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第7章:古の遺跡と失われた叡智
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リーゼリットから放たれた黄金色の魔力は、温かくも力強い光となって戦場を包み込んだ。その光に触れた魔物たちは苦悶の声を上げて後ずさり、逆に傷ついたカイルや防衛隊の兵士たちの傷は、見る見るうちに癒えていく。それは、リーゼリットが得意としていた土や水の魔法とは全く異なる、生命そのものに働きかける治癒と浄化の光だった。
「これは……光の魔法……? いや、もっと根源的な……」
リーゼリット自身も、己の身に何が起こっているのか理解できずにいた。ただ、カイルを守りたい、みんなを守りたいという一心だけが、彼女を突き動かしていた。溢れ出る力を、眼前の敵へと向ける。
光は、ただ癒すだけではなかった。それは浄化の力となり、魔物たちの邪悪な気を打ち払う。光を浴びた魔物たちは次々と統制を失い、恐れをなして谷から逃げ去っていった。夜明けが訪れる頃には、あれほどいた魔物の大群は、一匹残らず姿を消していた。
戦いは終わった。谷は守られた。しかし、リーゼリットは力の全てを使い果たし、カイルの腕の中で意識を失った。
次に彼女が目覚めたのは、三日後のことだった。見慣れた自室のベッドの上で、傍らには心配そうに彼女を覗き込むエルザとジョージ爺さんの顔があった。
「リーゼお姉ちゃん! よかった……!」
エルザは泣きながら彼女に抱きついてきた。ジョージ爺さんから、あの後の話を聞かされる。カイルはリーゼリットの光の魔法で一命を取り留め、他の負傷者も全員快方に向かっていること。そして、あの戦い以来、谷の周辺から魔物の気配がぱったりと消えたこと。
「リーゼ。お主のあの力は、一体……?」
ジョージ爺さんの問いに、リーゼリットは首を横に振るしかなかった。
「私にも、分からないのです。ただ、カイルを助けたいと、強く願ったら……」
その時、部屋の扉が開き、カイルが入ってきた。彼の肩の傷は、もうすっかり癒えている。
「目が覚めたか」
彼は少し気まずそうに、しかし安堵の表情を浮かべていた。
「カイル、あなたの傷は……」
「お前のおかげで、この通りだ。それより、礼を言うのはこっちの方だ。お前が、この谷を救ってくれた」
二人の間に、少しだけ甘い空気が流れる。それを察したのか、ジョージ爺さんは「さてと」と咳払いをして、一つの古い書物をテーブルの上に広げた。
「あの戦いの後、わしはずっと考えておった。リーゼのあの不思議な力のこと、そして、この谷に秘められた謎についてな。そして、一つの仮説にたどり着いた」
彼は書物のあるページを指さした。そこには、古代文字で描かれた地図と、何かの紋様が記されている。
「この谷には、伝説がある。はるか昔、魔王が世界を支配していた時代、勇者と共に戦った一族がいた。彼らは大地と生命を司る魔法を使い、荒れた土地を蘇らせ、傷ついた人々を癒したという。そして、その一族は、この谷のどこかに、彼らの知識と力を封じた聖地、すなわち遺跡を築いたと……」
ジョージ爺さんは、リーゼリットの瞳をじっと見つめて言った。
「リーゼ、お主はもしや、その一族の血を引いているのではないか? お主の土と水の魔法、そしてあの光の力。全てが、伝説と符合する」
その言葉は、あまりにも突拍子もなく、しかし、不思議な説得力を持っていた。もしそれが本当なら、その遺跡を見つけ出せば、自分の力の謎が解けるかもしれない。そして、この谷をさらに豊かに、そして安全な場所にできるかもしれない。
「その遺跡、探しに行きましょう」
