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4章 女の子声での配信生活
35話 日常になった「地声/女の子の声」配信
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「……思うけど、本当に君たちって欲望に正直だよね。普通の男ボイスからかわいいのになっただけで、男って、ボイチェンってはっきり断言してるのにこれだけ残るって……うっぷ」
【草】
【ぺろぺろ】
【言いながら数字見て吐き気催してて草】
【くそ雑魚で草】
【くそ雑魚メスガキ……】
【よわよわメスガキか……】
【おっと、今どきのコンプラ的にくそ雑魚ナメクジメスガキ「ちゃん」だ】
【草】
【たいした意味のないフォローで草】
【コンプラとは一体……】
【でも、メスガキいいよね……】
【いい……】
【どうあがいても敵わない相手にきゃんきゃん吠えるチワワのごとき愛らしさ】
【ぐへへ、おじさんに力では敵わないんだよこはねちゃん】
【個人的にはメスガキだけど一途でラブラブ純愛が好み】
【分かる】
【それはそれとしてなめ腐ったメスガキが……ってのもまた良き】
【分かる】
【おすすめを共有しようか……】
【きもいよー】
【さすがにURLはやめとこうな?】
【この配信にも、すっかり変なのが居着いちゃって……】
【むしろすでに多数派に……】
――あれからもう何日。
僕は、すっかり「バ美声――バーチャル美少女声のボイチェン/この体の地声」での配信をしている。
そして1回ごっそりと減ってほっとしてたはずの登録者と同接が、再び結構なスピードで上昇している……あ、胃液が。
「こくこく……セーフっ。なんとか胃液を押し戻した」
喉がひりひりするから、ここ毎日のために用意するようになった牛乳を飲んでっと。
ほら、牛乳はお酒のおともだからさ……本当かどうかはともかく、胃が荒れにくいらしいし。
【草】
【かなりの重症じゃねぇか……】
【胃と食道ががばがばになっとる】
【逆流性食道炎はお医者さんに……ああ、コミュ障で無理か……】
【絶望した】
【草】
【無理しないでね】
【これは配信者のプロ根性】
【↑ニートです】
【プロのニートだよ?】
【それはそう】
【本人が主張してるから信じざるを得ないけどニートだな!】
【収益化していなくても、これはプロの配信者じゃ……いや、本人の主張を優先すべきなのか……?】
【草】
【でもニートしてる配信者とか、視聴者にたかる配信者とか、今どきは普通じゃね? 昔ならともかくさ こはねちゃんはまだ収益化とかできてないけど】
【昔(数年前】
【まぁ今なら普通だな】
【視聴者を楽しませる代わりのお代って考えたら違和感はないよな】
【そんな視聴者に対して「気持ち悪い」とか言うのはちょっと普通じゃないけど、まぁだいたい同じだな】
【草】
【草】
【ま、まあ、エンターテイナーってそういうもんだし……】
【そうそう、ストリート芸にお金投げ入れるようなもんだし……】
【コメントの中にも罵られて興奮してた紳士も居たから……】
【メスガキ芸……いいぞ、もっとやれ】
「うっぷ」
またこみ上げてきた――牛乳でマイルドになったそれを、飲み込む。
ふと横を向いた先の全身鏡には、体を丸めて口を覆っている――涙目の女の子が、それはそれはかわいそうな姿をしている。
――コメント欄の規制。
特に新しい人たちからのそれをオフにすることも、できはする。
けども――このままじゃダメだってのは、ずっと前から感じていたんだ。
だからこそ、こんなどうしようもない状況になった今だからこそ、がんばれる範囲でがんばりたい。
とりあえず軽く吐く程度なら大丈夫で、前の体基準でアルコールをがーっと飲み過ぎて急性っぽくなったときレベル、あるいは幼い肉体年齢の仕様で泣きじゃくるレベルになるまでは耐えられる。
そう、思うから。
ふぅ、と息を吐き――優花が「心が落ち着くサプリだから」とくれていたのにずっと放置していたものをぐいっと飲み。
