聖騎士は 愛のためなら 闇に墜つ

はにわ

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反逆

趣味の悪い娯楽

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(ミカエルとの因縁も長いものだな・・・思えばからか?)


アドルはミカエルの顔を見ながら、思い返していた。
因縁の二人といってもアドルがミカエルに一方的に絡まれている構図であるが、それでもアドルにはそうされるだけの心当たりが一つだけあった。

それはアドルの最愛の妻であるカトレアの存在である。
カトレアはミカエルの幼馴染であり、元は彼が想いを寄せていた女であった。カトレアもミカエルを悪しからず思っていた・・・少なくとも、周囲にはそう見えた。


(彼女がミカエルが懸想する女か)


最初にアドルがカトレアに抱いた印象はそれだけだった。
剣士として有望株だったアドルは女に人気があったし、いつもつっかかってくるミカエルのお気に入りとあらば、別にあえて彼に睨まれてまで唾を付けるつもりもなかった。

が、ミカエルと同じ騎士団にいたこともあり、ふとしたことでアドルはカトレアと二人で話す機会があった。


(なるほど・・・)


カトレアと接し、人柄に触れたことでアドルはミカエルが彼女に懸想する理由がわからなくもないなと思った。
カトレアは下位貴族の二女だったが、似たような身分の女性はこぞって将来有望な騎士のアドルに媚びを売っていた。少なくともアドルの出会った女性はほとんどがそうだった。

だがカトレアは違った。
まだ婚約者のいないというカトレアだったが、アドルにがっつく様子もなく、自然体で接してきたのが斬新だった。元よりのんびりしている性格なのかもしれないと思ったが、アドルはそんな彼女にいつの間にか惹かれていた。

アドルにはわかった。ミカエルが必死でアドルに勝ちたがっている理由を。
それは誰よりも強い自分を見せることで、カトレアに良いところを見せたかったから。誰よりも強い自分が、堂々とカトレアに婚約を申し込みたいから。

ならば・・・


「カトレアか。あのしつこいミカエルの心でも折ってみるか?」


アドルは趣味の悪い娯楽を見つけた。
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