢は婚約破棄されたら自由になりました
きゅちゃん
ファンタジー
王子に婚約破棄されたセラフィーナは、前世の記憶を取り戻し、自分がゲーム世界の悪役令嬢になっていると気づく。破滅を避けるため辺境領地へ帰還すると、そこで待ち受けるのは財政難と魔物の脅威...。高純度の魔石を発見したセラフィーナは、商売で領地を立て直し始める。しかし王都から冤罪で訴えられる危機に陥るが...悪役令嬢が自由を手に入れ、新しい人生を切り開く物語。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
完璧すぎると言われ婚約破棄された令嬢、冷徹公爵と白い結婚したら選ばれ続けました
鷹 綾
恋愛
「君は完璧すぎて、可愛げがない」
その理不尽な理由で、王都の名門令嬢エリーカは婚約を破棄された。
努力も実績も、すべてを否定された――はずだった。
だが彼女は、嘆かなかった。
なぜなら婚約破棄は、自由の始まりだったから。
行き場を失ったエリーカを迎え入れたのは、
“冷徹”と噂される隣国の公爵アンクレイブ。
条件はただ一つ――白い結婚。
感情を交えない、合理的な契約。
それが最善のはずだった。
しかし、エリーカの有能さは次第に国を変え、
彼女自身もまた「役割」ではなく「選択」で生きるようになる。
気づけば、冷徹だった公爵は彼女を誰よりも尊重し、
誰よりも守り、誰よりも――選び続けていた。
一方、彼女を捨てた元婚約者と王都は、
エリーカを失ったことで、静かに崩れていく。
婚約破棄ざまぁ×白い結婚×溺愛。
完璧すぎる令嬢が、“選ばれる側”から“選ぶ側”へ。
これは、復讐ではなく、
選ばれ続ける未来を手に入れた物語。
---
「何の取り柄もない姉より、妹をよこせ」と婚約破棄されましたが、妹を守るためなら私は「国一番の淑女」にでも這い上がってみせます
放浪人
恋愛
「何の取り柄もない姉はいらない。代わりに美しい妹をよこせ」
没落伯爵令嬢のアリアは、婚約者からそう告げられ、借金のカタに最愛の妹を奪われそうになる。 絶望の中、彼女が頼ったのは『氷の公爵』と恐れられる冷徹な男、クラウスだった。
「私の命、能力、生涯すべてを差し上げます。だから金を貸してください!」
妹を守るため、悪魔のような公爵と契約を結んだアリア。 彼女に課せられたのは、地獄のような淑女教育と、危険な陰謀が渦巻く社交界への潜入だった。 しかし、アリアは持ち前の『瞬間記憶能力』と『度胸』を武器に覚醒する。
自分を捨てた元婚約者を論破して地獄へ叩き落とし、意地悪なライバル令嬢を返り討ちにし、やがては国の危機さえも救う『国一番の淑女』へと駆け上がっていく!
一方、冷酷だと思われていた公爵は、泥の中でも強く咲くアリアの姿に心を奪われ――? 「お前がいない世界など不要だ」 契約から始まった関係が、やがて国中を巻き込む極上の溺愛へと変わる。
地味で無能と呼ばれた令嬢が、最強の旦那様と幸せを掴み取る、痛快・大逆転シンデレラストーリー!
「君の魔法は地味で映えない」と人気ダンジョン配信パーティを追放された裏方魔導師。実は視聴数No.1の正体、俺の魔法でした
希羽
ファンタジー
人気ダンジョン配信チャンネル『勇者ライヴ』の裏方として、荷物持ち兼カメラマンをしていた俺。ある日、リーダーの勇者(IQ低め)からクビを宣告される。「お前の使う『重力魔法』は地味で絵面が悪い。これからは派手な爆裂魔法を使う美少女を入れるから出て行け」と。俺は素直に従い、代わりに田舎の不人気ダンジョンへ引っ込んだ。しかし彼らは知らなかった。彼らが「俺TUEEE」できていたのは、俺が重力魔法でモンスターの動きを止め、カメラのアングルでそれを隠していたからだということを。俺がいなくなった『勇者ライヴ』は、モンスターにボコボコにされる無様な姿を全世界に配信し、大炎上&ランキング転落。 一方、俺が田舎で「畑仕事(に見せかけたダンジョン開拓)」を定点カメラで垂れ流し始めたところ―― 「え、この人、素手でドラゴン撫でてない?」「重力操作で災害級モンスターを手玉に取ってるw」「このおっさん、実は世界最強じゃね?」とバズりまくり、俺は無自覚なまま世界一の配信者へと成り上がっていく。
婚約破棄されたので聖獣育てて田舎に帰ったら、なぜか世界の中心になっていました
かしおり
恋愛
「アメリア・ヴァルディア。君との婚約は、ここで破棄する」
王太子ロウェルの冷酷な言葉と共に、彼は“平民出身の聖女”ノエルの手を取った。
だが侯爵令嬢アメリアは、悲しむどころか——
「では、実家に帰らせていただきますね」
そう言い残し、静かにその場を後にした。
向かった先は、聖獣たちが棲まう辺境の地。
かつて彼女が命を救った聖獣“ヴィル”が待つ、誰も知らぬ聖域だった。
魔物の侵攻、暴走する偽聖女、崩壊寸前の王都——
そして頼る者すらいなくなった王太子が頭を垂れたとき、
アメリアは静かに告げる。
「もう遅いわ。今さら後悔しても……ヴィルが許してくれないもの」
聖獣たちと共に、新たな居場所で幸せに生きようとする彼女に、
世界の運命すら引き寄せられていく——
ざまぁもふもふ癒し満載!
婚約破棄から始まる、爽快&優しい異世界スローライフファンタジー!
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
『婚約破棄された令嬢、白い結婚で第二の人生始めます ~王太子ざまぁはご褒美です~』
鷹 綾
恋愛
「完璧すぎて可愛げがないから、婚約破棄する」――
王太子アルヴィスから突然告げられた、理不尽な言葉。
令嬢リオネッタは涙を流す……フリをして、内心ではこう叫んでいた。
(やった……! これで自由だわーーーッ!!)
実家では役立たずと罵られ、社交界では張り付いた笑顔を求められる毎日。
だけど婚約破棄された今、もう誰にも縛られない!
そんな彼女に手を差し伸べたのは、隣国の若き伯爵家――
「干渉なし・自由尊重・離縁もOK」の白い結婚を提案してくれた、令息クリスだった。
温かな屋敷、美味しいご飯、優しい人々。
自由な生活を満喫していたリオネッタだったが、
王都では元婚約者の評判がガタ落ち、ざまぁの嵐が吹き荒れる!?
さらに、“形式だけ”だったはずの婚約が、
次第に甘く優しいものへと変わっていって――?
「私はもう、王家とは関わりません」
凛と立つ令嬢が手に入れたのは、自由と愛と、真の幸福。
婚約破棄が人生の転機!? ざまぁ×溺愛×白い結婚から始まる、爽快ラブファンタジー!
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる