勇者の処分いたします

はにわ

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悪いのはキラだけではない

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「まさか色香に狂って本当にパーティーに必要な人間を排除してしまうとはな」


予想外といえばあまりに予想外だったが、なんと勇者キラは手放してはならぬ仲間を・・・マリアを自ら手放した。
それも自分が愛した女に自身の愛の本気度を示すためという、身勝手極まりない理由でだ。

これを理由に勇者の称号の剥奪が可能になったが、なんとそれに続いてバットンもマリア追放への抗議の意を込めてパーティーを脱退した。
これによって問答無用で勇者の称号の剥奪が可能にはなったが、こうなってはもしシン達が何もしなくても、この勇者キラのパーティーは崩壊同然でどのみち長くはなかっただろう。
勇者キラは自身の手によって自らの立場を崩壊させた。


「№26勇者キラ・・・。平民出でどの貴族の推薦もなく勇者認定を受けるとは、最初は期待の星とはまで言われていたのに・・・」


レイが溜息交じりに言った。


「キラの実力だけではなく、マリアさんの補助があってこその活躍だったのだろうな。まぁ、よくあることだよ。リーダーが己の実力を過大評価して、実際その下で支えてくれた者を軽んじて見てしまうのは。そして、それを原因として身を滅ぼしてしまうこともね」


シンが言う。
そのようにして崩壊していった勇者パーティーをシンはいくつも知っていた。


「まぁ、資質がなかったのだろうね。変なことさえ考えず、マリアさんを手元に残してさえいれば、これから先も活躍できただろうに。彼女も振り回されて大変だったろう」


シンは追放されて涙を流していたマリアの姿を脳裏に思い浮かべた。
自分の尽くしてきた男が、まさか自分を追放したことによって身を滅ぼすことになったなど夢にも思うまい。
どうか彼女には幸せになってほしい。そう願っていた。


「うーん、まぁ、今回の件は確かに勇者キラも悪いんですけどね」


しかしレイは引っかかるところがあるような言い方をした。


「けど、私はマリアさんもどうかな~って思うんですよ」


「・・・え?」


シンは唖然とした。
今回の件はキラの身勝手による自業自得であり、そこにマリアの非は無いように感じたからだ。


「調べてみれば、マリアさんは細かい雑用から何まで戦闘以外のほとんど全てをこなしていたみたいじゃないですか。そんな状態が何年も続けば、その恩恵を受けていた人間がどうなるかなんて、普通に考えればわかると思うんですよ」


レイのその言葉を本当の意味でシンが理解したのは、それから一か月後のことだった。
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