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第一章 始まりの数々
閑話
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お祖父様の葬儀から1週間頃
「はぁ、はぁ。流石に数が居るとレベル上げもキツくなるな。」
森の入り口近く、コボルトとホブゴブリンの集団を倒し終えたユウマは、自ら鑑定を行いレべルアップの増加を確認していた。
「最近、伸びが少ないな…。そろそろ、アイテムと能力を使い魔獣のレベルも上げていいのかな?」
手探りで、冒険者を始めると陥る最初の難題だ。
「この程度の魔獣なら魔石は要らないな。アースウォール…。アースリーポージット。」
地面に穴を開け埋めると元に戻す。ついでに身体もキレイにしておく。
「もう少し、奥に進むか。」
ユウマは、感知系の魔導具を身に着け歩く。やがて人間の反応があった。すかさず、平民の平服姿に身を変え歩いていく。すると、相手の方からユウマに近付いてきた。
「よぉ。こんなに所に子供ガキが何のようだ?迷子って訳では、無いだろう?」
リーダーらしい男が声を掛けてきた。
「お母さんが病気で薬草を摘みに来ました。」
ユウマは、平民を装い答える。
三人の男達は、ニヤニヤしながら
「それなら、こっちに沢山あるぜ!」
「ほんと?やったー。ありがとう御座います。」
ユウマは、軽く会釈すると男たちの示した方向へと歩みを進める。
暫く歩くと、男達も付いてきているのが分かる。
(誘拐して売り飛ばす気か?…)こっそりとブローチを取り出し胸につける。
やがて、崖下に辿り着き近くに薬草が生えていた。
然し、気になる魔力を感知している。
男達に怪しまれない様に木々の下の薬草を集め帰ろうとした時、男達が周りを囲む。
「よし。ここら辺なら誰も居ないだろう?ボウズ、こっちへ来い!」
「おじさん達、悪い人なの?」
ユウマは、平気で尋ねた。
「あぁ。恐い盗賊だよ。あはは。お前を拐って売り飛ばしてやる。」
相手が子供だと油断して周りに気を配っていない。
ユウマは、呆れつつ「逃げたほうがいいよ。まだ、助かるよ。」
と声を出した
「あっはは。頭、オカシイのか?スラムのガキか?オイ!縛ってしまえ!」
リーダーが声をかけると二人が縄を巻きに二手に別れる。
「アースウォール…。」小声で囁く。
三人は、下半身を地面に埋められ身動きが取れない。
「小僧!!何しやがった!!クソッ!!」
男達は、騒ぎ始める。
「あまり騒がないほうがいいよ!」
ユウマは、チラリと崖下の穴を見た。
「うるせぇー。テメーぶち殺してやる。」
男達は、叫びながら短剣や鉤爪を使い何とか穴から出ようとしている。
「あぁ~あ。叫ばない方が言いよって言ったのに…。じゃねー」
「何言ってんだ?小僧!!ここから早く出しやがれ。」
「後ろー!!」
ユウマは、背を向け森の方へとゆっくり歩いていく。
男達が後ろを振り向くとオークやオークロードが崖下の穴から出てきた。
「坊っちゃん!!頼むよ!!ここから逃がしてくれ!!御礼はするぞ!!」
リーダー格の男が必死に頼み込む。
ユウマは、振り向くと「エアーカッター」を放ち3匹のオークとオークロードを倒す。
そして男達に近づき、
「こんな事、もうしない?」
と問いかける。
リーダー格の男が
「あぁ。こんな事は、コリゴリだ。もうしない。約束するから出してくれ。」
と喋った。
それを聞いたユウマの右目は、紅くなっており
「可哀想な人…。」
とつぶやき肩に手を触れる。
すると、先程のブローチから
「このガキ!!絶体ぶっ殺す!!」
と声が聞こえてきた。
「これはね、心の声を響かせる魔法のブローチ。残念だよ…。ホントに」
そう言うと踵を返して森へと入っていった。
男たちは、
「クソガキー!!顔は、覚えたからな!!絶対に殺してやる!!」
と叫んだりして何とか脱出しようと足掻いてた。腰まで埋まっているので助かると思っていた。然し、やがて黒い影に包まれる。
振り向くとオーク達が穴から沢山出てきて、背後に何匹かいる事に気づく。
血の臭いと男たちの声に反応したらしい。
3mを超えるオークと下半身が埋まり1mの盗賊。結果は、残酷である。
