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和解
「良く考えてください。晃子さんは、総領姫ですが 泰臣君とは不仲でしょう?代替わりした時にどうなるか。男爵は、羽倉崎さんに事業を任せても、くれてやる訳ではありません。まあ、早い話 親類に預ける形ですね。問題は、咲さんです」
「咲? どういう意味です?」
「羽倉崎さんの正妻に、不仲の姉。妾は 妹のように可愛がっていた従妹。それぞれに子が産まれたら?絶対、泰臣君は 咲さんのお子さんを持ち上げますよ」
グッ……と、言葉に詰まった。容易に想像がついたからだ。
目の前の男は、眇めた視線をチラリと向けると、ニッと唇を引き上げる。嫌味ったらしくも人を魅了する表情だ。
「お止めなさい。お家騒動ほど厄介なものはない。咲さんの子が男子かは、わかりませんが順番は関係ありません。妾腹の兄と正妻腹の弟、泰臣君が兄を贔屓する。弟は、堪らないでしょうね。逆もしかり。そのうち、妾子のくせに!と 泰臣君をも嫌悪するでしょう……あ、今、考え過ぎって思いました?」
「いえ」
考え過ぎどころか、十分あり得るとさえ思う。
「それは良かった。本当ですよ、相馬さんの話 ご存知でしょう?当事者だけではない、周りをも巻き込むのがお家騒動です。羽倉崎さんが宥め透かしても、兄弟で揉めたら家業の屋台骨が揺らぎます。正妻腹の弟を跡継ぎとしても、男爵の後ろ楯がある妾腹の兄が、黙っているとは限りません。晃子さんに露見しても、咲さんを手放さなかった貴方のことです。産まれた子を、里子に出すこともしないでしょう」
否定することが出来ない内容に、羽倉崎は堪らず口を開いた。
「ご提案の通りに、咲を男爵令嬢とした場合、晃子さんは激怒するでしょう」
「でしょうね」
「説得は、貴方が?」
「何故、僕が? 男爵が願い出るのですよ?」
素知らぬ振りをするということだろう。書類を提出し、夫人や晃子の耳に入る時には許可は下りていると。
「成る程……よく分かりました。宜しいでしょう、ただし そちらの言い分だけを呑む気はありません。こちらも無理を言っても?」
「聞きましょう」
「3つ」
「どんな?」
「ひとつ、私の事業に何か問題が起こった場合、官への口利きや助け船をお願いしたい」
これは、当然の条件だ。光留は「宜しいでしょう」と、すんなり首を縦に振った。
「ひとつ、咲を男爵家の養女ではなく、実子として頂きたい。相手が、総領姫から養女となれば、格が違います」
形だけであり、別段 得にはならないが、目の前の男に無理難題を吹っ掛けたいと口にする。
「宜しいでしょう」
簡単に了承するが、大丈夫なのか?
探る眼差しを向けるが当の本人は、口元に微笑を浮かべ、優雅にグラスを傾けている。内心、舌を出しているのではないか? と勘ぐるのは、この男が存外 自分勝手であることを知っているからだ。約束を破っても平気な顔をしてそうとなれば、疑心暗鬼にもなる。
しかし、商談と同じように疑ってばかりでは先に進まない。反故にされない為に、がんじがらめの契約があるのだからと、最後の一手を突きつけた。
「ひとつ、咲の届け出について。晃子さんの口から私に伝えるように」
「……は?」
「つまり晃子さんの口から、咲が男爵家の娘となる。自身の妹になると言って欲しいのです」
「馬鹿なことを……、身二つになってからでは遅いですよ?」
「結構です。後々に、憂いが残る方が厄介です。それに田中様が、さっさと晃子さんを説得すれば良いのですよ。どの程度で説得できるか……見物です」
「貴方、晃子さんが簡単に了承すると思います?」
「するわけないでしょう。咲が、泰臣君の従妹であること、婚約前に関係があったことを話した時なんて、テーブルクロスを引き、暴れまわったんですよ。今回は、更に大変なことになるでしょう……一服、よろしいですか?」
「どうぞ」
輸入物だろう、見慣れない絵柄の箱から両切煙草を取り出すと口に咥え、箱を光留へ差し出した。
「どうぞ」
「いただきます」
フッと、吸い口に息を吹き掛け、葉を飛ばすと羽倉崎が擦ったマッチから火を貰う。
「とんだ意趣返しですね」
「生ぬるいですね。今、話したように立ち回っても私の矜持は、傷つけられます。それを水に流すのですから、安く済んだと思って下さい」
ふぅ――と、燻らすものに笑いが含むことに、光留は「ハッ」と吐き捨てる。
