勇者の処分いたします

はにわ

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勇者エクスへの提案

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「これはラダーム王からの提案なのですが」


シンの言葉に、エクスはハッと過度に反応を示す。

ー提案ー


この状況下で王女の父であり、この国の王であるラダーム王からの『提案』。
国王は自分を世継ぎにしたいと言っていた。そんな国王がしてくる提案とは一体どんなものか。
エクスは身構えた。

そんなエクスを無表情で見つめながら、シンは言葉を続ける。


「エクス様にはアローラ様の夫としてラダーム国の国王の座についていただきますが、側室としてビアン様を置くことを許すと申しております」


「えっ」


「恐れながら破格の提案だと思いますよ。平民を側室として置くことを許すのは」


「それは・・・」


エクスは言い淀む。確かに破格の提案だ。問答無用で自分は城に呼び戻され、そこで国王になることを強制され、ビアンと二度と会うことも叶わない・・・それが普通だと思っていた。そこから考えれば物凄い譲歩だ。

しかし、それでも・・・ビアンと過ごしてきたこの平凡で平和な生活はもう送れなくなる。
それを考えると実に贅沢な話ではあるが、エクスはまだ喜べないでいた。どこまでも往生際の悪い男である。


「これで話は終わりではございません」


わざわざエクスの反応を見るためだったのか、間を置いてからシンは話を続けだした。
えっ、まだ続きあるの?とエクスがキョトンとする。


「エクス様さえお望みでしたら、ビアン様との今の生活を続けることも可能です。週に二日だけですが、エクス様がこの家で過ごすことが許可されています」


「な・・・何だって?」


あまりのことにエクスが驚愕する。それはビアンも同じだった。


「週四日は王城にて王妃と過ごしつつ政務を行っていただき、二日はビアン様と過ごすことを許されています。無理に王城に縛り付けると勇者様は敬遠してしまいそうであるし、それにビアン様との生活も可能な限り残しておきたいというラダーム王のお心づかいです。まぁ、側室であるビアン様の安全のためにも、この村の近辺は兵士が警護することになりますが」


この往生際が悪く、甘えん坊な勇者に対し、ラダーム王は破格も破格の条件を提示した。
それもこれも、勇者エクスが父親同様「そういう人間」であると見抜いていたからであった。
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