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12章 日常に立ちはだかる敵と味方と
155話 料理技能と優花のぱんつ
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「ねぇみんな? ちょっと聞いてほしいんだけどさ」
ある日の配信で、僕は気になったことを聞こうとした。
【どしたん?】
【話聞こか?】
【(介護班?)】
【(OK)】
【(離陸済みです)】
【草】
【一瞬で空気変わったな】
【こはねちゃんだからね】
「……君たち、僕のことをほんと、なんだと……はぁ、そんなたいしたことじゃないからしまってしまって」
【ほんとぉ?】
【怪しいなぁ】
【草】
過去のやらかしというのは終生つきまとうもの。
それを思い知るけども、今の僕は本当に大丈夫だからこのまま行こう。
「っていうのはさ。今どきなんだからさ、料理とか男でもできるよね? あとは家事――皿洗いから洗濯から掃除からゴミ捨てから、ちょっとした補修とか。そういう話なんだけど」
如月先生のお家訪問は、それはもう大変だった。
けども、僕は思ったんだ。
「あれ、単に先生がとんでもなく忙しいお医者さんってお仕事のせいでもあるんじゃ?」って。
本当は先生だってひととおりこなせるんだけども、なにしろ忙しくて余裕がないからゴミ屋敷――こほん、ゴミ山になってたんだって。
僕自身も引きこもってから気分の上下を数日単位で繰り返してるから分かるんだ――脳みそが落ち込んでるときは、部屋に散らかってるゴミですら認識できないんだって。
「さすが高校生までならともかく、一人暮らししした経験があれば、男も女も関係なく、大学生とかの大人になればできるよね? しかも今はレシピもおいしいものが検索で1発な時代で、料理の動画まであるんだから」
だよね?
普通の人なら僕なんかよりもずっと、なんでもできるよね?
だから如月先生だって、忙しくなければできるはず。
そう思って聞いたんだけども……。
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
「?」
……なんだろ、この一体感。
【ああ、くっそかわいい首かしげ】
【アバターもかわいいし中身もかわいいなぁこはねちゃんは】
【かわいいね】
【かわいいね】
【けどね】
【家事、その中でも料理はね、適性があるんだよこはねちゃん……】
【がんばろうって気持ちはあるの……あるのにいつもお塩忘れちゃうの……】
【IHなのになぜか台所を全焼させた俺に言うセリフ?】
【↑素直に電子レンジだけにしてもろて】
【↑電子レンジも燃やしたが??】
【↑えぇ……】
【料理はマルチタスクの極みなんだ 他の動作してるあいだに茹ですぎたり焦がしたりあああああ】
【料理は化学なんだ 適切な材料と正確な計測と手順と時間配分をできないと倍の時間かかってもあああああ】
【なんで……ただちょっと足りない食材をそれっぽいのに変えただけなのに……】
【なんで……ただちょっと味が合いそうな食材とか好みに味付けかえただけなのに……】
【なんで……ただちょっと手順を逆にしただけなのに……】
【包丁使うだけで毎回鮮血が飛び散って「ヤンデレの指先みたい」って罵られたし、手作りの料理を恐れられた私の話する?】
【料理中につい動画に夢中になって家族全員の夕飯台無しにしがちな自称主婦の話しよっか?】
【せっかく良い人と成約できたのに、家事が壊滅的で婚約解消になったああああああ】
【「今どき料理できない男とかありえない」ってフラれたああああああ】
【草】
【草】
【大惨事で草】
【こはねちゃん??? ひどいこと言わないであげよう??】
【介護班もそう思います】
【げろげろ……げろげろをください……】
【草】
【もっとこう、人の心ってのをね……?】
【こはねちゃん、やっぱ全方向へ基礎スペックは高いんだわ ただメンタルが壊滅的なだけで……】
「……料理や家事が特殊技能ってのは理解したけども……メンタルが壊滅してて、1年の半分は一切何もできないってのも同じくらい悲劇的じゃない……?」
【草】
【それはそう】
【ほんと、こはねちゃんはメンタルだけがなぁ】
【まぁそういう人は多いからな】
【わかる】
【それ、私のことだ……】
【それ、俺のことだ……】
【こはねちゃんの配信に引き寄せられたからね】
【料理ができるのとメンタルが安定してるの どっちが良いかって言ったら……ねぇ?】
「そうそう。けど……そっか。案外みんな、料理とか難しいのかぁ」
なぜか発狂し続けてる3割くらいのコメントを流し読みしつつ、如月先生の普段の姿とあの汚部屋――Gは居なかったから片付けできてないだけの部屋にしとこう――を比べる。
「ま、そっか。家族だとしても僕が男って理解しながら下着まで洗わせる妹も居るくらいだし、できないもんはしょうがないよね。適材適所だね」
みんなの意見を総合すると、僕が簡単だと思っている家事ってものは案外に難しいものだったらしい。
だから、学校では完璧美人超人淑女な扱いらしい優花ですら、兄である僕にぱんつまで洗わせてたわけだ。
なぜか洗濯機の上に広げて置いてあったりするぱんつすら。
【!?】
【ふぁっ!?】
【草】
【唐突に下着のことをバラされるお姉ちゃんかわいそう】
【妹ちゃんだぞ】
【そんな、まさか……】
【あのお姉様が……!?】
【草】
【新入りの集団がショック受けてて草】
【大丈夫大丈夫】
【むしろ興奮してきましたわ!】
【だらしないお嬢様属性にしか興奮できなくなりつつあるだけだから大丈夫大丈夫】
【大丈夫ってなんだろう……】
【さぁ……】
【ひとまずは最大の被害者が妹ちゃんなことは確実だな!】
【草】
【こはねちゃん……どうして……】
◇
「優花様……」
「さすがに、その……下着を妹様にというのは……」
「それはそれでぐっときます優花様!!」
「お姉様のお洋服を洗うお仕事をメイドから取り上げる妹様……ふぅ……」
「普段はお淑やかな優花様が、ご自宅では下着を出しっぱなしでだらしない……ふぅ……」
「 」
その日、教室で。
優花は人生で数えるほどの激しい羞恥を植え付けられた。
ある日の配信で、僕は気になったことを聞こうとした。
【どしたん?】
【話聞こか?】
【(介護班?)】
【(OK)】
【(離陸済みです)】
【草】
【一瞬で空気変わったな】
【こはねちゃんだからね】
「……君たち、僕のことをほんと、なんだと……はぁ、そんなたいしたことじゃないからしまってしまって」
【ほんとぉ?】
【怪しいなぁ】
【草】
過去のやらかしというのは終生つきまとうもの。
それを思い知るけども、今の僕は本当に大丈夫だからこのまま行こう。
「っていうのはさ。今どきなんだからさ、料理とか男でもできるよね? あとは家事――皿洗いから洗濯から掃除からゴミ捨てから、ちょっとした補修とか。そういう話なんだけど」
如月先生のお家訪問は、それはもう大変だった。
けども、僕は思ったんだ。
「あれ、単に先生がとんでもなく忙しいお医者さんってお仕事のせいでもあるんじゃ?」って。
本当は先生だってひととおりこなせるんだけども、なにしろ忙しくて余裕がないからゴミ屋敷――こほん、ゴミ山になってたんだって。
僕自身も引きこもってから気分の上下を数日単位で繰り返してるから分かるんだ――脳みそが落ち込んでるときは、部屋に散らかってるゴミですら認識できないんだって。
「さすが高校生までならともかく、一人暮らししした経験があれば、男も女も関係なく、大学生とかの大人になればできるよね? しかも今はレシピもおいしいものが検索で1発な時代で、料理の動画まであるんだから」
だよね?
普通の人なら僕なんかよりもずっと、なんでもできるよね?
