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狂愛の果てに
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「フローラァァァァ!!」
ルドルフはフローラを見ながら、突如叫び出した。
「ヒッ」と小さく悲鳴を上げるフローラ。
ズタボロになりながらも、自分の名を叫んで見つめてくる者がいたら誰でも怖いだろう。
ルドルフはフローラから拒絶の態度を取られても、笑みを浮かべながら語り掛ける。
「フローラ。臣下が勝手にやったことだとはいえ、危険な目に遭わせたことは本当に申し訳なかった」
ルドルフはそう言い、頭を下げる。
侍従がフローラを人質に取ったことを言っているのだろうが、第四皇子ともあろう身分でありながら、随分とあっさりと臣下の非礼を謝罪することに、シュウは唖然とした。
が、唖然としたのはそこだけではない。
ルドルフは回復魔法で目だけは治したが、全身はシュウの打撃のダメージのみならず、自身が放った自爆魔法でボロボロだ。
かろうじて動けるくらいには治しているようだが、それでも万全とは言い難いし立っているだけでやっとの状態に見える。
そんな状態でも、まずフローラに対して非礼の謝罪をするルドルフに、シュウは形はどうあれ真にフローラのことを想っているのだなと感じた。
度合いはどうあれ、気持ちが本物であるのなら、もしかしたら思ったより話が通じるのでは?そんなことをふと思いついた。
だが、次にルドルフが見せたのは、シュウのそんな思いをあっさりと裏切るものだった。
「私のためとはいえ、フローラを人質に取り危険に晒したのだ。どうかこれで許してほしい」
ボンッ
ルドルフがフローラのバインドに拘束されている侍従に手をかざすと、侍従の頭が一瞬にして爆発。首から上が無くなってしまった。
「ひぃぃぃっ!?」
自身の拘束魔法で動けなくしていた侍従が、一瞬にして頭を爆ぜさせて絶命したことでフローラは悲鳴を上げる。一瞬、自分の魔法を加減を何かしら間違えて事故が起きてしまったのかと勘違いしてしまったからだ。
「フローラを危険に晒すなど実に愚かだ。良く尽くしてくれていたが、こうまで愚かだとわかればもう必要ない」
ルドルフは自分に尽くしてくれた侍従を自ら葬ったというのに、微塵も憐憫さも後悔も感じられぬ態度だった。
『ゴブリン』の時と同じく、ただ自分の意に沿わぬ者が死んだ・・・ルドルフの中にあるのはそれだけだ。
「フローラを傷つけて良い人間は、私が許した人間だけだ」
サラリと言ってのけたセリフに、フローラの背筋がゾワリとする。
気持ち悪い。こいつを早く黙らせたい。
そんなフローラの気持ちが先行してか、いつの間にか無意識のうちに拘束魔法《バインド》を今度はルドルフに向けて放っていた。
ドォォォォン
が、ルドルフの拘束しようした瞬間、ルドルフは自分を巻き込むほどの大爆発を再び起こさせた。一度ならず、二度までも本当に自爆してのけたのだ。
爆発の威力で拘束魔法は不発に終わったが、ルドルフにはまたも少なくないダメージがいくことになる。拘束魔法を逃れるためとはいえ、完全に正気の沙汰ではなかった。
「きゃっ!?」
至近距離で起きた爆発に、フローラも吹き飛ばされ地面を転がる。
体中を火傷させながらも、笑みを深めながらルドルフはフローラに迫る。
「君を傷つけて良い人間は、私だけだ。さぁ、私と一緒に行こう」
近づいてくるルドルフに、フローラは見た目の悍ましさも相まってすっかり恐怖で体が縮んでしまい、逃げ出すことも出来なかった。
ルドルフはフローラを見ながら、突如叫び出した。
「ヒッ」と小さく悲鳴を上げるフローラ。
ズタボロになりながらも、自分の名を叫んで見つめてくる者がいたら誰でも怖いだろう。
ルドルフはフローラから拒絶の態度を取られても、笑みを浮かべながら語り掛ける。
「フローラ。臣下が勝手にやったことだとはいえ、危険な目に遭わせたことは本当に申し訳なかった」
ルドルフはそう言い、頭を下げる。
侍従がフローラを人質に取ったことを言っているのだろうが、第四皇子ともあろう身分でありながら、随分とあっさりと臣下の非礼を謝罪することに、シュウは唖然とした。
が、唖然としたのはそこだけではない。
ルドルフは回復魔法で目だけは治したが、全身はシュウの打撃のダメージのみならず、自身が放った自爆魔法でボロボロだ。
かろうじて動けるくらいには治しているようだが、それでも万全とは言い難いし立っているだけでやっとの状態に見える。
そんな状態でも、まずフローラに対して非礼の謝罪をするルドルフに、シュウは形はどうあれ真にフローラのことを想っているのだなと感じた。
度合いはどうあれ、気持ちが本物であるのなら、もしかしたら思ったより話が通じるのでは?そんなことをふと思いついた。
だが、次にルドルフが見せたのは、シュウのそんな思いをあっさりと裏切るものだった。
「私のためとはいえ、フローラを人質に取り危険に晒したのだ。どうかこれで許してほしい」
ボンッ
ルドルフがフローラのバインドに拘束されている侍従に手をかざすと、侍従の頭が一瞬にして爆発。首から上が無くなってしまった。
「ひぃぃぃっ!?」
自身の拘束魔法で動けなくしていた侍従が、一瞬にして頭を爆ぜさせて絶命したことでフローラは悲鳴を上げる。一瞬、自分の魔法を加減を何かしら間違えて事故が起きてしまったのかと勘違いしてしまったからだ。
「フローラを危険に晒すなど実に愚かだ。良く尽くしてくれていたが、こうまで愚かだとわかればもう必要ない」
ルドルフは自分に尽くしてくれた侍従を自ら葬ったというのに、微塵も憐憫さも後悔も感じられぬ態度だった。
『ゴブリン』の時と同じく、ただ自分の意に沿わぬ者が死んだ・・・ルドルフの中にあるのはそれだけだ。
「フローラを傷つけて良い人間は、私が許した人間だけだ」
サラリと言ってのけたセリフに、フローラの背筋がゾワリとする。
気持ち悪い。こいつを早く黙らせたい。
そんなフローラの気持ちが先行してか、いつの間にか無意識のうちに拘束魔法《バインド》を今度はルドルフに向けて放っていた。
ドォォォォン
が、ルドルフの拘束しようした瞬間、ルドルフは自分を巻き込むほどの大爆発を再び起こさせた。一度ならず、二度までも本当に自爆してのけたのだ。
爆発の威力で拘束魔法は不発に終わったが、ルドルフにはまたも少なくないダメージがいくことになる。拘束魔法を逃れるためとはいえ、完全に正気の沙汰ではなかった。
「きゃっ!?」
至近距離で起きた爆発に、フローラも吹き飛ばされ地面を転がる。
体中を火傷させながらも、笑みを深めながらルドルフはフローラに迫る。
「君を傷つけて良い人間は、私だけだ。さぁ、私と一緒に行こう」
近づいてくるルドルフに、フローラは見た目の悍ましさも相まってすっかり恐怖で体が縮んでしまい、逃げ出すことも出来なかった。
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