僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~

あずももも

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2章 メス堕ちと僕と被害者たち

22話 護られる快感

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「このワールド行きました? 景色も雰囲気も良くって」
「行きましたー! 綺麗でしたよねー!」
「人気のチルワールドですっけ。お気に入りに入れとこ」

「………………………………」

ぴこん。

いつの間にかに居心地が極めて悪くなっていたリアルの世界。
僕は、そこから逃れるようにバーチャルに逃げ込んでいる。

「あ、レイさん、表情セット変えたんですか?」

「……分かりますー? こっちの方がかわいいかって思ってー」

その世界では、みんなが僕をちやほやしてくれる。
その世界では、みんなが僕のリアルを知らない。

知り合いが多いから、たぶん半分くらいの人は――僕の正体が男ってことを知ってはいる。

けども、いろいろあったからか、僕のことを普通に女子だって思っている人も多い。

だから、こうして女の子としてちやほやされる。

男と決めつけるか、男だって知っていても、「男の娘」「女装子」としてちやほやしてくれる。

それが、この上なく嬉しい。

リアルで――現実の僕の肉体を、一切意識しなくて良いから。
意識すれば良いのは喉の調子としゃべり方、体の動かし方だけ。

現実の肉体に付随している僕自身の見慣れた平凡すぎる顔とか体つきとかを、意識しなくて良いから。

だから、僕は楽しい。

現実よりも「こっちの世界」の方が、楽しいんだ。

「………………………………」

ぴこん。

「えへへー、レイちゃーん♪」

「ルーチェさん、近いですよ」
「近づけてるんですー♪」

今日は知り合いの中でも特に頻度の高いルーチェさんが一緒だ。

僕が男だって言っても態度を変えずに接してくれる――ほぼ確実に中身は女子な子。

「レイさんとルーチェさんっていつも一緒で仲良しさんですね」
「てえてえ……」

「そうなのー、私たちは仲良しなのー」
「はい、嬉しいことに」

恐らく、僕のリアルが男だとしても「この界隈にはよく居る、自分のアバターにメス堕ちした哀れで無害な男」としてカウントしたんだろう。

だからか、以前よりもボディタッチ――バーチャルでのそれだけども――の激しい彼女。

ヘッドマウントディスプレイの性質上、一定距離よりも近づかれると……こう、ぞわぞわというかパーソナルスペースの内側っていうか、そんな感じで現実に肉体でも、まるで悪友が冗談で顔を近づけてくるときみたいなあの感じになる。

あれだ、眉間に指とか近づけるとぞわぞわする、あれ。
それは、バーチャル感度――「V感」と表現されることもある。

だから、基本的にみんなお互いに触れない距離感を維持するのがマナー。

正面に立って視界のちょっとだけ上方、おでこを撫でる動きをするのを「なでなで」って言ったりする。

リアルでは子供以外にやったら犯罪な行為――いや、今の情勢的には男が女の子にやったらそれでも通報ものだろう――も、声かけと許可なしにいきなりするのはよろしくない行為とされている。

でも一方で、それを好むユーザーも居るのがこの界隈が魔境たるゆえん。

「………………………………」

ぴこん。

………………………………。

……それは、良いんだけども。

「……ね、レイちゃん。どの人?」

「………………………………」

「ん、あの人だね。 ちょっと待ってて、みんなにキック投票お願いしてくる。 そのまま普通に話してて」

――僕といちゃつくように見せて近づいてきていた彼女が、「そのユーザー」がしてきているであろう行為を把握すると、何事もなかったようにして離れて行く。

ああ、すごいな。

やっぱり彼女は――リアルでも、本物の「女子」なんだろうな。





「ごめんねーレイちゃん、俺たち気がつかなくって」
「あの人、おとなしいけど悪さはしない無言勢の人って思ってたんだけどなぁ」

「あはは……よくあることなので」

数分後。

この場、インスタンスに集まっている知り合いの人の多数決で、無事「彼」は排除。

キック。

みんなで追い出す行為。

……普通ならしたくないことだけども、この世界にはいわゆる「荒らし」や「アンチ」、そうでなくてもナンパして回ったり迷惑行為をするユーザーは一定数出現する。

そのための集団自衛権的な機能が、キック。

離れる直前に、彼のことをブロックもしておいた。
数人が一斉にしたから、たぶん恨まれたりはしないだろう。

「ダメだよ、レイちゃん。嫌なものは嫌って言わなきゃ」

「そうそう、女の子と見るや片っ端からプラベ誘いまくるやつも居るからな」
「もしかしてずっとアピられてた?」
「そうみたいだなぁ」
「レイちゃん、おとなしくて優しいからそういうの多そう」

みんなが口々に「かわいそうな僕」を慰めてくれる。

そんな彼らの中にも何人か――「同じような誘い」をしてきて、けれども1回か2回で引いてくれたからお互いになかったことにしている相手も、居る。

つまり、僕は――それほどまでに「女の子として」魅力的なんだ。

「……ありがとうございます。ちょっと、怖くって」

そう言って体を縮めるような動作をすると――ぞくぞくぞくっと全身に広がる、痺れるような快感。

「……大丈夫。何があっても、私が守るからね」

「お、俺たちも守るからね!」
「そうそう、何でも言ってね!」
「友達として! フレンドとして仲良くしたいから!」

そうして「まるで同性で気弱な子を護るように」気を遣ってくれるルーチェさんに、少しだけ下心の含まれているその他大勢の――リアルでは男な美少女アバターたち。

「……………………はい、ありがとうございます」

体の震えが、止まらない。

恐怖ではなく、悦びで。

……そっか。

女の子になると、さっきみたいなプライベートな誘い――「バーチャル上での擬似的なそういう行為」への直接的な誘いとかがあって怖かったりするけども。

それは、僕が女の子として。

少なくともバーチャル上では「女の子」として認識されて、「女の子」として求められているからなんだ。

男ではなく、女の子として。

何の魅力もない男ではなく、魅力的な女の子として。

――――――――――ああ。

やっぱり僕は――もう、戻れないところまで堕ちている。
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