元Sランク冒険者のお爺さんの残した遺品は、物凄い宝の詰まった指輪でした。

チョコクッキー

文字の大きさ
20 / 31
第3章 冒険者活動

第1話 最強新人現わる!

しおりを挟む

ワイ…ワイ…ガヤ…ガヤ…

「穏やかな日々だね~。アラン君…」

「何言ってんだよ。国王のくせに。あはは」

「ねぇ!今日から転入生入ってくるんだって?」
キャンドラとアルミスが話をしている。

「以前話してた、ダークエルフ?」
アルミスからそんな言葉が聞こえた。

バッ!と振り向き、反応するユウマ達。

「チョット!何でそこで反応するのですか?」
キャンドラが顰めっ面で尋ねる。

「「だって、ボン!キュン!ボン!」」

バチーン!!「「不潔!!」」
二人でハモって、ユウマとアランにビンタする。

あれから、国の統合・官僚の再編等の政が山ほどあったユウマ・フォン・シャルル国王だが、貴族・枢機卿から投票で首相を、他の必要なポストも選挙で選び国営を任せる方針を打ち出し、また冒険者登録を一年前倒しして11歳からにした。

それが、出来たのもの前回の汚職解明と今回の戦果と対応。使徒であることだった。

もうすぐ、誕生日を迎えるユウマ、アランは、興奮を隠せない。

「「他のメンバーどうしようか?」」

「っ、ハモンなよ」楽しそうなユウマたちを見てキャンドラの胸は、苦しくなる。

もう、1ヶ月早く産まれれば…

そんな時

カーン♫カーン♫カーン♫
と授業を開始する金が鳴る。

そして、ルイザ先生と一緒に入ってきたのは、ハイエルフの国、エストニア王国の第一王女
ガーラ・フォン・エストニアであった。

…誰が、ダークエルフだって?…

ユウマがボソッとキャンドラに言う。

ハイエルフが貴族だとしたら、ダークエルフは、森をかける獣ような存在で引き締まった体に、肌の色が重なりとても魅力的に見える。また、髪の色は、バラバラで各自特徴がある。

取り敢えず、軽く鑑定するユウマ…そんな!…あり得ない?…俺の苦労は、何だったんだ?…基本スペックの魔力が変わらない。そんな事が
…………。それにスキルとユニーク、弓士スキル…化物だろう…。

「気に入って貰えましたか?シャルル国王?」

見透かしたように尋ねるガーラに

「とても、素晴らしい能力をお持ちですね…」

息が詰まるような声を出し、答えるユウマ。

「皆様、改めまして。ガーラ・フォン・エストニアでございます。この学園では、変わった授業が行われていると叔父より聞きまして、転入致しました。一年ですが宜しくお願い致します。」

完璧なスピーチを行うとユウマとアランの間の席に座る。

憤りを隠せないキャンドラとアルミスだったが、そこは、貴族と侍女…。笑顔で挨拶して対応する。

「あら?可愛い半妖精をテイムしているのですね?うふっ…。」小声で喋っているが、ガーラに見つかり焦るユウマとモッフ。

授業は、魔法構文の座学であっと言う間に終わり、沢山の生徒がガーラに詰めかける。

ユウマとアランは、屋上へと退避した。

「何が視えたんだ?」

「神の伴侶候補…。」
呆れたように答えるユウマに

「はぁー!!なにそれ!」
驚くアラン。使徒の恋人とか伴侶なら理解できる。だが…神の伴侶って【女神アーリスト様】の…?

「多分だけど、女神以外にも神が居るんじゃないかな?」
ユウマが想像を口にする。

想像できないし、知識にも無い。予想しようが無い。
確定している事実しか信用しないユウマ。
それ故の、未来予知能力から来る行動を取ってきた。

だが…それが通用しない。しかも視えたステータスは、ユウマに取って衝撃だった。

ステータスは、基本スペック100をマックスに(+表示される)のが当たり前だ。人種が違っても、魔族や悪魔、魔獣でない限り例外は無い。だから、ある種の職業レベルを上げて(+※※※)と表示される。

