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第6章:緑の盟友
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襲撃事件を境に、エリザベートとアルベルトの関係は新たな段階へと移行した。彼らはもはや単なる「離婚した元夫婦」ではなかった。同じ未来を見据え、異なる方法で王国に貢献しようとする、「盟友」と呼ぶべき存在になっていた。
エリザベートは、アルベルトの提案を受け入れ、彼の騎士団の一部を村の警備として受け入れた。それにより、マクシミリアン辺境伯からの再度の襲撃という脅威は取り除かれた。しかし、彼女の「農業で国を変える」という信念は揺らがなかった。
「目指すのは、単なる豊かな農村ではありません。このグラウ領を、王都の経済に依存しない、自立した経済圏にするのです」
エリザベートは、村の集会で高らかに宣言した。
彼女の計画は壮大だった。まず、主食である麦だけでなく、様々な種類の野菜や果物、さらには薬草の栽培にも着手した。多様な作物を作ることで、天候不順によるリスクを分散させるためだ。
次に、収穫した作物を加工する施設の建設を提案した。麦を粉にする製粉所、野菜を長期保存するための漬物や乾燥加工の工房、ブドウをワインにする醸造所。付加価値をつけることで、ただの作物を売るよりも高い利益を生み出すことができる。
「そして、ゆくゆくはここで生産されたものを、私たちの手で近隣の領地へ売りに行きます。私たちの作った安くて美味しい食料が広まれば、他の領地も私たちの農法を取り入れたいと思うはず。そうなれば、グラウ領は王国全体の農業の中心地になれるのです」
村人たちは、最初こそ彼女の壮大な計画に戸惑ったが、これまでの実績が彼らに信頼と希望を与えていた。「緑の姫様」が言うなら、きっとできる。村は、エリザベートの構想を実現すべく、再び活気に満ち溢れた。
一方、王都に戻ったアルベルトもまた、大きな変革に乗り出していた。
彼は、エリザベートとの対話を通じ、これまでの自分の視野の狭さを痛感していた。王国の安定は、軍事力や外交だけで成り立つものではない。国民の生活、特に食という根本が満たされてこそ、真の国力となる。
アルベルトはまず、父である国王に辺境で起きている事実をありのままに報告した。最初は半信半疑だった国王も、アルベルトが持ち帰ったグラウ領の信じられないほど大きなカブや、その詳細な土壌改良の記録を見て、考えを改めざるを得なかった。
「なんと……追放したあのエリザベート嬢が、このような奇跡を……」
国王の許可を得たアルベルトは、宮廷内で改革派の若手貴族を集め、新たな政策の策定に取り掛かった。その中心にあったのが、エリザベートが実践している農業手法を、試験的に王国の他の貧しい地域にも導入するという計画だった。
「グラウ領の成功事例を参考に、全国的な農業改革を進める。これは、我が国の長年の課題であった食糧不足を根本から解決する、画期的な政策になるはずだ!」
もちろん、この政策には多くの抵抗があった。特に、ゲルトナー侯爵をはじめとする保守派の貴族たちは猛反対した。彼らにとって、貧しい領地は搾取の対象であり、そこが豊かになることは自分たちの利益の減少を意味するからだ。
「元王太子妃の道楽のようなやり方を、国策として採用するなど正気の沙汰ではございません!」
「失敗した場合の責任は、誰が取るのですかな、殿下」
議会での激しい反発。しかし、アルベルトはもう以前のように彼らの言いなりにはならなかった。彼は、エリザベートから学んだ論理的な思考と、確固たるデータを用いて、粘り強く反対派を説得していった。
「これは道楽ではない。科学的根拠に基づいた改革だ。責任はすべて私が取る。それでも反対するというのなら、諸君らには国を思う心がないと判断する」
アルベルトの揺るぎない態度と、国王の後ろ盾を得たことで、政策は僅差で可決された。
エリザベートとアルベルトは、定期的に手紙で連絡を取り合うようになった。エリザベートは現場からの詳細なデータや、新たな農法のアイディアを送り、アルベルトはそれに基づいた政策の進捗状況や、王都の政治情勢を伝えた。
手紙のやり取りは、常に公的な内容に終始していた。しかし、その行間には、互いの活動に対する深い敬意と信頼が確かに感じられた。
『君の報告書は、どんな学者の論文よりも実践的で、私の心を動かす』
『殿下の政治的手腕がなければ、私の試みもこの村だけの小さな成功で終わっていたでしょう』
物理的には遠く離れていながら、二人の心は、かつて夫婦だった頃よりもずっと強く結びついていた。彼らは、それぞれの場所で、同じ夢を追いかけていた。
エリザベートは農園を発展させ、自立した経済圏の礎を築いていく。
アルベルトは政治改革を進め、彼女の功績を国全体の利益へと昇華させていく。
離婚した元夫婦でありながら、互いを唯一無二の存在として認め合う盟友。
二人の奇妙で、しかし強力なパートナーシップは、着実に王国を変革の道へと導き始めていた。
エリザベートは、アルベルトの提案を受け入れ、彼の騎士団の一部を村の警備として受け入れた。それにより、マクシミリアン辺境伯からの再度の襲撃という脅威は取り除かれた。しかし、彼女の「農業で国を変える」という信念は揺らがなかった。
「目指すのは、単なる豊かな農村ではありません。このグラウ領を、王都の経済に依存しない、自立した経済圏にするのです」
エリザベートは、村の集会で高らかに宣言した。
彼女の計画は壮大だった。まず、主食である麦だけでなく、様々な種類の野菜や果物、さらには薬草の栽培にも着手した。多様な作物を作ることで、天候不順によるリスクを分散させるためだ。
次に、収穫した作物を加工する施設の建設を提案した。麦を粉にする製粉所、野菜を長期保存するための漬物や乾燥加工の工房、ブドウをワインにする醸造所。付加価値をつけることで、ただの作物を売るよりも高い利益を生み出すことができる。
「そして、ゆくゆくはここで生産されたものを、私たちの手で近隣の領地へ売りに行きます。私たちの作った安くて美味しい食料が広まれば、他の領地も私たちの農法を取り入れたいと思うはず。そうなれば、グラウ領は王国全体の農業の中心地になれるのです」
村人たちは、最初こそ彼女の壮大な計画に戸惑ったが、これまでの実績が彼らに信頼と希望を与えていた。「緑の姫様」が言うなら、きっとできる。村は、エリザベートの構想を実現すべく、再び活気に満ち溢れた。
一方、王都に戻ったアルベルトもまた、大きな変革に乗り出していた。
彼は、エリザベートとの対話を通じ、これまでの自分の視野の狭さを痛感していた。王国の安定は、軍事力や外交だけで成り立つものではない。国民の生活、特に食という根本が満たされてこそ、真の国力となる。
アルベルトはまず、父である国王に辺境で起きている事実をありのままに報告した。最初は半信半疑だった国王も、アルベルトが持ち帰ったグラウ領の信じられないほど大きなカブや、その詳細な土壌改良の記録を見て、考えを改めざるを得なかった。
「なんと……追放したあのエリザベート嬢が、このような奇跡を……」
国王の許可を得たアルベルトは、宮廷内で改革派の若手貴族を集め、新たな政策の策定に取り掛かった。その中心にあったのが、エリザベートが実践している農業手法を、試験的に王国の他の貧しい地域にも導入するという計画だった。
「グラウ領の成功事例を参考に、全国的な農業改革を進める。これは、我が国の長年の課題であった食糧不足を根本から解決する、画期的な政策になるはずだ!」
もちろん、この政策には多くの抵抗があった。特に、ゲルトナー侯爵をはじめとする保守派の貴族たちは猛反対した。彼らにとって、貧しい領地は搾取の対象であり、そこが豊かになることは自分たちの利益の減少を意味するからだ。
「元王太子妃の道楽のようなやり方を、国策として採用するなど正気の沙汰ではございません!」
「失敗した場合の責任は、誰が取るのですかな、殿下」
議会での激しい反発。しかし、アルベルトはもう以前のように彼らの言いなりにはならなかった。彼は、エリザベートから学んだ論理的な思考と、確固たるデータを用いて、粘り強く反対派を説得していった。
「これは道楽ではない。科学的根拠に基づいた改革だ。責任はすべて私が取る。それでも反対するというのなら、諸君らには国を思う心がないと判断する」
アルベルトの揺るぎない態度と、国王の後ろ盾を得たことで、政策は僅差で可決された。
エリザベートとアルベルトは、定期的に手紙で連絡を取り合うようになった。エリザベートは現場からの詳細なデータや、新たな農法のアイディアを送り、アルベルトはそれに基づいた政策の進捗状況や、王都の政治情勢を伝えた。
手紙のやり取りは、常に公的な内容に終始していた。しかし、その行間には、互いの活動に対する深い敬意と信頼が確かに感じられた。
『君の報告書は、どんな学者の論文よりも実践的で、私の心を動かす』
『殿下の政治的手腕がなければ、私の試みもこの村だけの小さな成功で終わっていたでしょう』
物理的には遠く離れていながら、二人の心は、かつて夫婦だった頃よりもずっと強く結びついていた。彼らは、それぞれの場所で、同じ夢を追いかけていた。
エリザベートは農園を発展させ、自立した経済圏の礎を築いていく。
アルベルトは政治改革を進め、彼女の功績を国全体の利益へと昇華させていく。
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