「説得は無理ですか? それでは……代案として、新橋辺りのお座敷で私に頭を下げますか?妻の尻に敷かれていると」
「まさか、誰が尻尾を巻きますか。しかし、今日明日中など無理です。記事は止めてください」
「畏まりました。それでは、お互い一筆書きましょうか」
「立会人を入れます。その方が間違いないでしょう」
そう言い、招き入れたのは以前、近藤と名乗った男だった。
「お久しぶりです。司法省の近衛と申します」硯と筆、紙を入れた黒盆を携えた近衛は、光留の席に腰かけた。
司法省ということは、和与状などお手のものだろう。近衛は、筆に墨を含ませると「裁判などではありませんので、お二人が違わぬように記すものと考えて頂けたら」と、滑らせた。
「ちなみに……私は、この件では中立です。後々、一方的に反故にすることがあったら許しませんからね」
「わかっていますよ」
近衛の釘は、光留に刺さったようだ。
筆は、記す――
先程の3つの条件に加え、記事は止めること。また、最後のひとつが実行された後に手続きが取られること。
これは、光留の結婚願いの提出が延期することを意味していた。
同じものを2部作成し、互いに署名を入れるとそれぞれ懐へしまう。
気が重い説得を前に、機嫌が悪いことを隠しもしない光留は、2本目の煙草を咥え「それでは、さようなら」と、羽倉崎を追い出しにかかる。見送る気もないようだ。
「光留さん、大人げない……」
「良いのですよ、近衛様」
光留が不機嫌なのは、羽倉崎にしてみれば成功したということだ。
「田中様、先程の続きです。横浜で官の一行を狙い、噂を流した理由」
「あ、そうでした。何が怪しいのです?」
「晃子さんが、欧州から戻る一行の記事を何度も読まれるのです。そして、横浜から東京までの所要時間などを尋ねられたり……」
「それの何が、怪しいのです?」
咥えた煙草を、唇から離す光留の顔は、怪訝な表情を浮かべ、横に立つ近衛は「鈍……」と、漏らす。
一矢報いるには、これ以上ない火種を撒いたことに羽倉崎は、満足した。
憎たらしい光留の弱味は、間違いなく晃子であり、これから神経をすり減らすだろうと、乾いた笑いを響かせる。
「それでは、お手並み拝見」
「咲? どういう意味です?」
「羽倉崎さんの正妻に、不仲の姉。妾は 妹のように可愛がっていた従妹。それぞれに子が産まれたら?絶対、泰臣君は 咲さんのお子さんを持ち上げますよ」
グッ……と、言葉に詰まった。容易に想像がついたからだ。
目の前の男は、眇めた視線をチラリと向けると、ニッと唇を引き上げる。嫌味ったらしくも人を魅了する表情だ。
「お止めなさい。お家騒動ほど厄介なものはない。咲さんの子が男子かは、わかりませんが順番は関係ありません。妾腹の兄と正妻腹の弟、泰臣君が兄を贔屓する。弟は、堪らないでしょうね。逆もしかり。そのうち、妾子のくせに!と 泰臣君をも嫌悪するでしょう……あ、今、考え過ぎって思いました?」
「いえ」
考え過ぎどころか、十分あり得るとさえ思う。
「それは良かった。本当ですよ、相馬さんの話 ご存知でしょう?当事者だけではない、周りをも巻き込むのがお家騒動です。羽倉崎さんが宥め透かしても、兄弟で揉めたら家業の屋台骨が揺らぎます。正妻腹の弟を跡継ぎとしても、男爵の後ろ楯がある妾腹の兄が、黙っているとは限りません。晃子さんに露見しても、咲さんを手放さなかった貴方のことです。産まれた子を、里子に出すこともしないでしょう」
否定することが出来ない内容に、羽倉崎は堪らず口を開いた。
「ご提案の通りに、咲を男爵令嬢とした場合、晃子さんは激怒するでしょう」
「でしょうね」
「説得は、貴方が?」
「何故、僕が? 男爵が願い出るのですよ?」
素知らぬ振りをするということだろう。書類を提出し、夫人や晃子の耳に入る時には許可は下りていると。
「成る程……よく分かりました。宜しいでしょう、ただし そちらの言い分だけを呑む気はありません。こちらも無理を言っても?」
「聞きましょう」
「3つ」
「どんな?」
「ひとつ、私の事業に何か問題が起こった場合、官への口利きや助け船をお願いしたい」
これは、当然の条件だ。光留は「宜しいでしょう」と、すんなり首を縦に振った。
「ひとつ、咲を男爵家の養女ではなく、実子として頂きたい。相手が、総領姫から養女となれば、格が違います」
形だけであり、別段 得にはならないが、目の前の男に無理難題を吹っ掛けたいと口にする。
「宜しいでしょう」
簡単に了承するが、大丈夫なのか?
