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第5話「王都決戦! 美食協会への挑戦状」
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バルトーク卿の妨害は、日に日に執拗さを増していった。市場からの締め出しは完璧で、リツは塩や油といった基本的な調味料の入手さえ困難になっていた。悪意に満ちた噂は尾ひれがつき、衛兵が店の様子を窺いに来る始末だ。客足はすっかり途絶え、《畑のテーブル》の賑わいは嘘のように消え失せてしまった。
「リツさん……もう、お店、続けられないのかな……」
客のいない静かな店内で、エリアが力なく呟く。彼女の兎の耳は、しょんぼりと垂れ下がっていた。リツは、そんな彼女の頭を優しく撫でる。
「諦めるのはまだ早い。俺たちの畑がある限り、料理は作れる」
塩はガルドが探してきてくれた魔力岩塩で代用できる。油は、森で採れる木の実から搾ることができる。小麦粉がなければ、別の穀物でパンを焼けばいい。リツは決して希望を捨てなかった。
しかし、バルトーク卿はそんなリツの抵抗をあざ笑うかのように、次なる手を打ってきた。
ある日の午後、店の前に豪奢な馬車が停まった。降りてきたのは、美食協会の紋章を付けた使者。彼は尊大な態度で、一枚の羊皮紙をリツに突きつけた。それは、美食協会主催の公式料理対決への招待状――事実上の挑戦状だった。
「我が美食協会会長、バルトーク卿が、貴殿に料理での真剣勝負を望んでおられる。テーマは、王国の伝統肉『ロックボア』。審査員は、王都の食通である貴族の方々が務める」
使者は、嘲るような笑みを浮かべて続けた。
「もし、貴殿がこの勝負に負けた場合、速やかに店を畳み、二度とこの王国で料理人として活動しないことを誓っていただく。もちろん、受ける、受けないは貴殿の自由だが……臆病風に吹かれて逃げるというのであれば、我々はそれを『敗北』と見なしますがね」
それは、あまりにも理不尽で、横暴な条件だった。勝負を受けるも地獄、受けぬも地獄。追い詰め、完膚なきまでに叩き潰そうという、バルトーク卿の明確な悪意が透けて見えた。
「汚い……やり方が汚すぎる!」
エリアが怒りに声を震わせる。ガルドも、今にも飛び出していきそうな気配で拳を握りしめている。
しかし、リツは冷静だった。彼は挑戦状を静かに受け取ると、はっきりとした口調で使者に告げた。
「分かった。その挑戦、受けよう」
「リツさん!?」
エリアが驚きの声を上げる。こんな一方的な勝負、受ける必要などない。だが、リツの瞳は、かつてないほど強く、燃えていた。
「これはチャンスだ。俺たちの料理が本物だと、王国の連中に見せつけてやる絶好の機会だ」
逃げ回っていては、何も解決しない。ならば、正面からぶつかるしかない。そして、敵の土俵で、圧倒的な実力差を見せつけて勝利する。それこそが、最も痛烈な復讐になる。
対決の舞台は、一週間後、王都の広場に設けられた特設会場。テーマ食材である「ロックボア」は、この王国で最も厄介とされる猪肉だった。岩のように硬い肉質、そして強烈な獣臭。伝統的な調理法では、何種類もの香草と共に丸一日煮込み、肉を柔らかくすると同時に臭みを消すのが一般的。しかし、それでも肉の旨味はほとんど失われ、ただ「食べられる」というだけの代物にしかならない。誰もが調理を嫌がる、料理人泣かせの食材。バルトーク卿がこの食材を選んだのは、リツに勝ち目はないという絶対的な自信の表れだった。
王都へ向かう準備をしながら、エリアは心配そうにリツに尋ねた。
「本当に勝てるの? ロックボアなんて、お父さんも『あれだけは料理したくない』って言ってたよ……」
「ああ、勝てる。俺には、俺だけの武器があるからな」
リツの武器、それは前世で培った科学的な調理理論だった。
