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第17話:最大の危機と装甲列車
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突如として現れた魔物の大群は、王国中に大きな混乱と恐怖をもたらした。特に被害が甚大だったのは、アステリア鉄道の建設現場だった。魔物たちは、まるで狙い澄ましたかのように建設ルート上を暴れ回り、資材を破壊し、労働者たちに襲いかかった。鉄道建設は、完全に中断せざるを得なくなった。
国王の命令で、王国騎士団が直ちに討伐へと向かったが、苦戦を強いられた。魔物の数はあまりにも多く、個々の戦闘能力も高かった。騎士団は、前線の維持だけで手一杯となり、被害は拡大する一方だった。
「くそっ、こんな時に…! あと少しで王都まで繋がるというのに!」
事務所で報告を聞いた僕は、壁を殴りつけていた。あまりにもタイミングが良すぎる魔物の出現。僕は、これがただの偶然ではないと直感していた。これは、ジークフリート王子が仕掛けた、最後の、そして最悪の妨害工作に違いない。
「アスター、落ち着いて。今は、私たちにできることを考えましょう」
セレスが、僕の肩にそっと手を置いた。彼女の冷静な声に、僕は少しだけ我を取り戻す。
そうだ。ここで怒りに任せていても、何も解決しない。僕には、僕にしかできない戦い方がある。
僕は、数ヶ月前から密かに開発を進めていた、ある設計図を取り出した。
「バルド! ゲルトさん! すぐに集まってくれ! 緊急事態だ!」
集まった彼らの前に、僕はその設計図を広げた。そこに描かれていたのは、蒸気機関車に厚い鉄の装甲を施し、側面にいくつもの銃眼を開け、屋根には巨大な大砲やバリスタ(大型の弩)を搭載した、異様な姿の車両だった。
「こ、これは…」ゲルトが息を呑んだ。
「『装甲列車』だ」と僕は言った。「騎士団が苦戦しているのは、兵士や物資を前線に素早く運ぶ手段がないからだ。怪我人を後送するのもままならない。だが、鉄道を使えばそれが可能になる」
僕の計画はこうだ。装甲列車を使い、大量の兵士と物資を、魔物が出現している前線のギリギリまで、安全かつ迅速に送り届ける。さらに、装甲列車自体が移動式の要塞、移動砲台となり、圧倒的な火力で魔物の群れを殲滅する。これは、鉄道というシステムを最大限に活用した、全く新しい戦術だった。
「面白え…! 戦うための鉄の馬車か! やってやろうじゃねえか、アスター!」
バルドの職人魂に、再び火がついた。
「素晴らしい…! これならば、戦局を覆せるやもしれませんな!」
ゲルトも、この作戦の有効性を即座に理解した。
僕たちに残された時間は少ない。アスターの指揮のもと、ドワーフの鍛冶師たちと村人たちが、昼夜を問わず作業にあたった。ありったけの鉄板が集められ、機関車にリベットで打ち付けられていく。シュタイン商会は、そのルートを使い、大砲やバリスタ、大量の矢や弾薬を急遽かき集めた。セレスは、装甲に防御の魔法を付与し、その強度をさらに高めてくれた。
そして、わずか数日で、鉄の要塞は完成した。
漆黒の車体は威圧感を放ち、ずらりと並んだ砲門は静かにその出番を待っている。それは、平和な時代を築くために生まれた鉄道が、平和を守るための兵器へと姿を変えた瞬間だった。
「アスター・フォン・アイゼンローデ、装甲列車『ジークフリート』、出撃します!」
皮肉を込めて、僕は敵の名を列車に与えた。
王国騎士団が絶望的な防戦を強いられている中、僕たちの切り札は、王国を救うべく、蒸気を上げて戦場へと向かっていった。
国王の命令で、王国騎士団が直ちに討伐へと向かったが、苦戦を強いられた。魔物の数はあまりにも多く、個々の戦闘能力も高かった。騎士団は、前線の維持だけで手一杯となり、被害は拡大する一方だった。
「くそっ、こんな時に…! あと少しで王都まで繋がるというのに!」
事務所で報告を聞いた僕は、壁を殴りつけていた。あまりにもタイミングが良すぎる魔物の出現。僕は、これがただの偶然ではないと直感していた。これは、ジークフリート王子が仕掛けた、最後の、そして最悪の妨害工作に違いない。
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「バルド! ゲルトさん! すぐに集まってくれ! 緊急事態だ!」
集まった彼らの前に、僕はその設計図を広げた。そこに描かれていたのは、蒸気機関車に厚い鉄の装甲を施し、側面にいくつもの銃眼を開け、屋根には巨大な大砲やバリスタ(大型の弩)を搭載した、異様な姿の車両だった。
「こ、これは…」ゲルトが息を呑んだ。
「『装甲列車』だ」と僕は言った。「騎士団が苦戦しているのは、兵士や物資を前線に素早く運ぶ手段がないからだ。怪我人を後送するのもままならない。だが、鉄道を使えばそれが可能になる」
僕の計画はこうだ。装甲列車を使い、大量の兵士と物資を、魔物が出現している前線のギリギリまで、安全かつ迅速に送り届ける。さらに、装甲列車自体が移動式の要塞、移動砲台となり、圧倒的な火力で魔物の群れを殲滅する。これは、鉄道というシステムを最大限に活用した、全く新しい戦術だった。
「面白え…! 戦うための鉄の馬車か! やってやろうじゃねえか、アスター!」
バルドの職人魂に、再び火がついた。
「素晴らしい…! これならば、戦局を覆せるやもしれませんな!」
ゲルトも、この作戦の有効性を即座に理解した。
僕たちに残された時間は少ない。アスターの指揮のもと、ドワーフの鍛冶師たちと村人たちが、昼夜を問わず作業にあたった。ありったけの鉄板が集められ、機関車にリベットで打ち付けられていく。シュタイン商会は、そのルートを使い、大砲やバリスタ、大量の矢や弾薬を急遽かき集めた。セレスは、装甲に防御の魔法を付与し、その強度をさらに高めてくれた。
そして、わずか数日で、鉄の要塞は完成した。
漆黒の車体は威圧感を放ち、ずらりと並んだ砲門は静かにその出番を待っている。それは、平和な時代を築くために生まれた鉄道が、平和を守るための兵器へと姿を変えた瞬間だった。
「アスター・フォン・アイゼンローデ、装甲列車『ジークフリート』、出撃します!」
皮肉を込めて、僕は敵の名を列車に与えた。
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※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。
隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。
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