TSよわよわVtuberはバズっても外には出ません ~かわいくなったら余計他人が怖くなったんだけど!~

あずももも

文字の大きさ
116 / 167
9章 「綾咲こはね」

116話 貢がれ配信

しおりを挟む
「みんな……あのさぁ……」

【草】
【初手で嫌そうで草】
【いつものゲリラ配信】
【こはねちゃんは気分で配信するから……】

【こはねちゃんのげろげろと聞いて】

【聞いて】
【聞いた】
【現物特典はまだですか?】
【ずっと待ってるのに……】

【ひぇっ】
【気持ち悪いのはお帰りください】

「はぁー……」

僕は深いため息をついた。
事態は深刻なんだ。

【なんだなんだ】
【どうしたどうした】
【こはねちゃん? お姉ちゃんはそばに居るかな?】
【ちゃんと相談してから話した方が良いと思うよ】
【介護班もそう思います】

【草】
【まずこはねちゃんがやらかす可能性を考慮されてて草】
【前科がいっぱいあるからね……】

「いや、優花が深刻に考えていないからこそ深刻な話なんだけどさぁ……」

僕は――今朝に着せられてしまった、ふりふりのワンピースの袖をつまむ。

「……過剰に女の子らしすぎてもはやコスプレにしか見えないレベルの服……送ってくるの、やめてくれない……? なんか毎日宅配来るんだけど……」

【草】
【草】
【え、嬉しいんじゃないの?】
【馬鹿、こはねちゃんさんは男だぞ】
【だから良いんじゃないの?】
【それはそう】

【ショタよ!!】

【はいはい】
【ショタっ子がお姉ちゃんにかわいい服着せられて嫌そうな顔を……ふぅ……】
【\50000】
【草】

【いろいろ吹っ飛びすぎて忘れてたけど収益化おめ】
【今さら過ぎて草】
【じゃあご褒美にお洋服のためのお金あげないとね】

「おいばかやめろ、僕はこんなん要らないって言ってるの。ていうかなんで投げ銭ならまだしも、服っていう現物が――」

「それは介護班のみなさんからのものですね。投げ銭でもファンボでも金銭しか送れないということですので」

「優花、出てって」
「お断りします」

「どうして」
「可愛いからです」

「………………………………」
「………………………………」

……すっ。

「……無言で帽子かぶせるのやめて。ていうか僕、ここ数年で帽子なんか必要としたことないんだけど」

「私が見てほほえましくなるので必須です」
「その論理が分からない」

優花の顔が――最近はっきりと分かるようになったんだ――小さい女の子を、あるいは着せ替え人形を愛でる表情になっている。

【分かる】
【分かるんだけど】
【お姉様……流石ですわ】
【さすおね】
【ゆうかお姉ちゃん! 良いぞもっとやってくださいお願いしますいくらでも課金しますから】

【\50000】
【\50000】
【\50000】
【\50000】
【\50000】

【\1000000】

【!?】
【ふぁっ!?】
【システムを突破しての投げ銭はお控えください】
【大丈夫大丈夫、ちょっと伝手を使っただけだから】
【それをやめろっつってんだろ!!】
【草】
【なぁにこれぇ……】

【かわいい妹は着飾られる運命だからね】
【弟でも着飾られる運命だからね】
【女の子は女の子としてかわいがれば女の子に、男の子も女の子としてかわいがれば男の娘として女の子に目覚めてかわいくなるの】
【わかる】
【ぐへへ】

「なんでコメントが急加速してるんだ……投げ銭、嬉しいけどみんなの生活が心配……いやいや、なんで100万とかぽんと投げられるんだ……いろんな意味で……あと、この服とか調べたら普通に数万してるからやめといた方が……」

