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あの親にしてこの子あり
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先代ラダーム王はかつて言った。
「あの勇者の一族は鳥だと思え。獰猛な猛禽だ。誰の束縛も受けず自由に空を飛び、鎖で繋げば鎖を食いちぎり、小屋に押し込めれば小屋ごと破壊する。そして自身に仇成す者には襲い掛かる。それがあの勇者の一族だ」
彼の言う勇者とはエクスやその父ロウト達の一族のことである。
彼ら勇者の家系は歴代ラダーム王から、救世主でありながらも狂暴で奔放な存在だと認識されていた。
強力で実直なようでいて、だがその本性は気まぐれで自由奔放。目茶苦茶で危なっかしいが、それが歴代ラダームを救ってきた勇者の家系の人間性という認識だった。
ロウトが怠惰に暮らし、息子であるエクスの教育を放棄しているという話は現ラダーム王にも伝わっていた。
それは先代からも聞いていた奔放という人間性とある程度は一致していたので王は放置していた。有事の際に働いてさえくれれば別に良いと咎めるつもりもなかった。
月々にロウトに支払っていた勇者特別給付金は決して安くはなかったが、国防問題をこれで解決できるのならと納得した。
「陛下。勇者ロウトはろくに鍛錬もせず、給付金を余すとこなく使うだけの毎日でみるみる体もだらしなくなっておるという話です。有事の際に本当に役に立つのでしょうか?」
心配性の・・・いや、人並みの疑問を抱いた宰相がラダーム王に問うた。
「あれはあれで見えぬところで自己研鑽しているのかもしれん。歴代国王もあの勇者の家系を疑問視していたときがあったというが、きちんと務めは果たしてきたという。だからこそ、今でも国の定めとして彼らを援助しているのだ。何も心配することはない」
だが実際に魔王がラダームに現れ侵略を開始したとき、ロウトは支払われてきた給付金の一切を還元することなく逃げ出した。
「とのことです」
ジト目でラダーム王を睨みながら臣下が報告した。
「で・・・あるか」
ラダーム王は冷静を装いつつも、心の中は臣下に対する気まずさから怒りに満ちていた。
だから逃げ出したロウト達の代わりに残ったエクスを当てつけでこき使ってやろうと思い、ろくに支度金も与えずに魔王討伐の勅命を下した。無理をさせて死んでしまってもそれはそれで溜飲が下がると思った。
だがエクスは予想に反して魔王討伐をやり遂げた。
どんな絶望的な状況下においても自分の命を顧みずに目的を達成させたそのエクスを、臣下達はロウト達と違い立派な勇者であると称えた。
だがラダーム王は表向きエクスを褒めたたえ、認めるように装ってはいたものの、それでも実のところは彼のことを疑っていた。蛙の子は蛙。エクスはきっとどこかで両親のように逃げ出す選択肢を取ることがある。
確信に近い予測がラダーム王にはあった。
「あの勇者の一族は鳥だと思え。獰猛な猛禽だ。誰の束縛も受けず自由に空を飛び、鎖で繋げば鎖を食いちぎり、小屋に押し込めれば小屋ごと破壊する。そして自身に仇成す者には襲い掛かる。それがあの勇者の一族だ」
彼の言う勇者とはエクスやその父ロウト達の一族のことである。
彼ら勇者の家系は歴代ラダーム王から、救世主でありながらも狂暴で奔放な存在だと認識されていた。
強力で実直なようでいて、だがその本性は気まぐれで自由奔放。目茶苦茶で危なっかしいが、それが歴代ラダームを救ってきた勇者の家系の人間性という認識だった。
ロウトが怠惰に暮らし、息子であるエクスの教育を放棄しているという話は現ラダーム王にも伝わっていた。
それは先代からも聞いていた奔放という人間性とある程度は一致していたので王は放置していた。有事の際に働いてさえくれれば別に良いと咎めるつもりもなかった。
月々にロウトに支払っていた勇者特別給付金は決して安くはなかったが、国防問題をこれで解決できるのならと納得した。
「陛下。勇者ロウトはろくに鍛錬もせず、給付金を余すとこなく使うだけの毎日でみるみる体もだらしなくなっておるという話です。有事の際に本当に役に立つのでしょうか?」
心配性の・・・いや、人並みの疑問を抱いた宰相がラダーム王に問うた。
「あれはあれで見えぬところで自己研鑽しているのかもしれん。歴代国王もあの勇者の家系を疑問視していたときがあったというが、きちんと務めは果たしてきたという。だからこそ、今でも国の定めとして彼らを援助しているのだ。何も心配することはない」
だが実際に魔王がラダームに現れ侵略を開始したとき、ロウトは支払われてきた給付金の一切を還元することなく逃げ出した。
「とのことです」
ジト目でラダーム王を睨みながら臣下が報告した。
「で・・・あるか」
ラダーム王は冷静を装いつつも、心の中は臣下に対する気まずさから怒りに満ちていた。
だから逃げ出したロウト達の代わりに残ったエクスを当てつけでこき使ってやろうと思い、ろくに支度金も与えずに魔王討伐の勅命を下した。無理をさせて死んでしまってもそれはそれで溜飲が下がると思った。
だがエクスは予想に反して魔王討伐をやり遂げた。
どんな絶望的な状況下においても自分の命を顧みずに目的を達成させたそのエクスを、臣下達はロウト達と違い立派な勇者であると称えた。
だがラダーム王は表向きエクスを褒めたたえ、認めるように装ってはいたものの、それでも実のところは彼のことを疑っていた。蛙の子は蛙。エクスはきっとどこかで両親のように逃げ出す選択肢を取ることがある。
確信に近い予測がラダーム王にはあった。
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