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第13話「王国からの最後通牒」
王都から討伐軍が派遣される、という報せはアルカディアと交易のある行商人からもたらされた。その数は実に一万。王国の精鋭たちで構成された本物の軍隊だ。
町に緊張が走る。いくら植物要塞があるとはいえ相手は国の正規軍だ。住民たちの顔にも不安の色が隠せない。
そして討伐軍の進軍に先立って、一人の使者が王の勅書を携えアルカディアにやってきた。使者は町の広場に集まった俺たちを前に、尊大な態度で勅書を読み上げる。
「――以上、王太子アルフレッド殿下のお言葉である! 主犯格である罪人セラフィーナ・ド・ヴェルリオンを速やかにお縄につけ、引き渡すがよい! さすれば、騙されていた哀れな民の罪は不問としよう! これが王国からの最後の慈悲である!」
使者がそう言い放った瞬間、広場は水を打ったように静まり返った。誰もが俺とセラフィーナの顔を見ている。
セラフィーナを引き渡せば自分たちは助かる。そんな悪魔の囁きが住民たちの心を揺さぶるかと思われた。
だが沈黙を破ったのは一人の老婆だった。
「ふざけるな!」
その声に誰もが驚く。
「セラフィーナ様は、この町を作ってくださった我々の指導者だ! 飢え死に寸前だったわしらを救ってくださった大恩人だ! そんな方を罪人だと? 差し出せるもんか!」
その言葉が口火を切った。
「そうだそうだ!」「セラフィーナ様を渡すくらいなら、戦ってやる!」「アラン様もいるんだ、負けるもんか!」
住民たちは一斉に反発の声を上げた。彼らはもはや王国に虐げられるだけの無力な民ではなかった。アルカディアの住民としての誇りと、俺たち指導者への揺るぎない信頼を持っていた。
セラフィーナはその光景を信じられないという顔で見ていた。彼女の瞳は潤み、唇はわなないていた。裏切られることに慣れていた彼女にとって、人々が自分のために声を上げてくれることがどれほどの衝撃だったか。
俺はそんな彼女の隣に立ち、使者に向かって毅然と言い放った。
「断る。セラフィーナは、この町に、いや、俺にとって必要な人だ。誰にも渡しはしない」
俺の言葉は町の住民たちの歓声によってかき消された。
使者は予想外の反応に顔を真っ青にしている。
「き、貴様ら、正気か!? 王国に逆らうというのか! どうなっても知らんぞ!」
「ああ、知るもんか。あんたたちの王太子様によろしく伝えておけ。俺たちの楽園に手を出したいなら、それなりの覚悟をしてこいってな」
俺は冷たく言い放った。
交渉は決裂。使者はすごすごと引き返していった。
もはや王国との全面対決は避けられない。だが俺たちの心は一つだった。愛する町を、大切な仲間を、そして俺が守ると誓った一人の女性を何があっても守り抜く。
アルカディアは、その存亡をかけた戦いを前にかつてないほど強く結束していた。
町に緊張が走る。いくら植物要塞があるとはいえ相手は国の正規軍だ。住民たちの顔にも不安の色が隠せない。
そして討伐軍の進軍に先立って、一人の使者が王の勅書を携えアルカディアにやってきた。使者は町の広場に集まった俺たちを前に、尊大な態度で勅書を読み上げる。
「――以上、王太子アルフレッド殿下のお言葉である! 主犯格である罪人セラフィーナ・ド・ヴェルリオンを速やかにお縄につけ、引き渡すがよい! さすれば、騙されていた哀れな民の罪は不問としよう! これが王国からの最後の慈悲である!」
使者がそう言い放った瞬間、広場は水を打ったように静まり返った。誰もが俺とセラフィーナの顔を見ている。
セラフィーナを引き渡せば自分たちは助かる。そんな悪魔の囁きが住民たちの心を揺さぶるかと思われた。
だが沈黙を破ったのは一人の老婆だった。
「ふざけるな!」
その声に誰もが驚く。
「セラフィーナ様は、この町を作ってくださった我々の指導者だ! 飢え死に寸前だったわしらを救ってくださった大恩人だ! そんな方を罪人だと? 差し出せるもんか!」
その言葉が口火を切った。
「そうだそうだ!」「セラフィーナ様を渡すくらいなら、戦ってやる!」「アラン様もいるんだ、負けるもんか!」
住民たちは一斉に反発の声を上げた。彼らはもはや王国に虐げられるだけの無力な民ではなかった。アルカディアの住民としての誇りと、俺たち指導者への揺るぎない信頼を持っていた。
セラフィーナはその光景を信じられないという顔で見ていた。彼女の瞳は潤み、唇はわなないていた。裏切られることに慣れていた彼女にとって、人々が自分のために声を上げてくれることがどれほどの衝撃だったか。
俺はそんな彼女の隣に立ち、使者に向かって毅然と言い放った。
「断る。セラフィーナは、この町に、いや、俺にとって必要な人だ。誰にも渡しはしない」
俺の言葉は町の住民たちの歓声によってかき消された。
使者は予想外の反応に顔を真っ青にしている。
「き、貴様ら、正気か!? 王国に逆らうというのか! どうなっても知らんぞ!」
「ああ、知るもんか。あんたたちの王太子様によろしく伝えておけ。俺たちの楽園に手を出したいなら、それなりの覚悟をしてこいってな」
俺は冷たく言い放った。
交渉は決裂。使者はすごすごと引き返していった。
もはや王国との全面対決は避けられない。だが俺たちの心は一つだった。愛する町を、大切な仲間を、そして俺が守ると誓った一人の女性を何があっても守り抜く。
アルカディアは、その存亡をかけた戦いを前にかつてないほど強く結束していた。
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