103 / 503
追跡者達 レウス司教4
しおりを挟む
「さて、皆様御存じの通り・・・シュウとフローラを教会騎士はおろか、白金の騎士団ですら取り逃がしてしまい、行方を眩ませてしまった要因は、フローラが『ホワイトキング』と呼んでいた白馬の快足です」
ジャッカルの言葉に「それは誰でも知っている」と、その場にいた誰もが一斉に頷いた。
「あの白馬はフローラが外遊中に見つけたものだとされていますが、あれはただの馬ではありません。我々が考えるに、恐らくは突然変異したユニコーンなのです」
「ユニコーンだと?」
そこは初耳だったのか、ルドルフも含めて聞いていた面々が驚愕の表情を浮かべる。
「聖神教会で伝説上の生き物とされていますが、古来より様々な文献であれらの存在は確認されております。そこから照らし合わせるに、我々はあれをユニコーンと考えています」
「なんてことだ・・・」
皆呆然とする中、ルドルフだけが目を輝かせ興奮気味に叫ぶ。
「やはりそうか!私も騒ぎを聞いて慌てて直接見に行ったが、あれだけの機動力、威圧感、力強さはただの馬では説明が出来ないものだ。ユニコーンと言われれば納得がいく!歴代最高レベルの聖女であるフローラなら、ユニコーンくらいの隠し玉は持っていておかしくはないだろう」
「聖女とはいえいくら何でも隠し玉強烈すぎね?」とルドルフ以外の面々は顔を見合わせるが、それでも実際に常識なら突破不可能の包囲網を突破してみせたのだから、ユニコーンかそれに近い存在なのは間違いないだろうと最後には納得した。
「我々はあれをユニコーンであると推測しました。ユニコーンは聖なる生き物。その肉体からは隠しきれないほどの魔力が溢れているのです。その量は膨大故、どこまで遠くへ行ってもある程度の残滓があるのです」
「まさか・・・」
「我々はユニコーンの残滓と思われるものをかぎ取り、そして追跡しました。彼らは隣国ガリングの僻地に今おります」
「なんだって!」
「彼らがもっとも頼りにしている機動力であるホワイトキングが、まさか自分らの居場所を指し示してしまう皮肉になるとは、全く思ってもみなかったことでしょう」
ジャッカルの話を聞いていたルドルフ達は絶句する。
魔力の残滓は人間でも多少はあるし、それがユニコーンという規格外の生き物であればなお多量に検出されるだろうが、国外まで逃げて行ったモノのそれを検知して追跡するなど、とても人間業ではないと思ったからだ。
「私は追跡を専門としている部隊の長をしております故、この程度のことは苦でもありませぬ。まぁ、彼らがホワイトキングに乗っていなければ、行方を掴むのにもう少し骨が折れていたかもしれませんが」
「おぉ・・・」
流石は『光と影』のエージェントだ。と皆が納得する。
「そして今、私の配下が既にホワイトキングの近くに待機しております。その場にはシュウとフローラもいることでしょう。今更皆さまは彼らの処刑を影像にてご覧いただけます」
ジャッカルがそう言うと、彼以外に数人ローブを纏った人間が現れ、何やら魔道具を持ってきて準備を始めた。
それはどこか別の場所で撮影された影像を映し出すための魔道具であった。
非常に効果な魔法の術符がふんだんに使われており、そのコストたるや数分の影像を映し出すだけで帝都に庭付きの屋敷を立てられるほどの金額になるという。
今回、レウスはルドルフ達婚約者候補だった者達の溜飲を下げるために、決して安くない金を捻出してこのイベントを決行する決断を下した。
レウスの私費だけでは足りないので、教会の金もいくらか手を付けてしまっている。そうまでしてもここでフローラの婚約者候補であったVIP達を宥めておかないと、いよいよレウスも生きるか死ぬかのところまで追い詰められてしまうので仕方が無かった。
これから大変だろうが、それでもひとまずここさえ乗り気ってしまえば・・・と、ジャッカルに対して期待の目を向ける。
ジャッカルはレウスの視線に気付き、僅かに頷くと芝居がかった態度で高らかに宣言をした。
「では、これより世紀の影像をご覧いただきます!」
ジャッカルの言葉に、皆がハッとして息を飲む。
地位も財産もある連中であるが、実際に影像魔道具を目の当たりにする経験の無い者もいた。
「おおおお!」
影像が部屋に映し出されると、皆がどよめいた。
突然にして部屋に森林が広がったように見えたからだ。
これにはこの集まりを企画したレウスでさえ驚いた。彼も影像魔法は初めてだからだ。
「部下からはガリング僻地の村近くにある森林に現在いるとの報告を受けております。何をやっているかはわかりませんが、今彼らはその森林に潜んでいるようです」
ジャッカルの実況を聞いて、ルドルフは鼻息を荒くする。
「その様子だと、まだフローラ達にはこちらのことは気付かれていない・・・接触していないということだな?」