リーゼリットは、迷わず決意した。
数日後、体力が回復したリーゼリットは、カイル、ジョージ爺さん、そして「宝探しみたい!」と目を輝かせるエルザと共に、遺跡の探索へと出発した。古文書の地図が示すのは、これまで誰も足を踏み入れたことのない、谷の最深部だった。
道なき道を進み、険しい崖を登る。途中、再び現れた魔物に襲われることもあったが、カイルの剣技と、以前よりも格段にコントロールが向上したリーゼリットの魔法の連携で、難なく退けることができた。
そして、探索を始めて五日目。鬱蒼とした森を抜けた先に、その場所はあった。
苔むした巨大な石造りの建造物。蔦が絡みつき、長い年月の経過を物語っているが、その荘厳な佇まいは失われていない。入り口には、ジョージ爺さんの書物にあったのと同じ紋様が刻まれていた。
リーゼリットが、恐る恐るその紋様に手を触れた瞬間。紋様が眩い光を放ち、ゴゴゴ……という音を立てて、巨大な石の扉がゆっくりと開いていった。
遺跡の内部は、ひんやりとした空気に満ちていた。壁には、古代の文字でびっしりと何かが刻まれている。中央には、巨大な水晶の祭壇があり、淡い光を放っていた。
リーゼリットが祭壇に近づくと、水晶はさらに輝きを増し、彼女の頭の中に直接、温かい声が響き渡った。
『よくぞ参られた、我が子孫よ。我らは、大地を愛し、生命を育む者。その力を、正しく使うあなたに託しましょう』
次の瞬間、膨大な知識と情報が、光の奔流となってリーゼリットの脳内へと流れ込んできた。それは、失われた古代の農業技術、土壌を瞬時に浄化し肥沃にする魔法、天候を穏やかにコントロールする魔法、そして、彼女が垣間見た生命の光を自在に操るための、高度な魔法体系だった。
あまりの情報量に、リーゼリットはよろめいたが、カイルが後ろからそっとその体を支えた。
「大丈夫か?」
「ええ……大丈夫。それどころか……すごいわ」
リーゼリットは、自分の内側で力が満ち溢れてくるのを感じていた。これで、この谷は真の楽園になる。彼女は、確信した。この失われた叡智こそ、谷の、そして自分自身の未来を大きく変える鍵となるのだと。
「これは……光の魔法……? いや、もっと根源的な……」
リーゼリット自身も、己の身に何が起こっているのか理解できずにいた。ただ、カイルを守りたい、みんなを守りたいという一心だけが、彼女を突き動かしていた。溢れ出る力を、眼前の敵へと向ける。
光は、ただ癒すだけではなかった。それは浄化の力となり、魔物たちの邪悪な気を打ち払う。光を浴びた魔物たちは次々と統制を失い、恐れをなして谷から逃げ去っていった。夜明けが訪れる頃には、あれほどいた魔物の大群は、一匹残らず姿を消していた。
戦いは終わった。谷は守られた。しかし、リーゼリットは力の全てを使い果たし、カイルの腕の中で意識を失った。
次に彼女が目覚めたのは、三日後のことだった。見慣れた自室のベッドの上で、傍らには心配そうに彼女を覗き込むエルザとジョージ爺さんの顔があった。
「リーゼお姉ちゃん! よかった……!」
エルザは泣きながら彼女に抱きついてきた。ジョージ爺さんから、あの後の話を聞かされる。カイルはリーゼリットの光の魔法で一命を取り留め、他の負傷者も全員快方に向かっていること。そして、あの戦い以来、谷の周辺から魔物の気配がぱったりと消えたこと。
「リーゼ。お主のあの力は、一体……?」
ジョージ爺さんの問いに、リーゼリットは首を横に振るしかなかった。
「私にも、分からないのです。ただ、カイルを助けたいと、強く願ったら……」
その時、部屋の扉が開き、カイルが入ってきた。彼の肩の傷は、もうすっかり癒えている。
「目が覚めたか」
彼は少し気まずそうに、しかし安堵の表情を浮かべていた。