「……僕は良いけど、他の配信者のこと、悪く言わないでね? 僕は最底辺の方って自覚あるんだから。あと、大人だからある程度はね。ほら、大学投げ捨てて引きこもって家族に迷惑かけて妹にゴミ見る目で見られる兄未満の存在とかそうそう居ないだろうし、いわゆるコメディアン――路上パフォーマーとか芸人とか、笑われるのが仕事ではあるけども、彼らだって人間なんだ、僕とは違ってまだマシな存在なんだ。彼ら自身に笑わせられた以上の嘲笑はNGだよ」
自虐芸。
そう言われることはあるけども、僕は別になんとも思っていない。
だって事実でしかないんだし。
……むしろ、そう自分を卑下することで、こうして今生きている全てにかかっているお金とか気配りとかへの罪悪感が楽になる気がするんだ。
ほら、実際、吐き気とか一時的にでも収まってる。
僕の作戦は完璧だ。
僕は僕自身がだめだめだって理解してるからこそ、僕自身の性質もまたよく理解しているんだ。
【草】
【草】
【この開き直りっぷりはさすがプロのニート】
【ニートはともかく引きこもりの人たちの大半が苦しいメンタルの中、この強靱メンタルは見習いたい】
「え? 話してる途中におもむろに吐くメンタルがなんだって?」
【草】
【おもしれー女】
【↑ちがうゾ、バ美声だゾ】
【あーそうだったーざんねんざんねん】
【もうちょっと自然にやれよお前】
【草】
新しい人たちは、前から居てくれた人たちとは少し違う雰囲気。
話す言葉――いわゆるネットスラングも使う言葉のニュアンスも結構違うし、僕の知らないネタとかで盛り上がることも多々ある。
分からないものは基本的にスルーすれば良いし、特に問題はない。
……最近、僕は新しいスキルを身につけたらしい。
「この僕」を「別の僕」として俯瞰するスキルだ。
つまり、今の僕はこの幼女――じゃない、少女に事情があって乗り移ってて、しかも前と同じ生活を強いられている――そう思い込むことに成功し、実際、吐き気とかもこれでも相当に抑えられている。
まぁ数字見るたび胃袋がぎゅって硬くなって横隔膜が痙攣し出すし、悪寒がし出すし冷や汗が出てくるけども。
………………………………。
ぎゅっ。
汗でびっしょりになっている手のひらを、パーカーの手を突っ込むとこで握りしめる。
……やっぱサプリ程度じゃ、体重が半分になってもそこまでは効かない……か。
でも、年に何回か通わされてるとこのお医者さんにもらってる、心が安心するお薬。
そろそろ在庫がなくなりそうだけど……こんな見た目じゃ、行けないよなぁ……。
けども、悪くなってるときほど、病院に行くのが大変になる。
それをお医者さんも誰も分かっていやしない。
だから在庫が切れて困ってからようやくしぶしぶ行くわけで、そのせいで今回はまさかのTSで健康保険が使えなくなってるわけで。
【俺たちのこはねちゃんさんが、もう遠くへ……】
【完全にリスナーとコミュニケーションを……】
【喜んで良いのか、悲しいんで良いのか……】
【うぅ……】
【つらい】
【草】
【わかる】
【個人で細々とがんばってたのを応援してたらいきなりバズったときのあの悲しさ】
【わかる】
【わかる】
【でもごめんね、それを見ながら新参者の俺たちが人気になった子をちやほやしてご機嫌にさせたいっていう、よく分からない優越感に浸りたいの】
【分かる】
【草】
【これが寝取られか……】
【これが寝取りか……】
【草】
【ひでー会話】
【でも古参の気持ちは分かる】
【お前ら誰も見向きもしなかったクセに、人気になったとたん手のひら返すなよって気持ちはよくよく分かる(3敗】
【あー】
「そうだよ? だから、もし君たちが……今はちょっと下手でも、がんばってる人とか見かけて応援したくなったら、応援してあげてね。僕だって、同接数人ではあっても応援してくれてる人たちが居たおかげで楽しく配信できてたんだから。……それに、こうして見てもらえててもやってることは前と変わってないんだ。数字なんて、その人自身の魅力とかとはまた別なんだ。こんな僕だって、応援したい人には、月に数百円程度なら出してるんだから。……ひより先生はファンボとかしてくれないけど、きっと将来のためと思って貯めてるからさ」
【感動した】
