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反逆
認めたくない非常事態
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3人の騎士達は重い守秘義務を課せられながらも、サンクレアの心臓については教会上層部から聞かされていた。
曰くサンクレアの中枢に担い、これを侵害されればこの国は亡びるということ。
そして、そのサンクレアの心臓を守るために、極めて強力な防御魔法障壁が13層張られているということ。
その防御魔法障壁は封魔殿の封印に使われているものと同じように強力で、任意に解かない限りは半永久的に効果が持続するということ。
だからーー
今、彼らの目の前でその障壁が爆ぜて消えていくのを、騎士達は信じられないといった気持ちで呆然と眺めていた。
バァァァン
「障壁の不調か?」
バァァァン
「そんな話、聞いたこともない」
「実際に起きているではないか」
「不調っていうよりあれは・・・」
バァァァン
「あっ・・・俺、何か見えたような・・・」
「いや・・・私にも、人の姿がうっすら見えるような・・・」
「そんなバカな・・・ただの幻影でしょう・・・」
バァァァン
騎士達はあまりの事態に、半ば現実逃避していた。
異常事態が、脅威が、安全圏にいるはずだと思っていた自分達の目の前にいるーーー そんなことを認めたくなかったのだ。
「だ・・・誰だアイツは・・・!?」
やがて、薬の効果が切れて姿を見られるようになったカイがその姿をはっきりと現した。
「障壁を破るエネルギーが影響したのかな・・・?もう姿が見えるようになったか」
騎士達の反応で自分の姿が見えるようになったことに気付いたカイは、それでも彼らに視線を移すことなく、最後まで自分の仕事をやり遂げようとしていた。
聖剣を構え、体を捻る。
そして、力いっぱいスイングするように聖剣を振り回すーー
バァァァン
聖剣をぶつけられた障壁は、まるでガラスのように音を立て跡形もなく消滅する。
これが13ある障壁の全てが、打ち破られた瞬間であった。
「あ・・・ああ・・・」
想像だにしなかった衝撃的な出来事を前に、騎士達の反応は様々だった。
一人は颯爽と剣を抜き、カイへ立ち向かった。
一人は呆然として動けないままだった。
そして最後の一人は、状況報告のためにその場を離れるーーつまりは逃げた。
曰くサンクレアの中枢に担い、これを侵害されればこの国は亡びるということ。
そして、そのサンクレアの心臓を守るために、極めて強力な防御魔法障壁が13層張られているということ。
その防御魔法障壁は封魔殿の封印に使われているものと同じように強力で、任意に解かない限りは半永久的に効果が持続するということ。
だからーー
今、彼らの目の前でその障壁が爆ぜて消えていくのを、騎士達は信じられないといった気持ちで呆然と眺めていた。
バァァァン
「障壁の不調か?」
バァァァン
「そんな話、聞いたこともない」
「実際に起きているではないか」
「不調っていうよりあれは・・・」
バァァァン
「あっ・・・俺、何か見えたような・・・」
「いや・・・私にも、人の姿がうっすら見えるような・・・」
「そんなバカな・・・ただの幻影でしょう・・・」
バァァァン
騎士達はあまりの事態に、半ば現実逃避していた。
異常事態が、脅威が、安全圏にいるはずだと思っていた自分達の目の前にいるーーー そんなことを認めたくなかったのだ。
「だ・・・誰だアイツは・・・!?」
やがて、薬の効果が切れて姿を見られるようになったカイがその姿をはっきりと現した。
「障壁を破るエネルギーが影響したのかな・・・?もう姿が見えるようになったか」
騎士達の反応で自分の姿が見えるようになったことに気付いたカイは、それでも彼らに視線を移すことなく、最後まで自分の仕事をやり遂げようとしていた。
聖剣を構え、体を捻る。
そして、力いっぱいスイングするように聖剣を振り回すーー
バァァァン
聖剣をぶつけられた障壁は、まるでガラスのように音を立て跡形もなく消滅する。
これが13ある障壁の全てが、打ち破られた瞬間であった。
「あ・・・ああ・・・」
想像だにしなかった衝撃的な出来事を前に、騎士達の反応は様々だった。
一人は颯爽と剣を抜き、カイへ立ち向かった。
一人は呆然として動けないままだった。
そして最後の一人は、状況報告のためにその場を離れるーーつまりは逃げた。
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