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ルドルフの狂愛
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シュウの休みなく打ち込まれる連続攻撃により、ルドルフは視界を奪われ、立っているのもやっとの思いである。
そして彼の味方である侍従は、フローラを人質に取るはずが返り討ちに遭い、今は逆に拘束魔法《バインド》で動けなくされている。
疑いようのないほどにシュウ達の勝利。
そのはずだった。
「----・・・」
ぼそりと、ルドルフが何かを呟いたのをシュウは聞いた気がした。
「ッッ!!」
次の瞬間、シュウが取った行動は「聞き耳を立てる」ではなく「退避する」であった。
それは予感。
危険に敏感になる・・・トールのそんな話を聞いたからだろうか、深く考えずともシュウの体が勝手に動いていたのだ。
そしてそれが結果としてシュウの身を守ることに繋がった。
「舐めるなぁぁぁぁぁ!!」
ドォォォォォォォォン
ルドルフが叫んだ直後、突如として彼の居た場所が爆発した。
シュウが身を離すのがあと僅かでも遅かったなら、巻き込まれて大惨事になっていた。
「~~~っ!」
シュウもフローラも唖然とする。
侍従に至っては茫然自失して、抵抗することすら忘れているほどだ。
ゴォォォォ・・・
爆発が起きたところでは、今でも炎が巻き起こり周辺を焼いている。
爆発の中心にいたルドルフが、今どうなっているかは想像に難しくない。
「どうして・・・」
フローラが呟く。
今起きた爆発は、これまでにルドルフが使っていた魔法のそれと同じに見えた。
つまり、あの爆発はルドルフによって起こされたものだと考えられる。
ルドルフは自分で自分を吹き飛ばすような位置で爆発魔法を使ったのだ。シュウを巻き込むつもりだったのかもしれないが、それにしたって明らかな自殺行為だ。
シュウは一体何が起きたのか理解できないでいたが・・・
「いや・・・」
シュウは燃え盛る炎の中から、一つの影を見つけて一つのことに気が付いた。
「やれやれ、面倒なことですね。正気じゃない人間を相手にするのは」
シュウが見たもの・・・それは、炎の中から歩いてくるルドルフの姿だった。
服はボロボロで、肌は焼けただれ、見るも無残なゾンビのような状態だ。
だが、先ほどまでと違い、目が再生されていた。
「視界が効かずに照準がつけられないからと、自分周辺に爆発魔法を放っての自爆。私を遠ざけた後は、回復魔法で優先的に自分の目を回復・・・ですか」
回復魔法に通じているシュウは、ルドルフが爆発魔法で負った傷をそこそこに、とり急ぎ目の回復だけ行ったことを見抜いた。
視界はいち早く戻るかもしれないが、爆発魔法で自分の体は傷つき、炎に焼かれる苦痛を味わうことになることになる。
「回復魔法も使うことが出来ることはもちろんですが・・・しかし、それ以上に狂っているのが驚きですね」
シュウはそう言い、腰を落として戦闘態勢を取る。
回復魔法を使う以上、時間をかければシュウが不意打ちで稼いだアドバンテージはなくなっていく。だからすぐにでも勝負を決めなければならないが、自爆を厭わない相手に対してどのように斬りこんでいくか・・・シュウは考えを巡らせていた。
何しろ不用意に突っ込んだら再び自爆する可能性がある。自爆は視界を奪っても防げない。回復魔法に自信があれば、何度だってそれをやるだろう。
「・・・どうした?来ないのか??」
ルドルフは挑発するような笑みを浮かべて言った。
シュウは予感した。間違いなく、今のルドルフは自爆することに躊躇いがないと。
ヤバい、本物のキチガ〇だ・・・
シュウは冷や汗を浮かべるが、そんなシュウを見てルドルフは見透かしたように笑う。
「どうした?お前はフローラのために体を張ることもできないか?俺は張れるぞ。それだけフローラのことを愛しているからな」
そして彼の味方である侍従は、フローラを人質に取るはずが返り討ちに遭い、今は逆に拘束魔法《バインド》で動けなくされている。
疑いようのないほどにシュウ達の勝利。
そのはずだった。
「----・・・」
ぼそりと、ルドルフが何かを呟いたのをシュウは聞いた気がした。
「ッッ!!」
次の瞬間、シュウが取った行動は「聞き耳を立てる」ではなく「退避する」であった。
それは予感。
危険に敏感になる・・・トールのそんな話を聞いたからだろうか、深く考えずともシュウの体が勝手に動いていたのだ。
そしてそれが結果としてシュウの身を守ることに繋がった。
「舐めるなぁぁぁぁぁ!!」
ドォォォォォォォォン
ルドルフが叫んだ直後、突如として彼の居た場所が爆発した。
シュウが身を離すのがあと僅かでも遅かったなら、巻き込まれて大惨事になっていた。
「~~~っ!」
シュウもフローラも唖然とする。
侍従に至っては茫然自失して、抵抗することすら忘れているほどだ。
ゴォォォォ・・・
爆発が起きたところでは、今でも炎が巻き起こり周辺を焼いている。
爆発の中心にいたルドルフが、今どうなっているかは想像に難しくない。
「どうして・・・」
フローラが呟く。
今起きた爆発は、これまでにルドルフが使っていた魔法のそれと同じに見えた。
つまり、あの爆発はルドルフによって起こされたものだと考えられる。
ルドルフは自分で自分を吹き飛ばすような位置で爆発魔法を使ったのだ。シュウを巻き込むつもりだったのかもしれないが、それにしたって明らかな自殺行為だ。
シュウは一体何が起きたのか理解できないでいたが・・・
「いや・・・」
シュウは燃え盛る炎の中から、一つの影を見つけて一つのことに気が付いた。
「やれやれ、面倒なことですね。正気じゃない人間を相手にするのは」
シュウが見たもの・・・それは、炎の中から歩いてくるルドルフの姿だった。
服はボロボロで、肌は焼けただれ、見るも無残なゾンビのような状態だ。
だが、先ほどまでと違い、目が再生されていた。
「視界が効かずに照準がつけられないからと、自分周辺に爆発魔法を放っての自爆。私を遠ざけた後は、回復魔法で優先的に自分の目を回復・・・ですか」
回復魔法に通じているシュウは、ルドルフが爆発魔法で負った傷をそこそこに、とり急ぎ目の回復だけ行ったことを見抜いた。
視界はいち早く戻るかもしれないが、爆発魔法で自分の体は傷つき、炎に焼かれる苦痛を味わうことになることになる。
「回復魔法も使うことが出来ることはもちろんですが・・・しかし、それ以上に狂っているのが驚きですね」
シュウはそう言い、腰を落として戦闘態勢を取る。
回復魔法を使う以上、時間をかければシュウが不意打ちで稼いだアドバンテージはなくなっていく。だからすぐにでも勝負を決めなければならないが、自爆を厭わない相手に対してどのように斬りこんでいくか・・・シュウは考えを巡らせていた。
何しろ不用意に突っ込んだら再び自爆する可能性がある。自爆は視界を奪っても防げない。回復魔法に自信があれば、何度だってそれをやるだろう。
「・・・どうした?来ないのか??」
ルドルフは挑発するような笑みを浮かべて言った。
シュウは予感した。間違いなく、今のルドルフは自爆することに躊躇いがないと。
ヤバい、本物のキチガ〇だ・・・
シュウは冷や汗を浮かべるが、そんなシュウを見てルドルフは見透かしたように笑う。
「どうした?お前はフローラのために体を張ることもできないか?俺は張れるぞ。それだけフローラのことを愛しているからな」
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