元平民の公爵令嬢が王子の溺愛にあってます?!

水無月 月

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10.舞踏会

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舞踏会会場に着くと今までの生活だと関わることなどなかった世界に圧倒された。
お父さんとお兄様に挟まれていると周りの視線がとても痛い。

「緊張します」

「大丈夫、僕が隣にいるから」

お兄様は馬車を出てからずっと繋いでくれてる手を少し強く握ってくれた。

舞踏会会場に着くと、会場にいる人の全ての視線がこちらにきた。

会場を見渡すと何人か見知った顔がいる。

「レイアさんがいたので後で行ってもいいですか?」

レイアさんの顔が見えたので、お父さんに行ってもいいか許可をもらう。

「あぁ、だが一人ではダメだ」

「お兄様いいですか?」

「いいよ、いこうか」

お兄様にも許可をもらったので共にレイアさんの方へ行く

「レイアさん」

「あ!フィルシィーさん……とっても綺麗ね!」

いつものように話しかけたけど、ネックレスをとっていたことを忘れていた。
レイアさんはいつもと変わらない様子で話しかけてくれた。

「変じゃないかな?」

「変じゃないよ!なんならこの会場の誰よりも綺麗よ!」

「ありがとうございます」

それからはお父様とお兄様の後ろについて挨拶に回った。

慣れない挨拶回りに疲れた私はお手洗いと称して少し抜け出した。

会場から一歩外に出ると舞踏会の賑やかさとは逆の夜の静かさが広がっている。

「やあ、お嬢さん」

空を見上げていると後ろから声をかけられた。
その声の正体は生徒会長のルト・ユウェール・ジルライト。いやここでは第一王子のルト・ユウェール・ジルライトだ。

「ルト・ユウェール・ジルライト第一王子に宝石の輝きを」

王族にすると教えてもらった挨拶をする。
この姿で会うのは初めてだし、そもそも会ったことあるのも一回だけだと自分の心を落ち着かせる。

「君……」

礼をとっている私に近づいてくる。

「君……どこかで会ったことある?」

「本日の舞踏会が社交界デビューですので」

「そうか、あぁ楽にしていいよ」

「ありがとうございます」

礼をとっていたから顔を見せずに済んでいたのに…

「あの、そろそろ会場に……」

「あぁそうだね……じゃあ戻ろうか」

「え……?」

一人で戻ろうするとルト王子殿下に手を取られた。
絶対怒られる、どうしようと思っているうちに会場についてしまった。

「あ、あの」

「ん?さぁ入るよ」

ルト王子殿下の勢いに引っ張られそのまま会場には行ってしまった。

お父様たちと入った時とは比べ物にならない注目を受け、心臓が止まりそうになる。

頭の中はどうしようと混乱しかない。
会場からは「どなた?」「見たことのない令嬢だな」という声が聞こえてくる。
お父さんたちに助けを求めようと姿を探すとお兄様と目があった。
どうしようと目で訴えるとなんだか少し怒っているみたいでこれ以上お兄様を見れなかった。

「ご令嬢、ファーストダンスを踊っていただけませんか」

会場みんなの前で跪かれダンスを申し込まれた。

「……は、はい」

この舞踏会に向けて1番練習したダンスをまさかルト王子殿下と踊ることになるとは思っていなかった。

「そういえば名前を聞いていなかったね」

「失礼いたしました。フィルシィー・サファルスと申します」

「サファルス、公爵家のものか」

「はい」

「だが、あそこに令嬢がいるとは記憶してないが」

「今年になって公爵家の皆さんに拾っていただいたので」

「あぁ、そういうことか」

一曲を踊り終えた。
すぐにその場を離れ、お兄様の方へ向かう

「何やっているのかな?フィル」

「……ごめんなさい」

「まぁ仕方ないよ。王子殿下から申し込まれたら断れないしね」

「……はい」

「イオ、フィル。そろそろ帰ろう」

「「はい」」

ダンス終えてすぐに帰宅した。
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