だから如月先生だって、忙しくなければできるはず。
そう思って聞いたんだけども……。
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
「?」
……なんだろ、この一体感。
【ああ、くっそかわいい首かしげ】
【アバターもかわいいし中身もかわいいなぁこはねちゃんは】
【かわいいね】
【かわいいね】
【けどね】
【家事、その中でも料理はね、適性があるんだよこはねちゃん……】
【がんばろうって気持ちはあるの……あるのにいつもお塩忘れちゃうの……】
【IHなのになぜか台所を全焼させた俺に言うセリフ?】
【↑素直に電子レンジだけにしてもろて】
【↑電子レンジも燃やしたが??】
【↑えぇ……】
【料理はマルチタスクの極みなんだ 他の動作してるあいだに茹ですぎたり焦がしたりあああああ】
【料理は化学なんだ 適切な材料と正確な計測と手順と時間配分をできないと倍の時間かかってもあああああ】
【なんで……ただちょっと足りない食材をそれっぽいのに変えただけなのに……】
【なんで……ただちょっと味が合いそうな食材とか好みに味付けかえただけなのに……】
【なんで……ただちょっと手順を逆にしただけなのに……】
【包丁使うだけで毎回鮮血が飛び散って「ヤンデレの指先みたい」って罵られたし、手作りの料理を恐れられた私の話する?】
【料理中につい動画に夢中になって家族全員の夕飯台無しにしがちな自称主婦の話しよっか?】
【せっかく良い人と成約できたのに、家事が壊滅的で婚約解消になったああああああ】
【「今どき料理できない男とかありえない」ってフラれたああああああ】
【草】
【草】
【大惨事で草】
【こはねちゃん??? ひどいこと言わないであげよう??】
【介護班もそう思います】
【げろげろ……げろげろをください……】
【草】
【もっとこう、人の心ってのをね……?】
【こはねちゃん、やっぱ全方向へ基礎スペックは高いんだわ ただメンタルが壊滅的なだけで……】
「……料理や家事が特殊技能ってのは理解したけども……メンタルが壊滅してて、1年の半分は一切何もできないってのも同じくらい悲劇的じゃない……?」
【草】
【それはそう】
【ほんと、こはねちゃんはメンタルだけがなぁ】
【まぁそういう人は多いからな】
【わかる】
【それ、私のことだ……】
【それ、俺のことだ……】
【こはねちゃんの配信に引き寄せられたからね】
【料理ができるのとメンタルが安定してるの どっちが良いかって言ったら……ねぇ?】
「そうそう。けど……そっか。案外みんな、料理とか難しいのかぁ」
なぜか発狂し続けてる3割くらいのコメントを流し読みしつつ、如月先生の普段の姿とあの汚部屋――Gは居なかったから片付けできてないだけの部屋にしとこう――を比べる。
「ま、そっか。家族だとしても僕が男って理解しながら下着まで洗わせる妹も居るくらいだし、できないもんはしょうがないよね。適材適所だね」
みんなの意見を総合すると、僕が簡単だと思っている家事ってものは案外に難しいものだったらしい。
だから、学校では完璧美人超人淑女な扱いらしい優花ですら、兄である僕にぱんつまで洗わせてたわけだ。
なぜか洗濯機の上に広げて置いてあったりするぱんつすら。
【!?】
【ふぁっ!?】
【草】
【唐突に下着のことをバラされるお姉ちゃんかわいそう】
【妹ちゃんだぞ】
【そんな、まさか……】
【あのお姉様が……!?】
【草】
【新入りの集団がショック受けてて草】
【大丈夫大丈夫】
【むしろ興奮してきましたわ!】
【だらしないお嬢様属性にしか興奮できなくなりつつあるだけだから大丈夫大丈夫】
【大丈夫ってなんだろう……】
【さぁ……】
【ひとまずは最大の被害者が妹ちゃんなことは確実だな!】
【草】
【こはねちゃん……どうして……】
◇
「優花様……」
「さすがに、その……下着を妹様にというのは……」
「それはそれでぐっときます優花様!!」
「お姉様のお洋服を洗うお仕事をメイドから取り上げる妹様……ふぅ……」
「普段はお淑やかな優花様が、ご自宅では下着を出しっぱなしでだらしない……ふぅ……」
「 」
その日、教室で。
優花は人生で数えるほどの激しい羞恥を植え付けられた。
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