「はい。彼らの前に部下が姿を現し、驚く顔を見せ、絶望に表情を歪め、そして最後に死に顔を晒す・・・その全てを順を追ってご覧いただこうと思って段取りした次第です」
「ふふ、そうか」
ジャッカルの返答を聞いて、ルドルフは満足げに頷いた。
ルドルフは変態であるが、彼が満足するプランを立案したジャッカルもそこそこにサディストである。
影像が動き出し、森の中を進んでいき、そしてピタリと足を止めた。
「ホワイトキングの気配のすぐ近くまで来たようです。『制裁』をこれから決行しますが、皆様心の準備はよろしいですか?」
シュウ達の処刑が始まる--
影像を送っているのはジャッカルの部下達だが、これから影像を撮りつつシュウ達を始末するらしい。
集まったVIP達も早々に見ることの敵わないショーを目前にしてやや緊張気味に影像に釘付けになる。
「それでは・・・『制裁』のスタートです!」
影像が動き出し、木々の隙間を抜け出て見通しの良い広場のようなところに躍り出る。
そこにいたのは・・・
「「「 え っ ? 」」」
レウスを含め、部屋にいる全員が間抜けな声を上げた。
影像にはシュウ達の姿はどこにもなく、雌馬と交尾をしているホワイトキングだけだったからだ。
ジャッカルの言葉に「それは誰でも知っている」と、その場にいた誰もが一斉に頷いた。
「あの白馬はフローラが外遊中に見つけたものだとされていますが、あれはただの馬ではありません。我々が考えるに、恐らくは突然変異したユニコーンなのです」
「ユニコーンだと?」
そこは初耳だったのか、ルドルフも含めて聞いていた面々が驚愕の表情を浮かべる。
「聖神教会で伝説上の生き物とされていますが、古来より様々な文献であれらの存在は確認されております。そこから照らし合わせるに、我々はあれをユニコーンと考えています」
「なんてことだ・・・」
皆呆然とする中、ルドルフだけが目を輝かせ興奮気味に叫ぶ。
「やはりそうか!私も騒ぎを聞いて慌てて直接見に行ったが、あれだけの機動力、威圧感、力強さはただの馬では説明が出来ないものだ。ユニコーンと言われれば納得がいく!歴代最高レベルの聖女であるフローラなら、ユニコーンくらいの隠し玉は持っていておかしくはないだろう」
「聖女とはいえいくら何でも隠し玉強烈すぎね?」とルドルフ以外の面々は顔を見合わせるが、それでも実際に常識なら突破不可能の包囲網を突破してみせたのだから、ユニコーンかそれに近い存在なのは間違いないだろうと最後には納得した。
「我々はあれをユニコーンであると推測しました。ユニコーンは聖なる生き物。その肉体からは隠しきれないほどの魔力が溢れているのです。その量は膨大故、どこまで遠くへ行ってもある程度の残滓があるのです」
「まさか・・・」
「我々はユニコーンの残滓と思われるものをかぎ取り、そして追跡しました。彼らは隣国ガリングの僻地に今おります」
「なんだって!」
「彼らがもっとも頼りにしている機動力であるホワイトキングが、まさか自分らの居場所を指し示してしまう皮肉になるとは、全く思ってもみなかったことでしょう」
ジャッカルの話を聞いていたルドルフ達は絶句する。
魔力の残滓は人間でも多少はあるし、それがユニコーンという規格外の生き物であればなお多量に検出されるだろうが、国外まで逃げて行ったモノのそれを検知して追跡するなど、とても人間業ではないと思ったからだ。
「私は追跡を専門としている部隊の長をしております故、この程度のことは苦でもありませぬ。まぁ、彼らがホワイトキングに乗っていなければ、行方を掴むのにもう少し骨が折れていたかもしれませんが」
「おぉ・・・」
流石は『光と影』のエージェントだ。と皆が納得する。
「そして今、私の配下が既にホワイトキングの近くに待機しております。その場にはシュウとフローラもいることでしょう。今更皆さまは彼らの処刑を影像にてご覧いただけます」
ジャッカルがそう言うと、彼以外に数人ローブを纏った人間が現れ、何やら魔道具を持ってきて準備を始めた。
それはどこか別の場所で撮影された影像を映し出すための魔道具であった。
非常に効果な魔法の術符がふんだんに使われており、そのコストたるや数分の影像を映し出すだけで帝都に庭付きの屋敷を立てられるほどの金額になるという。
今回、レウスはルドルフ達婚約者候補だった者達の溜飲を下げるために、決して安くない金を捻出してこのイベントを決行する決断を下した。
レウスの私費だけでは足りないので、教会の金もいくらか手を付けてしまっている。そうまでしてもここでフローラの婚約者候補であったVIP達を宥めておかないと、いよいよレウスも生きるか死ぬかのところまで追い詰められてしまうので仕方が無かった。
これから大変だろうが、それでもひとまずここさえ乗り気ってしまえば・・・と、ジャッカルに対して期待の目を向ける。