【こはねちゃん……しゅき……】
【俺たちの心をこの上なく理解してくれるTSっ子か……】
【底辺配信者の心も救ってくれてる……】
【女神かな?】
【まーだそのネタ引きずってる……】
生きる、意味。
大学中退――かといって就職もせず、数ヶ月に数日ちょっとハイテンションになったと思ったらバイトなんかしてみて、またメンタルが落ちたら全てを放り投げて引きこもる。
その、繰り返し。
無駄飯ぐらい。
寄生虫。
家族の負債。
人生の浪費。
女の子ならまだしも、家から出ないで家事程度しかしない男とかいう不良債権。
僕の――平均年齢的に、あと50年くらいの人生、その最も若い期間をただただ無為に捨てているだけの時間。
それが分かっていても――いや、分かっているからこそ、僕は依存した。
ネットという、そして配信という――どれだけしょぼくってもある程度好きなことを続けていれば、なんとなくでも話しかけてみてくれる誰かがいるという――良くも悪くも寛容な世界に。
みんなは「人をダメにする、ぬるま湯」って言うけれど、そんなぬるま湯が必要な人だって居るし、時期だってあるんだよ。
実際、僕が本当に辛い時期とかは、誰かひとりが反応してくれただけですごく嬉しくなったんだしさ。
【泣いた】
【ほんとこの子、よく分かってくれる……】
【こはねちゃん……】
【天使か】
【女神では?】
【ひより「こはねちゃんさんは素敵です!」】
む、先生。
「先生? 呟いてましたよね? 数学かなにか赤点ぎりぎりだったって」
僕は、先生だけは見逃さない。
絶対にだ。
さすがに尊敬する年下絵師さんもといイラストレーターさには厳しくしなければ。
【ひより「はい……」】
よし。
なぜか僕に懐いてくれちゃってる先生だからね、ここは心を鬼にしてでも突き放す勢いじゃないとね。
「良いですか、僕みたいになっちゃダメですよ」
【ひより「え、でも」】
「いいですね?」
僕みたいにダメダメになっちゃ人類の損失でしょ?
【ひより「はい……」】
よし。
【草】
【草】
【一瞬で追い出そうとしてて草】
【体を作ってもらった側のVTuberのくせに、ママを積極的に追い出そうとするのが居るらしい】
【これは百合……なのか……?】
【ツンデレだと思えば】
【興奮した】
【草】
【草】
【ぺろぺろ】
【言いながら数字見て吐き気催してて草】
【くそ雑魚で草】
【くそ雑魚メスガキ……】
【よわよわメスガキか……】
【おっと、今どきのコンプラ的にくそ雑魚ナメクジメスガキ「ちゃん」だ】
【草】
【たいした意味のないフォローで草】
【コンプラとは一体……】
【でも、メスガキいいよね……】
【いい……】
【どうあがいても敵わない相手にきゃんきゃん吠えるチワワのごとき愛らしさ】
【ぐへへ、おじさんに力では敵わないんだよこはねちゃん】
【個人的にはメスガキだけど一途でラブラブ純愛が好み】
【分かる】
【それはそれとしてなめ腐ったメスガキが……ってのもまた良き】
【分かる】
【おすすめを共有しようか……】
【きもいよー】
【さすがにURLはやめとこうな?】
【この配信にも、すっかり変なのが居着いちゃって……】
【むしろすでに多数派に……】
――あれからもう何日。
僕は、すっかり「バ美声――バーチャル美少女声のボイチェン/この体の地声」での配信をしている。
そして1回ごっそりと減ってほっとしてたはずの登録者と同接が、再び結構なスピードで上昇している……あ、胃液が。
「こくこく……セーフっ。なんとか胃液を押し戻した」
喉がひりひりするから、ここ毎日のために用意するようになった牛乳を飲んでっと。
ほら、牛乳はお酒のおともだからさ……本当かどうかはともかく、胃が荒れにくいらしいし。
【草】
【かなりの重症じゃねぇか……】
【胃と食道ががばがばになっとる】
【逆流性食道炎はお医者さんに……ああ、コミュ障で無理か……】
【絶望した】
【草】
【無理しないでね】
【これは配信者のプロ根性】
【↑ニートです】
【プロのニートだよ?】
【それはそう】
【本人が主張してるから信じざるを得ないけどニートだな!】
