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【王女と皇女編】
第12話 人の背中を追う者は自分の背中を見ない ②
しおりを挟む「は?」
帝国からの急使を前に、カロスタークは目を見開いた。
話の内容を、頭が理解することを拒んでいる。
ヒルデガルドの嫁入り話にも驚いたが、それに輪をかけた話だった。
先日の『自称素敵女子』とさらにもう一人を、自分に嫁がせるというのだから。
「えーと、それは『提案』ですよね?」
一縷の望みをかけて、カロスタークは確認を取った。
ついでに、もう二人いかが?
との問い合わせであれば、なにか理由を付けて断れるはずだ。
「皇帝陛下におかれましては、『許可する』とのご意向にございます」
「ああ」
ため息が漏れた。
許可が降りている。
つまり『確定』事項だ。
「持参金代わりといたしまして、ビクトリア様の所領の半分を付けさせていただきます。どうぞ、存分にお治めくださいますように」
地図を差し出し、示して見せられた。
リューイン州の北側。
北と東を山脈で塞がれた地だ。
帝国領から見た場合には、使いにくい立地。
税の取り立てを始めとする統治にも不便だろうことが予想できる。
この不便なだけの土地を押し付け、そこに住まう民の保護をも押し付ける。
その理由は皇女二人を押し付け、帝国から排除すること。
なんにせよ。
カロスタークはいろいろと押し付けるのに適当と考えられているようだ。
「承知、した」
王国側から見れば、帝国との緩衝地帯に適している。
悪くない。
新たに加わる二人については——諦めよう。
拒絶する術がない。
◇
「・・・」
報せを受けて、ビクトリアは蒼白になって膝を付いた。
抜け駆けしたつもりが、逆手に取られて動きを封じられたと理解したのだ。
末の妹を送り届ける役目を手に入れるのに、金を積んだ。
これによって、一歩先んじたと思っていた。
それなのに・・・。
踊らされていただけだったのだ。
帝都を出るときから、このシナリオは組まれていたのだと悟って絶望した。
事実上、帝国から追放されたことになる。
もはや、戻ることは叶わない。
戻ろうとすれば命はないものと思われた。
皇帝の意を得てのこと。
もはやひっくり返す手立てがない。
「なんで、こんなことに?」
王国でもっとも勢いのある男を誘惑して、自分の影響力を増やしたかっただけなのに。
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「姉様ともども、生き残ることはできるかも」
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それにしても——。
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三番目は感慨深げに微笑んだ。
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