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第3章 冒険者活動
第4話 初依頼とギルドマスターそして誓約
しおりを挟む…いつも通り、過酷な鍛錬を終え部屋に戻ってきたユウマ…
「アラン!今日からだぞ!依頼!」
ユウマにとって当たり前のことで、喜びは、湧かないが
「いやったぁー!ついに来たか?!」
アランは、待ってましたと笑顔を魅せる。
「とりま、装備は普通に貸すけどズルは、無しだぜ?」
ユウマが説明する。…………と言う具合だ。
「OK!」
耐物理攻撃、耐魔法攻撃、耐汚泥、耐温度変化のコート1枚。
ユウマとアランは、ガーラ、キャンドラ、アルミス達と合流して、同じコートを渡しギルドへと向かう。
「確か、Fラン5人だからEまで良いんだよね?」
アランが尋ねる。
「そうよ!何を聞いていらしゃったのかしら、」
キャンドラが腕を組み、足をパタパタと鳴らす。…かなり、緊張してるようだ…
「えーと、」掲示板を見るアランをよそに、
「コレとコレだ!」
ユウマがいち早く依頼を取る。
すると、
「おっと!待ちな、兄ちゃん。見ない顔だが初めてか?」
顔に傷のある筋肉質の男が声をかけてきた。
「規約では、Eランクの無制限依頼は、一つだけの筈だぜ!欲張らるなよ!それは、コボルトとゴブリンの無制限依頼じゃねぇか!」
確かに、無制限討伐は、30体以上が確実に討伐できないと達成にならない。ので、2つ取るには、確実に達成できる信用が必要になる。
「なら、誓約でも付けとくか?」
平気な様子でユウマが答える。
そこに、階段からドカドカと大男が降りてきた。
ギルドマスターのファンドと言う。
「何揉めてんだ?」隻眼の目でユウマ達を一瞥して理由を尋ねる。
「いや…。この新人が初クエストでEランクの無制限依頼を2枚取りやがって!」
怯えるような大男。
「ほぉー。面白い新人が現れたな!で、出来るのか?」
ギルドマスターの問いに
「あぁ、武器も魔法も無しで一人50だ!」
ユウマが答える。
「ガハハ!そんな馬鹿は、初めて見たわ。規約違反は、罰金にランクの信用が落ちるから暫くランクアップ出来ないぞ!止めておけ!」
ギルドマスターが、諭すように話す。
ユウマは、まるで無視するようにカウンターに向かい、
「依頼を受ける!」
と2枚差し出した。そして、腰から剣を抜くと「預かっててくれ。お前たちもだ。」
アランはナイフを…キャンドラはサンダースピアを…ガーラは杖を…アルミスは、ショートソードをカウンターに並べる。
「討伐証明の剥ぎ取りは如何するのですか?」
カウンターの女性が尋ねる。
「空間魔法で一体ずつ丸ごと納品するよ。500体位余裕で収納出来る。」
ユウマが本当に余裕そうに答えるが、カウンターの女性が承認しない。
「できない事を出来ると言わないで!」
怒り口調だ。
「じゃ、今ある銅貨全て出してくれ。」
ユウマがそう言うと女性は、金庫から1000枚の銅貨を出して来た。
「空間収納は、一つは一つだ。それは、知っているな?だから、それを全部収納出来れば同じ数の魔物も収納出来る。」
ユウマは、手をかざし銅貨を収納してみせた。
「これで、わかったろ?」
カウンターに銅貨を戻すと出口に向かう。
「ちっょとまて!魔法は、どうやって禁止するつもりだ。」
ギルドマスターが問い詰める。
ユウマは、従魔の腕輪を出すと千年竜王ガイアを呼び出す。
「ガイア…頼む!」
「あぁ…。めんどくせーな!封術印。」
ユウマ始めメンバーの右手甲に封印の刻印が出る。
「これで満足だろう。暫く、ガイアと遊んでるがいい!」
ユウマは、そう言うと皆んなで出ていく。
「久しぶりだな!ファンちゃん。お茶でも飲もうか?偉くなったんだろう!」
ガロンの付き人で合ったガイアを知らないギルドマスターでは無い。
「あの…でわ、あの坊っちゃんがガロン様のお孫さんで国王の?」
「あぁ…今の俺の主人だ。さぁ、行こうか。」
とんでもない、化物を押し付けられて関わらなければ良かったと後悔するギルドマスター、ファンドであった。
初の王都外の森。あちらこちらに、FランクやEランクが居るが無視するように進む。
暫くすると廃村があり、ユウマの片眼鏡に反応があった。コボルトの集落だ。
「コボルト約30。早い者の勝ちだ」
そう宣言し、高速で移動しコボルトの胸に手を当てる。魔力で心筋梗塞を起こしてるのである。
アランは、相変わらず首折り専門。
アルミスは、顔を魔力で覆い窒息させる。
ガーラは、遠距離から魔力弾を放ち耳から貫通させ脳を破壊する。
そんな中、一人キャンドラだけが成果が振るわない。まだ、殺人に慣れてないのだ…。
殺す…駄目!無闇な殺生など…廃屋に入ると冒険者と思われる女性達が死んでいた。無残に辱められ殺されていた。
キャンドラの心に火が付いた。手に魔力を集めると頭部を弾き飛ばす。
「キャンドラ!どちらも討伐部位は右耳だ。頭は、辞めてくれ!」
ユウマが苦言を呈する。
仕方なく、お腹に魔力を集めると内部から壊す。
「気持ち悪い血液を出さないで!」
ガーラに怒られ考える。
怒りに震えるキャンドラにユウマが喉を潰せと指示する。
キャンドラは、喉を潰しながら辺りのコボルトを倒し終えた。
皆んな、対策を練っていた。出来てなかったのは、私だけ…落ち込むキャンドラに近寄るアルミスをユウマが止める。
「何をやってんだ!遊びに来たのか!それとも、命を奪うのが怖いのか?そんな中途半端な気持ちなら今すぐ帰れ!」
ユウマの怒声が響く。
「いずれ、強大な敵を前にした時、お前を庇い死ぬ仲間が出る。今なら引き返せる。やる気がないなら止めろ!」
キャンドラに怒ってるのでは無く、仲間に死をもたらす可能性がある厄介な者を怒ってる。
…ユウマ様は、私の為に怒ってない。仲間を失う可能性のある私を…
キャンドラは、泣きながら走り出していた。
「「ユウマ様!!」」
ガーラとアルミスに名前を呼ばれても相手にしない。
…駄目なら捨てるまでだ…
ユウマは、そう考えていた。
「一刻、休憩とする。」
そう言うと森の中へ消えてゆくユウマ。
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