探る眼差しを向けるが当の本人は、口元に微笑を浮かべ、優雅にグラスを傾けている。内心、舌を出しているのではないか? と勘ぐるのは、この男が存外 自分勝手であることを知っているからだ。約束を破っても平気な顔をしてそうとなれば、疑心暗鬼にもなる。
しかし、商談と同じように疑ってばかりでは先に進まない。反故にされない為に、がんじがらめの契約があるのだからと、最後の一手を突きつけた。
「ひとつ、咲の届け出について。晃子さんの口から私に伝えるように」
「……は?」
「つまり晃子さんの口から、咲が男爵家の娘となる。自身の妹になると言って欲しいのです」
「馬鹿なことを……、身二つになってからでは遅いですよ?」
「結構です。後々に、憂いが残る方が厄介です。それに田中様が、さっさと晃子さんを説得すれば良いのですよ。どの程度で説得できるか……見物です」
「貴方、晃子さんが簡単に了承すると思います?」
「するわけないでしょう。咲が、泰臣君の従妹であること、婚約前に関係があったことを話した時なんて、テーブルクロスを引き、暴れまわったんですよ。今回は、更に大変なことになるでしょう……一服、よろしいですか?」
「どうぞ」
輸入物だろう、見慣れない絵柄の箱から両切煙草を取り出すと口に咥え、箱を光留へ差し出した。
「どうぞ」
「いただきます」
フッと、吸い口に息を吹き掛け、葉を飛ばすと羽倉崎が擦ったマッチから火を貰う。
「とんだ意趣返しですね」
「生ぬるいですね。今、話したように立ち回っても私の矜持は、傷つけられます。それを水に流すのですから、安く済んだと思って下さい」
ふぅ――と、燻らすものに笑いが含むことに、光留は「ハッ」と吐き捨てる。
「説得は無理ですか? それでは……代案として、新橋辺りのお座敷で私に頭を下げますか?妻の尻に敷かれていると」
「まさか、誰が尻尾を巻きますか。しかし、今日明日中など無理です。記事は止めてください」
「畏まりました。それでは、お互い一筆書きましょうか」
「立会人を入れます。その方が間違いないでしょう」
そう言い、招き入れたのは以前、近藤と名乗った男だった。
「お久しぶりです。司法省の近衛と申します」硯と筆、紙を入れた黒盆を携えた近衛は、光留の席に腰かけた。
司法省ということは、和与状などお手のものだろう。近衛は、筆に墨を含ませると「裁判などではありませんので、お二人が違わぬように記すものと考えて頂けたら」と、滑らせた。
「ちなみに……私は、この件では中立です。後々、一方的に反故にすることがあったら許しませんからね」
「わかっていますよ」
近衛の釘は、光留に刺さったようだ。
筆は、記す――
先程の3つの条件に加え、記事は止めること。また、最後のひとつが実行された後に手続きが取られること。
これは、光留の結婚願いの提出が延期することを意味していた。
同じものを2部作成し、互いに署名を入れるとそれぞれ懐へしまう。
気が重い説得を前に、機嫌が悪いことを隠しもしない光留は、2本目の煙草を咥え「それでは、さようなら」と、羽倉崎を追い出しにかかる。見送る気もないようだ。
「光留さん、大人げない……」
「良いのですよ、近衛様」
光留が不機嫌なのは、羽倉崎にしてみれば成功したということだ。
「田中様、先程の続きです。横浜で官の一行を狙い、噂を流した理由」
「あ、そうでした。何が怪しいのです?」
「晃子さんが、欧州から戻る一行の記事を何度も読まれるのです。そして、横浜から東京までの所要時間などを尋ねられたり……」
「それの何が、怪しいのです?」
咥えた煙草を、唇から離す光留の顔は、怪訝な表情を浮かべ、横に立つ近衛は「鈍……」と、漏らす。
一矢報いるには、これ以上ない火種を撒いたことに羽倉崎は、満足した。
憎たらしい光留の弱味は、間違いなく晃子であり、これから神経をすり減らすだろうと、乾いた笑いを響かせる。
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