102 / 506
追跡者達 ルドルフ
しおりを挟む
「初めまして。ワタクシはギルド『光と影』に属しておりますジャッカルと申します。ワタクシどもの業務上、顔を見られるわけには参りませんので、本日はこのような恰好のままで失礼します」
ローブを纏った『光と影』のエージェント「ジャッカル」と名乗った男は、恭しく礼をしてから前に出る。
「ジャッカルと言ったか。元聖女達への制裁のリアルタイムの影像を見せてくれるとのことだが、本当に彼らを捕捉しているのかい?教会騎士も依頼を受けた冒険者も、誰一人彼らの行方は掴めていないのであろう?」
来客の一人・・・この帝国ドレークの皇族である第4皇子ルドルフがジャッカルに訊ねた。
長身で端麗な容姿。細い銀縁眼鏡がトレードマークであり、理知的な顔つきをしている彼は、帝国でも高名な魔術師として知られていた。
生まれ持っての才能だけでなく、魔術に対しての探求心も並々ならぬものがあり、魔術師としての腕前は生半可な冒険者よりずっと高い。
容姿と魔術師としての実績、そして人当たりの良い性格もあって国民からの人気は高いが、この場に集まるだけあって歪んだ心の持ち主である。
ルドルフは皇族だけあって、直接的な地位ではこの場にいる誰よりも高い。故にジャッカルの話を遮って話を振ったところで、誰も彼を咎めることはなかった。
ちなみにルドルフはこの悪趣味な催し物があるこの場にはお忍びという形で来ているため、教会の内外には変装した彼の護衛がそこかしこに存在する。
「元聖女が帝都を脱したと聞いたとき、私も自分の抱えている優秀な影を使い直ちに彼らの行方を追わせた。だが、あの狂暴な白馬の瞬足にはまるで追い付かず、すぐに行方を眩ませてしまったのだ。そんな彼らをどう追ったというのだ」
ルドルフはフローラに対してこの集まりの中でも特別強く執着していた一人である。レウスが手を回す前から自分の持てる権限を使い、独自にフローラの行方を追っていたほどであった。
しかし、ホワイトキングの快足によりルドルフの手にある諜報員ですら逃げ切られてしまったと知るや否や、彼は荒れに荒れて部屋中の調度品に八つ当たりし、悔しさのあまり涙すら浮かべていた。
ルドルフは今年18歳になるが、歴代最高の才能を持つと言われる聖女であるフローラとの縁談は、第四皇子という皇位継承権争いにおいて不利な状況をひっくり返す起死回生の一手であった。
美人で慈悲に溢れ、聖女としての力も申し分ないフローラが伴侶となれば、民意が後押しして一気に皇太子への道が近づくだろう・・・そう考えおり、実際レウスもルドルフの立太子も現実的だと判断をし、内内的にフローラとの縁談も決まる直前まで来ていたのだ。
それ故にルドルフの怒りは並々ならぬものがあった。
どうにかして地獄を見せてやりたい、後悔と苦痛に歪むフローラの顔を見たい、そう思っていたところに、レウスがフローラ達に制裁する場を影像にして鑑賞できる場を用意すると言ってきたのだ。
「一体どう追ったというのだ?どうか教えてくれ」
ルドルフは待ち望んでいたフローラが制裁されるという場面を、より最高の気分で味わうためにジャッカルに細かい説明を求めた。
目は血走り、はぁはぁと息を切らして舌なめずりまでしている。
ルドルフは憎きフローラを追い詰める過程を聞き、想像を働かせ存分に気分を高めてからメインディッシュに取り掛かりたいと考えていた。
この場にいる人間は、誰もが少なからず残虐な面があり歪んでいるが、ルドルフは間違いなくこの中でも格別の・・・変態であった。
(表の顔とは裏腹にかなりのサディストだな・・・)
この場に介した一同が、半ば呆れてルドルフに対して同じことを考えていた。
彼が皇位継承権一位ではなくて良かったかもしれないと。
「なるほど・・・そこが気になるお方もおりますか。企業秘密・・・と言いたいところですが、今日は特別にお教えしましょう」
ジャッカルはルドルフに迫られながらも、怖気づくことなく陽気な声でそう答えた。
「そうだ。私に教えてくれ!私に屈辱を味わわせたフローラをどのように追い詰めたのかを。そして見せてくれ!最高のフィナーレを!!」
帝国ドレーク第四皇子ルドルフ。