「こはねさん……お金は、あるところにはあるそうです」
「こわいはなしやめて」

「介護班の方からは……現時点で直接の課金がこの程度」

「……ぴぃっ!? いっせんっ!?」

僕は恐怖した。
怖くて一瞬決壊しそうになって、あわててきゅっと締めた。

【草】
【草】
【かわいい】
【どっから出した声なんだそれ】
【なんか喉が鳥並に細くなってそう】
【草】

【こはねちゃんのかわいさはともかく、いっせん……1千!?】

【ひぇっ】
【なんだあいつら……こええよ……】
【こわいよー】

【この前のレッサーパンダ騒ぎでもさらに増えて、今や100人を優に超える大所帯になりつつあるらしい介護班だが、富豪でも居たのか……?】

【草】
【レッサーパンダはやめて】
【おなかいたい】

【紅目ハルナ(個人)「こはねたんかわいいねぐへへ 今度お姉ちゃんにそのお洋服着てイヤそうな顔してるの見せてね \50000」】

【!?】

【ハルナ姉! こはねちゃんのうっかりで一瞬リプ欄が地獄になってたハルナ姉じゃないか!】

【草】
【ああ、こはねちゃんの男疑惑でね……】
【疑惑っつうか本人が主張してたからね】
【ただのレッサーパンダなのにね】
【草】
【草】

【個人アカだからあくまでハルナ姉そっくりさんって設定だけど、大手Vが直接投げ銭する配信にまで成長したか】
【すげえな……】

【月見ミナミ「\50000」】
【月見ミナミ「\50000」】
【月見ミナミ「\50000」】
【月見ミナミ「\50000」】

【!?】
【ひぇっ】
【無言で上限連投やめよっか?】
【怖すぎる】
【ミナミちゃんの気質は俺たちと同じだからなぁ……】

【ミナミちゃんはハルナ姉とリア友だからか、こはねちゃんと同じく個人勢のミナミちゃんの配信でもハルナ姉が良く出没してるけど……そうか、この前の配信で体は女の子って説明してたからOKになったか】

【あー】
【それで無事山火事も鎮火されたし、女の子同士ってことでこはねちゃんの配信へも出没できるようになったのね】

【紅目ハルナ「レッサーパンダ系ロリっ子って良いわよね!」】
【月見ミナミ「いい……」】

「『いい……』じゃないんだけど」

唐突にコメント欄へ姿を現した、はるなさんとみなみさん。

……「今度お邪魔するね」とは言ってたけども……それに迷惑を掛けた手前、僕から言えることはなんにもないんだけど……それでもさぁ……。

【草】
【草】
【嫌そうで草】
【かわいい子が嫌そうにしてるのがたまらないんだ】
【分かる】
【ふぅ……】

「その需要は理解できるけど……僕相手じゃなかったら良かったなぁ……」

【紅目ハルナ「ぐへへ」】
【月見ミナミ「大満足」】

【性癖へ理解のあるこはねちゃん】
【かわいくて理解があるとか最高か?】

【なにしろ自称心は成人男性だからな!】
【公衆の面前でギャン泣きするけどな!】
【公衆の面前でマジ泣きするけどな!】
【公衆の面前でレッサーパンダするけどな!】

【草】
【草】

「ぐぅ……やらかしたことは事実だから、なんにもいえない……ちくしょう……」

ぱしゃぱしゃぱしゃっ。

「こはねさん! その顔、素敵です!」
「写真撮るのやめて」

ぱしゃしゃしゃしゃっ。

「やめて」

【草】
【草】
【悲報・お姉ちゃんも敵】
【妹ちゃんだぞ()】
【本人がそう言い張ってるだけだから……】

「優花は妹だし僕は兄だし男だし精神年齢は成人なんだけど?」

【????】
【?????】
【なにいってんだこのレッサーパンダ】
【草】
【草】

【あ、もちろんこはねちゃんの言ってるのは理解してるからね】
【それはそう】
【あくまでノリとしてだからね?】

【こはねさん? 嫌なことは嫌って言おうね? かわいいし癒やされるけど】

「あ、ありがと。君たちだけは僕の味方だ……うん、大丈夫。ひととおりやらかしたからか、最近は安定してるんだ。だから配信もOK出たんだけど」

ぱしゃしゃしゃしゃっ。

「その目的、これだったりする……?」

【草】
【さんざん泣きまくったからね】
【良かった……もうギャン泣きするこはねちゃんは居ないんだ……】
【感動した】

【一時期ちょっと話し方とか明らかにやばかったけど、普段のこはねちゃんさんに戻って嬉しい】

【それな】
【介護班への配信の切り抜きで聞いたけど、幼児退行とか】
【精神的ストレスであそこまでなるとは】
【やべーよなぁ】
【それを乗り越えたこはねちゃん……!】
【えらい】

「現実逃避で子供に戻る弱さがあったのは本当だからなぁ……まぁストレスがなくってメンタルもフィジカルも平気な時期なら大丈夫っぽいし」

ぱしゃしゃしゃしゃっ。

「今、真横からすごいストレス浴びては居るんだけどね」

お酒飲みたくなってきたし、自分の意志でできるんならさっさと幼児退行したくもなってきたよ。
まぁそんなのできないけどさ……お酒、お酒……。

【草】
【草】
【お姉ちゃんの連射が止まらない】
【ファンボ特典としてはよ】
【介護班特典としてはよ】
【準介護班のことも忘れないでください】
【草】

「任せてください! 相談の上で共有します!」
「ゆうか……」

ああ。
僕の妹は、もうだめかもしれない。

【草】
【こはねちゃんの声がよわよわしくなってて草】
【よわよわこはねちゃんだからね】
【かよわきかわいいいきものだからね】
【大切にしないとね】
【稀少動物はみんなで保護しないとね】
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