ジャッカルはレウスの視線に気付き、僅かに頷くと芝居がかった態度で高らかに宣言をした。
「では、これより世紀の影像をご覧いただきます!」
ジャッカルの言葉に、皆がハッとして息を飲む。
地位も財産もある連中であるが、実際に影像魔道具を目の当たりにする経験の無い者もいた。
「おおおお!」
影像が部屋に映し出されると、皆がどよめいた。
突然にして部屋に森林が広がったように見えたからだ。
これにはこの集まりを企画したレウスでさえ驚いた。彼も影像魔法は初めてだからだ。
「部下からはガリング僻地の村近くにある森林に現在いるとの報告を受けております。何をやっているかはわかりませんが、今彼らはその森林に潜んでいるようです」
ジャッカルの実況を聞いて、ルドルフは鼻息を荒くする。
「その様子だと、まだフローラ達にはこちらのことは気付かれていない・・・接触していないということだな?」
「はい。彼らの前に部下が姿を現し、驚く顔を見せ、絶望に表情を歪め、そして最後に死に顔を晒す・・・その全てを順を追ってご覧いただこうと思って段取りした次第です」
「ふふ、そうか」
ジャッカルの返答を聞いて、ルドルフは満足げに頷いた。
ルドルフは変態であるが、彼が満足するプランを立案したジャッカルもそこそこにサディストである。
影像が動き出し、森の中を進んでいき、そしてピタリと足を止めた。
「ホワイトキングの気配のすぐ近くまで来たようです。『制裁』をこれから決行しますが、皆様心の準備はよろしいですか?」
シュウ達の処刑が始まる--
影像を送っているのはジャッカルの部下達だが、これから影像を撮りつつシュウ達を始末するらしい。
集まったVIP達も早々に見ることの敵わないショーを目前にしてやや緊張気味に影像に釘付けになる。
「それでは・・・『制裁』のスタートです!」
影像が動き出し、木々の隙間を抜け出て見通しの良い広場のようなところに躍り出る。
そこにいたのは・・・
「「「 え っ ? 」」」
レウスを含め、部屋にいる全員が間抜けな声を上げた。
影像にはシュウ達の姿はどこにもなく、雌馬と交尾をしているホワイトキングだけだったからだ。
10
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。
蛇崩 通
ファンタジー
ネットオークションに、異世界転移魔方陣が出品されていた。
三千円で。
二枚入り。
手製のガイドブック『異世界の歩き方』付き。
ガイドブックには、異世界会話集も収録。
出品商品の説明文には、「魔力が充分にあれば、異世界に行けます」とあった。
おもしろそうなので、買ってみた。
使ってみた。
帰れなくなった。日本に。
魔力切れのようだ。
しかたがないので、異世界で魔法の勉強をすることにした。
それなのに……
気がついたら、魔王軍と戦うことに。
はたして、日本に無事戻れるのか?
<第1章の主な内容>
王立魔法学園南校で授業を受けていたら、クラスまるごと徴兵されてしまった。
魔王軍が、王都まで迫ったからだ。
同じクラスは、女生徒ばかり。
毒薔薇姫、毒蛇姫、サソリ姫など、毒はあるけど魔法はからっきしの美少女ばかり。
ベテラン騎士も兵士たちも、あっという間にアース・ドラゴンに喰われてしまった。
しかたがない。ぼくが戦うか。
<第2章の主な内容>
救援要請が来た。南城壁を守る氷姫から。彼女は、王立魔法学園北校が誇る三大魔法剣姫の一人。氷結魔法剣を持つ魔法姫騎士だ。
さっそく救援に行くと、氷姫たち守備隊は、アース・ドラゴンの大軍に包囲され、絶体絶命の窮地だった。
どう救出する?
<第3章の主な内容>
南城壁第十六砦の屋上では、三大魔法剣姫が、そろい踏みをしていた。氷結魔法剣の使い手、氷姫。火炎魔法剣の炎姫。それに、雷鳴魔法剣の雷姫だ。
そこへ、魔王の娘にして、王都侵攻魔王軍の総司令官、炎龍王女がやって来た。三名の女魔族を率いて。交渉のためだ。だが、炎龍王女の要求内容は、常軌を逸していた。
交渉は、すぐに決裂。三大魔法剣姫と魔王の娘との激しいバトルが勃発する。
驚異的な再生能力を誇る女魔族たちに、三大魔法剣姫は苦戦するが……
<第4章の主な内容>
リリーシア王女が、魔王軍に拉致された。
明日の夜明けまでに王女を奪還しなければ、王都平民区の十万人の命が失われる。
なぜなら、兵力の減少に苦しむ王国騎士団は、王都外壁の放棄と、内壁への撤退を主張していた。それを拒否し、外壁での徹底抗戦を主張していたのが、臨時副司令官のリリーシア王女だったからだ。
三大魔法剣姫とトッキロたちは、王女を救出するため、深夜、魔王軍の野営陣地に侵入するが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる