64 / 84
64 暗転
しおりを挟む再度【ドローン】を充電し、辺りの索敵をしているジェニー姐さん
それを横目に、かなり遅めのお昼ご飯を準備中なワタシです
(気がつけば、もうとっくにお昼の時間は過ぎちゃってるよ)
(むしろ、おやつの時間なんじゃない?)
【アントン】の巣穴から少しだけ離れて、
ちょっと開けた場所に、薬店で使っていたガーデンテーブルセットを取り出します
そして、今日のランチに選んだモノは、
[外食]メニューから、
【よしぎゅー 牛丼朝セット 特盛 ミニサラダ・味噌汁付き 794円】
これはアレです。みんな大好き! よしぎゅーの朝の牛丼セットです
ワタシ的には、小鉢に納豆をチョイスしても良かったのですが、
ニオイがアレなので、ジェニー姐さんに気をつかって、ミニサラダにしておきました
ちなみにワタシ、よしぎゅーのメニューは、特盛派です
(ランチタイムなのに朝食メニューを持ってきちゃうところがおつだよね?)
【買い物履歴】には日時の制限とかがないので、季節や時間を無視したチョイスが可能なのです
そんな感じで、さっそくジェニー姐さんを召喚です
「姐さ~ん、遅くなっちゃいましたけど、お昼ご飯なのですよ~!」
少し離れた場所で【ドローン】を楽しんで(周囲を警戒して)いたジェニー姐さん
「はーい! 今行くわー!」
ワタシが呼びかけると、まさにまっしぐらな感じでお返事です
そして気がつくと、何と、ジェニー姐さんが目の前に
用意したばかりのガーデンテーブルセットに着席していました
(え? もう着席してる? あれ? それなりに距離あったよね?)
(これって、もしかして、スキル?)
(瞬間移動とか、瞬歩とか、そういったヤツ?)
(だとしたらジェニー姐さん、スキルの使いどころ間違ってるよ・・・)
そんなことを思っているワタシに、ニコニコ笑顔のジェニー姐さんが話しかけてきます
「お昼のご飯かしら? ありがとー♪ とても楽しみにしていたのよー♪」
「最近、この習慣に慣れちゃって、お腹空いていたのよねー♪」
「今日のお昼ご飯は、何を用意してくれたのかしら?」
ルンルンなジェニー姐さんに、いつものお仕事をお願いするワタシ
「でもその前に、姐さん、清潔(クリーン)の魔法をよろしくです!」
「わかったわ。でもあなた、本当に綺麗好きね?」
「お食事の前には手を洗う。これ、基本です!」
毎度食事の前には必ず、ジェニー姐さんに清潔(クリーン)の魔法をかけてもらいます
いくら外出先とはいえ、食事の前の手洗いは欠かせませんからね
(手を洗う代わりに魔法でキレイに・・・)
(ある意味贅沢な魔法の使い方だよね)
普通は魔力量の関係で、日に何度も清潔(クリーン)の魔法をかけるなんてありえないそうですが、
ワタシはここぞとばかりに、ジェニー姐さんを使い倒します
(ジェニー姐さんがいれば、お手拭きいらずだよね?)
普通の人族の何十倍もの魔力量を持つ魔人族
その膨大な魔力を用いた清潔(クリーン)の魔法を
『おしぼりとお冷はタダ』、そんな感覚でラーメン屋のおしぼりがごとく使い倒すワタシ
苦労して魔力を節約している人族の魔法職が聞いたら、きっと張り倒されることでしょう
「それでですね、今日のお昼ご飯はね、牛丼というお名前の食べ物です」
「お米の上に甘じょっぱく煮た牛肉と玉ねぎがのってて、ガツガツいただけちゃいますよ?」
そんな説明をしつつ、牛丼のセットをサーブします
「これは、この2本の棒で食べるのかしら?」
ジェニー姐さんが箸を手にして聞いてきます
忘れていました。ジェニー姐さんはお箸の国の人ではありませんでした
(そう言えば、よしぎゅーって、以前は割りばしじゃなかったっけ?)
ん?
おてもと?
「ごめんなさい。今、フォークスプーンを用意しますね?」
「いいのいいの。あなたと一緒のモノを使ってみたいわ」
「あなたの真似をすればいいんでしょ?」
そんな流れで、ジェニー姐さんがお箸にチャレンジです
(まあ、今回は、どんぶりですから、最悪掻っ込んじゃえばいいですしね)
そんなことを考えていたのですが、やっぱりというか、いつも通りというか
目の前には、あっけないほどいとも簡単に、しかも美しくお箸を使いこなしているジェニー姐さん
「これは使いこなせるととても便利ね?」
「食べたいものを片手だけで掴み上げることができるのね?」
そんなこんなで、牛丼セットをペロっと完食なのでした
牛丼をおかわりしたいというジェニー姐さん
「お夕飯が食べられなくなっちゃうから、牛丼のおかわりはなしにしましょう」
「その代わり、このお菓子食べましょ?」
そんな感じでご用意したのは、
ワタシのおすすめスイーツ
【富士山の頂 180円】
これはアレです。地元で有名だったの和菓子屋さんのお菓子です
カスタードクリームが入ったカステラのような丸っこい小山のスポンジ
上からホワイトチョコで雪化粧して、山頂にはチョコでできたコーヒー豆
洋菓子の構成素材を、和菓子屋さんらしく上品に仕上げた一品
甘さが程よく、何個でも食べられちゃうヤツです
(このお菓子、商品名より、『おっぱい饅頭』というあだ名の方が有名だったよね~)
(見た目、そのまんまだし)
(そう言えば、はじめて買った時、ちょっと恥ずかしかったかも)
そんな感じでおやつタイムに突入です
「あら、おいしっ!」
「なんてやさしい甘さなのかしら♪」
ニコニコ笑顔のジェニー姐さんを眺めつつ、ワタシは気になっていたことを確認してみます
(ワタシ、かなりの数の【アントン】をやっつけたでしょ?)
(レベルとか結構上がっちゃてるんじゃない?)
大好きなお菓子の包装を取りながら、口ずさむのはこの言葉、
「ステータス!」
そう口にした瞬間、目の前が真っ暗になります
立ち眩みのような眩暈のような
頭がくらくらして意識が遠のきます
「スキニー? どうしたの?」
「大丈夫? しっかりして!」
ジェニー姐さんの慌てたような声が聞こえているような気がしますが
ワタシはそれどころではありません
(わ、ワタシの、おっぱい富士山・・・)
目が回りながらも、気にするのは大好きなスウィーツのこと
気絶し、テーブルに突っ伏してもなお、大好きなお菓子だけは手放さないワタシなのでした
37
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる