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シュウの伸び代
「・・・こいつは驚いた」
魔物じじい宅にて、シュウとの(賭け)カードゲームで相手をしていたトールは、驚きの声を上げた。
「前にやったときは爆負けだったのに、いつの間にか腕を上げていやがる・・・前はほぼ負けだったのが、勝率半分くらいなるとは」
以前ルドルフ襲撃前に勝負したときは、それはもうシュウはコテンパンに負けていた。今回挑まれたときも「懲りもせずに」にとトールは言いつつ、内心また巻き上げてやるかなどと考えていたのだが、実際にやってみるとシュウは以前とは比較にならないほど勝率を上げていたのだ。
「もしかしたら今回の騒動による様々な経験が、私の危険察知能力を磨き上げてくれたのかもしれません」
シュウは遠い目をしながら言った。
何度死んでもおかしくない過酷な経験が、あらゆる危険というものに対して敏感な感覚を養わせてくれたのではないかと考えを巡らせる。
今のシュウは悪いカードを引こうとすると、なんとなくビリッと肌で何かを感じるようになっている。
最初は僅かな違和感程度だったが、回数をこなすにつれて感覚はより鋭くなり、負ける確率も少しずつ減っていった。
このまま回数をこなせば、そのうちトールにすら普通に勝てるようになるかもしれない。それだけの伸びしろがありそうだった。
トールの強みである危険察知能力を、今シュウも身に着けようとしている。
これは今後逃走生活を続けることにおいて、大きなアドバンテージになりそうだ。
「危険察知能力か。そういうの身に着けたほうがいいって言ったの俺だけど、まさかここまで早いとはな・・・これも才能ってやつか」
トールはそう言って苦笑いするが、シュウは頭を振って否定した。
「いやいや、才能なんてありませんよ。この歳になって結局パーティーを追い出されたわけですから」
そう言うシュウの脳裏に、かつてライルにパーティーを追い出された記憶が蘇る。
当時危険察知能力があれば、多少は変わったのだろうか?と考えを巡らせるが、シュウはすぐにそれをやめた。危険に敏感であったところで、根本的に攻撃力も魔力も不足していた。ほとんど役に立つことはなかっただろう、と。
「・・・どうかな。アンタを追い出した勇者様だって、今なお健在でいられているとは限らないんだぜ。何しろアンタを追い出したほどの節穴だからな」
「節穴・・・?」
「そうだよ。だってここに来てまた伸びしろが出てるじゃねーか。危険察知に長けたり、炎を素手で切るようになったり。もしかしたら、前衛でいろいろ経験したほうが伸びてくタイプなんじゃねーか?」
トールに言われ、シュウはハッとした。
確かに『光の戦士達』にいたときは、前衛はライルとサーラ。シュウが前衛をやっていたのはそれこそ駆け出しの頃くらいだった。
後方支援に徹していたことがシュウの成長を阻んでいたとしたら、今回のように危険な目に遭い続ければ、これから爆発的にシュウの実力は伸びるかもしれない・・・そう思った。
「って、もうこれ以上危ない目になんて遭いたくありませんよ!!」
成長よりも安定した生活を送りたいシュウは、心底嫌そうに叫んでいた。
だが、彼の難はこんなところでは終わらないのである。
魔物じじい宅にて、シュウとの(賭け)カードゲームで相手をしていたトールは、驚きの声を上げた。
「前にやったときは爆負けだったのに、いつの間にか腕を上げていやがる・・・前はほぼ負けだったのが、勝率半分くらいなるとは」
以前ルドルフ襲撃前に勝負したときは、それはもうシュウはコテンパンに負けていた。今回挑まれたときも「懲りもせずに」にとトールは言いつつ、内心また巻き上げてやるかなどと考えていたのだが、実際にやってみるとシュウは以前とは比較にならないほど勝率を上げていたのだ。
「もしかしたら今回の騒動による様々な経験が、私の危険察知能力を磨き上げてくれたのかもしれません」
シュウは遠い目をしながら言った。
何度死んでもおかしくない過酷な経験が、あらゆる危険というものに対して敏感な感覚を養わせてくれたのではないかと考えを巡らせる。
今のシュウは悪いカードを引こうとすると、なんとなくビリッと肌で何かを感じるようになっている。
最初は僅かな違和感程度だったが、回数をこなすにつれて感覚はより鋭くなり、負ける確率も少しずつ減っていった。
このまま回数をこなせば、そのうちトールにすら普通に勝てるようになるかもしれない。それだけの伸びしろがありそうだった。
トールの強みである危険察知能力を、今シュウも身に着けようとしている。
これは今後逃走生活を続けることにおいて、大きなアドバンテージになりそうだ。
「危険察知能力か。そういうの身に着けたほうがいいって言ったの俺だけど、まさかここまで早いとはな・・・これも才能ってやつか」
トールはそう言って苦笑いするが、シュウは頭を振って否定した。
「いやいや、才能なんてありませんよ。この歳になって結局パーティーを追い出されたわけですから」
そう言うシュウの脳裏に、かつてライルにパーティーを追い出された記憶が蘇る。
当時危険察知能力があれば、多少は変わったのだろうか?と考えを巡らせるが、シュウはすぐにそれをやめた。危険に敏感であったところで、根本的に攻撃力も魔力も不足していた。ほとんど役に立つことはなかっただろう、と。
「・・・どうかな。アンタを追い出した勇者様だって、今なお健在でいられているとは限らないんだぜ。何しろアンタを追い出したほどの節穴だからな」
「節穴・・・?」
「そうだよ。だってここに来てまた伸びしろが出てるじゃねーか。危険察知に長けたり、炎を素手で切るようになったり。もしかしたら、前衛でいろいろ経験したほうが伸びてくタイプなんじゃねーか?」
トールに言われ、シュウはハッとした。
確かに『光の戦士達』にいたときは、前衛はライルとサーラ。シュウが前衛をやっていたのはそれこそ駆け出しの頃くらいだった。
後方支援に徹していたことがシュウの成長を阻んでいたとしたら、今回のように危険な目に遭い続ければ、これから爆発的にシュウの実力は伸びるかもしれない・・・そう思った。
「って、もうこれ以上危ない目になんて遭いたくありませんよ!!」
成長よりも安定した生活を送りたいシュウは、心底嫌そうに叫んでいた。
だが、彼の難はこんなところでは終わらないのである。
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