TSよわよわVtuberはバズっても外には出ません ~かわいくなったら余計他人が怖くなったんだけど!~

あずももも

文字の大きさ
147 / 167
12章 日常に立ちはだかる敵と味方と

147話 大増殖したコメント欄の人たち

しおりを挟む
「ねぇ、ひとつ聞いて良い?」

僕はいぶかりながら尋ねてみた。

【どしたん?】
【話聞こか?】
【あ、ガチなのはお姉ちゃんへどうぞ】
【念のために介護班召集しとくか?】
【お願いします】
【草】

【一瞬でスタンバイしてて草】
【こはねちゃんの配信が始まった時点で即応体制が取れているからね】
【今回もお姉ちゃんは学校……最大30分持たせる必要があるからな】
【要介護区域内で車を出せる介護班、現段階で5人です】
【感動した】
【イイハナシダナー】

「えっと、そういうのじゃなくって……あといちいち優花に連絡するのやめて。僕のことなんだと思ってるの?」

僕は慌てて介護班とかいう――僕が泣き始めたら仕事とか学校とかを放り出して駆けつけてくるのをこの前に目にしちゃった、ちょっとおかしい人たちを止める。

いや、この前はそのおかげで本当に助かったからさ……家に居るときは……ねぇ?

【?】
【???】
【え?】

【よわよわこはねちゃんでしょ?】

【だよなぁ】
【レッサーパンダはまだかな?】
【もうちょっと待て……じきに立ち上がって鳴くからしばし待機だ……】
【草】
【視聴者の意見が一致している】

【コメントできてる時点で介護班ないし準介護班、それともこはねちゃんを守護りたい勢力だからね】
【つまりは保護者なんだ】
【ままぁ……】
【パパも居るぞ!】

【しまった、今日は父母会だったのか】
【早く言ってよぉ……会議中だから出られないじゃん……】
【会議中に配信なんか見てるんじゃねぇ!】
【大丈夫大丈夫  うちの会社全員にこはねちゃん布教してるから】
【なら大丈夫か】
【草】

【コメントが加速しすぎてて読めない】
【最近はその傾向があったけど……】
【こはねちゃんが相談とか言った時点でね……】

「違う違う、いろいろと違うから。えっと、その」

毎日少しずつ――気がつけば、もう毎日配信が日課になっているんだ――だってほら、この前の配信のせいで登録者だけは100万人とかバグりすぎて申し訳ない数字になってるし、介護班の人たちにもお世話になったから毎日少しずつ吐かない程度に新しくコメント欄に迎え入れてるし――人が増えてるせいで、勢いづいたコメント欄は本当に速くなるんだ。

【………………………………】
【………………………………】
【………………………………】
【………………………………】

「……え、なに、この謎の文字列」

慌てていた僕は、コメント欄のほとんどが異様な状態になっているのを発見する。

【あ、話してOK?】
【いやさ、こはねちゃんが最近コメント捌ききれなくて焦ってるの増えたからさ】
【みんなで話し合ったんだよ】
【そうそう】
【困ってたり話したさそうにしてたらお口チャックしようねって】
【介護班・準介護班ならびにメンバー全員、書き込みできる人みんなにね】

【だけど、ほら、やっぱコメントは打ちたいじゃん?】
【その気持ちだけは残るじゃん?】

【だから「………………………………」って、黙ってるけどなんかしゃべってる満足感が出るのを別の配信から流れ着いた保護者が伝授してくれてね】

【ぽちぽち打ってるあいだはしゃべってる気持ちになれるんだ】
【分かる】
【小さい子供相手にはじっと黙ってあげないとだからね】
【ひらひらして舞い上がらないように見ていてあげないとね】
【こはねちゃんは無駄にかしこくて全部のコメント拾おうとしちゃうからね】

【あんのちょうちょとかはコメント一切見ないから……】
【あんの野良猫属性ロリとかサキュバスロリに比べたら常識的過ぎるこはねちゃんだからね】
【おろろろろ】
【ギャン泣きしてるとき以外のこはねちゃんはマジメさんだからなぁ】
【草】

「……良く分からないけど、ありがと……?」

僕の知らないところで僕のリスナーたちのほとんど全員が僕の知らない謎の統一感を獲得している。

まぁいいや、実際、コメントが本当に一瞬で流れちゃうし……や、知ってはいるよ?

配信者として幸運にも人気が出てきたらそのうちどうあがいても物理的にコメントを全部は相手にできなくなるのが普通で、だからそこから一瞬で使いやすいのを読み取る技術が必要になるって。

でも僕はその人たちとは違って、本当は実力なんてないのに――せいぜいがTS幼女……じゃない、少女だ少女……になってのかわいい声くらいしかなくって、トークもアドリブもなにもかも未熟なんだ。

僕の実力的にはせいぜいが……登録者は、多くて数千人。
女の子になってるってのを加味して、それなんだ。

……なまじ炎上系配信者とかに目をつけられて集団凸をされたせいでとんでもない大騒動になって――そこの視聴者たちがなぜか保護欲を片手に乗り換えてきちゃったもんだから、数字だけがバグってるんだ。

………………………………。

こういうことでもみんなのお世話になるのかぁ……もう諦めてはいるけどさぁ……でも、男のプライド的に自力でなんとかしたいけど……ねぇ?