【収益化していなくても、これはプロの配信者じゃ……いや、本人の主張を優先すべきなのか……?】
【草】
【でもニートしてる配信者とか、視聴者にたかる配信者とか、今どきは普通じゃね? 昔ならともかくさ こはねちゃんはまだ収益化とかできてないけど】
【昔(数年前】
【まぁ今なら普通だな】
【視聴者を楽しませる代わりのお代って考えたら違和感はないよな】
【そんな視聴者に対して「気持ち悪い」とか言うのはちょっと普通じゃないけど、まぁだいたい同じだな】
【草】
【草】
【ま、まあ、エンターテイナーってそういうもんだし……】
【そうそう、ストリート芸にお金投げ入れるようなもんだし……】
【コメントの中にも罵られて興奮してた紳士も居たから……】
【メスガキ芸……いいぞ、もっとやれ】
「うっぷ」
またこみ上げてきた――牛乳でマイルドになったそれを、飲み込む。
ふと横を向いた先の全身鏡には、体を丸めて口を覆っている――涙目の女の子が、それはそれはかわいそうな姿をしている。
――コメント欄の規制。
特に新しい人たちからのそれをオフにすることも、できはする。
けども――このままじゃダメだってのは、ずっと前から感じていたんだ。
だからこそ、こんなどうしようもない状況になった今だからこそ、がんばれる範囲でがんばりたい。
とりあえず軽く吐く程度なら大丈夫で、前の体基準でアルコールをがーっと飲み過ぎて急性っぽくなったときレベル、あるいは幼い肉体年齢の仕様で泣きじゃくるレベルになるまでは耐えられる。
そう、思うから。
ふぅ、と息を吐き――優花が「心が落ち着くサプリだから」とくれていたのにずっと放置していたものをぐいっと飲み。
「……僕は良いけど、他の配信者のこと、悪く言わないでね? 僕は最底辺の方って自覚あるんだから。あと、大人だからある程度はね。ほら、大学投げ捨てて引きこもって家族に迷惑かけて妹にゴミ見る目で見られる兄未満の存在とかそうそう居ないだろうし、いわゆるコメディアン――路上パフォーマーとか芸人とか、笑われるのが仕事ではあるけども、彼らだって人間なんだ、僕とは違ってまだマシな存在なんだ。彼ら自身に笑わせられた以上の嘲笑はNGだよ」
自虐芸。
そう言われることはあるけども、僕は別になんとも思っていない。
だって事実でしかないんだし。
……むしろ、そう自分を卑下することで、こうして今生きている全てにかかっているお金とか気配りとかへの罪悪感が楽になる気がするんだ。
ほら、実際、吐き気とか一時的にでも収まってる。
僕の作戦は完璧だ。
僕は僕自身がだめだめだって理解してるからこそ、僕自身の性質もまたよく理解しているんだ。
【草】
【草】
【この開き直りっぷりはさすがプロのニート】
【ニートはともかく引きこもりの人たちの大半が苦しいメンタルの中、この強靱メンタルは見習いたい】
「え? 話してる途中におもむろに吐くメンタルがなんだって?」
【草】
【おもしれー女】
【↑ちがうゾ、バ美声だゾ】
【あーそうだったーざんねんざんねん】
【もうちょっと自然にやれよお前】
【草】
新しい人たちは、前から居てくれた人たちとは少し違う雰囲気。
話す言葉――いわゆるネットスラングも使う言葉のニュアンスも結構違うし、僕の知らないネタとかで盛り上がることも多々ある。
分からないものは基本的にスルーすれば良いし、特に問題はない。
……最近、僕は新しいスキルを身につけたらしい。
「この僕」を「別の僕」として俯瞰するスキルだ。
つまり、今の僕はこの幼女――じゃない、少女に事情があって乗り移ってて、しかも前と同じ生活を強いられている――そう思い込むことに成功し、実際、吐き気とかもこれでも相当に抑えられている。
まぁ数字見るたび胃袋がぎゅって硬くなって横隔膜が痙攣し出すし、悪寒がし出すし冷や汗が出てくるけども。
………………………………。
ぎゅっ。
汗でびっしょりになっている手のひらを、パーカーの手を突っ込むとこで握りしめる。
……やっぱサプリ程度じゃ、体重が半分になってもそこまでは効かない……か。
でも、年に何回か通わされてるとこのお医者さんにもらってる、心が安心するお薬。
