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第1部 双子の恋愛感情
第13夜 爽side
しおりを挟む目の前には白い液を吐き出した彗の、艶のある姿が広がっていた。
抵抗の意思は見せるものの身体の力は抜け切っており、なす術なく僕を睨む彗に愛おしさを感じる。
「そろそろいいかな」
にこりと笑ってみせれば、彗は顔を引きつらせた。
「……なにを、するつもりだ?」
解ってるクセに。もちろん、
「ナニ、だよ」
言いながらジーンズのチャックを緩め、彗の腰を掴んだ。
(今まで我慢したんだから、もういいよね?)
「な、やめろっ!爽!!」
途端に慌てたような彗の声が響く。
ここに来て、ようやく本当の意味での身の危険を感じたようだ。
「お、お前さっきまで散々他の奴とヤってただろ!」
「だから何?」
冷静に返すと、絶望の表情で僕を見つめる。
確かにアレはアレで楽しんだよ?
でもね、彗のこんな姿を見ちゃったら食べない、という選択はないでしょ?
長年の夢だったんだから。 だから……覚悟してよね。僕って絶倫なんだよ。
「今から彗をメチャクチャにしてあげる」
彗にとっては死刑申告にも等しい事を告げ、反論される前に己のオスを強引に突っ込んだ。
「………っ!!!」
声にならない叫びを彗があげる。
ずっと彗だけを求めていた僕のペニスは既にはち切れそうだった。
いくら時間をかけて解したとはいえローターや指とは比べ物にならない大きさのモノを一気に奥まで入れると、それに対する押し返しが半端では無い。
(さすがに処女にはキツかったかな)
締め付けが強く気を抜くとすぐにイってしまいそうだ。しばらくは動かずに、彗の身体に馴染むまで待つ。
「くっ……っ…っ!」
小さい声が兄の口から漏れる。
その微かな音にさえ、彗から零れたという事実から僕は反応した。
今では王子と呼ばれ相手を取っ替え引っ替えしている僕。側から見ると今の余裕ない姿はさぞ滑稽だろう。
「もう、動くよ」
「や…まてっ!ぬけ……っああ!!」
彗の制止の声を華麗に無視し僕は腰を使い始めた。
「……っん」
思わず声が漏れる。
彗の中は一言で言うと最高だった。
動く度に絡みついて、僕のモノを咥えて離そうとしない。
「あっ…あん、やめ…爽!」
ここまできても反抗的な瞳をやめない彗。
(これでは逆効果だと、まだ解っていないんだね)
「ほら、ここ感じるでしょ?」
「ひっ…」
少し律動を緩め、彗の敏感なポイントを抉るように角度を変えた。
「ダメだ!爽、そこは…ぁぅ…ふぅん」
ひっきりなしに彗の口からは甘い声が吐き出される。
「僕も、そろそろ限界。彗の中に出すよ」
「やめ……!」
宣言通り奥の奥へと己の欲望を吐き出す。まるで、孕ませたいとでも言うように自身でも驚くほどの量を出し切れば、つられたように彗も果てた。
僕は直ぐには抜かずそのまま兄の様子を伺った。彗はやっとで終わったと、安堵した顔をしていたが残念ながらハズレ。
僕が一回で満足する訳ないでしょ?
いつまでも収まったままの僕を、怪訝の表情で彗が睨む。
だからにっこりと笑って耳元で囁いてあげるのだ。
「まだまだこれからだよ」
「なっ!……あっ…んん」
硬さを取り戻した僕の分身は、再び彗の中で活動を開始する。
と、ここで冒頭へと繋がる。
その日は一晩中、彗を犯し続けた。
抜かずに何度も何度も彗に白濁の液を注ぎ、彼の意識が飛ぶまでずっと味わった。
翌日が土曜日でよかったと後から思うほど彗の足腰が立たなくなるまで、幾度も。
この日から僕の中で何かが崩壊したと同時に、彗との関係も確実に変わっていった。
(……もう逃がさないよ)
気を失った兄の頬を撫で、それからそっとその唇にキスを一つ。宝物に触れるように優しく啄んだのだった。
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