辺境ギルドの受付嬢ですが、冒険者の嘘は帳簿でぜんぶバレます

蒼月よる
ファンタジー
素材の重さが申告と合わない。鑑定書の書式がおかしい。冒険者が持ち込む報告書には、いつもどこかに嘘がある。 辺境の小さなギルド支部で、受付嬢ナタリアは今日も一人、帳簿を武器に冒険者たちの嘘と向き合っている。剣も魔法も使えない。でも素材を見る目と、数字の辻褄を見抜く勘だけは、誰にも負けない。 持ち込まれた棘鱗の産地が違う。新人冒険者の目が妙に鋭い。腕のいい薬師が素性を隠している。書類を処理するだけの毎日のはずが、カウンターの向こうには不思議な人々と、小さな謎が絶えない。 一話完結の日常謎解き。辺境の受付カウンターから覗く、冒険者たちの嘘と真実の物語。 この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。 ・世界観・設定の管理補助 ・プロット段階の壁打ち ・作者による執筆後の校正

しがない電気屋のおっさん、異世界で家電召喚ライフしてたら民から神格化され魔王から狙われる

長月 鳥
ファンタジー
町の電気屋として細々と暮らしていた俺、轟電次郎(とどろき でんじろう)。 ある日、感電事故であっけなく人生終了──のはずが、目を覚ましたら異世界だった。 そこは魔法がすべての世界。 スマホも、ドライヤーも、炊飯器も、どこにもない。 でもなぜか俺だけは、“電力を生み出し家電を召喚できる”という特異体質を持っていて── 「ちょっと暮らしやすくなればそれでいい」 そんなつもりで始めた異世界ライフだったのに…… 家電の便利さがバレて、王族に囲まれ、魔導士に拉致され、気が付けば── 「この男こそ、我らの神(インフラ)である!」 えぇ……なんでそうなるの!? 電気と生活の知恵で異世界を変える、 元・電気屋おっさんのドタバタ英雄(?)譚!

無自覚に世界最強だった俺、追放後にチートがバレて全員ざまぁされる件

fuwamofu
ファンタジー
冒険者団から「役立たず」と追放された青年リオ。 実は彼のスキル《創造》は、世界の理を作り替える最強の能力だった。 追放後、孤独な旅に出るリオは、自身の無自覚な力で人々を救い、国を救い、やがて世界の中心に立つ。 そんな彼の元には、かつて彼を見下していた美少女たちが次々と跪いていく──。 これは、無自覚に世界を変えてしまう青年の、ざまぁと覇道の物語。

ダンジョン嫌いの元英雄は裏方仕事に徹したい ~うっかりA級攻略者をワンパンしたら、切り抜き動画が世界中に拡散されてしまった件~

厳座励主(ごんざれす)
ファンタジー
「英雄なんて、もう二度とごめんだ」 ダンジョン出現から10年。 攻略が『配信』という娯楽に形を変えた現代。 かつて日本を救った伝説の英雄は、ある事情から表舞台を去り、ダンジョン攻略支援用AI『アリス』の開発に没頭する裏方へと転身していた。 ダンジョンも、配信も、そして英雄と呼ばれることも。 すべてを忌み嫌う彼は、裏方に徹してその生涯を終える……はずだった。 アリスの試験運用中に遭遇した、迷惑系配信者の暴挙。 少女を救うために放った一撃が、あろうことか世界中にライブ配信されてしまう。 その結果―― 「――ダンジョン嫌いニキ、強すぎるだろ!!」 意図せず爆増するファン、殺到するスポンサー。 静寂を望む願いをよそに、世界は彼を再び『英雄』の座へと引きずり戻していく。

強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。

きゅりおす
SF
ハーレム主人公は元囚人?!ハーレム風SFアクション開幕! 突如として男性の殆どが消滅する事件が発生。 そんな人口ピラミッド崩壊な世界で女子生徒が待ち望んでいる中、現れる男子生徒、ハーレムの予感(?) 異色すぎる主人公が周りを巻き込みこの世界を駆ける!

ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています

紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、 ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。 「もう君は、僕の管理下だよ」 退院と同時に退職手続きは完了。 住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。 外出制限、健康管理、過保護な独占欲。 甘くて危険な“保護生活”の中で、 私は少しずつ彼に心を奪われていく――。 元社畜OL×執着気味の溺愛社長 囲い込み同棲ラブストーリー。

異世界で鍛冶屋をやってるだけのはずが、神々に最強認定されてハーレムができてた件

えりぽん
ファンタジー
平凡な青年リクは、異世界に転生して鍛冶屋として静かに暮らしていた――はずだった。 だが、彼が何気なく作った剣は竜を貫き、魔王をも滅ぼすほどの威力を秘めていた。本人はただの職人のつもりでも、周囲からは「神の使徒」として崇められ、王女や聖女、果ては魔族までが次々と彼の元に集う。 「俺、本当にただの鍛冶屋なんですが……?」 気づけば彼は、闇の勢力も聖なる教団も巻き込む世界最大の戦争の鍵を握る存在に――。 これは、無自覚に最強となった青年が世界を変える、“作るだけ無双ファンタジー”。

たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―

佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。 19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。 しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。 突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。 「焦らず、お前のペースで進もう」 そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。 けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。 学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。 外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。 「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」 余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。 理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。 「ゆっくり」なんて、ただの建前。 一度火がついた熱は、誰にも止められない。 兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。

処理中です...