そろそろ在庫がなくなりそうだけど……こんな見た目じゃ、行けないよなぁ……。
けども、悪くなってるときほど、病院に行くのが大変になる。
それをお医者さんも誰も分かっていやしない。
だから在庫が切れて困ってからようやくしぶしぶ行くわけで、そのせいで今回はまさかのTSで健康保険が使えなくなってるわけで。
【俺たちのこはねちゃんさんが、もう遠くへ……】
【完全にリスナーとコミュニケーションを……】
【喜んで良いのか、悲しいんで良いのか……】
【うぅ……】
【つらい】
【草】
【わかる】
【個人で細々とがんばってたのを応援してたらいきなりバズったときのあの悲しさ】
【わかる】
【わかる】
【でもごめんね、それを見ながら新参者の俺たちが人気になった子をちやほやしてご機嫌にさせたいっていう、よく分からない優越感に浸りたいの】
【分かる】
【草】
【これが寝取られか……】
【これが寝取りか……】
【草】
【ひでー会話】
【でも古参の気持ちは分かる】
【お前ら誰も見向きもしなかったクセに、人気になったとたん手のひら返すなよって気持ちはよくよく分かる(3敗】
【あー】
「そうだよ? だから、もし君たちが……今はちょっと下手でも、がんばってる人とか見かけて応援したくなったら、応援してあげてね。僕だって、同接数人ではあっても応援してくれてる人たちが居たおかげで楽しく配信できてたんだから。……それに、こうして見てもらえててもやってることは前と変わってないんだ。数字なんて、その人自身の魅力とかとはまた別なんだ。こんな僕だって、応援したい人には、月に数百円程度なら出してるんだから。……ひより先生はファンボとかしてくれないけど、きっと将来のためと思って貯めてるからさ」
【感動した】
【こはねちゃん……しゅき……】
【俺たちの心をこの上なく理解してくれるTSっ子か……】
【底辺配信者の心も救ってくれてる……】
【女神かな?】
【まーだそのネタ引きずってる……】
生きる、意味。
大学中退――かといって就職もせず、数ヶ月に数日ちょっとハイテンションになったと思ったらバイトなんかしてみて、またメンタルが落ちたら全てを放り投げて引きこもる。
その、繰り返し。
無駄飯ぐらい。
寄生虫。
家族の負債。
人生の浪費。
女の子ならまだしも、家から出ないで家事程度しかしない男とかいう不良債権。
僕の――平均年齢的に、あと50年くらいの人生、その最も若い期間をただただ無為に捨てているだけの時間。
それが分かっていても――いや、分かっているからこそ、僕は依存した。
ネットという、そして配信という――どれだけしょぼくってもある程度好きなことを続けていれば、なんとなくでも話しかけてみてくれる誰かがいるという――良くも悪くも寛容な世界に。
みんなは「人をダメにする、ぬるま湯」って言うけれど、そんなぬるま湯が必要な人だって居るし、時期だってあるんだよ。
実際、僕が本当に辛い時期とかは、誰かひとりが反応してくれただけですごく嬉しくなったんだしさ。
【泣いた】
【ほんとこの子、よく分かってくれる……】
【こはねちゃん……】
【天使か】
【女神では?】
【ひより「こはねちゃんさんは素敵です!」】
む、先生。
「先生? 呟いてましたよね? 数学かなにか赤点ぎりぎりだったって」
僕は、先生だけは見逃さない。
絶対にだ。
さすがに尊敬する年下絵師さんもといイラストレーターさには厳しくしなければ。
【ひより「はい……」】
よし。
なぜか僕に懐いてくれちゃってる先生だからね、ここは心を鬼にしてでも突き放す勢いじゃないとね。
「良いですか、僕みたいになっちゃダメですよ」
【ひより「え、でも」】
「いいですね?」
僕みたいにダメダメになっちゃ人類の損失でしょ?
【ひより「はい……」】
よし。
【草】
【草】
【一瞬で追い出そうとしてて草】
【体を作ってもらった側のVTuberのくせに、ママを積極的に追い出そうとするのが居るらしい】
【これは百合……なのか……?】
【ツンデレだと思えば】
【興奮した】
【草】
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