彼はまず、ロックボアの肉塊を前に、その性質を徹底的に分析した。硬い肉質は、筋繊維が密に絡み合っているためだ。強烈な臭みは、血生臭さと特定の脂肪酸が原因だろう。ならば、その原因を一つひとつ潰していけばいい。
「タンパク質分解酵素…プロテアーゼを使おう」
リツは、森で手に入る特定の果実に、肉を柔らかくする酵素が含まれていることを知っていた。彼はその果実をすりおろし、ヨーグルトに似た発酵乳と混ぜ合わせ、特製のマリネ液を作った。この液体にロックボアを漬け込むことで、筋繊維を内側から破壊し、肉質を根本から変えるのだ。
次に臭み対策。伝統的な方法のように、強い香りで臭みをマスキングするのではない。リツは臭みの元となる血を丁寧に洗い流し、低温の油でゆっくりと加熱することで、臭みの原因物質を揮発させ、除去することを試みた。
そして、調理法。長時間煮込むのではなく、低温でじっくりと、肉の芯まで均一に火を通す。「低温調理」と呼ばれる、科学的根拠に基づいた技術だ。これにより、タンパク質の変性を最小限に抑え、肉汁を内部に閉じ込めたまま、驚くほど柔らかく仕上げることができる。
「すごい……肉が、どんどん柔らかくなっていく……」
リツの調理を側で見ていたエリアは、魔法のような光景に息をのんだ。リツがやっていることは、煮るでも焼くでもない、まったく未知の調理法だった。
ソース作りにも、リツの独創性が光る。ベースは、ロックボアの骨から取った出汁。そこに、自ら栽培した数種類のハーブと、ガルドが見つけてきた魔力岩塩、そして隠し味に森の木の実から作った甘酸っぱいジャムを加える。肉本来の力強い旨味を最大限に引き出し、決して殺さない、完璧なバランスのソースを目指した。
一週間、リツは寝る間も惜しんでロックボアと向き合い続けた。それは、料理人としてのプライドと、大切な仲間と店を守るための、孤独な戦いだった。
そして、決戦の朝が来た。
王都の広場は、料理対決を一目見ようと集まった大観衆で埋め尽くされていた。貴族たちが座る観覧席の最上段には、ふんぞり返るバルトーク卿の姿がある。
「さあ、行こうか。俺たちの料理を、見せてやろう」
リツは、緊張で顔がこわばるエリアと、背後で静かに佇むガルドに力強く微笑みかけると、決戦の舞台へと、足を踏み入れた。彼の心は、恐怖ではなく、武者震いに似た興奮で満たされていた。
「リツさん……もう、お店、続けられないのかな……」
客のいない静かな店内で、エリアが力なく呟く。彼女の兎の耳は、しょんぼりと垂れ下がっていた。リツは、そんな彼女の頭を優しく撫でる。
「諦めるのはまだ早い。俺たちの畑がある限り、料理は作れる」
塩はガルドが探してきてくれた魔力岩塩で代用できる。油は、森で採れる木の実から搾ることができる。小麦粉がなければ、別の穀物でパンを焼けばいい。リツは決して希望を捨てなかった。
しかし、バルトーク卿はそんなリツの抵抗をあざ笑うかのように、次なる手を打ってきた。
ある日の午後、店の前に豪奢な馬車が停まった。降りてきたのは、美食協会の紋章を付けた使者。彼は尊大な態度で、一枚の羊皮紙をリツに突きつけた。それは、美食協会主催の公式料理対決への招待状――事実上の挑戦状だった。
「我が美食協会会長、バルトーク卿が、貴殿に料理での真剣勝負を望んでおられる。テーマは、王国の伝統肉『ロックボア』。審査員は、王都の食通である貴族の方々が務める」
使者は、嘲るような笑みを浮かべて続けた。
「もし、貴殿がこの勝負に負けた場合、速やかに店を畳み、二度とこの王国で料理人として活動しないことを誓っていただく。もちろん、受ける、受けないは貴殿の自由だが……臆病風に吹かれて逃げるというのであれば、我々はそれを『敗北』と見なしますがね」
それは、あまりにも理不尽で、横暴な条件だった。勝負を受けるも地獄、受けぬも地獄。追い詰め、完膚なきまでに叩き潰そうという、バルトーク卿の明確な悪意が透けて見えた。
「汚い……やり方が汚すぎる!」
エリアが怒りに声を震わせる。ガルドも、今にも飛び出していきそうな気配で拳を握りしめている。
