異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~

ぱつきんすきー

文字の大きさ
37 / 84

37 お偉いさん

しおりを挟む

「いらっしゃいませぇ~」
「全品小銀貨1枚ですよぉ~」
「いらしゃいま――」

「お前がこの小屋の持ち主であるか」
「この明かりの奉呈を許す」
「今すぐ持参するように」


突如、ワタシの客引きトークに被せてきたのは、

いかにも偉そうな感じの男性

[いいとこで働いていますよ]オーラ全開の、お貴族様の従者さんぽいひと


お店の前に現れたと思ったら、ワタシが聞いていようがいまいが関係ない、

そんな感じで一方的に宣言していらっしゃいます

『そのLED照明をよこせ』

ひとことでまとめると、こんな感じでしょう


お貴族様は、特別なモノだとか、特別扱いとか、そういったものが大好物

きっと、ワタシのお店の輝きをみて、その照明が特別なモノだと思ったのでしょう

庶民はお貴族様が欲するものを献上して当たり前

そんな思考が透けて見えます


(これは、アレですか? いわゆるひとつの、偉い人に絡まれテンプレ?)
(LEDの光に、悪い虫さんが呼び寄せられちゃったかな?)

ん?
テンプレ?



困った時は、頼れる年長者に相談です

ワタシの隣で、なぜかワタシ用のアウトドアチェアでくつろいでいらっしゃるジェニー姐さんに視線を向けます


「・・・そうね、私が話をつけてあげるわ」

ワタシの視線の意味を理解してくれたジェニー姐さん

さすが姐さん

カッコイイっす!


そんな感じで、

ある意味[違う世界に住んでいる]従者さんへの対応は、

ジェニー姐さんに一任です



優雅な所作でお店のシャッター前に出たジェニー姐さん

巧みな話術で何とかしてくれるのかと思って見ていると、

なにやら胸元から米軍のドッグタグ的なモノを取り出して、

従者さんに見せています


すると、なぜか効果覿面、

従者さんは直角のお辞儀をし始めました


(あれれ?)
(なぜかジェニー姐さんに謝り始めてますよ?)

ちょっと意外な反応です

(もしかして、ジェニー姐さんが出したアレは、例の印籠的な感じなのかな?)

(ちりめん問屋のご隠居さん御用達のヤツですかね?)

(ということは、ジェニー姐さんは、前(さき)の副将軍的な?)

どうやら、ワタシの近くにいる薬師様は、思いのほかお偉いさん? のようなのでした

ん?
印籠?
ちりめん問屋?
副将軍?
一体何のこと?



その後、偉そうな従者さんと共にどこかへ行ってしまったジェニー姐さん

(ジェニー姐さん、どこ行ったんだろう?)
(はっ! まさか! 体育倉庫の裏で『顔はやめなよボディボディ』的な感じですか!)

一瞬そんなことが頭をよぎります

【ジェニー姐さん=裏番】、そんなイメージが薄っすら思い浮かぶワタシなのでした

ん?
裏番ってなに?



それから意外と忙しくて、ジェニー姐さんのことをすっかり忘れて、

しばらくお店の営業に集中していたワタシ


そして気が付いたら、何と、ジェニー姐さんがお貴族様とそのご家族を連れてきちゃってました

どうやら姐さんがお貴族様の野営地まで出向き、説明と説得をしてくれた模様なのですが、

その時、お貴族様がワタシのお店に興味を持ってしまったようなのです



「なにやら、興味深いモノがあると聞いてね」

お貴族様のご当主様? の第一声です


従者さんよりも、はるかにフレンドリー

いや、アレと比べたらいけませんね


服装はそこまで豪奢ではないけれど、品がいい感じ

(暑いから軽装なのかな)

そんな、ちょっと風雅な印象のお貴族様です


「全ての商品をひととおり、もらえるかい?」

こんな言葉からはじまった、お貴族様のお買い物タイム

商品全種類のお買い上げ

まさに、大人買いってヤツです


そんな感じで、終始和やか

無茶ぶり的な、イチャモン的な、

そんな異世界テンプレは、未遂で終わってしまいました



そんなおり、ふと、後ろにいたお嬢様と目が合いました

薄青色の、涼し気でゆるふわなワンピースを着ている、5歳ぐらいの金髪美幼女さんです


(将来、楽しみでしょうねぇ~)

なんて思っていると、

いきなり現れる、【買い物履歴】画面

その中央[あなたにお勧め]には、



【ぬいぐるみ スリーピー 全長80cm 抱き枕兼用 3,980円】



これはアレです。某有名米マンガの[眠たげなたれ耳のわんこ]です

きっと、姪が購入したヤツでしょう


このタイミングで大きなぬいぐるみをどうするのか?

それはもちろん、お嬢様へのプレゼントでしょう

そんな[あなたにお勧め]の意図を汲み取り、

早速購入して取り出してみます

5歳ぐらいの女の子には、ちょっと、いや、かなり大きい感じですね

本人と大きさがあまり変わりません

でも、お嬢様は、ワタシの出した[たれ耳のわんこ]に興味津々のご様子

「パァッ」と効果音が出そうなくらいの嬉しそうな満面笑顔

そして期待で爛々と輝く二つの碧眼で、

ワタシとぬいぐるみを交互に見つめてきます


「ハイ、どうぞ」

「いいの? ありがとう!」

早速手渡すと、まさに「がばっ」といった感じで、ぬいぐるみに抱き着くお嬢様

カワイイ女の子が、もっふりした大きなわんこのぬいぐるみに抱き着いている光景は、

なんともホホエマです


「やっぱり、カワイイものが可愛いことをする姿は、尊いですよねぇ~」


ぬいぐるみわんこのたれ耳のふわもふ感を確かめるように、

頬でスリスリしているお嬢様を見ていたら、思わず心の声が漏れてしまいました

でも、みなさんも頷いていらっしゃるので、きっと問題ないでしょう



みなさんとワタシの「尊い」には、微妙にニュアンスの違いがあるかもしれませんが・・・

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』

宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

処理中です...