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◇32.氷帝、炎帝、雷帝、こっそりと申し合わせる。
しおりを挟むこんにちは。アストリア・ブリードです。
日に日に太陽が傾く時間が早くなる今日この頃。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
僕の方は、ちょっとびっくりすることがありました。
先日、僕がクロノさんのことを好きだと言った件なのですが……なんとフレイヤさんとクラウディアさんも、実は同じようにクロノさんのことを好きだったらしいのです。
……全然気づきませんでした。
というか、お二人ともロゼッタ様に遠慮して、その気持ちを隠していたそうなんです。
それは後で教えてもらったことなんですけど……僕だけ何も考えずに一人で突っ走ってたんですね。
歳の差があるとはいえ……お恥ずかしい話です。
でも、僕が「魔石の指輪が欲しい」とクロノさんに言ったことで、それならばとフレイヤさんたちも、自分の気持ちに正直になることを決めたんだそうです。
魔王であるロゼッタ様を出し抜くわけにもいかないので、お妾さん……つまり愛人として、クロノさんの傍にいさせてもらうということで。
部下である僕たちがロゼッタ様の思い人を取るわけにはいきませんから、そこはまあ妥当な帰結かなと思います。
……それに、正直なところを言いますと、僕たちはクロノさんだけじゃなく、ロゼッタ様も大好きなんです。
先代魔王様と同じく、驕ることなく皆のことを第一に考えてくれるお優しいロゼッタ様。
そんなロゼッタ様がクロノさんと仲睦まじくされているのは、見ていてとても穏やかな気持ちになれます。
ちょっとだけ奇妙かもしれませんが……僕たちがクロノさんを好きだという感情と、お二人が仲良くあってほしいという思いは、矛盾するものではないんです。
でも、できることなら僕たちもクロノさんに愛されたい。
稀少魔石の加工を、指輪でとお願いしたのは、そんな気持ちのあらわれだったりします。
クラウディアさんも、亡くなった旦那さんのことを思いつつも……クロノさんのことはそれとは別に気に入っているようで、「クロノくんだけは別腹よ」なんて笑って言っていました。
クロノさんが聞いたら、「いいのかそれは……」って、引き気味に突っ込まれそうですけど。
とにかく、そんな感じで僕たち三人は申し合わせてやっていくことになりました。
クロノさんとロゼッタ様の仲を応援しつつ、僕たちも僕たちで、クロノさんに積極的にアプローチをかける……という感じで。
肝心のお二人には、まだ何も知らせてないんですけどね。
ふふ……まあ、それはそのうちということで。
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