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第一章:銀色の流星、呪われた魔剣
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王都を追放されてから、一月が経った。
僕は今、辺境と呼ばれる地域の外れにある、名もなき寂れた村に身を寄せていた。追いはぎに有り金の大半を奪われ、ぼろぼろの姿でこの村にたどり着いた僕を、村人たちは訝しげに見ながらも、宿屋の屋根裏部屋を貸してくれた。
生きるためには、金を稼がなければならない。僕にできることと言えば、あの忌々しいスキル【アイテム分解】を使うことだけだ。
「よっと……これでよし」
僕は村のゴミ捨て場から拾ってきた壊れた農具や割れた食器を、スキルで次々と素材に戻していく。鉄クズは鉄鉱石に、木の破片は木材に、土器の欠片は良質な粘土に。
最初はゴミを漁る僕を奇異な目で見ていた村人たちも、分解された素材が意外と高く売れると知ると、壊れたものを僕の元へ持ってくるようになった。日銭を稼ぐには十分だったが、心は満たされない。こんなことのために、僕はスキルを授かったのだろうか。
そんなある日、村へ帰る道を歩いていると、街道の方から悲鳴が聞こえてきた。
「きゃああ!」
「ヒヒヒ、上等な荷物と女だぜ!」
見ると、数匹のゴブリンが荷馬車を取り囲んでいる。商人とその娘だろうか、二人は恐怖に震えていた。
どうする? 僕に戦闘能力はない。逃げるのが賢明だ。でも、見捨てることなんてできない。
「くそっ!」
僕は茂みから飛び出すと、ゴブリンに向かって叫んだ。
「【アイテム分解】!」
僕がスキルを発動させた対象は、ゴブリンたちが持つ、粗末な棍棒や錆びた剣。すると、ゴブリンたちの武器が、まるで砂のようにサラサラと崩れ落ち、ただの木材や鉄クズへと変わっていく。
「「「ギッ!?」」」
武器を失い、呆気に取られるゴブリンたち。その一瞬の隙を、見逃す者は他にいなかった。
シュバッ!
一陣の風が吹き抜けたかと思うと、銀色の閃光が走る。次の瞬間、ゴブリンたちは悲鳴を上げる間もなく、その場に崩れ落ちていた。
「……大丈夫か?」
僕の前に立ったのは、銀色の髪をポニーテールにした、美しい女性だった。月光を映すような青い瞳。体にフィットした軽鎧は所々傷ついているが、その立ち姿は洗練された戦士のものだと一目でわかった。彼女は、まるで流星のようだった。
「あ、ありがとうございます……! 助かりました!」
商人が深々と頭を下げる。女性はそれに短く応えると、ボロボロになった自分の剣を一瞥し、小さくため息をついた。
「……君、今の技は何だ? 魔法のようだったが」
女性――エリナと名乗った彼女は、僕の不思議な力に興味を持ったようだった。僕は事情を話し、【アイテム分解】というスキルだと説明する。
「ほう、分解か。面白いスキルだな」
彼女はそれ以上深くは聞いてこなかったが、その青い瞳は、僕をじっと観察しているようだった。警戒されている。当然だろう。
助けられた商人は、僕とエリナに礼として食事を振る舞ってくれた。その席で、僕はエリナが大事そうに携えている剣に目が行った。それは見事な装飾が施された両手剣だったが、刀身は黒くくすみ、不吉なオーラを放っている。
「その剣、何か訳が?」
僕の問いに、エリナは少しだけ寂しそうな顔をした。
「これは、呪われた魔剣だ。かつては聖剣と呼ばれていたらしいが……。私は、この呪いを解く方法を探して、旅をしている」
彼女もまた、何か事情を抱えているようだった。
僕は今、辺境と呼ばれる地域の外れにある、名もなき寂れた村に身を寄せていた。追いはぎに有り金の大半を奪われ、ぼろぼろの姿でこの村にたどり着いた僕を、村人たちは訝しげに見ながらも、宿屋の屋根裏部屋を貸してくれた。
生きるためには、金を稼がなければならない。僕にできることと言えば、あの忌々しいスキル【アイテム分解】を使うことだけだ。
「よっと……これでよし」
僕は村のゴミ捨て場から拾ってきた壊れた農具や割れた食器を、スキルで次々と素材に戻していく。鉄クズは鉄鉱石に、木の破片は木材に、土器の欠片は良質な粘土に。
最初はゴミを漁る僕を奇異な目で見ていた村人たちも、分解された素材が意外と高く売れると知ると、壊れたものを僕の元へ持ってくるようになった。日銭を稼ぐには十分だったが、心は満たされない。こんなことのために、僕はスキルを授かったのだろうか。
そんなある日、村へ帰る道を歩いていると、街道の方から悲鳴が聞こえてきた。
「きゃああ!」
「ヒヒヒ、上等な荷物と女だぜ!」
見ると、数匹のゴブリンが荷馬車を取り囲んでいる。商人とその娘だろうか、二人は恐怖に震えていた。
どうする? 僕に戦闘能力はない。逃げるのが賢明だ。でも、見捨てることなんてできない。
「くそっ!」
僕は茂みから飛び出すと、ゴブリンに向かって叫んだ。
「【アイテム分解】!」
僕がスキルを発動させた対象は、ゴブリンたちが持つ、粗末な棍棒や錆びた剣。すると、ゴブリンたちの武器が、まるで砂のようにサラサラと崩れ落ち、ただの木材や鉄クズへと変わっていく。
「「「ギッ!?」」」
武器を失い、呆気に取られるゴブリンたち。その一瞬の隙を、見逃す者は他にいなかった。
シュバッ!
一陣の風が吹き抜けたかと思うと、銀色の閃光が走る。次の瞬間、ゴブリンたちは悲鳴を上げる間もなく、その場に崩れ落ちていた。
「……大丈夫か?」
僕の前に立ったのは、銀色の髪をポニーテールにした、美しい女性だった。月光を映すような青い瞳。体にフィットした軽鎧は所々傷ついているが、その立ち姿は洗練された戦士のものだと一目でわかった。彼女は、まるで流星のようだった。
「あ、ありがとうございます……! 助かりました!」
商人が深々と頭を下げる。女性はそれに短く応えると、ボロボロになった自分の剣を一瞥し、小さくため息をついた。
「……君、今の技は何だ? 魔法のようだったが」
女性――エリナと名乗った彼女は、僕の不思議な力に興味を持ったようだった。僕は事情を話し、【アイテム分解】というスキルだと説明する。
「ほう、分解か。面白いスキルだな」
彼女はそれ以上深くは聞いてこなかったが、その青い瞳は、僕をじっと観察しているようだった。警戒されている。当然だろう。
助けられた商人は、僕とエリナに礼として食事を振る舞ってくれた。その席で、僕はエリナが大事そうに携えている剣に目が行った。それは見事な装飾が施された両手剣だったが、刀身は黒くくすみ、不吉なオーラを放っている。
「その剣、何か訳が?」
僕の問いに、エリナは少しだけ寂しそうな顔をした。
「これは、呪われた魔剣だ。かつては聖剣と呼ばれていたらしいが……。私は、この呪いを解く方法を探して、旅をしている」
彼女もまた、何か事情を抱えているようだった。
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