「カイル、あなたの傷は……」
「お前のおかげで、この通りだ。それより、礼を言うのはこっちの方だ。お前が、この谷を救ってくれた」
二人の間に、少しだけ甘い空気が流れる。それを察したのか、ジョージ爺さんは「さてと」と咳払いをして、一つの古い書物をテーブルの上に広げた。
「あの戦いの後、わしはずっと考えておった。リーゼのあの不思議な力のこと、そして、この谷に秘められた謎についてな。そして、一つの仮説にたどり着いた」
彼は書物のあるページを指さした。そこには、古代文字で描かれた地図と、何かの紋様が記されている。
「この谷には、伝説がある。はるか昔、魔王が世界を支配していた時代、勇者と共に戦った一族がいた。彼らは大地と生命を司る魔法を使い、荒れた土地を蘇らせ、傷ついた人々を癒したという。そして、その一族は、この谷のどこかに、彼らの知識と力を封じた聖地、すなわち遺跡を築いたと……」
ジョージ爺さんは、リーゼリットの瞳をじっと見つめて言った。
「リーゼ、お主はもしや、その一族の血を引いているのではないか? お主の土と水の魔法、そしてあの光の力。全てが、伝説と符合する」
その言葉は、あまりにも突拍子もなく、しかし、不思議な説得力を持っていた。もしそれが本当なら、その遺跡を見つけ出せば、自分の力の謎が解けるかもしれない。そして、この谷をさらに豊かに、そして安全な場所にできるかもしれない。
「その遺跡、探しに行きましょう」
リーゼリットは、迷わず決意した。
数日後、体力が回復したリーゼリットは、カイル、ジョージ爺さん、そして「宝探しみたい!」と目を輝かせるエルザと共に、遺跡の探索へと出発した。古文書の地図が示すのは、これまで誰も足を踏み入れたことのない、谷の最深部だった。
道なき道を進み、険しい崖を登る。途中、再び現れた魔物に襲われることもあったが、カイルの剣技と、以前よりも格段にコントロールが向上したリーゼリットの魔法の連携で、難なく退けることができた。
そして、探索を始めて五日目。鬱蒼とした森を抜けた先に、その場所はあった。
苔むした巨大な石造りの建造物。蔦が絡みつき、長い年月の経過を物語っているが、その荘厳な佇まいは失われていない。入り口には、ジョージ爺さんの書物にあったのと同じ紋様が刻まれていた。
リーゼリットが、恐る恐るその紋様に手を触れた瞬間。紋様が眩い光を放ち、ゴゴゴ……という音を立てて、巨大な石の扉がゆっくりと開いていった。
遺跡の内部は、ひんやりとした空気に満ちていた。壁には、古代の文字でびっしりと何かが刻まれている。中央には、巨大な水晶の祭壇があり、淡い光を放っていた。
リーゼリットが祭壇に近づくと、水晶はさらに輝きを増し、彼女の頭の中に直接、温かい声が響き渡った。
『よくぞ参られた、我が子孫よ。我らは、大地を愛し、生命を育む者。その力を、正しく使うあなたに託しましょう』
次の瞬間、膨大な知識と情報が、光の奔流となってリーゼリットの脳内へと流れ込んできた。それは、失われた古代の農業技術、土壌を瞬時に浄化し肥沃にする魔法、天候を穏やかにコントロールする魔法、そして、彼女が垣間見た生命の光を自在に操るための、高度な魔法体系だった。
あまりの情報量に、リーゼリットはよろめいたが、カイルが後ろからそっとその体を支えた。
「大丈夫か?」
「ええ……大丈夫。それどころか……すごいわ」
リーゼリットは、自分の内側で力が満ち溢れてくるのを感じていた。これで、この谷は真の楽園になる。彼女は、確信した。この失われた叡智こそ、谷の、そして自分自身の未来を大きく変える鍵となるのだと。
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