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10章 「綾瀬直羽/こはね」
119話 【レッサーパンダしてくれないこはねちゃん】
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【最近レッサーパンダこはねちゃん見てないなぁ】
【最近レッサーパンダこはねちゃん見てないねぇ】
【最近レッサーパンダこはねちゃんの鳴き声聞いてないなぁ】
【最近レッサーパンダこはねちゃんの鳴き声聞いてないねぇ】
【じー】
【じー】
【こはねちゃん、ファンサは?】
【レッサーパンダファンサは?】
【草】
【草】
【ノリ良すぎて草】
【ここの視聴者たちは保護者だからね】
「あのさぁ……」
僕は、深くため息をついた。
「僕が泣きわめくの、そんなに楽しい……?」
みんなが、どうしようもない人たちだなって思いながら。
【限定的に楽しい】
【そうそう、限定的に】
【ギャン泣き位がちょうど良い】
【マジ泣きまで行かれると困る】
【メンタルに負担かけないならレッサーパンダが最高】
【具体的にはかわいそくないかわいそさってやつ】
【それそれ】
「それは言葉として成立してないぞ……いや、言いたいことは分かるけど……」
今日もコメント欄のみんなは元気。
僕?
なにかがちょっと欠けてる気がするけども――あれ以来しばらくレッサーパンダ――じゃないじゃない、よわよわな肉体年齢な精神年齢になるほどのストレスを受けてないから比較的安定しているんだ。
【元気なTSっ子ってかわいいよね】
【いい……】
【こはねちゃんがTSっ子って考えると……】
【\5000】
【わかる】
【あ、裏切り者だ】
【裏切りTS主義者か】
【草】
【いつまでも言われてるの草】
【だって……】
「あんまりつついてやるな……どうせ小学生なんだからさ。そもそも誰も信じてないし」
まぁ僕だって、現実で僕自身が――あるいは家族レベルが当事者にならなければ信じないくらいだし。
【やさしい】
【けどこはねちゃんも……】
【小学生としか通用しない見た目なんでしょ?】
「は? 僕は高校生としても行けるけど?」
【え?】
【え?】
【この偽装合法ロリ……だんだんと化けの皮が剥がれてきたぞ】
【ああ……】
【ずっと成人男性だって言ってたクセに……】
「……あっ。ちがうちがう、今のはみんなにつられただけ。うんうん、大学生……として卒業できなかったからある意味で、一生高校生かぁ……」
はぁ。
僕は、またため息をつく。
【うわぁぁぁ急に重くなったぁぁぁ!?】
【草】
【介護班】
【OK】
【よし】
「――こはねさん」
「ゆうか……お願いだからドアの音と足音立てずに入ってくるのやめて……」
優花は、僕の危機がある場合には遠慮なく入ってくるようになっている……そう、今のように。
「快適な生活のため、最近手に入れた能力です」
「そんな能力、必要あるぅ……?」
ぬるりと僕の真横に居た優花。
……ちょっぴり怖いし、ちょっと気持ち悪いよ。
【草】
【お姉ちゃんが来たから安心だな!】
【保護者同伴がこの配信のマナーだからね】
「マナーってのは勝手にぽんぽん増やして良いものじゃないんだよ……言うじゃん、『分かりました』『了解しました』じゃなくって『承知しました』とかにしなきゃいけないマナーが出現したのって、ほんの十数年前に突然で、根拠とかなしにある日突然なんだってさぁ……ああいう言ったもん勝ちなのって良くないと思う」
【草】
【すっごくしゃべるよ!】
【けどそれはそう】
【無駄にめんどくさくなるんだよなぁ、マナーって】
【放置すると増えるんだぞ】
【増えるワカメかな?】
「ワカメはおいしいけどマナーはおいしくないし……まぁ僕、そういうの必要な社会人でもないからどうでも良いんだけど」
「こはねさん」
「今のは冗談だからね?」
「こはねさん」
「や、本当に」
困った。
最近の優花は、ちょっとばかり保護欲が高まっている様子だ。
【妹ちゃん(お姉ちゃん)が信用していない】
【そらそうよ……】
【前科がたんまりあるからねぇ……】
【ギャン泣きと】
【マジ泣きと】
【レッサーパンダと】
【最近レッサーパンダこはねちゃん見てないなぁ】
【最近レッサーパンダこはねちゃんの鳴き声聞いてないなぁ】
【じー】
「ループしてるループしてる。話が10分前にループしてる」
【草】
【草】
【それにしても安心したわ こはねちゃんが本当に安定してるみたいで】
【それな】
【一時期は完全にレッサーパンダだったり、レッサーパンダじゃなくって安心してたら会話中に突然立ち上がるレッサーパンダになったりしてたからなぁ……】
【草】
【レッサーパンダやめて】
【おなかいたい】
「……そんなに好き? レッサーパンダ」
【好き】
【すき】
【しゅき】
【しゅきしゅき】
【大好き】
【だからギャン泣きして♥】
「するかバカ。……あれは僕の人生の汚点なんだからな」
「今となってはかわいいですよ?」