ユウマは、森の中で男達の最期の声を聞いていた。
「はぁ、はぁ。流石に数が居るとレベル上げもキツくなるな。」
森の入り口近く、コボルトとホブゴブリンの集団を倒し終えたユウマは、自ら鑑定を行いレべルアップの増加を確認していた。
「最近、伸びが少ないな…。そろそろ、アイテムと能力を使い魔獣のレベルも上げていいのかな?」
手探りで、冒険者を始めると陥る最初の難題だ。
「この程度の魔獣なら魔石は要らないな。アースウォール…。アースリーポージット。」
地面に穴を開け埋めると元に戻す。ついでに身体もキレイにしておく。
「もう少し、奥に進むか。」
ユウマは、感知系の魔導具を身に着け歩く。やがて人間の反応があった。すかさず、平民の平服姿に身を変え歩いていく。すると、相手の方からユウマに近付いてきた。
「よぉ。こんなに所に子供ガキが何のようだ?迷子って訳では、無いだろう?」
リーダーらしい男が声を掛けてきた。
「お母さんが病気で薬草を摘みに来ました。」
ユウマは、平民を装い答える。
三人の男達は、ニヤニヤしながら
「それなら、こっちに沢山あるぜ!」
「ほんと?やったー。ありがとう御座います。」
ユウマは、軽く会釈すると男たちの示した方向へと歩みを進める。
暫く歩くと、男達も付いてきているのが分かる。
(誘拐して売り飛ばす気か?…)こっそりとブローチを取り出し胸につける。
やがて、崖下に辿り着き近くに薬草が生えていた。
然し、気になる魔力を感知している。
男達に怪しまれない様に木々の下の薬草を集め帰ろうとした時、男達が周りを囲む。
「よし。ここら辺なら誰も居ないだろう?ボウズ、こっちへ来い!」
「おじさん達、悪い人なの?」
ユウマは、平気で尋ねた。
「あぁ。恐い盗賊だよ。あはは。お前を拐って売り飛ばしてやる。」
相手が子供だと油断して周りに気を配っていない。
ユウマは、呆れつつ「逃げたほうがいいよ。まだ、助かるよ。」
と声を出した
「あっはは。頭、オカシイのか?スラムのガキか?オイ!縛ってしまえ!」
リーダーが声をかけると二人が縄を巻きに二手に別れる。
「アースウォール…。」小声で囁く。
三人は、下半身を地面に埋められ身動きが取れない。
「小僧!!何しやがった!!クソッ!!」
男達は、騒ぎ始める。
「あまり騒がないほうがいいよ!」
ユウマは、チラリと崖下の穴を見た。
「うるせぇー。テメーぶち殺してやる。」
男達は、叫びながら短剣や鉤爪を使い何とか穴から出ようとしている。
「あぁ~あ。叫ばない方が言いよって言ったのに…。じゃねー」
「何言ってんだ?小僧!!ここから早く出しやがれ。」
「後ろー!!」
ユウマは、背を向け森の方へとゆっくり歩いていく。
男達が後ろを振り向くとオークやオークロードが崖下の穴から出てきた。
「坊っちゃん!!頼むよ!!ここから逃がしてくれ!!御礼はするぞ!!」
リーダー格の男が必死に頼み込む。
ユウマは、振り向くと「エアーカッター」を放ち3匹のオークとオークロードを倒す。
そして男達に近づき、
「こんな事、もうしない?」
と問いかける。
リーダー格の男が
「あぁ。こんな事は、コリゴリだ。もうしない。約束するから出してくれ。」
と喋った。
それを聞いたユウマの右目は、紅くなっており
「可哀想な人…。」
とつぶやき肩に手を触れる。
すると、先程のブローチから
「このガキ!!絶体ぶっ殺す!!」
と声が聞こえてきた。
「これはね、心の声を響かせる魔法のブローチ。残念だよ…。ホントに」
そう言うと踵を返して森へと入っていった。
男たちは、
「クソガキー!!顔は、覚えたからな!!絶対に殺してやる!!」
と叫んだりして何とか脱出しようと足掻いてた。腰まで埋まっているので助かると思っていた。然し、やがて黒い影に包まれる。
振り向くとオーク達が穴から沢山出てきて、背後に何匹かいる事に気づく。
血の臭いと男たちの声に反応したらしい。
3mを超えるオークと下半身が埋まり1mの盗賊。結果は、残酷である。
ユウマは、森の中で男達の最期の声を聞いていた。
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