悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?

あずももも

文字の大きさ
70 / 147
4章 女装して路地裏から町を堕とした

53話 異世界のんびりギルド生活

しおりを挟む
町中でのおつかい依頼を終えて。

「はい、こちらで依頼は完了ですね」
「え、ええ……でも、まさか、お貴族のお嬢様たちがこんな依頼を……」

3人娘は――一時的だけど、なぜか僕たち2人と一緒のパーティーになった。

ということで、ルーシーちゃんにモブ子ズ3人を含めて5人になっちゃった状態で受けた依頼。

ひたすらですわですのしゃべり倒すあの子たちとルーシーちゃんを一緒にして大丈夫かなと思いきや、意外とすぐに打ち解けているらしい。

3人組が4人組になってるおかげで相対的に僕が話しかけられる頻度が減って、僕は楽になってるけど……今夜あたりにルーシーちゃんに大丈夫か聞かないとね。

ほら、あの子ってば幸薄で……いや、モブ子ズたちも似た感じか。

なら意外と平気なのかもね。
ほら、モブ子ズはかなり平民寄りの思考回路だし、何より女の子同士だし。

僕?
僕は疲れるよ?

だって男だもん。

男はね、必要な会話ならいくらでもできるけども必要がないと途端に苦痛に感じる生物なんだ。

そんな5人組の子供(内訳・女装男1に女子4)、しかもリーダーの僕は灰をかぶってもやっぱ顔が目立つし、モブ子ズはですのですわ連呼してる。

そりゃあお嬢様5人組と思われるよね。

あれだ、社会見学してる貴族令嬢って感じで。

ちなみに、ルーシーちゃんは目立たないからこそ気づかれないらしい。
なんか隠蔽のスキルとかありそうだね。

そんなわけで30分くらいのおつかいのお代が……5人で割ると現代換算数十円とかブラックも良いところに。

心苦しそうな依頼者のおばさん。

そりゃそうだ、ただの手間賃を渡そうとしたら相手が5人。
しかも明らかに貴族っぽい感じ。

そりゃ心苦しくもあるだろう。

「依頼は、依頼です。ぼ……私たちは納得して受けていますから問題ありません。正当な報酬ですよ」

「本当に……? 夜にお家の人とかが闇討ちしてきたりとか……」
「しませんしません。といいますか、具体的な被害に遭った話は……」

悪い貴族がこの町に巣くっているという。

一体誰なんだ。

よりにもよって悪役貴族たるジュリオン様のお膝元もいいとこの町で、堂々と市民たちから恐れられる悪行三昧をしている輩は。

依頼で僕が貴族って分かるたびにこういう対応されてたら、さすがに腹も立つよ。

しかも将来的に僕の断罪に――ジュリオン様がゲームに登場しないパターンでの扇動役かもしれないんだしな、反乱とか革命の。

で、おばさんに聞けば――知り合いの娘さんが、かわいい見た目だったせいか貴族の付き人みたいな人に連れてかれたのを知ってるとかなんとか。

しかも、貴族ってことを振りかざしてるもんだから、衛兵たちもおいそれと深追いできないんだと。

肝心の、頼れるはずの貴族なデュクロワ家の当主と長男は遠征中っていうか、1年中居ないからどうしても後回しだと。

パパン……そういうとこだぞ。

「……民の方あっての貴族だと言いますのに……存じなかったとは言え、近い血を引く者として、謝罪致します」

全く権限も何もないけども、家の責任は僕の責任でもあるからね。

「い、良いですから顔を上げてくださいお嬢さん! そもそもこの領のデュクロワ様も非常に寛大な統治をしてくださっていますし、お貴族様すべてがとは……」

ふむ、今のところ革命の兆しはまだない様子。
けど、手癖の悪い輩が居るせいで確実に貴族へのヘイトは溜まっていくはずだ。

「いつか必ず、貴族からの狼藉のない世界を目指します。ですからどうか……」

「……貴女みたいな方が居るのなら……ええ。いつか、あのお姫様のように……」

お姫様?

……あ、亡きママンね。

あの人はちょっと……ほら、過激すぎるっていうか、もはや何がどこまで真実なのか分からないから……。

今の僕は「ユリア」っていう正体不明のお嬢様。
ゆえにいくらでも頭をぺこぺこできるし適当な約束もできる。

まぁ守るつもりではあるけども、ジュリオン様ってバレてたらこんな接し方はできないし。

「はぁ……ユリアさま……やっぱり優しい……」

「あの姿こそが貴族令嬢とは何か、ですわぁ……」
「『さすユリ』……受付の方の……いい言葉ですわぁ……」
「『ユリア様は民の1人1人を愛され、心配事がないかと尋ねて回られ』……と……」

ちらりと振り返ると――こっちを見る3人と、なにやら手帳に熱心な1人が居た。





「ということで本日はお疲れ様でしたわ!」
「ユリア様はさすがでしたわね!」
「ルーシー様も、とてもがんばっておられましたわ!」

ああ、この子たちは良い子たちだ……ぴーちくぱーちくうるさいけども。

「ひ、広い部屋……」
「子供とはいえ5人ですもの! でも、こちらの宿のお方がとてもお優しくて……」

かばん1つの僕に、昨日あげた袋が1つのルーシーちゃん。

――そして、デコってる旅行鞄が3つ、昨日までの部屋の倍くらいのサイズの室内に置かれる。

「あの……何も、同じパーティーだからといって同じ部屋でなくとも……」

「ダメですの」
「ダメですわ」
「ひどいですわ」

3人がまったく同じタイミングで「よよよよ」と崩れ、泣く真似をする。

「いえ、あの」

「……あの、ユリアさまは……その。体を、人に見られたくなくって……」

!!

ルーシーちゃん!

「ルーシー様とは洗いっこしましたのに……?」

ぐっ……敵は強い!

「ぼくは……あんまりにも、汚かったので……その、産まれてからずっと、月に何回か川で流す程度だったので……」

「ぶわっ」
「ごめんなさいですの……!」
「良いんですのよ、怒っていませんの……!」

だがルーシーちゃんの方が強かった!

ていうか普通に重い話だった……そこまで汚くなかったと思うんだけどなぁ。

全身隅々まで見ちゃった仲だし、僕が証人だ。
特別に汚くも臭くもなかったってね。

「とにかく、そういうことでしたら仕方ありませんわ」
「そ、そうですか、なら――」

「――でしたら。わたくしたちも汚いので洗ってくれますわね?」
「そうですわ、土臭い貴族令嬢ですもの」
「家を出てからは野宿もたくさんしていますの」

「えっ」

3人の目が――怖い。

自分たちを汚いって言い放ちながら、近づいてくる女の子たち。

「だって、わたくしたち、タオルで拭うだけだったんですもの」
「この宿みたいにお値頃な価格でお湯をいただけなかったんですもの」
「きっと汚いですわ、このままではユリア様のお側には不適格ですわ」

「いえ、でも」

なぜか僕を見てくる子たち。

……ルーシーちゃん!

「……ユリアさまをぼくだけでひとりじめは……よくないかも……」

ルーシーちゃん!?

「ということでお湯を頼んできますわ!」
「お風呂ですわ!」
「ユリア様? ――逃げないでくださいまし?」

「ひゅっ」

そうして僕は……洗わされた。

なんとか勘弁してもらって、背中だけを。

ひたすらに途切れなく話しかけられて、男だってバラす暇もなく、背中だけとはいえ――や、仕切りも何もない部屋で、彼女たちのほぼ裸を見せつけられたわけで。

………………………………。

あれ?

貴族令嬢たち――特に貞淑と評判を気にする存在たち。

そんな子たちの裸を見て、洗うためとはいえ触ってごしごしした。

……これ、もう男ってバラせなくなったのでは……?

いや、最終手段としてだけど、(愛人として)娶るって方法はあるんだけどさ……ほら、末娘たちらしいし……。

精神年齢現代一般男性ロリコン趣味無だったらしいからこそ、特に反応はしなかったけども……いや、だからこそ、すさまじい罪悪感が……。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

処理中です...