「やめて……妹から言われると堪えるからやめて……」
「大丈夫です」
「なにが……」
「私たちは、こはねさんが被保護対象であるほどに興ふ――嬉しくなるんです!」
「今、『興奮』って言おうとした……?」
ふんふんと楽しそう過ぎる妹が、僕の鳴き声もとい泣き声を求めている。
そんな倒錯したきょうだい関係に、頭を抱える。
【草】
【漏れてる漏れてる】
【こはねちゃんが漏らしてるだって!?】
【ガタタッ】
【え!? げろげろを!?】
【だーからその趣味は隠せって】
【こはねちゃんのげろげろ……】
【草】
【そんなにおいしいのか……ごくり】
【うわぁ……】
◇
「……うん。まぁ、僕も……さ。いつまでもこのままじゃいけないってのは分かってたから」
【あー】
【まぁ、そうねぇ】
【ネタとして愛情として興奮材料としてレッサーパンダを望んではいるけど、俺たちはこはねちゃんが元気になるのが1番だから】
【草】
【そうだけど草】
【演技でも良いからときどきレッサーパンダになって♥】
「演技であんなことできるわけがないんだよなぁ……」
【それはそう】
【できたら普通に声優とか女優とかできるレベル】
【※人前】
【あっ】
【あっ……】
【ごめん……】
【ゆるして】
【1ワードで分かる説絶望っぷり】
「や、僕、普段は、あそこまでよわよわじゃないから大丈夫だけど。いずれにしても無理じゃないかなぁ、そういうの」
【ひより「こはねちゃんさんなら小学生の子役さんからスタートできます!!」】
【!?】
【ママ!?】
「できません」
【ひより「できます!!」】
「僕は成人してますけど」
【ひより「どう見ても小学生なので余裕です! ……昨日定期券落としてもらいに行っても、駅員さんに全然信じてもらえなかった私と同じくらいの見た目……うぅ……」】
「介護班のみんな」
【えっ】
「え?」
【いや……】
【それはちょっと……】
【出撃の要件満たさないかなぁって……】
「えぇ……」
期待していた僕は、肩透かしを食らった。
【だって……】
【なぁ?】
【もう、こはねちゃんとのセットでそう見られてるし……】
【まぁもともと隠してなかったしなぁ、ひより先生】
「そんなぁ……配信即切りして、爆撃に飛び立ってくれないのぉ……?」
僕は絶望した。
ひより先生が、僕と同じ枠になっていることにも絶望した。
「……先生。別れましょう」
【!?】
【!?】
【唐突に痴話喧嘩が始まった!?】
【草】
「僕みたいなのと仲良くしていても、先生の将来に良くありません。ほら、僕、体と心の性別が違うとか年齢詐欺とかいろいろあって、燃やしたがるその手の人たちの格好の餌で――」
――――――ぴんぽーんっ。
「えっ」
【草】
【もしかして:ひより先生】
【突撃してくるほどか……】
【そら唐突なコンビ解消とか駆け込んでくるわなぁ】
「あ、優花……いつの間に居なくなってたんだろ……」
居留守を使えば、とも思ったけども……優花が裏切ってた。
……たったったったっ――こんこんっ。
「………………………………」
「こーはーねーちゃーんーさーんっ」
「それ、言いにくくないですか? 先生」
【草】
【かわいい】
【どっちもかわいい】
【この距離感が良いんだ】
【わかる】
「私たちはずっと一緒です!」
「先生、そういうの誤解されるからやめといた方が良いと思います」
「ごっ……ごかい……は、のぞみゅとこりょれしゅっ!!」
「ゆうかー、氷、持ってきてあげてー」
先生がのたうちまわっている。
……ああ。
「これが、はかなくてかわいいいきものを眺めるみんなの視点かぁ……」
【草】
【草】
【速報・こはねちゃんがレッサーパンダを見ている】
【感動した】
【ひよりちゃんママまでレッサーパンダに!?】
【妹ちゃん(お姉ちゃん)もひよりママも登場するようになって……こはねちゃん、成長したね……ほろり】
【※全部こはねちゃんが自爆しまくった結果です】
【あっ……】
【草】
【みんなが保護したくなるのがこはねちゃんだからね】
【結果としては楽しそうだから……】
【最近レッサーパンダこはねちゃん見てないねぇ】
【最近レッサーパンダこはねちゃんの鳴き声聞いてないなぁ】
【最近レッサーパンダこはねちゃんの鳴き声聞いてないねぇ】
【じー】
【じー】
【こはねちゃん、ファンサは?】
【レッサーパンダファンサは?】
【草】
【草】
【ノリ良すぎて草】
【ここの視聴者たちは保護者だからね】
「あのさぁ……」
僕は、深くため息をついた。
「僕が泣きわめくの、そんなに楽しい……?」
みんなが、どうしようもない人たちだなって思いながら。
【限定的に楽しい】
【そうそう、限定的に】
【ギャン泣き位がちょうど良い】
【マジ泣きまで行かれると困る】
【メンタルに負担かけないならレッサーパンダが最高】
【具体的にはかわいそくないかわいそさってやつ】
【それそれ】
「それは言葉として成立してないぞ……いや、言いたいことは分かるけど……」
今日もコメント欄のみんなは元気。
僕?