然しながら、ガーラは自然に600台を表示していた。そして、称号に神の伴侶。魔法は、全部持ち。スキルは、エルフの好きな弓関係と身体強化、限界突破。神格状態。

ユニークには、神からの恩恵と記されていた。
どんなスキルかは、解らない。

一通りの情報をアランに共有させる。アランには、隠密系のスキル忍術がある。東帝国で訓練された人造人間。ある程度の情報はあるかも知れない。

「小さい時、巫女様と言う少女にあった事がある。神々しく神様だと思った。そしたら、神の嫁さんだと言っていた気がする。」
遠くを見ながら、少し震えるアラン。

軽く肩を叩いて「行くか?」と歩き出す。

元々一般人の軽く二倍のステータスを隠し持っていたアラン。それに負けないくらいの魔力量のキャンドラ。
そして、何故か豪運あるのアルミス。そして、鍛錬を重ね、皆んな、現在のステータス値を得た。レベル700を目指すユウマに取って、とんでもない存在となったガーラ。既に賢者に至っている…。これは、内緒だ。キャンドラがきっと傷つくだろう…。

数値で言えば、350~400の運が最高のアルミス。380~500魔力が最高のキャンドラ。450~580素早さが最高のアラン。そして全て650付近のユウマ。そこに魔力700超えの少女の出会い。偶然か?

次の授業は、魔法実技だった。男の先生がガーラを名指しして撃つように促す。

「全力で構いませんの?」
ガーラが尋ねる。

「ユウマ様ですら耐えられるのだから大丈夫!」

…バカ野郎!何言ってんだよ。コイツ!

「チョット!待って…」
ユウマが止めに入ろうとした時には、

「得意の究極火魔法を…ニュクリア・エクスプロ…」
ガーラが全身を金色に染め魔法を放つタイミングだった。

「マジック・キャンセル!!」
「タイム・ドロー!!」
ユウマが魔眼を発動して瞬間的に止めた。

そして、ガーラもキャンセルをかける。

「バカ野郎!!国を吹き飛ばすつもりか?!」
息も絶え絶えのユウマ。

バダン!!仰向きに倒れて息を整える。
殆どの生徒が理解できない。

「どの程度の方か、お手並みを拝見いたしました。」

「勘弁してくれ…。」
小声で呟くユウマの発言に

「一応、合格としておきましょう!」
ガーラが笑みを浮かべ後ろに下がる。

「何だよ?それって…。テスト?」
魔力を一気に使い疲労の大きいユウマは、【マナポーション】を飲み、キャンドラから【ハイヒール】を受ける。

男性の先生は理解できずに尋ねる。
「あのー…一体どういう事でしょう?」

「僕は、手を抜いて授業を受けてたんですよ。学園を壊さないように。そして、それ以上の魔法を彼女…ガーラ嬢は、放てるのです。Sクラスの冒険者のように…。」

〈少年Aの感想〉
話を聞いて青ざめる先生。周りの生徒は、落ち着いて理解している。ユウマが嘗て指導してくれた戦前。今よりも、無学無知で全然弱い自分達が第1騎士団や魔法師団等と寝言を言っていたと。共にレベリングして理解した。上には上がいる。

今になれば、自然に防御魔法が出せる位になっているのに、やはり、上には上がいると感じ又、自分達の才能の限界も徐々に認めて行くのである
。勿論、将来の伸びを加えても、この人達には、届かないと…。
あの、ユウマ様ですらガーラ嬢の魔法に対処が遅れた。間一髪に視えた。これも、指導してくれたユウマを師と仰ぎ、卓越した数々の技を匠の如く使い分け、師匠として受け入れ学ぶ事を選んだ結果だと理解している。

そして、授業は、淡々と進められる。その中に、二人の少女が気概を構え取り組もうとしていた。キャンドラとアルミスである。

真っ赤な魔力に覆われたキャンドラから放たれた中級火炎魔法 ファイヤーアローは、4962点。確かに目覚ましい進歩であるが届かない。ユウマ様どころかガーラにすら…座り込むキャンドラにユウマが【魔女の瞳】を渡す。
ダンジョン産Aランクの魔力増幅魔導具である。

努力を決して怠らない。だからこそ預けられる。ユウマは、そう判断した。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~

イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。 半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。 凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。 だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった…… 同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!? 一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...