執念深いサディストにして、今度シュウ達の追跡者の一人となる変態である。
ローブを纏った『光と影』のエージェント「ジャッカル」と名乗った男は、恭しく礼をしてから前に出る。
「ジャッカルと言ったか。元聖女達への制裁のリアルタイムの影像を見せてくれるとのことだが、本当に彼らを捕捉しているのかい?教会騎士も依頼を受けた冒険者も、誰一人彼らの行方は掴めていないのであろう?」
来客の一人・・・この帝国ドレークの皇族である第4皇子ルドルフがジャッカルに訊ねた。
長身で端麗な容姿。細い銀縁眼鏡がトレードマークであり、理知的な顔つきをしている彼は、帝国でも高名な魔術師として知られていた。
生まれ持っての才能だけでなく、魔術に対しての探求心も並々ならぬものがあり、魔術師としての腕前は生半可な冒険者よりずっと高い。
容姿と魔術師としての実績、そして人当たりの良い性格もあって国民からの人気は高いが、この場に集まるだけあって歪んだ心の持ち主である。
ルドルフは皇族だけあって、直接的な地位ではこの場にいる誰よりも高い。故にジャッカルの話を遮って話を振ったところで、誰も彼を咎めることはなかった。
ちなみにルドルフはこの悪趣味な催し物があるこの場にはお忍びという形で来ているため、教会の内外には変装した彼の護衛がそこかしこに存在する。
「元聖女が帝都を脱したと聞いたとき、私も自分の抱えている優秀な影を使い直ちに彼らの行方を追わせた。だが、あの狂暴な白馬の瞬足にはまるで追い付かず、すぐに行方を眩ませてしまったのだ。そんな彼らをどう追ったというのだ」
ルドルフはフローラに対してこの集まりの中でも特別強く執着していた一人である。レウスが手を回す前から自分の持てる権限を使い、独自にフローラの行方を追っていたほどであった。
しかし、ホワイトキングの快足によりルドルフの手にある諜報員ですら逃げ切られてしまったと知るや否や、彼は荒れに荒れて部屋中の調度品に八つ当たりし、悔しさのあまり涙すら浮かべていた。
ルドルフは今年18歳になるが、歴代最高の才能を持つと言われる聖女であるフローラとの縁談は、第四皇子という皇位継承権争いにおいて不利な状況をひっくり返す起死回生の一手であった。
美人で慈悲に溢れ、聖女としての力も申し分ないフローラが伴侶となれば、民意が後押しして一気に皇太子への道が近づくだろう・・・そう考えおり、実際レウスもルドルフの立太子も現実的だと判断をし、内内的にフローラとの縁談も決まる直前まで来ていたのだ。
それ故にルドルフの怒りは並々ならぬものがあった。
どうにかして地獄を見せてやりたい、後悔と苦痛に歪むフローラの顔を見たい、そう思っていたところに、レウスがフローラ達に制裁する場を影像にして鑑賞できる場を用意すると言ってきたのだ。
「一体どう追ったというのだ?どうか教えてくれ」
ルドルフは待ち望んでいたフローラが制裁されるという場面を、より最高の気分で味わうためにジャッカルに細かい説明を求めた。
目は血走り、はぁはぁと息を切らして舌なめずりまでしている。
ルドルフは憎きフローラを追い詰める過程を聞き、想像を働かせ存分に気分を高めてからメインディッシュに取り掛かりたいと考えていた。
この場にいる人間は、誰もが少なからず残虐な面があり歪んでいるが、ルドルフは間違いなくこの中でも格別の・・・変態であった。
(表の顔とは裏腹にかなりのサディストだな・・・)
この場に介した一同が、半ば呆れてルドルフに対して同じことを考えていた。
彼が皇位継承権一位ではなくて良かったかもしれないと。
「なるほど・・・そこが気になるお方もおりますか。企業秘密・・・と言いたいところですが、今日は特別にお教えしましょう」
ジャッカルはルドルフに迫られながらも、怖気づくことなく陽気な声でそう答えた。
「そうだ。私に教えてくれ!私に屈辱を味わわせたフローラをどのように追い詰めたのかを。そして見せてくれ!最高のフィナーレを!!」
帝国ドレーク第四皇子ルドルフ。
執念深いサディストにして、今度シュウ達の追跡者の一人となる変態である。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる