追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます

黒崎隼人

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第14話:整えられた力、それぞれの成長

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 グラムが専属鍛冶師として加入したことで、ギルド『クローゼット』の戦力は飛躍的に向上した。

 カイは、自身のスキル効果を増幅させるオリハルコンの鎧を身に着けたことで、【整理整頓】の能力をさらに深く、そして多角的に使えるようになっていた。

 ある日の訓練中、カイは新たな可能性に気づく。
「もしかして、他人の能力も〝整理〟できるんじゃないか?」

 彼は、剣の訓練をしているエリアナに【整理整頓】を発動してみた。すると、エリアナの体内の魔力の流れや、剣を振るう際の筋肉の動きの〝ムラ〟や〝淀み〟が見えた。

「【整理整頓】――能力最適化!」

 カイがその〝乱れ〟を整えると、エリアナの体から淡い光が放たれた。

「これは……!?」

 エリアナは驚きの声を上げた。自分の体が、今までとは比べ物にならないほど軽く、そして力がみなぎっているのを感じたのだ。彼女が試しに剣を振るうと、空気を切り裂く音が、以前よりも遥かに鋭くなっている。

「カイ殿、一体何を? 私の力が、一時的に底上げされているような……」
「エリアナさんの体の中の、力の流れを少しだけ〝整頓〟してみました。どうやら、味方の能力を一時的に強化する、バフとしても使えるみたいです」

 これは、カイにとって大きな発見だった。鑑定による情報支援、無限収納による兵站管理に加え、直接的な戦闘支援能力まで手に入れたのだ。彼は、もはや単なるサポーターではなく、パーティーの司令塔として、戦局そのものを支配できる存在へと進化していた。

 ルナもまた、グラムの作った武具によって、その力を完全に解放していた。彼女のスキル【聖獣化】は、もふもふの銀狼の姿へと変身する能力。その力は絶大だが、今までは呪いの影響で完全にコントロールすることが難しかった。しかし、カイに呪いを解かれ、さらに聖獣の力を引き出す武具を得た今、彼女は人の姿と獣の姿を自在に行き来し、聖なる力で敵を浄化する強力なアタッカーへと成長していた。

「主様! これで、どんな敵が来ても大丈夫です!」

 銀狼の姿で雄叫びを上げるルナは、神々しくも頼もしい。

 そしてエリアナは、呪いから解放された宝剣『星砕きの剣』を、もはや体の一部のように操っていた。カイのバフを受けた彼女の剣技は、もはや芸術の域に達しており、その一振りはAランクの魔物すら一刀両断するほどの威力を誇った。

 こうして、カイ、ルナ、エリアナの三人は、それぞれの能力が完璧に噛み合い、個々の実力も相まって、ギルド結成からわずか数ヶ月で、Aランク冒険者パーティーに匹敵するほどの力を手に入れたのだった。

 彼らは、アストリア周辺のダンジョンを次々と攻略し、高難易度の討伐クエストをいとも簡単に達成していく。ギルド『クローゼット』の名は、もはや辺境の一都市に留まらず、近隣の都市にまで轟き始めていた。

「『クローゼット』に頼めば、どんな難題も解決してくれる」
 そんな評判が立つまでに、そう時間はかからなかった。

 カイは、仲間たちの成長を心から喜んでいた。もう、誰かに守られるだけの自分ではない。この力で、大切な仲間たちを、この街を、守ることができる。

 追放されたあの日、ダンジョンの底で死を待つだけだった気弱な青年は、もうどこにもいなかった。彼の瞳には、仲間と共に未来を切り拓く、リーダーとしての強い光が宿っていた。
 しかし、彼らの急速な成長と名声は、同時に、新たな脅威を引き寄せることにもなるのだった。
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