しかし、リツは冷静だった。彼は挑戦状を静かに受け取ると、はっきりとした口調で使者に告げた。
「分かった。その挑戦、受けよう」
「リツさん!?」
エリアが驚きの声を上げる。こんな一方的な勝負、受ける必要などない。だが、リツの瞳は、かつてないほど強く、燃えていた。
「これはチャンスだ。俺たちの料理が本物だと、王国の連中に見せつけてやる絶好の機会だ」
逃げ回っていては、何も解決しない。ならば、正面からぶつかるしかない。そして、敵の土俵で、圧倒的な実力差を見せつけて勝利する。それこそが、最も痛烈な復讐になる。
対決の舞台は、一週間後、王都の広場に設けられた特設会場。テーマ食材である「ロックボア」は、この王国で最も厄介とされる猪肉だった。岩のように硬い肉質、そして強烈な獣臭。伝統的な調理法では、何種類もの香草と共に丸一日煮込み、肉を柔らかくすると同時に臭みを消すのが一般的。しかし、それでも肉の旨味はほとんど失われ、ただ「食べられる」というだけの代物にしかならない。誰もが調理を嫌がる、料理人泣かせの食材。バルトーク卿がこの食材を選んだのは、リツに勝ち目はないという絶対的な自信の表れだった。
王都へ向かう準備をしながら、エリアは心配そうにリツに尋ねた。
「本当に勝てるの? ロックボアなんて、お父さんも『あれだけは料理したくない』って言ってたよ……」
「ああ、勝てる。俺には、俺だけの武器があるからな」
リツの武器、それは前世で培った科学的な調理理論だった。
彼はまず、ロックボアの肉塊を前に、その性質を徹底的に分析した。硬い肉質は、筋繊維が密に絡み合っているためだ。強烈な臭みは、血生臭さと特定の脂肪酸が原因だろう。ならば、その原因を一つひとつ潰していけばいい。
「タンパク質分解酵素…プロテアーゼを使おう」
リツは、森で手に入る特定の果実に、肉を柔らかくする酵素が含まれていることを知っていた。彼はその果実をすりおろし、ヨーグルトに似た発酵乳と混ぜ合わせ、特製のマリネ液を作った。この液体にロックボアを漬け込むことで、筋繊維を内側から破壊し、肉質を根本から変えるのだ。
次に臭み対策。伝統的な方法のように、強い香りで臭みをマスキングするのではない。リツは臭みの元となる血を丁寧に洗い流し、低温の油でゆっくりと加熱することで、臭みの原因物質を揮発させ、除去することを試みた。
そして、調理法。長時間煮込むのではなく、低温でじっくりと、肉の芯まで均一に火を通す。「低温調理」と呼ばれる、科学的根拠に基づいた技術だ。これにより、タンパク質の変性を最小限に抑え、肉汁を内部に閉じ込めたまま、驚くほど柔らかく仕上げることができる。
「すごい……肉が、どんどん柔らかくなっていく……」
リツの調理を側で見ていたエリアは、魔法のような光景に息をのんだ。リツがやっていることは、煮るでも焼くでもない、まったく未知の調理法だった。
ソース作りにも、リツの独創性が光る。ベースは、ロックボアの骨から取った出汁。そこに、自ら栽培した数種類のハーブと、ガルドが見つけてきた魔力岩塩、そして隠し味に森の木の実から作った甘酸っぱいジャムを加える。肉本来の力強い旨味を最大限に引き出し、決して殺さない、完璧なバランスのソースを目指した。
一週間、リツは寝る間も惜しんでロックボアと向き合い続けた。それは、料理人としてのプライドと、大切な仲間と店を守るための、孤独な戦いだった。
そして、決戦の朝が来た。
王都の広場は、料理対決を一目見ようと集まった大観衆で埋め尽くされていた。貴族たちが座る観覧席の最上段には、ふんぞり返るバルトーク卿の姿がある。
「さあ、行こうか。俺たちの料理を、見せてやろう」
リツは、緊張で顔がこわばるエリアと、背後で静かに佇むガルドに力強く微笑みかけると、決戦の舞台へと、足を踏み入れた。彼の心は、恐怖ではなく、武者震いに似た興奮で満たされていた。
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