とりあえずは人見知りと低体力状態を脱しないと、お世話要らないって言っても無駄なのは理解してるから……うん。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

辺境ギルドの受付嬢ですが、冒険者の嘘は帳簿でぜんぶバレます

蒼月よる
ファンタジー
素材の重さが申告と合わない。鑑定書の書式がおかしい。冒険者が持ち込む報告書には、いつもどこかに嘘がある。 辺境の小さなギルド支部で、受付嬢ナタリアは今日も一人、帳簿を武器に冒険者たちの嘘と向き合っている。剣も魔法も使えない。でも素材を見る目と、数字の辻褄を見抜く勘だけは、誰にも負けない。 持ち込まれた棘鱗の産地が違う。新人冒険者の目が妙に鋭い。腕のいい薬師が素性を隠している。書類を処理するだけの毎日のはずが、カウンターの向こうには不思議な人々と、小さな謎が絶えない。 一話完結の日常謎解き。辺境の受付カウンターから覗く、冒険者たちの嘘と真実の物語。 この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。 ・世界観・設定の管理補助 ・プロット段階の壁打ち ・作者による執筆後の校正

しがない電気屋のおっさん、異世界で家電召喚ライフしてたら民から神格化され魔王から狙われる

長月 鳥
ファンタジー
町の電気屋として細々と暮らしていた俺、轟電次郎(とどろき でんじろう)。 ある日、感電事故であっけなく人生終了──のはずが、目を覚ましたら異世界だった。 そこは魔法がすべての世界。 スマホも、ドライヤーも、炊飯器も、どこにもない。 でもなぜか俺だけは、“電力を生み出し家電を召喚できる”という特異体質を持っていて── 「ちょっと暮らしやすくなればそれでいい」 そんなつもりで始めた異世界ライフだったのに…… 家電の便利さがバレて、王族に囲まれ、魔導士に拉致され、気が付けば── 「この男こそ、我らの神(インフラ)である!」 えぇ……なんでそうなるの!? 電気と生活の知恵で異世界を変える、 元・電気屋おっさんのドタバタ英雄(?)譚!

無自覚に世界最強だった俺、追放後にチートがバレて全員ざまぁされる件

fuwamofu
ファンタジー
冒険者団から「役立たず」と追放された青年リオ。 実は彼のスキル《創造》は、世界の理を作り替える最強の能力だった。 追放後、孤独な旅に出るリオは、自身の無自覚な力で人々を救い、国を救い、やがて世界の中心に立つ。 そんな彼の元には、かつて彼を見下していた美少女たちが次々と跪いていく──。 これは、無自覚に世界を変えてしまう青年の、ざまぁと覇道の物語。

ダンジョン嫌いの元英雄は裏方仕事に徹したい ~うっかりA級攻略者をワンパンしたら、切り抜き動画が世界中に拡散されてしまった件~

厳座励主(ごんざれす)
ファンタジー
「英雄なんて、もう二度とごめんだ」 ダンジョン出現から10年。 攻略が『配信』という娯楽に形を変えた現代。 かつて日本を救った伝説の英雄は、ある事情から表舞台を去り、ダンジョン攻略支援用AI『アリス』の開発に没頭する裏方へと転身していた。 ダンジョンも、配信も、そして英雄と呼ばれることも。 すべてを忌み嫌う彼は、裏方に徹してその生涯を終える……はずだった。 アリスの試験運用中に遭遇した、迷惑系配信者の暴挙。 少女を救うために放った一撃が、あろうことか世界中にライブ配信されてしまう。 その結果―― 「――ダンジョン嫌いニキ、強すぎるだろ!!」 意図せず爆増するファン、殺到するスポンサー。 静寂を望む願いをよそに、世界は彼を再び『英雄』の座へと引きずり戻していく。

強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。

きゅりおす
SF
ハーレム主人公は元囚人?!ハーレム風SFアクション開幕! 突如として男性の殆どが消滅する事件が発生。 そんな人口ピラミッド崩壊な世界で女子生徒が待ち望んでいる中、現れる男子生徒、ハーレムの予感(?) 異色すぎる主人公が周りを巻き込みこの世界を駆ける!

ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています

紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、 ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。 「もう君は、僕の管理下だよ」 退院と同時に退職手続きは完了。 住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。 外出制限、健康管理、過保護な独占欲。 甘くて危険な“保護生活”の中で、 私は少しずつ彼に心を奪われていく――。 元社畜OL×執着気味の溺愛社長 囲い込み同棲ラブストーリー。

異世界で鍛冶屋をやってるだけのはずが、神々に最強認定されてハーレムができてた件

えりぽん
ファンタジー
平凡な青年リクは、異世界に転生して鍛冶屋として静かに暮らしていた――はずだった。 だが、彼が何気なく作った剣は竜を貫き、魔王をも滅ぼすほどの威力を秘めていた。本人はただの職人のつもりでも、周囲からは「神の使徒」として崇められ、王女や聖女、果ては魔族までが次々と彼の元に集う。 「俺、本当にただの鍛冶屋なんですが……?」 気づけば彼は、闇の勢力も聖なる教団も巻き込む世界最大の戦争の鍵を握る存在に――。 これは、無自覚に最強となった青年が世界を変える、“作るだけ無双ファンタジー”。

たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―

佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。 19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。 しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。 突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。 「焦らず、お前のペースで進もう」 そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。 けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。 学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。 外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。 「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」 余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。 理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。 「ゆっくり」なんて、ただの建前。 一度火がついた熱は、誰にも止められない。 兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。

処理中です...