なにかがちょっと欠けてる気がするけども――あれ以来しばらくレッサーパンダ――じゃないじゃない、よわよわな肉体年齢な精神年齢になるほどのストレスを受けてないから比較的安定しているんだ。
【元気なTSっ子ってかわいいよね】
【いい……】
【こはねちゃんがTSっ子って考えると……】
【\5000】
【わかる】
【あ、裏切り者だ】
【裏切りTS主義者か】
【草】
【いつまでも言われてるの草】
【だって……】
「あんまりつついてやるな……どうせ小学生なんだからさ。そもそも誰も信じてないし」
まぁ僕だって、現実で僕自身が――あるいは家族レベルが当事者にならなければ信じないくらいだし。
【やさしい】
【けどこはねちゃんも……】
【小学生としか通用しない見た目なんでしょ?】
「は? 僕は高校生としても行けるけど?」
【え?】
【え?】
【この偽装合法ロリ……だんだんと化けの皮が剥がれてきたぞ】
【ああ……】
【ずっと成人男性だって言ってたクセに……】
「……あっ。ちがうちがう、今のはみんなにつられただけ。うんうん、大学生……として卒業できなかったからある意味で、一生高校生かぁ……」
はぁ。
僕は、またため息をつく。
【うわぁぁぁ急に重くなったぁぁぁ!?】
【草】
【介護班】
【OK】
【よし】
「――こはねさん」
「ゆうか……お願いだからドアの音と足音立てずに入ってくるのやめて……」
優花は、僕の危機がある場合には遠慮なく入ってくるようになっている……そう、今のように。
「快適な生活のため、最近手に入れた能力です」
「そんな能力、必要あるぅ……?」
ぬるりと僕の真横に居た優花。
……ちょっぴり怖いし、ちょっと気持ち悪いよ。
【草】
【お姉ちゃんが来たから安心だな!】
【保護者同伴がこの配信のマナーだからね】
「マナーってのは勝手にぽんぽん増やして良いものじゃないんだよ……言うじゃん、『分かりました』『了解しました』じゃなくって『承知しました』とかにしなきゃいけないマナーが出現したのって、ほんの十数年前に突然で、根拠とかなしにある日突然なんだってさぁ……ああいう言ったもん勝ちなのって良くないと思う」
【草】
【すっごくしゃべるよ!】
【けどそれはそう】
【無駄にめんどくさくなるんだよなぁ、マナーって】
【放置すると増えるんだぞ】
【増えるワカメかな?】
「ワカメはおいしいけどマナーはおいしくないし……まぁ僕、そういうの必要な社会人でもないからどうでも良いんだけど」
「こはねさん」
「今のは冗談だからね?」
「こはねさん」
「や、本当に」
困った。
最近の優花は、ちょっとばかり保護欲が高まっている様子だ。
【妹ちゃん(お姉ちゃん)が信用していない】
【そらそうよ……】
【前科がたんまりあるからねぇ……】
【ギャン泣きと】
【マジ泣きと】
【レッサーパンダと】
【最近レッサーパンダこはねちゃん見てないなぁ】
【最近レッサーパンダこはねちゃんの鳴き声聞いてないなぁ】
【じー】
「ループしてるループしてる。話が10分前にループしてる」
【草】
【草】
【それにしても安心したわ こはねちゃんが本当に安定してるみたいで】
【それな】
【一時期は完全にレッサーパンダだったり、レッサーパンダじゃなくって安心してたら会話中に突然立ち上がるレッサーパンダになったりしてたからなぁ……】
【草】
【レッサーパンダやめて】
【おなかいたい】
「……そんなに好き? レッサーパンダ」
【好き】
【すき】
【しゅき】
【しゅきしゅき】
【大好き】
【だからギャン泣きして♥】
「するかバカ。……あれは僕の人生の汚点なんだからな」
「今となってはかわいいですよ?」
「やめて……妹から言われると堪えるからやめて……」
「大丈夫です」
「なにが……」
「私たちは、こはねさんが被保護対象であるほどに興ふ――嬉しくなるんです!」
「今、『興奮』って言おうとした……?」
ふんふんと楽しそう過ぎる妹が、僕の鳴き声もとい泣き声を求めている。
そんな倒錯したきょうだい関係に、頭を抱える。
【草】
【漏れてる漏れてる】
【こはねちゃんが漏らしてるだって!?】
【ガタタッ】
【え!? げろげろを!?】
【だーからその趣味は隠せって】
【こはねちゃんのげろげろ……】
【草】
【そんなにおいしいのか……ごくり】
【うわぁ……】
◇
「……うん。まぁ、僕も……さ。いつまでもこのままじゃいけないってのは分かってたから」
【あー】
【まぁ、そうねぇ】
【ネタとして愛情として興奮材料としてレッサーパンダを望んではいるけど、俺たちはこはねちゃんが元気になるのが1番だから】
【草】
【そうだけど草】
【演技でも良いからときどきレッサーパンダになって♥】
「演技であんなことできるわけがないんだよなぁ……」
【それはそう】
【できたら普通に声優とか女優とかできるレベル】
【※人前】
【あっ】
【あっ……】
【ごめん……】
【ゆるして】
【1ワードで分かる説絶望っぷり】
「や、僕、普段は、あそこまでよわよわじゃないから大丈夫だけど。いずれにしても無理じゃないかなぁ、そういうの」
【ひより「こはねちゃんさんなら小学生の子役さんからスタートできます!!」】
【!?】
【ママ!?】
「できません」
【ひより「できます!!」】
「僕は成人してますけど」
【ひより「どう見ても小学生なので余裕です! ……昨日定期券落としてもらいに行っても、駅員さんに全然信じてもらえなかった私と同じくらいの見た目……うぅ……」】
「介護班のみんな」
【えっ】
「え?」
【いや……】
【それはちょっと……】
【出撃の要件満たさないかなぁって……】
「えぇ……」
期待していた僕は、肩透かしを食らった。
【だって……】
【なぁ?】
【もう、こはねちゃんとのセットでそう見られてるし……】
【まぁもともと隠してなかったしなぁ、ひより先生】
「そんなぁ……配信即切りして、爆撃に飛び立ってくれないのぉ……?」
僕は絶望した。
ひより先生が、僕と同じ枠になっていることにも絶望した。
「……先生。別れましょう」
【!?】
【!?】
【唐突に痴話喧嘩が始まった!?】
【草】
「僕みたいなのと仲良くしていても、先生の将来に良くありません。ほら、僕、体と心の性別が違うとか年齢詐欺とかいろいろあって、燃やしたがるその手の人たちの格好の餌で――」
――――――ぴんぽーんっ。
「えっ」
【草】
【もしかして:ひより先生】
【突撃してくるほどか……】
【そら唐突なコンビ解消とか駆け込んでくるわなぁ】
「あ、優花……いつの間に居なくなってたんだろ……」
居留守を使えば、とも思ったけども……優花が裏切ってた。
……たったったったっ――こんこんっ。
「………………………………」
「こーはーねーちゃーんーさーんっ」
「それ、言いにくくないですか? 先生」
【草】
【かわいい】
【どっちもかわいい】
【この距離感が良いんだ】
【わかる】
「私たちはずっと一緒です!」
「先生、そういうの誤解されるからやめといた方が良いと思います」
「ごっ……ごかい……は、のぞみゅとこりょれしゅっ!!」
「ゆうかー、氷、持ってきてあげてー」
先生がのたうちまわっている。
……ああ。
「これが、はかなくてかわいいいきものを眺めるみんなの視点かぁ……」
【草】
【草】
【速報・こはねちゃんがレッサーパンダを見ている】
【感動した】
【ひよりちゃんママまでレッサーパンダに!?】
【妹ちゃん(お姉ちゃん)もひよりママも登場するようになって……こはねちゃん、成長したね……ほろり】
【※全部こはねちゃんが自爆しまくった結果です】
【あっ……】
【草】
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