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狂愛の果てに その2
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ルドルフがフローラと向き合っているその瞬間、シュウは即座に距離を詰めだした。
いよいよヤバい。頭のネジがどこかへ吹っ飛んでいる。
ルドルフの様子から次はフローラと無理心中しだしてもおかしくはないと判断したシュウは、危険を顧みずにルドルフに突撃する。
「やっぱそう来るよなぁ」
が、シュウのその行動を読んでいたかのように、ルドルフはくるりとシュウに対して体を向ける。
ルドルフの体はズタボロ。腕を上げることさえ激痛を伴うような状態だが、それでも目は利く。目さえ健在で、相手を視界に収めることが出来るのであれば、ルドルフの爆撃魔法の照準がつけられた。
「死ね」
ルドルフはシュウに対してすぐには魔法で片を付けようとはしなかった。
自分が愛するフローラが認めた男が、果たしてどのような男なのかと見極めるのと、ちょっとした余裕をかましていたというのがあったからだ。
だが、もうルドルフはシュウという男については十分理解した。
ちょっとの油断も見せられぬほど強かで、敵に対して躊躇うことなく攻撃を加えられ、効率良く破壊できるだけの思い切りの良さも持つ。
ただの神官ではない。獰猛な野獣のような男だと、ルドルフはシュウの危険性について正しく身をもって理解していた。
だからもう殺す。
シュウを殺し、今度こそフローラを自分の物にする。
目のまえで最愛の人であるシュウを殺せば、フローラは大きく傷つくだろう。心が破壊され、口もきけなくなるかもしれない。
だが、ルドルフはそんなフローラを見たくて仕方がなかった。
かつてのように、理不尽に襲い掛かる苦痛に耐えるフローラも良いが、耐えきれず精神を崩壊させるフローラも見てみたかった。
愛する人が苦しめば苦しむほどルドルフの心は満たされる。歪んだ愛情をルドルフは持っていた。
シュウを視認し、照準をつけられた爆発魔法は、シュウの目のまえで発動する。
起きた爆発によってシュウの体は爆発四散し、それを目にしたフローラの心もまた同じように砕け散る。
それを想像して、ルドルフは口元を緩めた。
だが、ルドルフが思っていた通りのことは起きなかった。
「なっ!?」
爆発魔法が発動する寸前、シュウが腕を上段に構えだしたのが見えた。
一体何をする気だ?と気になった。
確かにシュウは距離を詰めているが、まだ彼の攻撃の間合いには入っていない。何をしてもルドルフに攻撃が届くはずもない距離だった。
だからシュウが何をしているのか、ルドルフには理解が出来なかった。
が、次の瞬間にはさらにルドルフの理解を超える行動にシュウは出る。
「しぃっ!!」
シュウの目のまえで発動した爆発魔法が、シュウの上段からの手刀の振り下ろしにより、なんと真っ二つに割れてしまい、発動することなく魔法が霧散してしまったのだ。
「んなっ!?」
ルドルフはあり得ないものを見たと目を見張った。
魔法を素手でぶった切るなど、そんなことが起きるなど思ってもみなかったからだ。無理もない。ほんの少し前まで、これをやったシュウ本人ですら出来るとは思っていなかったのだから。
だが、ドラゴンの炎を切り裂いたことのあるシュウからすれば、人ひとりが爆ぜる程度の爆発魔法など、一度コツを掴んでしまえば無効化することはたやすかった。
「ぶっ!?」
唖然とするルドルフの顔面に、シュウの正拳がめりこんだ。
いよいよヤバい。頭のネジがどこかへ吹っ飛んでいる。
ルドルフの様子から次はフローラと無理心中しだしてもおかしくはないと判断したシュウは、危険を顧みずにルドルフに突撃する。
「やっぱそう来るよなぁ」
が、シュウのその行動を読んでいたかのように、ルドルフはくるりとシュウに対して体を向ける。
ルドルフの体はズタボロ。腕を上げることさえ激痛を伴うような状態だが、それでも目は利く。目さえ健在で、相手を視界に収めることが出来るのであれば、ルドルフの爆撃魔法の照準がつけられた。
「死ね」
ルドルフはシュウに対してすぐには魔法で片を付けようとはしなかった。
自分が愛するフローラが認めた男が、果たしてどのような男なのかと見極めるのと、ちょっとした余裕をかましていたというのがあったからだ。
だが、もうルドルフはシュウという男については十分理解した。
ちょっとの油断も見せられぬほど強かで、敵に対して躊躇うことなく攻撃を加えられ、効率良く破壊できるだけの思い切りの良さも持つ。
ただの神官ではない。獰猛な野獣のような男だと、ルドルフはシュウの危険性について正しく身をもって理解していた。
だからもう殺す。
シュウを殺し、今度こそフローラを自分の物にする。
目のまえで最愛の人であるシュウを殺せば、フローラは大きく傷つくだろう。心が破壊され、口もきけなくなるかもしれない。
だが、ルドルフはそんなフローラを見たくて仕方がなかった。
かつてのように、理不尽に襲い掛かる苦痛に耐えるフローラも良いが、耐えきれず精神を崩壊させるフローラも見てみたかった。
愛する人が苦しめば苦しむほどルドルフの心は満たされる。歪んだ愛情をルドルフは持っていた。
シュウを視認し、照準をつけられた爆発魔法は、シュウの目のまえで発動する。
起きた爆発によってシュウの体は爆発四散し、それを目にしたフローラの心もまた同じように砕け散る。
それを想像して、ルドルフは口元を緩めた。
だが、ルドルフが思っていた通りのことは起きなかった。
「なっ!?」
爆発魔法が発動する寸前、シュウが腕を上段に構えだしたのが見えた。
一体何をする気だ?と気になった。
確かにシュウは距離を詰めているが、まだ彼の攻撃の間合いには入っていない。何をしてもルドルフに攻撃が届くはずもない距離だった。
だからシュウが何をしているのか、ルドルフには理解が出来なかった。
が、次の瞬間にはさらにルドルフの理解を超える行動にシュウは出る。
「しぃっ!!」
シュウの目のまえで発動した爆発魔法が、シュウの上段からの手刀の振り下ろしにより、なんと真っ二つに割れてしまい、発動することなく魔法が霧散してしまったのだ。
「んなっ!?」
ルドルフはあり得ないものを見たと目を見張った。
魔法を素手でぶった切るなど、そんなことが起きるなど思ってもみなかったからだ。無理もない。ほんの少し前まで、これをやったシュウ本人ですら出来るとは思っていなかったのだから。
だが、ドラゴンの炎を切り裂いたことのあるシュウからすれば、人ひとりが爆ぜる程度の爆発魔法など、一度コツを掴んでしまえば無効化することはたやすかった。
「ぶっ!?」
唖然とするルドルフの顔面に、シュウの正拳がめりこんだ。
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